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トヨタ ルーミー/タンク ダイハツ トール新車情報・購入ガイド スズキの一人勝ちは許さない! コンパクトトールワゴンマーケットを根こそぎ奪え!【ニュース・トピックス:トヨタ】

CORISM / 2016年11月30日 16時16分

トヨタ ルーミー/タンク ダイハツ トール

スズキ ソリオが育てたコンパクトトールワゴンクラスに新規参入する新型車ダイハツ トール、トヨタ ルーミー/タンク

 ダイハツトヨタ は、コンパクト トールワゴン である新型車ダイハツ トール、トヨタ ルーミー/タンクの発売を開始した。

 新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクは、ダイハツが企画・開発・生産の全てを担い、小型乗用車では初めて、トヨタ全チャネルへのOEM供給するモデルとなる。

 新型トール、ルーミー/タンクの全長は3,700mm。このボディサイズは、アクアなどのコンパクトカーよりさらに小さいボディサイズとなる。トヨタでは、パッソ(3,650mm)などと同じクラスだ。他社では、日産マーチや三菱ミラージュ、スズキ スイフトなどが上げられる。このクラスの販売台数は、一部の車種を除き非常に厳しい状況にある。それは、軽自動車に近いボディサイズになるため、ライバルがコンパクトカーではなく軽自動車になるためだ。軽自動車がななかな優れたパッケージングをもつため、居住性や車両価格は大差ないものの、維持費では軽自動車が優れるため、そう簡単には売れないクラスとなっていた。

 そんなクラスの中で、安定した販売台数を確保していたのがスズキのソリオだ。一般的なコンパクトカーとは異なり、高い全高をもつコンパクトトールワゴンというクラスに属している。このクラスは、地味にスズキがマーケットを育ててきたクラス。古くは軽自動車のワゴンRのボディを大きくし、1.0Lエンジンを搭載したワゴンR+などがあった。ソリオは、ワゴンR+の系譜と言っていいだろう。

 そのソリオは、販売台数が好調。2016年4~9月の販売台数は24,516台。前年同月比153.3%と好調。登録車の新車販売台数ランキングでは15位で、スズキの登録車でトップとなっている。トヨタはbBがあったが、少し前に撤退したものの、このクラスのマーケットは、徐々に拡大していくとみているようだ。ダイハツとトヨタは、新型トール、ルーミー/タンクという3車種、トヨタの全チャネルという圧倒的な営業力で、このコンパクトトールワゴンクラスを根こそぎ奪う作戦だ。

売れる迫力系デザイン&LEDの光モノで勝負! 選択肢豊富な6種類のデザインを用意

 新型トール、ルーミー/タンクのデザインコンセプトは「リトルジャイアント」。ダイハツは、ライバルに対してカスタム系で大人気を得ている。この差が販売台数の差になっていると言われているくらいで、売れるデザインを熟知していると言ってもいいだろう。

 そのため、新型トール、ルーミー/タンクを好む顧客層のツボを上手く抑えたデザインとなっている。すべてのモデルが、とにかく顔がデカイ。空力を考えたら、フロントのボンネット先端はできるだけ下げて空気抵抗を減らしたいところだ。しかし、新型トール、ルーミー/タンクのボンネットは、路面に対してほぼ平行に近い。顔の大きさを確保したいためのデザインだ。

 この大きな顔に、迫力&強面系のデザインテイストが加えられるので、とにかく迫力がある。小さなクルマの魅力である可愛さなどは、なぜかマーケットでは評価されてこなかった経緯を踏まえた結果だ。

 その迫力系デザインにプラスされるアイテムがLEDの光モノ。LEDのヘッドランプにリヤランプという贅沢な装備が良いされ、迫力+ギラギラとなり、とにかく夜でも目立つ。まさに、ダイハツが軽自動車で成功しているデザイン手法が使われている。まさに、マーケットインなデザインと言えるが、これが売れるデザインなのだ。

ソリオを上回る小回り性能!

 新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクのボディサイズは、全長3,700×全幅1,670×全高1,735mm、ホイールベースは2,490mmとなっている。スズキ ソリオと比較すると、ソリオは全長3,710×全幅1,625×全高1,745mm。ホイールベースは2,480mm。全幅が35㎜、新型トール、ルーミー/タンクがワイドである以外、ほぼ同様のボディサイズとなっている。

 顧客の選択肢を増やし、ライバルのソリオと差別化するために、新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクには、それぞれ迫力あるフェイスデザインなどを採用したカスタムが用意されている。計6タイプを用意することで、より顧客のニーズに合ったモデルを提案できるようになっている。

 また、こうしたコンパクトモデルは、小回り性能を表す最小回転半径がひとつの指標になる。数字が小さいほど、小回りが効き、狭い駐車場や狭い道で使いやすい。新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクの最小回転半径は4.6m。対して、ソリオは4.8mとなっていて、後発だけあり新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクの機動性は高い。

幅広い年齢層に対応する使い勝手の良さ

 コンパクトトールワゴンの顧客層は、子育て層から高齢者までワイド。そのため、どの世代でも使いやすい装備や仕様は重要。当然、新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクは使い勝手にもこだわった。子供や高齢者など、狭い場所でのドアの開閉に便利な両側パワースライドドアをほぼ標準装備。後席のステップ高は366㎜と低床フロアが採用され、広いドア開口面積もあり、高齢者でも大きな姿勢変化が無く乗り降りが可能だ。後席は、前後乗員間距離1,105mmとなっていて、コンパクトカーとは思えないゆとりある空間となった。

 シートアレンジも豊富。フロントシートへのウォークスルーも用意。リヤシートスライドは240mm。後席をスライドさせると、機内持ち込み用スーツケース なら4個程度を収納可能。また、左右それぞれにスライドでき、荷室側からも簡単操作が可能だ。さらに、フルフラットシートにもなり、車中泊などにも対応している。そして、リヤシートをダイブインさせると、荷室は1,500mm超の長尺物も積載可能となる。自転車なども積載可能だ。

 軽自動車で鍛えた収納力の高さも新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクの魅力。閉じた状態の場合、スマートフォンが置け、引き出せばペットボトルや紙パック(500mℓ/1L)などを収納可能できる回転式カップホルダーなど便利な収納が豊富に用意されている。

燃費はソリオ。しかし、パワフルな1.0Lターボで差別化

 新型ダイハツ トール、新型トヨタ ルーミー/タンクに搭載されるエンジンは、新開発の直3 1.0Lターボエンジン(1KR-VET)と、自然吸気直3 1.0Lエンジン(1KR-FE)だ。

 新開発の1.0Lターボは、1.5Lクラス相当のトルク(140Nm)を2,400~4,000回転の幅広い回転域で発揮する。ライバルのソリオは1.2Lで118Nmなので、とくに低中速では力強い加速力を得られる。最高出力は、ソリオが91PSに対して、新型トール、ルーミー/タンクは98psとなっている。さすがターボといった印象だ。1.0L車は69ps&92Nmの出力となった。

 ただし、燃費性能を比較すると、さすがにマイルドハイブリッド機能を装備するソリオが優れる。ソリオは27.8㎞/Lに対して、新型トール、ルーミー/タンクはターボ車が21.8㎞/L、1.0L車が24.6㎞/Lとなっている。

 エンジンのスペックでザックリと比較すると、燃費のソリオ、走りの新型トール、ルーミー/タンクといった印象になる。微妙なのは、1.0L車で燃費でも走りでもないという状況となってしまっている。

 こうした燃費値の差は、軽量化技術で差がついているようにも見える。フロントフェンダーやバックドアを樹脂化し軽量化したものの、新型トール、ルーミー/タンクの車重は1,100㎏。ターボ車なので、やや車重が増える傾向にあるが、ソリオの車重はわずか950㎏。さすがに、このコンパクトなボディサイズで150㎏の車重差は大きい。燃費性能だけでなく、軽量化は走りの質にも影響してくるので、このあたりは試乗してチェックしてみる必要がある。

物足りない安全装備。スマートアシストⅡは全車標準装備化すべき!

 安全装備では、ダイハツの自動ブレーキ関連の安全装備スマートアシストⅡを用意。一部グレードには、オプション装備すらできない。スマートアシストⅡは、対車両に対しての衝突回避・被害軽減が可能だが、歩行者に関しては警報のみ。対して、ライバル車のソリオにオプション装備されるデュアルカメラブレーキサポートは、歩行者検知式の自動ブレーキなので、対歩行者という面では、ソリオが優れる。ただし、後方への誤発進抑制機能は無く、前後の誤発進抑制機能をもつスマートアシストⅡが優れる。このあたりは、微妙で一長一短といったところだ。

 新型トール、ルーミー/タンクやライバルのソリオ共に、安全装備に関しては高いレベルにあるとは言えない。ダイハツもスズキも安全を売りにしている以上、こうした歩行者や乗員を守る装備は全車標準装備にするべきだ。クルマは、使い方を誤れば凶器になる。

 最近では、高齢者を中心に多くの悲しい事故が起きている。高齢者だけでなく、どんなに注意していてもいつ自分が加害者や被害者になるか分からない。人間のミスを安価な価格で補ってくれる安全装備があるのなら、凶器になるかもしれない商品を売っているメーカーには、積極的にこうした安全装備を採用する責任がある。オプション設定にする、そもそも設定がないなど、安全を顧客の財布の中身次第にし、責任を放棄して売ってはいけない。

リーズナブルな価格設定。お勧めはターボのカスタムモデル

 新型トール、ルーミー/タンクの選び方。新型トールGターボSAⅡの価格は1,803,600。G SAⅡの価格は1,684,800円。ライバルのソリオと比較すると、かなり魅力的な価格設定となっている。まさに、コンパクトトールワゴンマーケットを根こそぎ奪い取る気合いを感じさせる価格設定だ。

 新型トール、ルーミー/タンクは、それぞれにカスタム系があり計6タイプが用意されている。まずは、外観デザインで好みのモノを選ぶことから始まる。価格はやや高価になるが、リセールバリューを考慮するとカスタム系がお勧めだ。

 そして、エンジンの選択となる。エンジンは、1.0Lターボと1.0Lの2タイプ。お勧めは1.0Lターボ。新型トール、ルーミー/タンクは、ソリオと比べると車重が重い。そのため、高速道路やアップダウンが激しい道、ロングドライブなどで使うには、1.0Lではやや物足りないかもしれない。そうなると、やはり1.0Lターボがお勧めだ。燃費は21.8㎞/Lとソリオの27.8㎞/Lに遠く及ばないが、ターボらしい力強い加速が楽しめる。

 グレードは、やはりGグレードがお勧め。Xグレードは、マニュアルエアコンだったり右側スライドドアがパワースライドではなかったりするなど、かなりシンプルな設定。装備の満足度を考えるとGグレードがお勧めだ。ただ、このGグレードにも自動ブレーキ関連の安全装備スマートアシストⅡはオプション設定になっている。今時、スマートアシストⅡくらいの安全装備は付いていて当然の時代。また、リセールバリューもこうした自動ブレーキの有無も評価されているので、スマートアシストⅡ付モデルの購入が基本だ。

 その他、お勧めオプションはパノラマモニター(43,200円)、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)&SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)〈リヤシートベルトプリテンショナー&フォースリミッター機構付(左右席)〉(49,680円)、LEDヘッドランプ(カスタムを除く64,800円)などだ。

ダイハツ トール、トヨタ ルーミー/タンク価格

■ダイハツ トール価格
・X 2WD 1,463,400円/4WD 1,636,200円
・X“SAⅡ” 2WD 1,528,200円/4WD 1,701,000円
・G 2WD 1,620,000円/4WD 1,792,800円
・G“SAⅡ” 2WD 1,684,800円/4WD 1,857,600円
・Gターボ“SAⅡ” 2WD  1,803,600円
・カスタムG 2WD 1,771,200円/4WD 1,944,000円
・カスタムG“SAⅡ” 2WD 1,836,000円/4WD 2,008,800円
・カスタムGターボ“SAⅡ” 2WD 1,965,600円

■トヨタ ルーミー/タンク価格
・X 2WD 1,463,400円/4WD 1,636,200円
・X“S” 2WD 1,528,200円/4WD 1,701,000円
・G 2WD 1,620,000円/4WD 1,792,800円
・G“S” 2WD 1,684,800円/4WD 1,857,600円
・G-T 2WD 1,803,600円
・カスタムG 2WD 1,771,200円/4WD 1,944,000円
・カスタムG“S” 2WD 1,836,000円/4WD 2,008,800円
・カスタムG-T 2WD 1,965,600円

ダイハツ トール、トヨタ ルーミー/タンク燃費、スペックなど

代表グレード ダイハツ トールカスタムGターボ“SA Ⅱ” “
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,700×1,670×1,735mm
ホイールベース[mm] 2,490mm
トレッド前/後[mm] 1,455/1,465mm
車両重量[kg] 1,100kg
総排気量[cc] 996cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 72[98]/6,000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 140[14.3]/2,400~4,000
ミッション CVT
タイヤサイズ 175/55R15
定員[人] 5人
税込価格[円] 1,965,600円
レポート 編集部
写真 ダイハツ/トヨタ

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