マツダ アテンザ新車情報・購入ガイド ハイブリッドを超えた!? 価格、燃費、燃料経済性、安全性、すべてが高いバランスとした大幅改良【ニュース・トピックス:マツダ】
CORISM / 2016年9月12日 21時21分
デビューから2年で大幅改良したアテンザ。さらに、再び大幅改良
マツダはアテンザを改良し、発売を開始した。
マツダ アテンザは2012年11月にフルモデルチェンジし3代目となった。このモデルから、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」と「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」の2つが投入された。新デザインとなったアテンザは、FF(前輪駆動)車なのにロングノーズで、まるでFR(後輪駆動)車のように躍動感あるフォルムが特徴。パワーユニットは、2.2Lクリーンディーゼルに2.0Lと2.5Lの直4エンジンをライナップ。クリーンディーゼル車は、420Nmという大トルクを誇りながら、22.4㎞/Lという低燃費も実現している。また、セダンの他に国産車では珍しくなってしまったワゴンも用意されているのも特徴だ。そして、今となっては超少数派となったMT車のラインアップが豊富なのも魅力のひとつ。クリーンディーゼル車には、すべてのグレードに6MTが用意されている。残念ながら、ガソリン車にはMTと4WDの設定はない。
そんなマツダ アテンザは、デビューから約1年後の2013年11月に一部改良が施された。さらに、それから1年後の2014年11月に大幅改良が行われた。この改良では、安全装備が進化。内外装デザインの変更に加え、静粛性の向上や足回りの変更による走行性能の向上を図られた。デビューから、わずか2年でここまで変更するのか? と、思えるほどのものだった。
そんな大幅変更があったことから、アテンザはしばらく大人しくしていたわけだが、CX-3やアクセラに新技術が搭載されたことを受け、アテンザも同様の変更が加えられた。
歩行者検知式の自動ブレーキが装備されて、飛躍的に安全性能が向上!
今回の改良では、安全装備が進化し高い安全性能を得た。従来のアテンザは、歩行者を検知することができなかったが、今回の改良でアクセラと同様に歩行者検知式の自動ブレーキが装備された。この機能は「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」と呼ばれている。
このシステムは、フォワード・センシング・カメラが使われており、検知対象を車両のみから、歩行者にまで拡大している。車両検知の作動速度域も従来の約4~30km/hから、約4~80km/hまで拡大。歩行者検知は約10~80km/hで作動する。このクラスの輸入車では、すでに歩行者検知式の自動ブレーキは当たり前になっているが、国産車ではまだ少ないのが現状。国産車の中では、優れた安全性能をもっているといえる。
また、カメラを使っていることから、速度制限・進入禁止・一時停止の交通標識等を読み取り、アクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示するほか、制限速度超過をディスプレイ内のグラフィック点滅やブザー警告でドライバーに通知する新開発の「交通標識認識システム(TSR)」も採用されている。
早くも装備された新技術G-ベクタリングコントロール。ボディ、ディーゼルエンジンの改良で静粛性も向上
運動性能面では、G-ベクタリングコントロールが全車に標準装備化された。この機能は、なかなか分かりにくいのだが、ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させることで、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロール。タイヤの接地荷重を最適化して人間の身体感覚に合った自然で滑らかな車両挙動を実現する制御技術。こうしたタイヤの接地荷重コントロールは、上手いドライバーは自ら行っている。こうしたテクニックをクルマが自動で行ってくれるということになる。特に降雪、降雨時などの滑りやすい路面でより高い効果を発揮し、操縦安定性を向上。乗員にかかる加速度の変化をより滑らかにつなぐことで、体の揺れが減り、乗り心地も改善するという。
人気の2.2Lクリーンディーゼルエンジンも、アクセラと同様な進化を遂げた。過給圧の制御を最適化し、より細かな燃料噴射を可能にしたことで、エンジンのトルク応答をより緻密にコントロールする「DE精密過給制御」を採用。アクセル操作に対するクルマの反応がやや遅れていた軽負荷領域においても、ドライバーの意思に沿った一体感のある走りが実現。また、ノック音の原因であるエンジン燃焼による圧力波と部品の共振による圧力波に着目し、特に音量が大きい周波数別に静粛性を向上させる「ナチュラル・サウンド・スムーザー」と「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用し、ディーゼルの不快な音を低減している。
さらに、フラッグシップモデルとしての高級感を向上させるため、静粛性や振動の低減も図られている。車両の隙間からの騒音の侵入を徹底的に抑制するとともに、フロントドアガラスの板厚アップやトップシーリングの吸音材面積の拡大により、遮音・吸音性能を向上。フロントドアガラスに遮音ガラスを採用。ロードノイズと風騒音を大幅に低減し、静粛性を向上(L Packageのみ)している。
より高級感ある仕様になったL Packageには、さらにラグジュアリー感もアピール。シート素材は上質でしっとりした滑らかな触感のナッパレザーを採用。ナッパレザーは、高級外車にも採用されている素材だ。インパネデコレーションパネルやドアトリムスイッチ、シフトパネルは専用カラーでコーディネートし、パワーシートスイッチ、グローブボックスのノブも専用加飾で高品質感を演出。上級車種に相応しいラグジュアリーな空間に仕上げられた。
お勧めグレードはXD PROACTIVE+オプションのセーフティ・クルーズ・パッケージの組み合わせ
そんなマツダ アテンザの価格は2,764,800円から。クリーンディーゼル車の中間グレードXD PROACTIVEは3,277,800円。最上級のXD L Packageは3,774,600円となっている。XD L Packageの4WD車は4,001,400円となり、なんと400万円台に突入した。
アテンザと似たようなサイズの国産セダンはというと、FF(前輪駆動)車ではカムリとアコードがある。両車ともハイブリッド車ということもあり、アテンザのクリーンディーゼル車に対して価格はやや高め。カムリの燃費は、23.4㎞/Lとアテンザの19.6㎞/L(AT)と比べるとやや勝るが、アテンザの燃料は軽油なので20円/L前後安い。こうなると、燃料費では同じ程度になる。
ただし、クリーンディーゼル車は420Nmという大トルクを得ているので、余裕のある走りという面ではアテンザが勝る。アコードの燃費は、31.6㎞/Lと非常に低燃費なので、さすがのアテンザも燃料費換算でも勝負にならないが、余裕のある走りという面では、は、やはりアテンザがアコードを上回る。走りと燃費、価格のバランスという点では、ライバルのハイブリッドを車をリードする。
アテンザの選び方は、リセールバリューも考えると、やはりワゴンでクリーンディーゼル車ということになりそうだ。セダンは、中古車マーケットでも人気が低い傾向だからだ。グレード選びは、PROACTIVEを中心に考えたい。XDグレードでは、ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)などがオプションでも選ぶことができず、安全装備面で少々物足りない状況だからだ。とはいえ、PROACTIVEでも物足りない装備がある。レーダークルーズコントロールなどは、長距離走行での必須アイテム。こうしたやや足りない装備は、セーフティ・クルーズ・パッケージとして設定されている。このオプションを選択すれば、十分に満足いく仕様になる。オプション価格は75,600円と、それほど高くないのでお勧めだ。さらに、運転席パワーシートやシートヒーターなどが欲しいということなら、ドライビング・ポジション・サポート・パッケージとして64,800円で設定されている。レザーシートにこだわるというのであれば、L Packageを選ぶしかない。L Packageには、PROACTIVEに装着したいオプション類が標準装備化されている。
マツダは、国内販売が不調だ。これは、値引きゼロで勝負していることが大きな要因。そのため、実際の商談では、値引きに関しては非常に厳し状況。とはいえ、交渉次第で多少の値引きは引き出せる。そのためには、カムリやアコードといったハイブリッド車を競合させてみたい。さらに、フォルクスワーゲン パサートやBMW320d(クリーンディーゼル車)の中古車などの輸入車を入れてみるのも効果的だ。値引き額が限界に達したら、用品系のサービスに切り替えてみるといいだろう。
マツダ アテンザ価格
■マツダ アテンザ セダン/ワゴン価格
<FF(前輪駆動)>
・20S 6EC-AT 2,764,800円
・20S PROACTIVE 6EC-AT 2,867,400円
・25S L Package 6EC-AT 3,364,200円
・XD 6EC-AT 3,175,200円/6MT 3,229,200円
・XD PROACTIVE 6EC-AT 3,277,800円/6MT 3,331,800円
・XD L Package 6EC-AT/6MT 3,774,600円
<4WD>
・XD 6EC-AT 3,402,000円/6MT 3,456,000円
・XD PROACTIVE 6EC-AT 3,504,600円/6MT 3,558,600円
・XD L Package 6EC-AT/6MT 4,001,400円
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