日産フェアレディZ試乗記 より熟成された日本を代表するスポーツカー【レビュー:日産】

CORISM / 2012年10月11日 11時11分

日産フェアレディZ

発売から約4年でのお色直しは、LEDデイライトで、個性あふれる顔になった

 日産のアイコンともいえるフェアレディZが、マイナーチェンジを受けた。現行のZ34型フェアレディZがデビューしたのは2008年12月。その後、2009年10月にロードスターを追加し、2010年11月にごく小幅な改良を受けた程度で、これまでは特に大きな変更や改良を受けていなかった。

 日産フェアレディZの販売台数は今年7月までの累計で695台(前年同期は567台)だから、月に100台売れるかどうかという水準。アメリカではその10倍以上も売れるとはいえ、大幅な改良が容易にできるクルマではない。

 ただ、日産を代表するスポーツカーとして、作り続けていくことが大切なクルマであり、そのためには一定の改良も必要で、デビューから4年近く経過してデザインや走りに改良が加えられた。

 といっても、変更自体はそう大幅なものではない。外観デザインはLEDハイパーデイライトを装着した新デザインのフロントバンパーの採用がまずポイント。バンパーの左右両端に縦長形状にLEDランプが並んだデイライトが採用され、ひと目でマイナーチェンジ後のモデルだと分かる。

 試乗車には、19インチの鍛造アルミホイールがオプション(21万円)装着され、その隙間から見えるブレーキキャリパーが今回のチェンジから赤く塗られているので、この部分を見ても変更されたことが分かる。

 インテリアも変更を受けたが、メーターパネルの一部のカラーが変更されただけなので、内装についてはほとんど変わっていないと言っていい。

足まわりに遮音性能、ブレーキと、着実に進化した

 メカニズム関係では、足回りが変更を受けたが、その前に市街地を流して走った段階で、変わったのが分かることがあった。ロードノイズが低減して不要な音が入ってこなくなったことだ。

 2008年に現行モデルがデビューしたときの試乗会は小田原で行われたが、そのときに何とも不満に感じたのがタイヤがハネ上げた石がホイールハウスに当たる音。路面によっては、パラパラしたずっと音が続くことを指摘した覚えがある。それが今回のモデルでは解消されていた。

 ホイールハウス部分に遮音材などを追加することで、低級な音の侵入を防いだようだが、これは改良まで4年も待つのではなくランニングチェンジで改良しておいて欲しい課題だった。まあ今回の改良で、ハネ石の音だけでなく静粛性が全体に向上したことは評価しておきたい。

 足回りは減衰力特性を変更したユーロチューンドサスペンションを採用したとのこと。引き締まった感じの足回りではあるものの、ガチガチに固めた足回りではなく、むしろ乗り心地も良くなっているような印象だった。

 フェアレディZに乗るのは久し振りである上、じっくり乗ったデビュー当初の試乗とは道路条件も異なるが、今回の仕様の足回りに好感の持てるものだったのは確かだ。

 市街地でのタウンモードから、首都高速での走りまで、安定感のある走りを示すと同時に乗り心地に不快な感じはなかったからだ。

 ほかにブレーキの摩擦材も変更されているが、これも変更されたことが明確分かるようなの違いではない。ハードなブレーキングを試すシーンはなかったが、日常ユースの中で踏み始めの食いつき、踏み込んだときの効き具合とも不満はなかった。

 今回はクーペとロードスターともバージョンST の7速AT車に試乗した。エンジンやトランスミッションに関しては変更を受けていないが、相変わらずの力強さと、ダウンシフト時にブリッピングの入る心地好い変速フィールは相変わらずだった。

 個人的には、よりスパルタンな感じの強いクーペのほうがフェアレディZらしいと思うが、ロードスターの爽快感を選ぶ人もいるだろう。

 400万~500万円の価格帯となる日産フェアレディZは、今回のマイナーチェンジによって急に販売が盛り返すことにはならないだろうが、モデルサイクルの長いクルマだけに、時間をかけて熟成を重ねていくことを期待しておきたい。

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