ホンダN BOX+(エヌボックスプラス)新車試乗記 驚きの積載性能を実現したミラクル軽自動車【レビュー:ホンダ】
CORISM / 2012年9月12日 14時14分
積載性能クラスナンバー1の実力をもつN BOX+。しかし、巨大なバックドアが・・・、
軽自動車の中で、飛び抜けたクルマとして人気を集めているホンダN BOXに続き、ホンダN BOX+がデビューした。N BOX自体が超ハイト系のボディの中に軽自動車でトップの広々とした居住空間を持ち、トップレベルの動力性能を持つエンジンを搭載するなどして人気を集めている。
そのホンダN BOXに対し、さらに広い居住空間を持つクルマとして仕上げられたのがN BOX+だ。いろいろ積める、ラクラク乗せられる、伸び伸び泊まれるが基本コンセプト。
ベースのN BOXに対しての違いは、後席のシートを少し前に配置することで、後部に大きなラゲッジスペースを作ったほか、荷室の床面を斜めに傾斜させることで重量物を積みやすくした。さらに、後席のシートを倒すと190cmの人が横になれるほどの空間を作っている。
遊び道具を積んでアウトドアへ出かける人、あるいは出かけた先で車中泊をしたい人に絶好のクルマといえる。
この空間は、N BOXをベースにして車椅子仕様の福祉車両を作れないか、ということから発想され、実現されたものだという。実際、車椅子仕様車も設定される予定だ。
この後部空間の使い勝手を実現するために、N BOXよりも大きなバックドアが用意された。N BOXで48cmだった開口部の地上高がN BOX+では33cmとさらに15cmも低くなっている。その分だけ縦方向に大きなドアが設定された。
ただ、縦開きの大きなバックドアは必ずしも良いことばかりではない。N BOXでもそうした傾向があったが、後部に十分なスペースがないところではバックドアを開けられない。
また、開けるときには、レバーを操作した後で競り上がってくるドアから逃れる必要がある。そのためにドアもゆっくり開くようになっているが、大きなドアにはメリットと同時に一定のデメリットがあることも理解しておこう。
多くの荷物を積載、ファストカーとして余裕の走りを望むなら、ターボモデルがオススメ
N BOX+には、外観デザインの違いによって標準系とカスタム系があるのはN BOXと共通。N BOXでは標準車には、ターボ仕様のエンジンが搭載されなかったり、あるいはフロントに過度なクルマの傾きを抑制するスタビライザーが装着されないなどの違いが設定されていたが、N BOX+では標準系のモデルにもターボ仕様のエンジンが搭載され、全車にスタビライザーが装着されている。
試乗は自然吸気エンジンの搭載車と、ターボ仕様エンジンの搭載車の両方を試した。自然吸気エンジンの搭載車でも必要十分な動力性能を備えているものの、走り余裕ということになるとちょっと物足りない感じもある。
タウンユース限定で使うようなユーザーなら、自然吸気エンジンの搭載車でも良いが、このクルマをファーストカーとして使い、ときには高速道路を走る人や、あるいはいろいろな荷物を積んで出かけるような人には、ターボパッケージの装着車をお勧めしたい。
ターボパッケージの装着車になると、ボディの重さを苦にしない余裕の走りを見せる。高速道路での合流や追い越し加速なども余裕でこなすだけの力強い走りだ。
ターボ車も無段変速のCVTが組み合わされているが、同時に7速のマニュアルモードも設定されていて、これを選択すれば積極的な走りが楽しめる。静粛性が高いとまではいえないが、軽自動車としてはまずまずのレベルにある。
足回りはスタビライザーの装着が貢献して、標準車も割としっかりした感じの走りを見せる。全高の高いクルマでアイポイントも高いので、それなりのロール感はあるものの、抑制の効いた緩やかなロールなので安定感がある。特にターボ仕様の足回りに落ち着きが感じられた。
徹底的にN BOX+のパフォーマンスを生かし切れないと、少々割高な軽自動車となる
N BOX+は、N BOXに比べると車両重量が70kgほど重くなっている。これは走りに影響を与える要素だし、燃費もやや悪化している。また、価格設定もN BOXに比べて10万円以上高くなる。これらを考えると、N BOX+は後部のスペースを本当に必要とする人のためのクルマだ。普通のユーザーにはN BOXで十分だと思う。
N BOX+にはN BOXにない2トーンカラースタイルの設定がある。これはカスタム系ではなく標準系のみの設定。これは、ルーフ部分を黒または白に塗り替えるほか、インテリアの仕様にも違いが設けられている。5万2500円の価格差でこれだけの仕様の違いが手に入るなら、2トーンカラースタイルを選びたい。
ただ、標準系でG・ターボパッケージを選び、さらに2トーンカラースタイルにすると、FF車でも164万2500円という軽自動車とは思えないような価格になる。本当にN BOX+の機能が必要な人にだけお勧めというのは、この価格設定が理由。全車に横滑り防止装置のVSAが標準装備されるなど、充実した仕様が用意されているのだが、その分だけ価格が高いのも事実である。
N BOX+は、いろいろな意味で良くできたクルマなのだが、価格を考えると購入を迷ってしまう部分がある。車椅子仕様車を選択すると、さらに高くなるし、200kgの荷重に耐えるアルミ製のスロープは13万6500円もするオプションであるなど、気軽に買えるクルマではないのも事実である。
■クラスナンバー1スペックで勝負するスパーハイト系軽自動車【ホンダN BOX試乗記】
<ホンダN BOX +価格>
・G FF 1,350,000円
4WD 1,470,000円
・G・Lパッケージ FF 1,460,000円
4WD 1,580,000円
・G・ターボパッケージ FF 1,590,000円
4WD 1,710,000円
<N BOX + 2トーンカラースタイル価格>
・G・Lパッケージ FF 1,512,500円
4WD 1,632,500円
・G・ターボパッケージ FF 1,642,500円
4WD 1,762,500円
<N BOX + カスタム価格>
・G FF 1,540,000円
4WD 1,660,000円
・G・Lパッケージ FF 1,650,000円
4WD 1,770,000円
・G・ターボパッケージ FF 1,750,000円
4WD 1,870,000円
【関連記事】
- ホンダN BOX +(プラス)新車情報 軽自動車でも、一家のファーストカーになる! クラスの枠を超えたスペースユーティリティ性能
- クルマを楽しむから、クルマで楽しむ時代へ【ホンダN CONCEPT_3新車情報】
- クラスナンバー1スペックで勝負するスパーハイト系軽自動車【ホンダN BOX試乗記】
- ホンダ車試乗記一覧
- ホンダ車新車情報一覧
- また、この話を繰り返すのか! 厚顔無恥なアメ車メーカー、アメリカ政府!【TPP問題、軽自動車規格の撤廃はとんでもない言いがかり】
- 【スズキ パレット/スズキ パレット SW 試乗記】スズキ版「パレット カスタム」"SW"と新開発CVT追加でルックスもエコも大きく進化!
- エネチャージで発電エコカー! スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー新車情報 軽自動車がここまでやった! 新型スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー フルモデルチェンジ! 数々の低燃費技術と、リチウム電池を搭載した低燃費技術で軽ワゴンクラス ナンバー1燃費28.8km/L!
- 【ダイハツ 新型 ムーヴ/ムーヴカスタム 試乗記】ガソリン車最高の低燃費を達成した5代目ムーヴに迫る!
- 【ダイハツ タント エグゼ 試乗記】「オトナ」向けタント、TANTO Exeはただの豪華仕様にあらず!
- 【ザ・対決 比較試乗】スズキ パレットSW 対 ダイハツ タント カスタム 徹底評価
- ダイハツ ムーヴ/ホンダN BOX 迷ったらコレを買え! 自動車評論家 松下 宏が選ぶ「今、買いの軽自動車」【軽自動車新車購入術】
この記事に関連するニュース
-
なぜ「100万円以下」の軽自動車減った? コンパクトカーとの立ち位置は逆転? 今後の軽規格はどうなるのか
くるまのニュース / 2022年6月29日 7時10分
-
サクラ/eKクロスEVは軽BEV普及の起爆力になるか 新車購入者「1万人調査」に見る軽BEVの可能性
東洋経済オンライン / 2022年6月26日 9時0分
-
なぜホンダ「N-BOX」ってなんでそんなに人気なの? ヒット車の条件とは
くるまのニュース / 2022年6月23日 16時10分
-
ハイスペック軽自動車の元祖! 次世代型はどうなる!? スズキ初代「アルトワークス」はどんな車だったのか
くるまのニュース / 2022年6月7日 19時40分
-
スズキ アルト新旧比較 似て非なる9代目
CORISM / 2022年6月5日 18時16分
ランキング
-
1「信じられない行動」=三村東商会頭、サハリン2のロシア大統領令を非難
時事通信 / 2022年7月1日 20時23分
-
2岸田政権の資産所得倍増計画に絶対に必要なもの 「つみたてNISA枠」を増やすだけでは不十分だ!
東洋経済オンライン / 2022年7月2日 8時30分
-
3元警官のカレー店主がディズニーで下積みした訳 52歳早期退職、聞き込みのごとく情報集め開業した
東洋経済オンライン / 2022年7月2日 11時0分
-
4「千石自慢らーめん」全店が閉店に 昭和63年オープンの人気ラーメン店
J-CASTトレンド / 2022年7月1日 19時30分
-
5トヨタ、新型ランクルの受注停止…生産追いつかず納車まで4年超
読売新聞 / 2022年7月1日 20時44分
ミッション中・・・
記事を最後まで読む

ミッション中・・・
記事を最後まで読む

エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
