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ジープ レネゲード試乗記・評価 4WDとFF。明確に違う2つの個性をもつコンパクトSUV【レビュー:クライスラー】

CORISM / 2016年6月30日 6時23分

ジープ レネゲード

無骨なジープのイメージを上手く料理したカジュアル系ジープがレネゲード

 定年が見えている私の年代でジープと言えば、アメリカTV番組の「コンバット」に登場するウィリスMBジープを連想する。時代は変わり林野を駆け抜ける質実剛健のオフロードの似合うジープから、現在はチェロキー のような都会的なSUV となっている。今回、そのジープ の中で一番コンパクト なSUVであるレネゲードが投入された。

 愛すべきアメ車と言えば、デカイ事が長所であり短所であった。だが、レネゲードは全長×全幅×全高=4260×1805×1725mmと、全幅はややワイドなものの日本でも運転が楽なコンパクトサイズである。しかし、車高が高いので実際の大きさ以上に存在感がある。

 そして、ジープ言えば無骨で硬派な車のイメージだったが、レネゲードはポップなスタイルで登場した。一方、ヘッドライトの周りを中心としたデザインのモチーフはジープ・ファミリーだと一目でわかる。また所々に“X”マークをエクステリアやインテリアを散りばめ遊び心のあるデザインである。私のような年配者が運転するには少々気恥ずかしいが、若者には嬉しいスタイルだろう。車を遊びツールとして使う時には欲しくなるオプションも沢山用意されている。
 
 レネゲードのシートは、身体を包み込む欧州車的で、アイポイントも高く運転がしやすい。インテリアのデザインはエクステリア同様に遊び心がいっぱいなのでチープな印象はない。ボディがコンパクトなため、室内は後席を含め狭いが、室内高がしっかり取れているので空間としての窮屈間はそれほど無い。二人分の荷物をリヤシートに放り込み海や山に行くには充分なスペースがある。

平凡のように感じるパワーユニット&ミッションだったが、実は絶妙? 2.4L+9速ATでAWDのトレイルホーク

 レネゲードのパワーユニットは2つ用意されている。最もジープらしさをもつトレイルホークは、AWD でエンジンは直列4気筒2.4リッター、最高出力175PS、最大トルク23.5kgmに何と9速ATを組み合わせている。車重は1560kgとやや重めであり、市街地走行ではあまり活発とは言えない。乗り心地もお世辞にも良いとは言えずタイヤがドタバタして、ロードノイズもしっかり入ってくる。9速ATについてもエンジン特性がフラットトルクなので、必要性はそれほど感じなく、多段変速のメリットは燃費のためだろうか。

 車両価格は、SUV+外車にしては手が届きやすい3,456,000円。価格的なメリットはあるが、走行性能的には平凡な車の印象を持ちながら箱根ターンパイクに向かった。料金所を通過し加速して坂道を駆け上がっていくと、先程までのネガティブな印象から大きく好転。絶対的な加速は速くはないが、アクセルペダルとクルマの動きがシンクロし、エンジン音も気持ち良い。コーナーの入り口もスムーズにフロントが切れ込み、重心が高いわりにはロールが少なく安定している。

 9速ATも必要無いと考えていたが、多段変速は限りあるエンジンパワーを有効に使え、峠を楽しめる領域に引き上げている。AWDとしては、アンダーステアリングもあまり顔を出さない。市街地では硬いと思ったサスペンションもちょうど良い。試す事は出来なかったが、ジープ伝統の道なき道を走破する、非凡なオフロード性能も兼ね備えているのだから驚きだ。

4WDが必要のない都会派には、軽快感ある1.4LターボのFFがお勧め

 好印象のAWDであるレネゲード トレイルホークから前輪駆動モデルのリミテッドに乗り換えた。リミテッドは、1.4Lダウンサイジングターボエンジンを搭載し前輪駆動。140ps&230Nmを発揮する。FFだし廉価版だと考え、期待しないでアクセルを踏み込んだ瞬間に、それは間違いに気付いた。

 市街地では印象が悪かったトレイルホークとは違って、リミテッドは車が軽く感じる。それは、トレイルホークより低回転で同等の最大トルク230Nmを発揮するからだ。ダウンサイジングターボのメリットが生きている。だから、低速域からイイのである。

 コーナーでもトレイルホーク以上にフロントがインに切れ込んでいく。エンジンは、トレイルホークより1リッターも少ない1.4リッター。ターボの助けを借りて最高出力140PS、最大トルクはトレイルホークと同じ240Nmを搾り出す。一方、車重は100kg以上も軽く、数値以上に加速感は気持ち良く、6速デュアルクラッチを介してよりスポーティに走れる。トレイルホークとリミテッドは、別の車と考えた方が良い。市街地だったら、リミテッドの方が断然良く、しかも価格も安い。AWD機能が必要の無い人なら、断然FFモデルがお勧めだ。

 ジープ・ファミリーの末弟とした誕生したレネゲード。国産車に無い個性的な車が欲しいと思っていて、そしてスタイルに惚れたならレネゲードを選んでも後悔しないだろう。AWDとFFは乗り味の差が大きい。ジープらしい高い悪路走破性をもつホンモノのSUVが欲しいならトレイルホークだ。また、デザイン性重視でライフスタイル的に都会で楽しみたいのならFFのリミテッドがお勧めである。

ジープ レネゲード価格

■ジープ レネゲード価格
・LONGITUDE 2,970,000円
・LIMITED 3,186,000円
・TRAILHAWK 3,456,000円

ジープ レネゲード燃費、スペックなど

代表グレード ジープ レネゲードLONGITUDE
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,255×1,805×1,695mm
ホイールベース[mm] 2,570mm
車両重量[kg] 1,400kg
総排気量[cc] 1,368cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 140(103)/5,000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 230(23.5)/1,750rpm
ミッション 6速デュアルクラッチAT
JC08燃料消費率[km/l] 15.5km/l
定員[人] 5人
価格 2,970,000円
レポート 丸山和敏
写真 編集部

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