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バンコク国際モーターショー タイで販売される三菱車を試乗!【特集・コラム:イベント・モーターショー】

CORISM / 2013年5月15日 7時7分

三菱ミラージュ、三菱パジェロスポーツ

バンコクショーには、セールス用特設試乗コースがある

 バンコク国際モーターショーは、6万台に及ぶ大量の受注を集めるセールスショーでもある。ショー会場でクルマを注文するユーザーの中には、試乗を希望する人も多いそうで、ショー会場に隣接した大駐車場には特設の試乗コースが設けられるのが常だ。

 特設コースといっても、広大な駐車場を使ったものだけに、発進加速、パイロンスラローム、ダブルレーンチェンジ、フルブレーキングなどが試せる設定だから半端ではない。車種によっては時速100kmに達するような走りも可能で、かなりのことが試せる試乗コースである。

 一般公開日以降には大賑わいになる特設試乗コースを使って、公開日の前日に三菱自動車がメディア関係者向けの試乗会を開催した。これに出席したので、タイで販売されている三菱車の試乗レポートを紹介しよう。

タイの三菱ミラージュ試乗評価

 タイでエコカー認定を受けているミラージュは、タイ政府が2012年に実施したファーストタイマー向けの新車購入補助金の支給対象になったこともあって、極めて好調な売れ行きを見せた。

 2012年3月の発売から、1年ほどの間に5万台弱の受注を集めたというから凄い。これは日本をはるかに上回る売れ行きであり、ミラージュがタイで多くのユーザーに受け入れられているのが良く分かる。2012年にタイのエコカーの中で最も良く売れたクルマがミラージュだった。

 ミラージュの試乗車は、GLSとGLSをベースにした特別仕様車のにブルームエディション、それにGLXの5速MT車の3台に試乗した。

 タイで販売されるミラージュは、日本仕様とは搭載エンジンが異なっていて、1.2Lエンジンを搭載する。当然ながら、その分だけ動力性能に優れるので走りの元気良さに違いがある。

 日本仕様車は、クラストップの燃費達成のために1.0Lエンジンを搭載している。これに対してタイではそこまで徹底した燃費志向でなくても良いほか、郊外路での走りなどを考えて1.2Lエンジンを搭載している。

 走りの元気の良さということになると、タイ仕様車のほうが上回っていて、特に日本仕様車には設定されていない5速MT車の走りは軽快なものになる。日本でも5速MT車があればとも思うが、現実の問題としてMT車はほとんど売れないだろうから、日本に導入するのは難しい。

 足回りは、タイ仕様車も日本仕様車と同じように相当に柔らかめの印象だ。試乗コースがパイロンスラロームやダブルレーンチェンジなどを試す設定になっていたから、こうしたシーンではかなり大きめのロールが出る。

 フロントにスタビライザーを装着するなどして、もっと安定感のある走りにして欲しい。ただ、タイでは道路事情があまり良くないこともあって、乗り心地を重視した柔らかめの仕様が好まれるようだ。

 ミラージュが発売されて1周年を記念した特別仕様車のブルームエディションは、ボディカラーが専用のピンク色になるほか、インテリアも専用のシート地や本革巻きステアリングホイールが採用されていて、標準車との差別化が図られていた。

タイの三菱パジェロスポーツ試乗評価

 日本では見ることのできないパジェロスポーツは、トライトンのプラットホームをベースに作られたSUVで、アセアンなどの新興国を中心に販売されている。

 タイでは、1t級のピックアップトラックが良く売れると同時に、トラックベースのSUVも一定の市場を形成していて、トヨタやいすゞも同様のSUVをラインナップしている。

 タイでは、地方に行くと道路事情の良くない地域が多いのでトラック系シャシーの頑丈なクルマが求められる傾向がある。また3列シート車として多人数乗車が可能なことも、トラックベースのSUVが人気を集める理由だ。

 パジェロスポーツの2~3列目のシートは、倒してフラットなラゲッジスペースを作ることが可能で、フレキシブルな使い勝手を実現することも、このクラスのSUVが好まれる理由らしい。

 以前は、ピックアップトラックの荷台部分に樹脂製のルーフとシートを設ける後付けの架装メーカーが何社もあって、バンコクモーターショーの会場にブースを設けていたが、今年のショーには出展がなかった。メーカー純正のSUVに需要が移ったものと見られる。

 パジェロスポーツの試乗車は、2.5Lのガソリンエンジンの搭載車とV型6気筒3.0Lエンジンの搭載車が用意されていたので、これも両方の仕様に試乗した。

 2.5Lディーゼル車は、トライトン用と同じコモンレール直噴ディーゼルターボを搭載する。ボディの違い分で車両重量が重くなるパジェロスポーツに対しても、余裕十分といった感じのトルク感である。

 V型6気筒の3.0Lエンジンを搭載したガソリン車は、ディーゼル車以上に良く走った。今回の試乗コースは発進や停止を繰り返す設定になっていたので、エンジンの立ち上がりに優れるガソリン車のほうが良く走る印象が強くなる。

 6気筒のガソリンエンジンが持つ滑らかな吹き上がりと、回転が上昇したときのパワーフィールに優れるので、走りの気持ち良さはガソリン車のほうが上。ディーゼル車に対し、振動や騒音の面でも格段に優れていることが、気持ち良い走りにつながっている。

タイの三菱トライトン試乗評価

 タイは1t級のピックアップトラックが、大きなウエイトを占める市場だ。三菱に限らず、いすゞやトヨタ、日産やマツダ、あるいGMやフォードなどが、このクラスのトラックをラインナップに加えている。

 そんな中で三菱のトライトンは、2005年の発売当初から、先進的なデザインなどで存在感を発揮し、独自の人気を集めてきた。

 また、三菱は1996年の段階で、1t級ピックアップトラック(当時はストラーダ)の生産をタイ工場集約し、ここから世界に供給するというビジネスモデルを作った。ミラージュよりもはるか前から、タイは世界に向けた重要な生産拠点として位置付けられてきたのだ。トライトンは、現在は日本で販売されていないが、一時は限定的な形で輸入されたこともあった。

 トライトンの試乗車は、2.4Lのガソリンエンジンを搭載したシングルキャブ仕様と、2.5Lのディーゼルターボを搭載したとダブルキャブの仕様の2モデルが用意されていた。

 ガソリンエンジンを搭載したモデルは、5速MT車だった。トラック用のマニュアルなのでストロークが大きめであるなど、特に好印象ではなかったが、タイではMT車が良く売れている。ボディがあまり重くないので、2.4Lのガソリンエンジンでも十分に良く走る印象だった。

 それ以上に良く走ったのが、2.5Lのディーゼルエンジン搭載車だ。こちらはAT車で、コモンレール直噴ディーゼルターボ仕様のエンジンを搭載していた。ディーゼル特有のトルクフルな走りが得られるので、走りの力強さはガソリン車よりも上だ。

 振動や騒音のレベルは、トラック用ディーゼルといった感じだが、タイでもガソリン代(1L=150円弱)よりも軽油代(1L=100円弱)のほうが安いので、燃料経済性を考えたユーザーがディーゼルを選ぶのは当然である。

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