VWゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)試乗記 2014年国内導入予定!? 本格派輸入EVの実力は? 【レビュー:VW】
CORISM / 2012年7月31日 8時8分
2013年にドイツで、2014年に日本に導入予定のVWゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)
VWゴルフの電気自動車ゴルフブルーeモーションに、体験試乗をする機会があった。
日本では、すでにi-MiEVやリーフが販売されていて、電気自動車の時代が始まっているが、フォルクスワーゲンは、まだ市販の段階にまで至っておらず、今回試乗したのもプロトタイプ車である。
見た目は普通のゴルフと何ら変わるところがない。見分けが付かないので、ボディに電気自動車であることを示すステッカーを貼っていたくらいだ。ただ、厳密に言うと少し違いがある。ラジエターを冷やす必要がないのでグリル部分に穴が空いておらず、排気ガスが出ないのでテールパイプもない。
リチウムイオン電池は、リヤシートの下とラゲッジスペースの下に搭載されていて、電池だけで300kgを超える重さがあるという。制御系や電気モーターはエンジンルームにあり、前輪を駆動するFF車だ。
電池メーカーについては、明らかにされなかった。何年か前のコンセプトカーにはサンヨー製の電池が搭載されていたが、明らかにされなかったということは、サンヨー(現パナソニック)ではなく、ドイツ製か韓国製の電池を搭載しているのかも知れない。
フォルクスワーゲンは、2013年にはドイツでゴルフベースの電気自動車を発売する計画で、日本にも少し遅れて2014年には輸入されることになるという。他には、2012年秋に導入が予定されているコンパクトカーVW UP!ベースの電気自動車も開発が進められている。
パドルで回生ブレーキを調整できる
アクセルペダルを踏んでするすると走り出すと、とても滑らかな走りを示す。広い道路に出てアクセルを踏み込むと、電気自動車らしい強烈な加速だ。電気モーターの特性から270N・mというトルクが瞬時に立ち上がるので、とても力強い加速が得られる。
パワー&トルクの数値はほぼリーフ並みの実力だが、踏み込んだときの加速感はむしろリーフよりも力強いような印象だった。
VWゴルフ ブルーeモーションでは、通常走行用、エコ走行用、航続距離を最大化する走行用という3種類のモードが用意されていて、これを切り換えることでメリハリの効いた加速フィールが得られる。
もうひとつステアリングの裏側に設けられたパドルを操作することで、回生ブレーキの聞き具合を3段階に調節できる。シフトレバーでBレンジを選べるので、合計4段階の回生の効きを選ぶことができる。
去年、アウディA1とA3のeトロンに試乗したときにも、パドルシフトによってエネルギー回生を変化させる仕組みが採用されていた。フォルクスワーゲングループではこの方式の採用を考えているのが分かる。
最も回生が弱い状態では、ほとんど回生をせずに惰性で走らせるような形になる。この状態での走りの滑らかさは相当に気持ち良いが、アクセルから足を離したときにはある程度の減速感があったほうがガソリン車的で自然な感覚になる。
航続距離は約150km。近距離用として割り切った使い方を提唱
充電口は、ボディの右リヤとフロントグリルにあるフォルクスワーゲンマークの部分の2個所に設けられている。家庭用の200V電源で5時間ほどで満充電になり、150kmの航続距離が得られるという。
充電システムは、基本的に自宅での充電を考えたもので、出先での急速充電のような使い方はあまり考えていないという。
ヨーロッパでは、距離を走る都市間移動は高速道路を高速で走るため、スピードを上げるほど走行距離が短くなる電気自動車にリアリティがない。フォルクスワーゲンでは、自宅で充電して走れる範囲内で使うことを基本としているようだ。
フォルクスワーゲンは、豊富なラインナップのすべてのクラスでクルマの電気化を進めていく計画を持っている。その中で、都市間移動もするようなクルマとしては、ゴルフヴァリアントをベースにツインドライブと呼ぶプラグインハイブリッド車を開発していて、電子制御との棲み分けを考えている。
日本で発売されるまでに、性能や価格がどうなるかはまだまだ分からない部分が多いが、フォルクスワーゲンの電気自動車に乗れる日がそう遠くないうちに現実のものになりそうだ。
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