【ホンダ フィット/フィット ハイブリッド新車情報】多少、燃費を捨てても勝負できる実力派【ニュース・トピックス:ホンダ】
CORISM / 2012年5月25日 10時10分
よりお買い得感のあるガソリン車、燃費&減税メリットならハイブリッドがオススメ
ホンダは主力コンパクトカーフィットをマイナーチェンジし、発売を開始した。
今回のマイナーチェンジでは、燃費向上のためアイドリングストップ機能を装着してくるかどうか、というのも期待されていたが、今回は残念ながら見送りになっている。2代目フィットは2007年にデビュー。初代フィットは約6年でフルモデルチェンジしたのに対し、2代目フィットは5年目にマイナーチェンジを行った。2代目フィットは、すでにモデル末期に入ってきた状態で、ホンダとしはアイドリングストップ機能を追加するなど大幅なモディファイにコストが割けない状態だ。
それには、それなりの事情がある。ガソリン車に関しては顧客の価格志向が強く、アイドリングストップ機能を装着させて燃費を向上させても、価格が上昇してしまうためニーズに合わないという判断だ。ただ、日産マーチの売れ筋グレードなどは、4月末にCVTなどのセッティングを見直し、燃費を0.4km/L向上させ75%減税に対応している。日産はホンダと逆の考えで、0.4km/Lというわずかな向上でもコストはかかるが、顧客は75%減税の恩恵を受け、コンパクトカー同士の競合時に、それにより、マーチが支持されれば顧客と日産、両方にメリットがあると考えた。
ホンダにとっては、フィットという強力なブランドがあるので、そこまでしなくてもという考えもあるだろう。さらに、もう少しでフルモデルチェンジだ。そのため、フィットの1.3L車は、50%減税となっている。75%と50%減税だと、価格などにより変化するが、このクラスでも2~3万円は十分に支払価格が違ってくる。当然、販売の現場では、値引き対応にならざる負えない。
また、ホンダにとってはフィットブランドを、さらに強力にしているフィットハイブリッドという車種が存在する。新しく追加された1.5RS以外は、免税なのでガソリン車との支払い時の価格差は、さらに小さくなり、予算に余裕があるならハイブリッドをどうぞ、というシナリオだ。さらに、ハイブリッド車はガソリン車に比べリセールバリューが高いのも武器。
減税のパーセンテージにこだわらなくても、シッカリと燃費向上のための進化させているのはホンダらしさでもある。1.3LでJC08モード燃費が20.6km/Lから21.0km/Lへと0.4km/L向上した。ハイブリッドは、エンジンの低フリクション化やCVTの効率向上で、26.0km/Lから26.4km/Lへと0.4km/L伸びた。
こういった地道な改良を重ねながら、さらに横滑り防止装置の標準装備グレードを大幅に増やしながら、売れ筋グレードの13Gスマート セレクションは、3万円安くなり132万円になっている。このあたりの割り切りは、さすがホンダというべきだろう。
女性が開発した女性のためのグレード「シーズ」、あえて今6MTにこだわったハイブリッドRSなど新グレードを追加
今回のマイナーチェンジは、こういった価格やハード面の他に多様化するニーズへの対応として、ピンク色の加飾をインテリアやスマートキーなどに施したスタイリッシュな専用アイテムを装備した「シーズ(She's)/ハイブリッド シーズ(She's)」。豪華なハイブリッドXH。1.5L i-VTEC+IMAを搭載し、専用セッティングしたサスペンションを採用するなど、よりスポーティーで上質な個性を際立たせた「ハイブリッド RS」を新たに追加している。
とくに、フィット ハイブリッドは、高齢化社会が進む中、また経済状況の悪化もあり、大きなクルマからのダウンサイジングの受け皿ともいえる車種になっている。そのため、いかにもエントリーカーのコンパクトの質感や乗り心地、静粛性ではなく、高級車からのダウサイザーが納得できるレベルを想定して、ガソリンとハイブリッドXHは、それぞれ質感や乗り心地、静粛性などを他のフィットより高いレベルへと引き上げている。
ホンダブランドは、女性のユーザー比率が低いそうだ。そのため、新たに女性用グレードとして「シーズ(She's)」と呼ばれるグレードを用意した。このグレードの開発には、女性が主体になり企画開発した。品のあるピンクのボディカラーをメインカラーとして、黒、茶、白の4色が用意されている。インテリアは、至る所にピンクの加飾が施されていて、キラキラ感のある空間に仕上げられている。どのメーカーもそうだが、デザイン性を感じさせないスマートキーもピンクにすることで、随分オシャレっぽく見えるのには感心した。
シーズというグレードとは、ある意味正反対でホンダらしいグレードといえるのがハイブリッドRSだ。スバルがレガシィからMTを無くしているのに、ホンダはシッカリとMTを用意。このあたりがホンダらしく、男性に好かれるブランドの要因でもあるのだろう。このグレードが、フィットシリーズの最高価格となっていて196万円。
フィットのマイナーチェンジで、ガソリン車の13G、シーズは主にお買い得感のある設定になった。また、人気のハイブリッド車に関しては、グレードが増やし多様化に対応したことで、ますますハイブリッド車の比率を増やしていきそうな予感だ。
フィットの選び方は、生活の足がメインというのであれば、装備や価格にお買い得感のある13Gかシーズ。そして、クルマに質を求めたいなら、他のグレードということになる。どちらにしても、恐ろしいのは5年目を迎えても燃費以外のパフォーマンスは超一級であるということだ。もっと新しいライバル車よりも、未だパフォーマンスは高かったりする。燃費による燃料費アップは、購入時に値引きで調整してもらえば、超オススメのコンパクトカーである。
●シーズ(She's)/ハイブリッド シーズ(She's)の主な装備内容
・She's用Hondaスマートキー※1
・スーパーUVカット・フロントドアガラス
・IRカット(遮熱)/UVカット機能付フロントウインドウガラス
・プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナー
・アレルクリーンシート
・ ウォームブラウンメタリック塗装パネル(センターパネル+アッパーグローブボックスリッド/ステアリングホイール/フロントドアスイッチパネルなど)
・ピンクメッキ・エアコンディスプレイリング/アウトレットノブ/アウトレットリング
・ピンクステッチ入り本革巻ステアリングホイール
・カラードフロントグリル(シーズのみ)
・カラードリアライセンスガーニッシュ
・She'sエンブレム(テールゲート)
・ピンクステッチ入り本革巻CVTセレクトレバー(ハイブリッド シーズのみ)
・スウェード調ファブリックインテリア(ブラウン)<ピンクダブルステッチ入り>
※1 いずれのボディカラーでもピンク
●ハイブリッド RSの専用装備
・LEDアクセサリーランプ内蔵フロントグリル
・本革巻スポーツタイプ・ステアリングホイール(ピアノブラック、オレンジステッチ入り)
・ピアノブラック・フロントコンソールパネル
・デザインメーター
・「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走行モードを選択できる3モードドライブシステム
●フィット ハイブリッドの主な変更点
・ 新デザインのクロームメッキ+クリアブルー塗装を施したフロントグリルやリアライセンスガーニッシュを採用し、先進でクリーンなイメージを追求したエクステリア
・ リアセンターアームレストを全タイプに標準装備
●フィット/フィット ハイブリッド共通の主な変更点
<環境性能・経済性>
・ 空力性能やCVT効率の向上などにより
フィット ハイブリッド : JC08モード走行燃料消費率を26.4km/Lに向上
フィット 1.3L(CVT) : JC08モード走行燃料消費率を21.0km/Lに向上
<使い勝手>
・ 車内が暗い時でも使いやすく、上質なインテリアを演出するLEDコンソールライトやLEDドリンクホルダーイルミネーションを標準装備
<カラーバリエーション>
・ ボディカラーに新色(3色)を設定し、全13色のカラーバリエーション
新色:ピュアブルー・メタリック、スーパープラチナアクア・メタリック(ハイブリッド RS専用色)、ピンクゴールド・メタリックII(シーズ/ハイブリッド シーズ専用色)
<安全性能>
・ 全席3点式ELRシートベルトおよびヘッドレストを標準装備
・ 安定した走りに貢献するVSA(車両挙動安定化制御システム)を標準装備※3
※3 13G、13G・スマート セレクション(5MT)、ハイブリッド除く。タイプによってはメーカーオプション設定
<メーカーオプション>
・ 本革シート&インテリアや本革巻CVT/ATセレクトレバー/MTシフトノブ、運転席&助手席シートヒーターなど、上質なインテリアを演出するレザーパッケージを追加設定
・ リアワイドカメラや照明付オーディオリモートコントロールスイッチなど、ディーラーオプションのHonda純正ナビを手軽に装着していただけるナビ装着用スペシャルパッケージを追加設定
<ホンダ フィット/フィット ハイブリッド>
・13 G 1.3L 5MT FF 1,230,000円
・13 G 1.3L 5AT 4WD 1,405,600円
・13 Gスマート セレクション 5MT FF 1,320,000円
・13 Gスマート セレクション CVT FF 1,320,000円
・13 Gスマート セレクション 5AT 4WD 1,495,600円
・She's CVT FF 1,400,000円
・She's 5AT 4WD 1,575,600円
・15 XH CVT FF 1,580,000円
・15 XH 5AT 4WD 1,724,100円
・RS 6MT FF 1,740,000円
・RS CVT+パドルシフトハイブリッド CVT FF 1,590,000円
・ハイブリッドスマート セレクション CVT FF 1,680,000円
・ハイブリッドShe's CVT FF 1,728,000円
・ハイブリッドXH セレクション CVT+パドルシフト FF 1,850,000円
・ハイブリッド RS 6MT FF 1,960,000円
・ハイブリッド RSCVT+パドルシフト FF 1,960,000円
【関連記事】
- 迷ったらコレを買え! 「今、買いのコンパクトカーNO1とは?」【コンパクトカー比較評価/新車購入術】
- 2012年登場の次期新型日産ノートは1.2L直噴エンジン+スーパーチャージャー搭載か?【日産INVITATION(インビテーション)】
- 日本仕様のミッションが判明!? 最新情報更新! 4ドアup!(アップ)が登場! 日本導入は2012年後半か? 誰でも買える低価格な新世代スモールカー現る【VW up!(アップ)新車情報】
- 【三菱ミラージュ海外試乗記】デミオのSKYACTIVを上回る低燃費25km/Lを達成するのか? タイ生産で復活!
- コンパクトカー燃費戦争激化? マーチ燃費向上【日産マーチ新車情報】
- 【ホンダ 新型フィット ハイブリッド 試乗記】早くも大人気の最安値ハイブリッドは買いか否か!?
- 【ホンダ 新型 フィット 試乗記】ハイブリッドだけがフィットにあらず! ガソリンモデルの成熟度をチェック
- 【ホンダ 新型 フリード スパイク 試乗記】徹底的に遊ぶ&使い倒す!
- プリウスαはライバルにあらず! 便利で安いデフレ時代の救世主か?【ホンダ フィットシャトル試乗記】
- 【トヨタ アクア試乗記/新車購入ガイドリンク集】価格以外は超オススメ! 燃費だけじゃない! スポーティな走りにも注目!!
- 【トヨタ 新型 ヴィッツ 試乗記】万人ウケ狙い、しかし没個性のキャラは「吉」と出るか「凶」と出るか!?
この記事に関連するニュース
-
ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV
CORISM / 2024年11月17日 10時10分
-
2ペダルってどうなの? やっぱMTもいいネ!…スポーツカーの秋、注目モデル試乗
レスポンス / 2024年11月4日 7時0分
-
“約172万円”のホンダ新型「フィット」登場! 大人気「コンパクトカー」がやっぱりスゴイ! 全長4m級の「4代目モデル」の魅力とは
くるまのニュース / 2024年11月1日 16時10分
-
ヤリス/ノート/フィットに透けるメーカー事情 3車に見た「トヨタ/日産/ホンダ」強みと弱み
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時40分
-
マニュアル車が売れている? ホンダの改良型「シビック」に試乗!
マイナビニュース / 2024年10月24日 8時0分
ランキング
-
1相鉄かしわ台駅、地元民は知っている「2つの顔」 東口はホームから300m以上ある通路の先に駅舎
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 6時30分
-
2ジャパネット2代目に聞く「地方企業の生きる道」 通販に次ぐ柱としてスポーツ・地域創生に注力
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時0分
-
3日本史の偉人「意外と二面性ある」驚きのトップ3 戦国時代や幕末の偉人も、どんな二面性?
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 9時20分
-
4会社員が考える“テレワークのデメリット” 「会話不足」「公私の切り替えが曖昧」を超えた1位は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月22日 7時0分
-
5「ドラクエIII」最新リメイク、世代と国境の壁に挑む 「おじさんのRPG」を超えられるか
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 13時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください