1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

日産ティアナ試乗評価 ラグジュアリーなセダンではあるが・・・、【レビュー:日産】

CORISM / 2014年7月3日 11時11分

日産ティアナ

無理やり日本向けにしたセダン?

 ティアナ は、日本軽視という今の日産の悪い面がいっぱいに表れたクルマだと思う。

 そもそも日産 ティアナは、アメリカや中国など、世界で売ることを目指して開発したクルマである。それを普通に販売するならともかく、アメリカ向けの姉妹車であるアルティマは、約2年も前に発売されており、中国向けのモデルも1年くらい前に発表されている。

 日本向けのティアナは、アメリカ向けや中国向けから1年遅れ、2年遅れで発売されたのだから、何をかいわんやだ。このような日本軽視のクルマは、日本人としての誇りにかけて容認できない。日産には、日本産業の日産であることをもう一度思い起こし、日本市場を重視した商品開発や商品展開に取り組んで欲しいと思う。

 ティアナは、アメリカや中国をメインに開発されたセダン なので、ボディサイズが大きくなった。全幅が1800mmを超えると日本ではいろいろな面で使い勝手に影響が出るが、それを簡単に踏み越えている。最小回転半径も標準車は5.5mに踏み止まったが、17インチタイヤの装着車は5.7mに達ている。

 日本向けが、後回しになったとは安全装備にも影響している。そもそも、日産は先進緊急ブレーキの採用で大きく後れを取っていたメーカーだが、昨年からはスカイライン にミリ波レーダー方式を、エクストレイル にはソナー&カメラ方式のエマージェンシーブレーキを採用するようになった。これはセレナノート などにも広がっている。

 ところが、スカイラインやエクストレイルよりも後に発表されたティアナでは、先進緊急ブレーキがオプション設定すらされていない。今どきのクルマ選びの肝になる装備がないのでは、基本設計が2~3年前のクルマであるためだ。日本での発売が後回しにされたので、安全装備でも遅れをとっている。

 クルマそのものを評価する前に、これだけデメリット部分が目立つクルマは数少ない。月に520台という少なめの販売目標台数が設定されているが、これくらいの台数しか売らないのであれば、いっそのこと日本では売らないほうが良かったのではないか。そんな風に思えるクルマである。

助手席オットマンなど、ラグジュアリーなインテリアは健在

 日産ティアナの外観デザインは、まあ普通。可もなく不可もなくといった感じである。高級セダンらしい雰囲気はうまく表現されているが、大きめのボディサイズである分だけ伸び伸びとしたデザインになっているが、飛び抜けて存在感のあるデザインというほどではない。

 大きめのフロントグリルが高級感を主張し、シャープな感覚のテールランプが躍動感とスポーティさを感じさせるのが特徴だ。

 インテリアも同様に、際立って良いというほどではない。歴代ティアナが追求してきた快適性重視の室内空間が作られていて、ラグジュアリーさは十分なレベルにあるが、これも今どきの高級セダンとして考えたら平均レベルである。

 試乗車は明るいベージュ調のインテリアと木目調パネルの組み合わせだったから、ブラック系に比べたらラグジュアリー感は強かったと思う。

 ティアナは、ボディが大きくなったことで、室内空間もやや広がった。後席の居住空間などが拡大されている。ただ、これは前述の使い勝手とトレードオフの部分があり、単純に喜んではいられない。運転席に座ると、チルトステアリングに加えてテレスコピックステアリングも採用されている。最適のドライビングポジションがとりやすくなった。

乗り心地重視の平均的な走行性能

 ティアナの搭載エンジンは、V型6気筒が廃止されて新開発の直列4気筒2.5LのQR25DE型エンジンだけに絞られた。これに新世代のエクストロニックCVTが組み合わされ、それなりに良く走るクルマに仕上げられている。

 エンジンの動力性能は127kW/234N・mと、まあ平均的なレベル。動力性能に不足はないが、取り立ててスポーティな走りという感じではない。エクストロニックCVTがノーマルのほか、ECOとDsが選べるようになっていて、状況に合わせた走りを可能としている。

 エンジンとCVTの改良などにより、燃費は大きく向上して14.4km/Lを達成した。免税には届かないが、エコカー減税の適用が受けられる。

 このほか、コーナリング時に内側のタイヤに軽くブレーキをかけて回頭性を高めるアクティブトレースコントロールと呼ぶ機能も備えられている。穏やかに効く感じでそれなりに安定性に貢献している。

 ただ、走らせていて気になったのは、床面からの振動。柔らかめの足回りで乗り心地自体は快適なのだが、フロアに振動が伝わっているのはちょっといただけない。

 価格は、試乗した最上級グレードのXVだと313万2000円。本革シートが装着されているために高くなっている。一般的にはシート表皮がスエード調クロスになるXLを選ぶことになるのだろう。XLなら30万円ほど安くなる。

日産ティアナ価格、スペックなど

■日産ティアナ価格
・XV 3,132,000円
・XL 2,831,760円
・XE 2,499,120円



代表グレード 日産ティアナXL
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4880×1830×1470mm
ホイールベース[mm] 2775mm
トレッド前/後[mm] 1585/1585mm
車両重量[kg] 1470kg
総排気量[cc] 2488㏄
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 127kW(173PS)/6000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 234N・m(23.9kg-m)/4000rpm
ミッション CVT
タイヤサイズ 215/55R17
JC08モード燃費 14.4km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 2,831,760円
発売日 2014年2月5日
レポート 松下宏
写真 編集部

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください