【クルマよりパーソナルモビリティへ転換?】ホンダUNI-CUB(ユニカブ)【ニュース・トピックス:ホンダ】
CORISM / 2012年5月15日 20時30分
ホンダ自らクルマ離れを誘発? それでも、未知の乗り物への期待は大きい!
ホンダは、人との調和を目指し、人の歩行のような全方位への自由自在な動きと、両足の間に収まるコンパクトなサイズを両立した新たなパーソナルモビリティー「UNI-CUB」(ユニカブ)を発表。
2009年に公開したパーソナルモビリティー「U3-X」をベースに進化したUNI-CUBは、ホンダ独自のバランス制御技術と全方位駆動車輪機構(Honda Omni Traction Drive System)により、身体を傾けて体重移動するだけで速度や方向の調整ができる。UNI-CUBは、前後移動に加えて真横や斜めなどさまざまな方向に動き、曲がり、止まることを可能としたことで、周囲の人の動きに対しても機敏に対応することができる。
この1輪車がバランスを取り自立する技術は、ホンダのヒューマノイドロボットで自立歩行する「ASIMO」の研究が生かされている。
また、UNI-CUBは、両足の間に収まるコンパクトなサイズを実現し、乗った際の足着き性が良く、周囲の人と目線の高さが同等となるようにしました。これにより、乗る人と周囲の人に優しいモビリティーとして、人と調和し、人が行き交う屋内空間や施設などでの移動を可能とした。
6月より、日本科学未来館と共同実証実験を開始し、施設内での活用の可能性を検証していく。さらに、国内外のさまざまな使用環境において、実用性の検証を進めていく。
このUNI-CUBのベースになったU3-Xに比べると、実用化や安全性の問題もあり随分大きくなった印象だ。本来なら、自立できるのだが恐らく後方への転倒リスクを減らすため、小さな車輪が付いた。
なぜ、自立できるかというと、人間はまったく動かずに立っているワケではなく、微妙に体を揺らしているバランスを取っているという。ヒューマノイドロボットのASIMOも、そんな原理を応用している。このUNI-CUBも同様に、わずかに揺れながらバランスを取っているのだ。また、人が乗車した時には、同様に人の微妙な動きに反応しバランスを取る。さらに、人が進みたい方向をイメージし、わずかに体が動いたことに反応し、その方向へ進みだす。
この自在な方向性を実現しているのが、全方位駆動車輪機構。この技術は、小径の車輪を一列につなぎ合わせて構成。車輪をモーターで制御して、大径車輪を移動することで前後方向へ、小径車輪を移動することで横方向へ、大径車輪と小径車輪を組み合わせることで斜め方向への移動を可能としている。
しかし、U3-Xに試乗したのが2009年末。ホンダの基礎技術研究センターから生まれたばかりの技術が、わずか1年半で、もう実証実験ができるとは・・・。ホンダの開発スピードは早い。
クルマ離れが進み、都市での生活をおくる上でクルマが必要ない時代とも言われている。そうなると、歩くよりも楽で、自転車よりも邪魔にならないU3-Xのようなモビリティは、まさに近未来の乗り物かもしれない。それを、自動車メーカーであるホンダが自ら開発しているというのも、今後の企業ドメインはクルマだけではなく、より広いモビリティへと移行する予感も秘めている。
私的な話で申し訳ないが、太り始めて健康が気になる中年男にとっては、ますます歩く距離が少なくなって、カロリーの消費が少なくなるなんて、余計な心配もちょっと頭をよぎった。それでも、経験のない乗り物への高揚感と、新鮮でわくわくした気持ちを与えてくれるUNI-CUBへの期待感は大きい。
<ホンダUNI-CUB 主要諸元>
サイズ(全長×全幅×全高) 520×345×745(mm)
シート高さ 745〜825(mm)
バッテリー形式 リチウムイオンバッテリー
最高速度 6km/h
航続距離 6km
使用環境条件 屋内バリアフリー対応空間
★先行開発モデルU3-Xの試乗記はコチラ!
■トヨタよりもコンパクト! 座って移動できる1輪車「ホンダ U3-X」に速攻試乗!!
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