日本では見ることのできない珍しいクルマも? 200万人の来場者を集める東南アジア最大のモーターショー「バンコク国際モーターショー」レポート、その1【特集・コラム:イベント・モーターショー】
CORISM / 2016年5月8日 20時0分
日系自動車メーカー各社が さまざまな専用車を投入!!
今年もバンコク国際モーターショーが開催された。日本や欧米の主要なモーターショーとは違って、バンコクでワールドプレミア(世界初公開)となるような車種はめったにないのだが、日本と欧米の主要メーカーが出展しているモーターショーとして興味深い車種はいろいろある。
日本の自動車メーカーは日本では販売していないアジア向けなどの専用車をいろいろとバンコクに出展しているし、欧米のメーカーも日本での発表・発売に先駆けてバンコクで新型車を発表する例がある。日本市場以上にタイの市場を重視している例も散見されるのだ。
日本で発売直前ハイブリッドSUV、C-HRもタイデビューしたトヨタ
日系の自動車メーカーで最も注目されるたのはやはりトヨタ だ。壇上のターンテーブルの上で回っていたC-HRは、1カ月ほど前のジュネーブショーに出品されていたもので、市販仕様に近い状態のクルマを日本よりも先に公開し、プリウス系 のパワートレーンなどを搭載することも発表されていた。
市販車ではIMV(イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパス・ビークル)が大々的に展示されていた。今回のモデルが三世代目に当たるIMVは、トヨタが新興国向けに開発しているモデルで、日本では販売していない専用車種である。フレーム付きシャシーの基本プラットホームをベースに、SUV 、3種類のボディのピックアップトラック、3列シートのミニバン などがラインナップされる。
今回の3代目ではミニバンボディのイノーバはまだ発売されていないが、SUVのフォーチュナーとピックアップトラックのハイラックス が展示されていた。
トヨタ フォーチュナー
トヨタのIMVシリーズのうちSUVタイプのボディを持つのがフォーチュナー。SUVはタイでも人気が上昇しているジャンルである。スタイリッシュであると同時に、力強い外観デザインのSUVモデルに仕上げている。
トヨタ ハイラックスエボ
ピックアップトラックのハイラックスは、Wキャブ、シングルキャブ、スペースキャブの3種類のボディが用意されている。
最近でこそバンコク市内は乗用車一辺倒になってきたが、それでもまだタイ市場全体で見るとピックアップトラックの販売比率は非常に高く、地方では荷台に人を乗せて運ぶことも多く、トラックと乗用車の中間的な使い方がされている。なので、日本では販売されていない1t級ピックアップトラックのハイラックスも、タイではトヨタにとっての主力モデルのひとつだ。
2列のシートを持つ4ドア車がWキャブで、運転席の後方に荷物置き場のような空間を持つのがスペースキャブ、一般的なピックアップトラックがシングルキャブとされている。
スポーツイメージを前面に押し出した日産
日産がステージ上に展示していたのは、ニスモ仕様のGT-R やアルメーラ 。スポーツイメージを全面に押し出す展示で、展示車の多くがニスモ仕様とされていた。タイのチャン・インターナショナル・サーキットでは、日本のスーパーGTが開催されていることもあるのだろう。
日産シルフィDIGターボ
注目されたのはシルフィだ。日本では1800ccの自然吸気エンジンだけを搭載しているシルフィが、タイでは1600ccの直噴ターボ(DIGターボ)仕様エンジンを搭載したモデルをラインナップする。ジュークNISMOなどに搭載されるのと同じ190psを発生するパワフルなエンジンだ。
日産アルメーラNISMO(ニスモ)
日本では、タイ製の小型セダン がラティオとして輸入・販売されているが、タイではアルメーラの名前で販売される。ラティオは単なるファミリー向けの小型セダンだが、バンコクではNISMO仕様のエアロパーツや足回りなどを備え、スポーツモデルであることを強調しての展示。まるで、違うクルマであるかのようだ。
日産ナバラ
日産のピックアップトラックはナバラ。ヨーロッパ向けは、NP300の名前で販売されていて、日本では販売していない。タイでは、これが日産の主力モデルのひとつとなる。2014年にフルモデルチェンジしたばかりの新型車で、2.5Lのディーゼル やガソリンエンジンを搭載する。
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