フォルクスワーゲン CC新車試乗記 マジメさ際立つ、国内VWブランドの最上級車【レビュー:VW】
CORISM / 2012年9月10日 10時10分
国内のVW最上級車となるCCは、優雅なスタイルと上質な空間がウリ!
フォルクスワーゲンは、パサートCCをマイナーチェンジするのに合わせ、車名をフォルクスワーゲンCCに変更して2012年7月から発売した。
車名の変更は、本国での変更によるもの。本国ではパサートCCを高級車フェートンとパサートセダンの中間に位置する上級車として位置付け、パサートから独立させる方針だ。フェートンを導入していない日本でも同じ車名が使われることになった。日本にはフェートンが輸入されていないので、フォルクスワーゲンCCがフラッグシップモデルとなる。CCとは、Comfort Coupe(コンフォート クーペ)の略称だ。
マイナーチェンジなので、外観デザインに大きな変更はない。流れるようなクーペ風のルーフラインを持つ4ドア車であるのは従来通りだ。その上で、前後のグリルやランプ回りのデザインを水平基調のものに変更し、フロントのポジショニングライトやテールライトにLEDを採用するなどの改良が行われた。
インテリアは上質なナパレザーの本革シートを全席に採用するととも、シートカラーはブラックのほかに茶系のトリュフ&チタンブラックと明るいデザートベージュ&チタンブラックの組み合わせが採用されている。
また、遮音フィルムを内蔵したフロントガラスを採用したほか、ボディ随所に遮音材を追加し、上級モデルにふさわしい優れた静粛性も確保したという。
エンジンは1.8LTSIへダウンサイジング。ミッションも7速DSGに変更
搭載エンジンは、動力性能と低燃費を両立した1.8LのTSI(直噴ターボ仕様)エンジンに変更された。従来は2.0LのTSIとV型6気筒3.6Lの直噴仕様(4WD車)だったから、エンジンのダウンサイジングを図るフォルクスワーゲンの考え方がここでも徹底された形だ。
パサートには、1.4LのTSI、パサートオールトラックには2.0LのTSIが搭載されているので、フォルクスワーゲンCCの1.8Lはその中間に位置することになる。オールトラックは4WDで重量も重くなるため2.0LのTSIを搭載している。
動力性能は、118kW/250N・mの実力で、従来のパサートCCの2.0LのTSIに比べるとパワーは20%ほどダウンしているが、トルクは10%ほどのダウンにとどめられている。なのでフォルクスワーゲンCCを走らせても動力性能に不満を感じるシーンはなかった。わずか1500回転で最大トルクに達し、低速域から十分な力強さを感じさせるからだ。
トランスミッションも従来のパサートCCの2.0Lには6速ATが組み合わされていたが、今回のフォルクスワーゲンCCでは7速DSGに変更されている。変速フィールの滑らかさでは6速ATも相当に良かったが、7速になったDSGの滑らかさも十分なもの。低速域で感じることのあったギクシャク感もほとんど感じられなくなった。
足回りの快適性も、上々のレベルにある。タイヤサイズは、1インチアップして18インチになった。コンチネンタルのスポーツコンタクトというややスポーティな志向のタイヤを履いていたが、乗り心地は満足できるものだった。
意外なほどの窮屈感がない室内と乗降性は、VWの真面目さの表れ
クーペ風のスタイリッシュなボディは、当然ながら乗降性に影響する部分があり、オーソドックスなセダンボディのパサートに比べたら乗降性はやや劣る。特に後席へは、潜り込むような感じになる部分がある。それでもメルセデス・ベンツの初代CLSに比べたらずっとましだし、BMWの6シリーズグランクーペと比べてもフォルクスワーゲンCCのほうが乗り降りしやすい。このあたりはフォルクスワーゲンのまじめさが表れた部分だろう。
また、乗り込んでしまえば、後席の居住空間もまずまずといった感じ。ヘッドクリアランスはやや小さめだが、窮屈さは感じない。
試乗車は、上級グレードの1.8TSIテクノロジーパッケージで、プリクラッシュブレーキシステムのフロントアシストやレーンチェンジアシストシステムのサイドアシストプラス、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールなど(ACC)、先進安全装備が搭載されていた。ACCは車間距離制御と加減速の具合がとても良かった。
ほかに快、適装備は最新のカーナビが全車に標準で装備される。クラリオン製のカーナビで2年間の地図更新などが無料で可能となる。
1.8TSIの価格はカーナビなどを含めて499万円、1.8TSIテクノロジーパッケージは前述の安全装備を含めて524万円の価格が設定されている。フォルクスワーゲンCCを買うなら安全装備を備えた上級グレードを買うと良い。
<フォルクスワーゲンCC価格>
・1.8TSI ¥4,990,000
・1.8TSI Technology Package ¥5,240,000
代表グレード | フォルクスワーゲンCC 1.8TSI |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,815×1,855×1,425mm |
ホイールベース[mm] | 2,710mm |
トレッド前/後[mm] | 1,550/1,560mm |
車両重量[kg] | 1,540kg |
総排気量[cc] | 1,798cc |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 118(160)/ 4,500-6,200rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 250(25.5)/1,500-4,500rpm |
ミッション | 7速DSG |
タイヤサイズ | 235/40R18 |
JC08モード燃費 | 13.4km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 4,990,000円 |
発売日 | 2012/7/24 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
【関連記事】
- VW CC新車情報 スタイル重視の4ドアクーペ
- 【フォルクスワーゲン パサートCC 試乗記】スタイリッシュだけど実用性も文句なし
- VW車試乗記一覧
- スクープ! VW up!(フォルクスワーゲン アップ)9月18日発表決定! 3ドアも導入! 価格&燃費は? 日本仕様のミッションが判明!? 最新情報更新! 5ドアup!(アップ)が登場! 誰でも買える低価格な新世代スモールカー現る【VW up!(フォルクスワーゲン アップ)新車情報】
- VWゴルフ マイスターエディション新車情報 価格引き下げで、国産車の脅威となるのか?
- 高級なのにエコって本当なのか?【メルセデス・ベンツCLS、CLS 63 AMG試乗記】
- 【BMW6シリーズ グランクーペ新車情報】 スポーツカー並の動力性能の美しさをもった4ドアクーペ
- 色々混ぜてみた超個性派スタイル【シトロエンDS4試乗記】
- シトロエンDS5新車試乗記 圧倒的な美しさと、快適なフットワークをもつ才色兼備の超個性派
この記事に関連するニュース
-
フォルクスワーゲン「Tiguan」、上級セグメントの技術を取り入れた3世代目の新型
マイナビニュース / 2024年11月20日 13時54分
-
[15秒でわかる]VW『ゴルフGTI』改良新型…便利な最新テクノロジーを標準装備
レスポンス / 2024年11月19日 8時30分
-
リッター100km超え!? 斬新「“爆エコ”クーペ」登場! MRד軽自動車並み”超軽量ボディで案外楽しそう! 829ccエンジン搭載の「VW車」が欧州で落札
くるまのニュース / 2024年11月17日 8時25分
-
VW『ゴルフGTI』改良新型、6速MT廃止でDSGのみに…米国発表
レスポンス / 2024年11月14日 15時0分
-
BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!
CORISM / 2024年11月9日 19時8分
ランキング
-
1【独自】船井電機前社長『不正を働いたことはない』 “破産の申し立て”は報道で知る「本当に驚いた。なんでこんなことに…」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時20分
-
2三菱UFJ銀行の貸金庫から十数億円抜き取り、管理職だった行員を懲戒解雇…60人分の資産から
読売新聞 / 2024年11月22日 21時35分
-
3「築浅のマイホームの床が突然抜け落ちた」間違った断熱で壁内と床下をボロボロに腐らせた驚きの正体
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 17時15分
-
4物価高に対応、能登復興支援=39兆円規模、「103万円」見直しも―石破首相「高付加価値を創出」・経済対策決定
時事通信 / 2024年11月22日 19時47分
-
5ファミマ、プラ製スプーン「有料化」の実験結果を発表 大手コンビニで初、どうなった?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月21日 12時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください