アバルト500&アバルト595Cツーリズモ新車試乗評価【レビュー:フィアット】
CORISM / 2013年7月20日 7時7分
キビキビ走るフィアット500をアバルトがチューンすると・・・
先日、好評のうちにイベントが終了した「浅間ヒルクライム2013」
。新旧さまざまなスポーツカーが登場しその走りっぷりを堪能させてくれましたが、その中でもけっこう目を引いたのが最新のフィアット500系の車たち。
実はイベントの主催者がフィアット500系のアバルトでスーパー耐久レースに参戦している関係で、何台もの最新500系「アバルト」を持ち込んでくれたのでした。「ジムカーナタクシー」の車ともなり、イベント期間中めいっぱい走りを披露。そういうわけで、その熱い走りが目を引いたというわけです。
今回はそんな最新500系「アバルト」を運転した時の雰囲気を紹介したいと思います。短時間の試乗でしたが真っ白な「アバルト500」とオープンカーの「アバルト595Cツーリズモ」、どんな走り味を見せてくれるのでしょうか?
ちなみに「アバルト500」は3ペダルの5MT、「アバルト595Cツーリズモ」は2ペダルのシーケンシャルMT(ATモード付)です。
ツートンカラーでオープン!内装もお洒落な「アバルト595Cツーリズモ」
はじめに「アバルト595Cツーリズモ」に乗ってみました。「595」というのは1963年、当時車名の通り排気量が約500ccだったフィアット500をアバルトが排気量594ccに拡大して「フィアット・アバルト595」という高性能車を発売したことに由来します。
最新の595もその名前が500に対する高性能版であることを表しています。昔と違って排気量は標準モデルの「アバルト500」と同じ1.4L(1,368cc)のままですが、エンジンチューン(エッセエッセKONIキット装着)により最高出力が標準モデルの135ps(99kW)から160ps(118kW)に、最大トルクが21.0kgm(206N・m)から23.5kgm(230N・m)(SPORTスイッチ使用時)にと出力アップし、足回りもKONIのショックアブソーバーなどで固めてあるのでした。
そんな知識を持って乗り込んだ「アバルト595Cツーリズモ」はしかし、予想に反して非常にエレガントな車でした。もちろん、0-100km/h加速が7.4秒という速さは十分体感出来ますが、低回転から非常に力強いエンジンとよくストロークして不快な固さを感じさせないサスペンションとが相まって、あまり緊張を強いられずラクに走らせることが出来るのです。
熱い情熱を心に秘めながらも、イタリアの伊達を感じさせるおしゃれなインテリアにふさわしいジェントルな走りをするととても似合うような気がします。
まさに意のまま!運転が満喫できる「アバルト500」!
次に乗り込んだ「アバルト500」の印象は「楽しい!」の一言でした。前述のとおり最高出力や最大トルクは「アバルト595Cツーリズモ」に劣るものの、どこから踏んでも十分なパワーが出るエンジンの素性の良さは同じ。
エンジンの持てる力を余すところなく使い切りながら小気味良くシフトアップしていって、車重1,110kgという軽めのボディを思い通り走らす楽しさといったら!
輸入車にありがちな右ハンドル化に伴うペダルレイアウトの不自然さもなく、低回転域でもトルクがあってクラッチワークもあまり気を使わなくて済むので、最近マニュアル車に乗っていない人もわりと違和感なく乗れると思います。自分の操作に忠実に反応し意のままに動かすことが出来る、そんな体験がこの「アバルト500」で出来るような気がしました。
そしてこの「アバルト500」、もっとパワーが欲しい場合は「エッセエッセKONIキット」(546,000円)を購入すれば「アバルト595Cツーリズモ」と同じエンジンスペック&足回りになるそうです。ただし内装は変わらず、シートはファブリックのまま。うーん、悩ましい!
鮮やかな色の革シートやツートンカラーのボディ、オープンルーフ装備で乗っていればそれだけで渋い「ちょいワル」オヤジを気取れそうな「アバルト595Cツーリズモ」にするか、マニュアル車の運転の楽しさを目一杯満喫できる「アバルト500」にするか・・・。けっこう「究極の選択」っぽい質問のような気がして来ました・・・。
アバルト価格
ABARTH 500 (アバルト チンクエチェント) / 2,690,000円
ABARTH 595 Turismo (アバルト 595 ツーリズモ) / 3,190,000円
ABARTH 595 Competizione (アバルト 595 ツーリズモ) / 3,390,000円
ABARTH 595C Turismo (アバルト 595シー ツーリズモ) / 3,490,000円
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