メルセデス・ベンツML新車情報 最新世代のエンジン、クラストップクラス空気抵抗地で大幅低燃費化を実現【ニュース・トピックス:メルセデスベンツ】
CORISM / 2012年6月29日 18時18分
デカくて重いSUVも低燃費化し登場!
メルセデス・ベンツは、SUVの新型「メルセデス・ベンツMクラス」を7年ぶりにフルモデルチェンジし発売を開始した。クリーンディーゼルエンジンを搭載したメルセデス・ベンツML350 BlueTEC 4MATICおよび、5.5LのV8エンジンを搭載したハイパフォーマンスモデル メルセデス・ベンツML 63 AMGは9月下旬頃より納車開始予定となる。
メルセデス・ベンツMLは、3代目となるSUV。ひとつ上のクラスには、全長5mをオーバーするGL。一つ下のクラスには、GLKが用意されており、メルセデス・ベンツのSUVラインアップのちょうど中間にある。メルセデス・ベンツにはGクラスという軍用車両から派生したオフローダーも存在する。しかし、主要マーケットであるアメリカでは、オンロードでの使用がメインでGクラスでは厳しいという判断があった。そのために作られたというのが、このMLということになる。1997年に初代モデルが登場して以来、世界で累計約120万台以上販売された人気モデルに成長している。
新型メルセデス・ベンツMLのデザインは、スリーポインテッドスターを中央に配した大型のラジエーターグリルとLEDを多用した先進的なデザインのヘッドライトが特徴。前モデルのドーンとした威圧感のあるフェイスから、洗練されたスタイルへ変更されている。オフロードというよりは、流麗な都会派SUVのイメージ強くなった。
こういったデザインになるには、やはり燃費というキーワードは避けて通れないのだろう。先代の威圧感タップリのスタイリングも魅力的だが、顔が大きすぎると空気抵抗も大きくなる。空気抵抗を少しでもデザインで減らすには、やはり流麗なスタイルになるということだ。新型メルセデス・ベンツMLは、Aピラーやルーフスポイラー等の多くの空力に影響する部分に最適化を施し、空気抵抗値(Cd値)はクラストップレベルの0.32を実現した。空気抵抗は、高速走行での低燃費化に効く。いかにも、ドイツ車でアウトバーン的発想だ。その結果か、車高も前モデルの1815mmから、1795mmへ20mmほど下げられている。
インテリアは、一段と高級感がアップした印象を受ける。それだけでなく、リアシートバックには角度が9段階に変えられるリクライニング機構を採用。リアシートの居住性を高めたり、ラゲッジ積載量を優先したりと用途に合わせたアレンジが可能となった。また、2:1の分割可倒式後席シートを倒すことで、ラゲッジフロアの構成を自在に変更可能でき、最大荷室容量は2,010リッターとクラス最大級を誇る。
エンジンは、3タイプが用意されており、すべてが最新世代へシフトした。用意されるのは、V6直噴3.5Lガソリンエンジン、V6 3LのBlueTECエンジン(クリーンディーゼル)、AMGモデルには圧倒的なパフォーマンスを発揮する5.5L直噴V8ツインターボエンジンだ。
3.5Lのガソリンエンジンは、最高出力225kW(306PS)、最大トルク370Nmを発生。第3世代ガソリン直噴システムにより、従来モデルに比べ出力・トルクが向上するとともにJC08モード燃費10.4km/L(従来モデル比+42%)と大幅な燃費経済性の向上を実現した。+42%の低燃費性能というのには驚きだが、やはりこれだけの排気量があるクルマは、アイドリングストップ機能が付くだけでも、大きく燃費は改善される。一部の国産メーカーのように、アイドリングストップ機能がオプションだったり、新型モデルだというのにアイドリングストップ機能が用意されていない。今まで燃費が国産車のセールスポイントのひとつだったのに、現在では輸入車の方が低燃費だったりしている。良い技術は、すぐに水平展開するというのがメルセデス・ベンツらしい。
V6 3LのBlueTEC(クリーンディーゼル)は、低圧縮比化やフリクション低減など大幅な改良を施した。最高出力190kW/258PS(従来比+35kW/47PS)、最大トルク620Nm(従来比+80Nm)の実力を持つ。このクリーンディーゼルエンジンは、マツダや日産のものとは違い、排出ガスに高純度尿素水(AdBlue)を噴射することにより化学反応(還元作用)を発生させ、有害な窒素酸化物(NOx)を大幅に削減するディーゼル排出ガス処理システム「BlueTEC」採用している。
ガソリン&クリーンディーゼルとも、最新の高効率7速オートマティックトランスミッション「7G-TRONIC PLUS」やECOスタート/ストップ機能(アイドリングストップ機能)を装備している。
そして、SUVをこんなに速くしていいのか? と思えるほどのハイパフォーマンスモデルML63AMGは、AMG社開発による最新鋭5.5L V型8気筒直噴ツインターボエンジンを搭載。排気量のダウンサイジングを図りながらも、最高出力386kW/525PS(従来比+11kW/15PS)、最大トルク700Nm(従来比+70Nm)を発生し、SUVとしてトップクラスの圧倒的な動力性能をもつ。さらに、効率を高めたAMGスピードシフトPLUSやECOスタート/ストップ機能(アイドリングストップ機能)によりハイパフォーマンスSUVでありながら優れた燃費経済性を実現した。
またシャーシは、専用の電子制御エアサスペンション「AMG RIDE CONTROL スポーツサスペンション」や、コーナリング時のロールを抑えるACTIVE CURVEシステム、AMG強化ブレーキシステム等の採用により圧倒的な動力性能に対応して運動性能と操縦安定性を大幅に高めている。エクステリアは、ML63AMG専用デザインのエアロパーツをはじめ、フロントワイドフェンダー、 21インチAMG5 ツインスポークアルミホイールなどにより、 AMGモデルならではの迫力ある精悍なスタイリングとなっている。
注目したのは、価格。新型メルセデス・ベンツMクラスの価格は、各モデルとも大幅な性能向上と装備充実にもかかわらず、ML350 4MATIC BlueEFFICIENCY、ML350BlueTEC 4MATICは従来モデルより引き下げ、ML63 AMGは価格据置きとした。
まぁ、実質値下げは、これだけ超円高が続いているのだから当然と言えば当然。また、日本マーケットの変化してきており、もうメルセデス・ベンツだから高価でも買う、という時代でもなくなってきている。輸入車偏重も終焉を迎えているようで、多くの顧客が価格なりの価値を自分の尺度で見定めるようになってきた。ブランド力だけでは、もう売れない時代なのだろう。
値下げはしたといっても、新型メルセデス・ベンツMLは、700万円以上もする高級車であることに違いはない。超円高やマーケットの変化で、メルセデス・ベンツという高級車の代名詞的存在も価格を下げている時代。良い物が安く手に入るのは、うれしいことだ。価格が国産車と同等ということはないにせよ、国産車もうかうかしていると徐々に顧客を奪われかねないだろう。
<新型メルセデス・ベンツML価格>
・ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCY 3.5L、 V6 直噴 右 ¥7,500,000
・ML 350 BlueTEC 4MATIC 3.0L、V6 直噴ターボディーゼル 右 ¥7,900,000
・ML 63 AMG 5.5L、V8 直噴ツインターボ 右 ¥14,900,000
<新型メルセデス・ベンツML350 4MATIC BlueEFFICIENCYスペック>
■寸法・重量
全長 mm 4,810 全幅 mm 1,925 全高 mm 1,795
ホイールベース mm 2,915
トレッド前 mm 1,640
トレッド後 mm 1,655
最低地上高 mm 200
最小回転半径 m 5.5
車両重量 kg 2,120
乗車定員 名 5
■エンジン
型式 276
種類 DOHC V6
総排気量 cc 3,497
最高出力kw(ps)/rpm 225 (306ps)/6,500
最大トルクNm(kgm)/rpm 370 (37.7)/3,500~5,250
燃料およびタンク容量 ㍑ 無鉛プレミアムガソリン・93
燃料消費率km/L(JC08) 10.4
■ミッション 7速AT
■タイヤサイズ前:後 255/55R18:255/55R18
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