【アウディQ3試乗記】 抜群の乗り心地と軽快感をもつ、アウディ最小のSUV【レビュー:アウディ】

CORISM / 2012年6月19日 8時8分

アウディQ3

全長はコンパクトだが、全幅は1800mm、最小回転半径5.7mと大きめSUV

 アウディは、これまでQ7やQ5によってSUV市場で存在感を示していたが、さらにコンパクトSUVの市場に新規参入するモデルとしてアウディQ3を投入してきた。アウディQ3は比較的コンパクトなサイズのSUVで、エントリーモデルとしてユーザー層を広げる役割を担うことになる。

 コンパクトSUVといっても、コンパクトなのは全長が4385mmに抑えられていることくらい。全幅は1830mmもあって日本では堂々たる3ナンバーサイズである。アウディQ3のようなSUVは、全高の高さからタワーパーキングなどに入れることは少ないから、ボディサイズによる制約は少ないが、それでも1800mmを超えると大きい。18インチタイヤと合わせて最小回転半径も5.7mとやや大きめになっている。

 また、全高は1615mmに抑えられていて、SUVとしてはやや低めの設定である。これもコンパクトなSUVという印象を与えることにつながっている。全体としては、まずまず手頃なSUVと考えていいだろう。

街乗りが似合う、スタイリッシュなデザイン

 アウディQ3の外観デザインは、なだらかに傾斜したルーフラインがクーペを思わせるような雰囲気を持ち、無骨な感じのSUVらしいSUVではなく、街乗りに似合うスタイリッシュなSUVに仕上げている。

 フロントのワンフレームグリルは上部の角が面取りされたほか、縦のラインを強調してSUVらしい力強さを表現している。また、アウディの特徴ともいえるLEDランプは、これまでは波打つようなライン形状で使われることが多かったが、今回のQ3ではコの字を描くような形で四角く使われている。

 インテリアは、ドライバーオリエンテッドにデザインされたインパネ回りが、いかにもアウディらしい質感を表現しているが、木目パネルの使用などは控えめで、アウディならこれくらいは当然といった感じでもある。強いて言えば、水平なラインによって上下二分割するような形のデザインが採用されたのが目新しい部分だ。

 後席の居住空間は、足元のニースペースの余裕がやや小さめだが、これはコンパクトSUVゆえのこと。ヘッドクリアランスは十分に確保されている。分割可倒式リヤシートやリバーシブル式のラゲッジボードなどによって、荷室スペースの使い勝手もまずまずだ。

軽快なフットワークとパワフルなエンジン

 搭載エンジンは、直列4気筒2.0Lの直噴+インタークーラー付きターボ仕様のTFSI。今回試乗したのは発表と同時に発売された211ps仕様車だが、ほかに同じエンジンのチューニング違いで170ps仕様の設定があり、こちらはこの秋からデリバリーされるという。

 同じエンジンに異なるチューニングを施してグレード別に搭載する手法は、メルセデス・ベンツやBMW、プジョーなどが先に採用しているが、アウディも同じ手法を採用してきた。

 アウディQ3はSUVで4WDであるため、車両重量は1610kgとちょっと重いが、211ps(155kW)/300N・mの動力性能我あれば重さを感じさせない走りが可能。むしろ想像していた以上に軽快な走りが楽しめた。

 アクセルを深く踏み込めば、レッドゾーンの始まる6500回転まで一気に吹き上がるスムーズさを備え、同時にパワーが盛り上がっていく。たちまちのうちに高速域に達する加速だ。

 今回は試乗車がなかった170ps仕様のエンジンは、絶対的な動力性能では劣るものの、より低い回転数で最高出力や最大トルクを発生する設定なので、こちらも案外良く走ってくれそうなイメージである。

 7速Sトロニックは、Dレンジのままで走れば回転数を抑えた走りが得られ、Sモードを選べばやや高めの回転数を保ってスポーティな走りを実現する。シフトレバーを倒せばマニュアル車感覚の走りも可能だ。また、Sラインパッケージを装着すればパドルシフトも備えられるが、試乗車には装着されていない仕様だった。

 シャシーは、足回りやステアリングとも快適性を重視した味付けがなされていた。乗り心地はかなり柔らかめの印象で、ドイツ車とは思えないようなもの。オプションのアウディドライブセレクトを装着していない仕様だったので、この快適性を重視した乗り心地がQ3の素の乗り味というわけだ。

 ステアリングは、油圧を排して電動だけになったパワーステアリングを採用する。これもかなり柔らかめの操舵フィールで、個人的にはもう少し手応えがあるほうが良いが、舵の効き具合そのものは正確性が確保されていて、箱根のワインディングでも走りやすさが印象的だった。

 アウディQ3の4WDシステムは、アウディのコンパクト系モデルに採用されている電子制御4WD。エンジンを横置きに搭載したFFベースの4WDだが、ドライのオンロードを走っている分には4WDであることをまったく意識させなかった。

BMW X1を微妙に下回る絶妙な価格

 試乗車の本体価格は479万円で、オプションのレザーパッケージ、コンビニエンスパッケージ、ハイグロスデザインパッケージ、BOSEサラウンドサウンドシステムなどがオプション装着されていて、547万5000円の仕様になっていた。

 アウディQ3の本体価格の設定は、BMWのX1を意識したというか、X1よりもやや安めの水準に設定されている。Q5がX3を上回る売れ行きを示したのと同じことを、Q3がX1を上回る形で実現しようという目論見がそのまま伝わってくる感じだ。170PS仕様が4,090,000円。211PS仕様が4,790,000円。X1 xDrive20iが4,240,000円。X1 xDrive28iが4,950,000円と、単純比較すると微妙に下回っている。

 本革シートは好き嫌いがあるが、アドバンスドキーなどを含めたコンビニエンスパッケージと、臨場感のあるオーディオが楽しめるBOSEのサラウンドサウンドシステムは、それぞれ10万円なので装着する意味が十分にあると思う。

 BOSEの5.1chサラウンドサウンドシステムは、専用のアンプをリヤのラゲッジ下に搭載し、ネオジウムポロマグネットを採用した14個スピーカーが各部に配置されて臨場感を演出している。スピーカーの輪郭部分にLEDライトが配されるのもポイントだ。

代表グレード アウディQ3 2.0TFSI quattro 211PS
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,385×1,830×1,615mm
ホイールベース[mm] 2,605mm
トレッド前/後[mm] 1,570/1,575
車両重量[kg] 1,610kg
総排気量[cc] 1984cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 211PS(155Kw)/5000-6200rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 300(30.6)/1,800-4,900rpm
ミッション 7速Sトロニック
タイヤサイズ 235/50R18
JC08モード燃費 12.6km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 4,790,000円
発売日 2012/5/8
レポート 松下 宏
写真 編集部

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