バンコク国際モーターショーレポート 急成長するタイの自動車マーケット。その象徴でもあるモーターショーで見つけた見慣れないクルマをレポート!【特集・コラム:イベント・モーターショー】
CORISM / 2014年6月14日 6時7分
多くの自動車メーカーが進出するタイ。そんなバンコクショー見つけた日本では見かけないクルマとは?
今年で35回目になるバンコク国際モーターショー が、バンコク郊外のインパクト・コンベンションセンターで開催された。昨年の東京モーターショー は43回目だったが、バンコクは毎年開催なので、最近は東京が隔年開催になっている。このままで行くと、開催回数でバンコクに抜かれる日が来ることになる。
バンコクショーは、東京を大きく上回るほどの来場者を集めるショーで、北京や上海が伸びてくる前はアジア最大のモーターショーだった時代もある。そのため、バンコクモーターショーには日本の大半の自動車メーカーが出展しているほか、欧米や韓国の主要な自動車メーカーも出展していて、なかなか華やかなショーになっている。
タイはインドネシアほどではないが、日本車が非常に高いシェアを占めているので、日本の自動車メーカーの出展が目立つのは当然のこと。乗用車メーカーが出展していないのは、アジア事業をインドネシアやマレーシアを中心に展開しているダイハツだけだった。
スバル は現地生産をしていないこともあって、これまでは年によってディーラーが出展したりしなかったりだったが、今年は出展があり、日本よりも先にWRX の右ハンドル車が展示されていた。
乗用車メーカー以外では、タイでピックアップトラックを中心にした商用車&SUV で高いシェアを持ついすゞが出展していたほか、電気自動車 ベンチャーのFOMMが小さいながらもブースを設けていたのが注目される。
さらに、二輪車メーカーもホンダ、ヤマハ、スズキがしっかりブースを構えていた。
バンコク国際モーターショーは、トレードショーという特徴を持つ。プレスデーの前日に各メーカー・ディーラーのお得意さんを招いて商談を進め、会場で成約する形で販売するショーでもあるのだ。毎年1万数千台から2万台くらいのクルマが成約になるという。
やや大げさな感じだが、セールスマンが受注温めておいて、モーターショーの会場で成約した形をとるため、このような大量の成約になるのだという。
バンコクモーターショーといえば、コンパニオンによるクルマの紹介やダンシングチームによる踊りなどでショーアップされるのが特徴。昔の東京モーターショーを思わせるようなところがある。
バンコクモーターショーでは、毎年ミスモーターショーの選出が行われているが、今年もミスモーターショーや準ミスなど6名が選出されている。いずれも背の高い美人揃いである。
デトロイト、フランクフルト/パリ、ジュネーブ、東京などに比べると、世界初公開となるワールドプレミアムのクルマはほとんど出品されないものの、日本では見かけないアジア専用車がいろいろ出品されていたり、あるいは欧米のクルマもタイミングによって日本よりも先に公開されたりする。
そんなクルマを中心にバンコクで見かけたクルマを何台か紹介していこう。
今年は、新型無いトヨタ
トヨタ とレクサス を合わせると最も大きなブースを確保していた。トヨタは昨年、新興国向けのクルマであるヴィオス の新型車をバンコクでワールドプレミアしたが、今年はまったくの新型車はなかった。
ただ、新型ヴィオスをベースにしたハッチバック車のヤリスは、日本では見かけないクルマである。ヤリスの名前はヴィッツのヨーロッパでの名前だが、アジアではヴィオスのハッチバック車として使われている。
ヴィッツ と欧州ヤリスは基本的に同じクルマだが、ヴィオスはヴィッツとは異なる専用のプラットホームを使って開発されたクルマなので、アジアのヤリスと欧州のヤリスは違うクルマということになる。
レクサスのブースでは日本に導入されていないES300hが展示されていた。
タイで生産し輸出される、グローバル戦略車スズキ セレリオが世界初公開
今年のバンコクモーターショーで一番の注目株といえるのがスズキ で、セレリオ と呼ぶコンパクトカー を世界初公開していた。
タイ政府が進めるエコカープロジェクトに適合する燃費性能を備えたクルマで、新開発の1.0Lエンジンを搭載して100km走行当たり5.0L以下という燃費基準に適合している。スズキとしてはスイフト に続く2番目の適合車となる。
セレリオは今年前半にタイで発売した後、今秋からはヨーロッパ向けにも輸出を始めるという。日本に輸入する可能性はないということだが、スズキの新しい世界戦略車になるクルマである。
インドネシアで生産するリヴィエナを出展していた日産
タイ政府のエコカー政策に沿ってマーチ を生産し、タイ国内に供給するだけでなく日本などの各国に輸出している日産 は、今回は初公開のクルマはなかった。
ただ、東南アジア自由貿易協定を利用してインドネシアで生産するリヴィナを出展していたほか、マーチをスポーティにドレスアップしたモデルなども展示していた。リヴィナは地域によっては3列シート車が販売されているが、タイではSUV 感覚のユーティリティーモデルとして2列シート5人乗り仕様が販売されている。
フィットのセダン版、シティを展示したホンダ
ホンダ のブースでステージ上のターンテーブルに、展示されていたのはシティ 。フィット 系の基本プラットホームを使って作られた4ドアセダン で、かつて日本にフィアット・アリアの名前で輸入されていたクルマもタイではシティだった。
その後、モデルチェンジを経た最新モデルが近く日本でも改めて販売される予定になっている。かつてのフィット・アリアはあまりたくさんは売れなかったが、今回のシティ成功すればタイから日本へという流れが強まる可能性もあり、どうなるか大いに注目される。
マツダは、チューニングしたマツダ3(アクセラ)を持ち込んだ
日本ではすでに発売されていて目新しさはないが、タイではマツダ 3(アクセラ )が最新モデルとして展示されていた。
エアロパーツでドレスアップ&チューンナップしたクルマも展示されていて、なんと19インチタイヤ+ブレンボ製のブレーキを装着しており迫力満点。
日本より早く、WRX STIの右ハンドルを展示したスバル
スバル は、メーカーが直接出展したのではなく、現地の法人による出展。ここ何年かは、出展を休んでいたため、改めての登場だ。
ジュネーブショーに出品されたWRX をメインに展示されていたが、WRXの右ハンドル車が展示されるのは日本よりもタイのほうが先になった。
日本ではトラックしかないいすゞだが、タイではSUVも用意
いすゞは早くからタイ市場に参入し、ピックアップトラックや大型トラックで大きな存在感を示してきた。タイでは、乗用車よりもピックアップのほうが良く売れる時代が続いていたため、全国にディーラー網を持ついすゞの強みが地方で発揮される形になっている。
いすゞは、日本では乗用車だけでなくSUVの生産・販売を中止しているが、タイではピックアップトラックをベースにしたMU-XというSUVもラインナップしている。
日本のベンチャー企業が、タイでEVを出展
FOMMは、今回初めてバンコク国際モーターショーに出展した日本の電気自動車ベンチャー。先に日本でも発表会を開催したが、その席上、生産と販売はタイで行うとしていた。そのため、バンコクシショーにコンセプトONEを出展した。
タイではまだ電気自動車 に対する理解が進んでいないし、充電設備なども整っていないので、どこまで売れるかは未知数。FOMMの電気自動車は普通充電で街乗り中心の使い方を想定したモデルなので、タイでも一定の需要が期待できそうだ。
最新のコンパクトカーGLAをいち早く出展したメルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツ は、昨年ヨーロッパで発表されたGLAクラスと、今年のデトロイトで発表されたCクラス がバンコクモーターショーに出展。いずれも日本ではまだ発表・発売されていないモデルである。
日本では影の薄いGMだが、タイでは存在感を発揮
GMはタイでピックアップトラックやキャプティバを生産していて、街中でもキャプティバを見かける機会は多かった。
日本ではやや影の薄い存在ながら、バンコクでは一定の存在感を示していた。日本で見るよりもカッコ良く見えたのは気のせいか。
注目のコンパクトSUVを展示したフォード
フォード は、ピックアップトラックベースの大型SUVであるエベレストが新型車に切り替わっていて、これをメインに出品していたが、エベレストは日本には導入される予定はない。
タイでは、昨年から販売していて、5月には日本でも発売される予定なのが、コンパクト SUV のフィエスタ 。の基本プラットホームを使って作られたBセグメントのコンパクトSUVで、直列3気筒1000ccのエコブーストエンジンを搭載するモデルだ。
右ハンドル国のタイで生産されたクルマが輸入させることになるので、操作性などに優れたモデルになると見られる。
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