中古車のガリバー、2018年2月期までに800店舗、40万台の販売を目指す【ニュース・トピックス:その他】
CORISM / 2013年5月15日 23時59分
多ブランド展開で、顧客ニーズの多様化に対応
中古車大手のガリバーは、2018年2月期までに800店舗、40万台の販売を目指すと発表した。
ガリバーは、クルマの買取専門店としてスタート。その後、買取専門店を維持しつつも、中古車販売にシフトし多くの投資を続けている。直近では、WOW!TOWN(ワオタウン)と呼ばれる大型販売店舗を千葉県幕張、大阪府箕面、埼玉県大宮などにオープンさせている。これらの店舗は、すべてのジャンルの車種を扱うが、ライフスタイル展示と呼ばれる展示方法を取るユニークな店舗だ。クルマ離れが進み、クルマに関心が無いものの、クルマは生活必需品という顧客に対して、車種やジャンルではなく、自分の憧れるライフスタイルや現状のライフスタイルをイメージしやすいような展示がされている。ジャンルは、「FAMILY」、「ACTIVE」、「ECO&ECO」、「FASHION、DRIVING PLEASURE」という、5つのスタイルに分けられているのが特徴。
さらに、顧客の細かいニーズにも対応し店舗展開を開始する。価格志向の強い顧客向けに、アウトレット店舗を出店。軽自動車ニーズの高い地域などには、軽自動車専門店。最近新車販売が好調な輸入車のトレンドを受け、輸入車専門店。さらに、新たな顧客層の取り込みを狙うために1千万円クラスの高級中古車を販売するリベラーラをオープンした。さらに、北海道旭川で正規BMWディーラーとなり、新車販売も開始した。これらのブランド間シナジー効果により、40万台の販売台数を狙う。この800店舗、40万台の目標に対して、投資額などは明らかにされていない。
中古車販売の難しさは、相場商品であるため在庫リスクとの戦いでもある。販売台数を伸ばすためには、大量の在庫リスクを背負わせないといけない。さらに、マーケットのニーズを先読みして仕入れをしないと、売るクルマが無くなるなど新車販売よりも難しい。ガリバーのメリットは、多くの店舗で在庫が共有できる。さらに、多くの買取実績をもっていることから、中古車のオークション相場に対して敏感だ。どこで、どんな車種が売れるかも十分なノウハウを持つだけに、40万台の販売ができない理由がそれほどみつからない。
ただし、消費税増税など外部要因による不安要素もある。消費税が10%となれば、消費税の必要のない個人間売買が活発化する可能性もある。また、新車販売では、顧客の囲い込みが一段と激しさが増していることからも、自社の顧客を外に出さない手法も必要だろう。
増税前の駆け込み需要時に、中古車は買いか? 否か? 売却は吉?
また、今回の事業計画の他、消費税増税前の駆け込み需要に対する予測も発表された。ガリバーによると、2014年1~3月合計で約10万台が駆け込み需要となるという。このことから予想できるのは、この時期は中古車価格が高騰することが予想できる。
中古車は、相場商品である。多くの中古車店舗が、この駆け込み需要を見込み、中古車のオークション会場で、商品を仕入れることになる。そうなれば、オークションでの相場は上がり、結果、販売価格も上がることになるだろう。こうなってくると、消費税増税分3%よりも中古車価格のアップ分が多くなるケースも予想できるため、この時期に慌てて中古車を買うのはどうなのか? ということになるだろう。新車は、価格が決まっているため、こういった自体にはならない。そんな状況を考えると、中古車を買うなら、買い控えが起きて、中古車相場が下がった4月以降の方がお買い得か? という仮説が成り立つ。このあたりの見極めが、中古車が相場商品であるゆえの難しさだ。
ただし、クルマの売却する側は非常にメリットが出てくる可能性が高い。1月に入ると、駆け込み需要の仕入れをする業者でオークション価格が上れば、クルマの売却金額が上がるということも予想できる。とくに、人気のハイブリッド車や5ナンバーミニバン、コンパクトカーの人気モデルは期待ができる。
買取ったクルマを直接販売できるガリバーなら、下取り車を高く買い取ってもらえる可能性が高く、結果、中古車価格の相場アップ分くらいは相殺できるだろう。こういった強みもガリバーならではのものだ。
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