VWゴルフ マイスターエディション新車情報 価格引き下げで、国産車の脅威となるのか?【ニュース・トピックス:VW】

CORISM / 2012年9月4日 14時14分

VWゴルフ マイスターエディション

国産ユーザーをターゲットにしたVWの戦略車。国産勢危うし!

 フォルクスワーゲン(VW)は、基幹車種であるゴルフTSIトレンドライン ブルーモーション テクノロジーとゴルフTSIコンフォートライン プレミアム エディションの一部装備を見直し、あらたに「ゴルフ TSI トレンドライン マイスター エディション」ならびに「ゴルフ TSI コンフォートライン マイスターエディション」として、販売を開始した。

 そして、VWゴルフ マイスターエディションシリーズの価格は、「ゴルフ TSI トレンドライン マイスターエディション」が249万円。現行型ゴルフとしては初めて250万円を切る価格設定になっている。さらに「ゴルフ TSI コンフォートライン マイスターエディション」は 279 万円(税込)と、従来モデルよりも 10万円価格を抑えての発売となる。

 このマイスターエディションシリーズに搭載されるエンジンは、従来と同じだ。75%のエコカー減税対象となるトレンドラインには、アイドリングストップとブレーキエネルギー回生システム(ブルーモーション テクノロジー)付きのガソリン直噴ターボの1.2L TSIと7速DSGの組み合わせでJC08モード燃費は19.0km/L。50%のエコカー減税対象となるコンフォートラインには、ガソリン直噴ターボの 1.4 L TSIに7速DSGで10・15モード燃費は、16.4km/Lとなっている。

 現行ゴルフは、2009年4月から国内での販売を開始。これまでに累計で約52,000台を販売し、15年連続で国内輸入車販売ナンバー1のポジションを維持し続ける人気モデルだ。低燃費化のために、ダウンサイジング化したエンジン+過給器という組み合わせをもつTSIを採用。このエンジンの仕組みは、輸入車を中心に最も使われる低燃費化技術のひとつだ。さらに、このエンジンに、今年1月にはアイドルストップ機構とブレーキエネルギー回生システムを装備したブルーモーション テクノロジーを導入し、さらなる低燃費化が進んでいる。

 驚きなのは、ついにゴルフが250万円台を切り、249万円という価格になったことだ。相変わらず長く覚えにくいグレード名なのだが、前モデルのTSIトレンドラインプレミアムエディションが263万円なので、単純比較で14万円も安くなっている。VWは日本マーケットに対して真摯に向き合っていて、ほとんど仕様変更がない今回のモデルチェンジようなことをキッカケに徐々に価格を下げてきている。さすがに、バーゲン価格とまではいかないものの、かなり買い得感は高い。クルマ好き、輸入車好きでない一般の顧客にも、十分にオススメできる価格帯だ。

 これは輸入車として、国内ナンバー1の販売台数を誇るVWにとって、ライバルは他の輸入車ではないことを意味している。つまり、完全に国産車をターゲットにしているのだ。VWは2011年に、年間5万台以上の販売台数を記録。この数字は、軽自動車を除くと三菱とほぼ変わらない数字で、約7万4千台のスバルに次ぐ販売台数である。これから、日本マーケットの全体需要が下降して行く中、輸入車をより売ろうとするのなら、国産車と勝負できる価格帯にするというのが王道。もちろん、こうしたチャレンジができるのは、超円高という背景もある。

 また、多くの輸入車のCMは海外のものを流用するケースが多いが、VWの主要車種はセンスが良いか悪いかは別として、日本専用CMを作り、日本に馴染みやすく共感できるものを用意。輸入車はメンテナンス費が高い、壊れやすいというイメージを払拭するために、メンテナンス費を軽減できるプログラムも用意し無償で付帯するなどし、ブランド力だけに頼らない日本マーケットにシッカリと根ざした活動からも、完全に国産車を狙っているのが分かる。

 今回の一部仕様変更も、欧州を中心にライバル関係にあるトヨタ オーリスの発表直後でもあることから、非常に戦略的だ。トレンドラインは、1.8L並のトルクをもっているので、オーリス1.8LのGグレードと価格を比較すると、オーリスが206万円で43万円もの開きがある。しかし、オーリスには装着されていない、またはオプションでも用意されていない装備がかなりある。代表的なものとして、サイド&ニーエアバック、レザーステアリングとアルミホイール、VWプロフェッショナルケア、エマージェンシーストップシグナル、アイドリングストップ機能、ブレーキエネルギー回生システムが上げられる。燃費は、ゴルフが勝るが、ハイオク仕様となるため、レギュラーガソリンのオーリスと燃料費としては同程度だろう。これらを加味すると、オーリスと同等か、それに近い金額と評価してもいいだろう。こうなると、VWが安いのか? それともオーリスが高いのか? 購入を考えている人は、ジックリと比較評価してみるといい。

 あるメーカー開発責任者が言っていた。「超円高とはいえ、VWの価格が、もっと下がることがあれば、それは脅威だ。我々は、もっと努力してVWよりも良いクルマをさらに安く作らなくてはならない」今、日本車の脅威がすぐそばまでやってきている。

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CORISM(コリズム)

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