三菱ミラージュ新車情報・購入ガイド 1.0Lエンジンを廃止し1.2Lのみの設定へ。さらに、全体的な質感を向上したマイナーチェンジ【ニュース・トピックス:三菱】
CORISM / 2016年1月16日 18時0分
装備充実! コストパフォーマンスの高いコンパクトカー。しかし、重要な安全装備リヤ中央席のヘッドレストが標準装備されていない!
三菱 はコンパクトカー のミラージュ をマイナーチェンジし発売を開始した。
三菱ミラージュは、2012年8月に登場。ミラージュは歴史あるモデルだったが、先代ミラージュは、2000年に一旦姿を消す。そして、12年ぶりの復活となったのが現行のミラージュだ。新型ミラージュは、コンパクトカーに求められる普遍的価値である「低燃費」「低価格」「コンパクト(扱いやすさ)」をキーワードとして開発された。コンパクトカーは、価格競争力が強く求められることもあり、ミラージュはタイ生産となっている。
デビュー当時に搭載されていたエンジンは、直3の1.0Lのみ。アイドリングストップ機能や減速エネルギー回生機能、軽量で空気抵抗の少ないボディが組みあわされた結果、燃費は27.2㎞/Lと当時クラストップの数値を叩き出していた。
デビュー直後こそ好調だった三菱ミラージュだったが、直近では500台/月売るのも厳しい状況。単に低燃費で低価格、コンパクトというだけでは売れないのが日本マーケットの特徴でもある。全長3.7m前後のコンパクトカーの販売は、価格的にも軽自動車 と比べられるからだ。軽自動車の方が、品質感も高く税金も安い。こうなると、多くの顧客が軽自動車を選択することになる。その後、ミラージュは1.2Lエンジン車を追加し、力強さ面で差別化を図るが状況に大きな変化はなかった。
今回のマイナーチェンジでは、まずパワーユニットを1.2L直3エンジンだけに絞った。国内では、やや非力であるという評価が多かったことや、1.3Lエンジンを搭載していたコルトの顧客がミラージュに乗り換えやすくするためだ。この1.2Lエンジンは、78ps&100Nmを発揮。燃費は従来の1.2Lより0.4km/L向上させ25.4km/Lとしている。燃費アップの要因は、アイドリングストップ機構に、減速時(約13km/h以下)からエンジンを停止させるコーストストップ機能を採用や、低フリクションタイプのタイミングチェーンや冷気を導入するダクト追加などだ。同じ1.2Lの排気量をもつマーチの燃費が23.0㎞/Lなので、燃費では圧勝。ただし、かなり高価な仕様のエンジンを搭載した同じ1.2Lクラスのスイフトが26.4㎞/Lなので、スイフト を超えることはできなかった。
その他の機能面では、サスペンションの取り付け部の剛性をアップ。それに合わせてサスペンションチューニングを最適化。走りの質感を向上させている。また、電動パワーステアリングの制御も改良。ステアリングを戻す方向のフィーリングを改善した。CVTは、クラッチ制御を改良。駆動トルクを遮断することでアイドリングストップ後から、エンジン再始動時のショックを抑制した。また、ダウンシフト制御も見直して、中間加速時のレスポンスを向上させている。
そして、ようやく自動ブレーキである「FCM-City」が装備された。ただし、この自動ブレーキは30㎞/h以下の低速域タイプで、歩行者検知式でもない。装備されていないより良いが、今ではやや物足りない仕様だ。同時に誤発進抑制機能(前進時)も装備されている。機能的にはやや物足りないものの全車標準装備化された点は評価したい。ただ、相変わらずリヤ中央席のヘッドレストはオプション設定。ヘッドレストは安価で、もはや当たり前の安全装備。今時、珍しい仕様だ。さらに、このヘッドレストはサイド&カーテンエアバッグとのセットオプション。安全装備の設定には、少々疑問が残る。
従来のミラージュは、シンプルさが魅力だったが、それでは売れないということもあり、マイナーチェンジでは、やや豪華さをアピールする外観デザインとなった。ボリューム感のあるボンネットフード、クロームメッキで加飾した上質感のあるアッパーグリルとロワーグリル、下部にエアダム形状を配したスポーティなフロントバンバーを採用。上質感をアップさせている。
さらに、Gグレードには、ライトチューブ式LEDポジションランプを組み込んだ省電力ディスチャージヘッドライトを採用。リヤビューは、ロー&ワイドな印象を与える大型リヤバンパー、存在感のあるLEDリヤコンビランプ、優れた空力性能と後方視認性を両立する新形状のルーフスポイラーを採用した。ホイールは、ブラック塗装&切削光輝仕上げの15インチアルミホイールを採用している。
インテリアは、一部にピアノブラックやメッキ加飾を施し上質感を向上。Gグレードには、リモコンスイッチ付きの本革巻ステアリングホイールを採用した。また、メッキリングをあしらった、高輝度常時透過照明点灯タイプのメーターも採用されている。Mグレードは、ブラック&アイボリー内装とし、やや明るくカジュアルな雰囲気にまとめられた新デザインのシートを採用した。
使い勝手面では、ラゲッジフロアに分割収納が可能なカーゴフロアボックスを採用して収納性を高めた。さらに、後席シートバックを前倒しした際に、ラゲッジフロアをフラットにすることで、積載性を向上させている。ミラージュには、残念ながら4WD の設定が無い。そのため、降雪地域の顧客は選びにくい状態だ。
マイナーチェンジした三菱ミラージュの価格は、Mが1,380,240円、Gが1,485,000円となっている。MもGも自動ブレーキが標準装備で、キーレス、アルミホイール、オートライトなど装備は充実。買い得感のある価格といえる。MとGとの価格差は約10万円。シンプルに乗るならMで十分といった装備だ。
ライバルは、日産マーチ やトヨタ パッソ 。基本的に、この3台を競合させたい。ただ、パッソは、このクラスで唯一売れているクルマなので、値引きは厳しいだろう。値引きで勝負してくる可能性が高いのはマーチ。装備関連や燃費では、ミラージュが勝る。このあたり上手く突けば、一定の値引きが期待できそう。マーチの値引きに合わせて、ミラージュも値引きしてくれるのなら、ミラージュのコストパフォーマンスはアップし買い得感がさらに増す。
三菱ミラージュ価格
■三菱ミラージュ価格
・M 1,380,240円
・G 1,485,000円
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