日産セレナ/トヨタ ノア・ヴォクシー/ホンダ ステップワゴン 【松下 宏の5ナンバーミニバンは、コレを買え! 新車比較評価】日産セレナがイチオシ! 夏にはハイブリッド車も投入か?【特集・コラム:生活・文化】
CORISM / 2012年6月10日 12時12分
人気の高いジャンルだけに、各社が競い合いクルマは常に進化
軽自動車とコンパクトと並び、日本で良く売れているクルマが5ナンバーサイズを基本としたハイト系の小型ミニバンだ。このジャンルにはノア/ヴォククシー、セレナ、ステップワゴンが三強として存在する。
ほぼ5ナンバー級のボディを持つ3列シートミニバンでも、ウィッシュやストリーム、ラフェスタ/プレマシーなどの全高を抑えたタイプはハイト系に比べるとやや人気がない。ミニバンを買うユーザーは背の高さによる室内の広さを求めるようだ。
ミニバンの三強は、モデルサイクルに違いがあり、ノア/ヴォククシーは2007年6月に登場し、最近では2010年4月に改良を受けている。ステップワゴンの現行モデルは2009年10月に発売され、2011年8月と2012年4月に改良を受けている。セレナは2010年11月に発売され、まだ大きな改良を受けていない。
最近話題の燃費は、当初バルブマチックエンジンを搭載したノア/ヴォククシーがトップを走っていたが、現行ステップワゴンが発売時にエンジンの改良とCVTの採用などで追いつき、それをノア/ヴォククシーが改良で再び上回る。その後、セレナがアイドリングストップ機構の装着などで首位を奪取し、ステップワゴンが今年の改良でアイドリングストップ機構の採用などによって追い越すといった具合に、抜きつ抜かれつのオーバーテイク合戦が繰り広げられてきた。
今のところクラス、ナンバー1燃費のホンダ ステップワゴン。しかし、背後にセレナ ハイブリッドの影が迫る?
比較的ボディが大きくて重いミニバンでも、最近では10・15モードで15km/L(JC08モードでは14km/L)前後の燃費が常識になりつつある。ミニバンのユーザーは、それほど燃費を意識しないという説もあるが、燃費が良いのに越したことはない。だからこそ、メーカー各社は燃費合戦を繰り広げている。
現時点では、燃費ではステップワゴンが最も有利で、セレナがあまりが差のない2位といった感じ。ここにきてノア/ヴォククシーはやや離された感がある。アイドリングストップ機構がないことの不利が表面化している。
さらに、今年の秋前にはセレナにハイブリッド車が設定されるとの情報があり、さらに燃費向上が見込まれる。ハイブリッド車は価格が高くなるので燃費向上分では価格アップ分を取り戻せないのが普通だが、エコカー減税などの面で有利になる部分があるし、ハイブリッド車に乗る満足感もあるので、見逃せない存在になるだろう。
安全装備で不利なトヨタ ヴォクシー&ノア
室内空間についても、セレナが優位に立つ。ノア/ヴォククシーは全長がやや短いことが影響して室内空間の広さでは不利。これが販売にあまり影響せず、ノアとヴォククシーを合わせた台数でカウントすればセレナに迫るか、ときには上回るような売れ行きを続けているのは、トヨタディーラーの販売力によるものだろう。
ステップワゴンは、ホンダ独自の低床プラットホームを採用することで、あまり高い全高ではない割に十分な広さの室内空間を備えている。さすがにセレナには及ばないものの、差は少ない。
ステップワゴンは、3列目シートの床下収納など、使い勝手の面で優位に立つ部分があり、最近のマイナーチェンジで全車に横滑り防止装置のVSAを標準装備してきた。
設計時点の古いノア/ヴォククシーは、横滑り防止装置S-VSCが全車ともオプション設定というのがやや不利な要素で、セレナはアイドリングストップ機構の装着車には標準となるが、アイドリングストップ機構の付かない廉価グレードには横滑り防止装置VDCが設定されていない。このあたりはやや微妙な部分だ。
オススメ、ナンバー1は日産セレナ、ナンバー2はホンダステップワゴン、ナンバー3はトヨタ ノア/ヴォクシーの順
なので、今すぐこのクラスのミニバンを買うなら、セレナがイチ推しでステップワゴンが差のない二番手となる。ただし、セレナは近く登場するハイブリッドの性能と価格がどうなるかを見たい気持ちも残る。そのあたりを割り切れるなら、今すぐに買ったら良い。
ノア/ヴォククシーは、モデルが古くなってきただけに、クルマの比較では積極的に推しにくい部分があるものの、安定して売れているのは販売会社の対応の良さなどがあるためだ。付き合いのあるセールスマンから買うならノア/ヴォククシーだって十分に良いクルマになると思う。
ノア/ヴォククシーは、モデルが古いだけに来年あたりにはフルモデルチェンジがあると考えるべき。買ってすぐに旧型にされるほどの懸念はないにしても、近い将来、旧型モデルになる可能性が高いモデルであることを承知しておきたい。
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