スズキ スイフト新車情報・購入ガイド 日本でも高い人気を誇る世界戦略車4代目新型スイフト誕生。しかし、環境性能が重視されている時代なのに、アイドリングストップ機能無しのグレードが多数の謎!【ニュース・トピックス:スズキ】
CORISM / 2017年1月6日 15時15分
4代目新型スイフト誕生! スズキの世界戦略であり、国内登録車の基幹車種でもある
スズキ は、コンパクトカー のスイフト をフルモデルチェンジし2017年1月4日より発売を開始する。今回のフルモデルチェンジで、スズキ スイフトは4代目となっている。
初代スズキ スイフトは、2000年にデビュー。やや背が高く居住性に優れたコンパクトカーとしてデビューした。この初代スイフトがJWRCにデビューしたことから、スイフトがスポーツモデルとしてのブランドイメージを構築し始めることになる。
そして、2004年に登場した2代目スイフトは、世界戦略車として登録車用のプラットフォーム(車台)を得て、一段と進化した。このモデルから、1.6Lエンジンを搭載したスイフト スポーツが登場。廉価で走りを楽しめるモデルとして高い人気を得た。
3代目は2010年に登場。2代目スイフトと変わり映えしないデザインながら、ホイールベースを伸ばし室内スペースを向上。より、上質感のあるコンパクトカーとなった。この3代目にも1.6Lエンジンを搭載したスイフト スポーツが用意されていた。
3代目スイフトの販売状況は、軽自動車を除くスズキの国内販売を支える基幹車種ともいえる存在だ。2013年度には42,443台を売り、登録車の販売台数ランキングで15位に入った。
スズキの国内営業は、非常に偏った売り方をする傾向が強く、その後、売れ始めたソリオにイッキに力を入れ始めた結果、スイフトの販売台数はジリジリと下がっていった。それでも、モデル末期の2016年度は27,147台を売り、登録車の販売台数ランキングは25位となっており底力をみせた。
かなり精悍になったフロントフェイス。スポーティで上質感あるインパネデザイン
4代目となった新型スズキ スイフトのデザインは、2~3代目のデザインテイストとはやや異なる。新型スイフトのボディサイズは、全長3,840×全幅1,695×全高1,500スmmとなった。全長が10mm短くなった程度で、後は先代モデルと同じだ。ホイールベースは、2,450mmとなり20mm伸びた。
ひと目で変わったと感じさせるのはヘッドランプ。やや鋭い目つきとなり精悍さを感じさせる。さらに、大開口フロントグリルが加わり、力強さと存在感を表現している。
全体的なシルエットは、従来のスイフトらしさを継承。重心の低いプロポーションとフェンダーの張り出し感を強調し、力強さと安定感のあるスタイリングとした。
またサイドのシルエットは、リヤドアハンドルをCピラーガーニッシュに配置。最近の5ドアハッチバック よく見られる2ドアクーペ に見えるようなサイドビューとしている。
ボディカラーは、鮮やかさと深みの両立を実現した新色の赤「バーニングレッドパールメタリック」と、青「スピーディーブルーメタリック」の2色を加えた全9色の車体色を設定した。
新型スイフトの「RS」「HYBRID RS」「RSt」は、精悍な印象のフロントグリル、フロント&リヤバンパー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラーを専用開発。リヤフォグランプや、切削加工とブラック塗装を施した専用16インチアルミホイールも装備。スポーティ モデルらしいスタイリッシュなエクステリアデザインとしている。
インパネのデザインも大幅に変更されている。ドライバーを中心としたスポーティーな雰囲気にまとめられていて、従来のスイフトよりひとクラス上の質感を感じさせる。ナビゲーションパネルやエアコンの操作系は、運転席側に5度傾けて配置し。ドライバー中心とした操作性とスポーティなデザインを両立した。
メーター、ホーンパッド、エアコンルーバー、エアコンスイッチなど、機能部品を円筒モチーフで統一した。円筒形状のメーターは、スピンドル加工を施した盤面や、水温計・燃料計をメーター内に配置したデザインなどにより、スポーティーかつ高い質感を実現した。ステアリングホイールは、軽いDシェイプデザインとなり、スポーティな印象を際立たせている。
マイルドハイブリッドを搭載し、燃費は27.4㎞/Lを達成! 1.0Lターボは、レギュラーガソリン仕様に
新型スズキ スイフトに搭載されるエンジンは、1.2Lと1.2Lマイルドハイブリッド 、1.0Lターボの3タイプが用意されている。
1.2LはXG、XL、RSの3グレードに搭載され、燃費は22.6~24.0㎞/Lとなっている。出力は91ps&118Nm。そして、注目のマイルドハイブリッド機能が搭載された1.2Lエンジンは27.4㎞/L。
これらのグレードに搭載されるK12C型デュアルジェット エンジンは、燃焼改善技術により圧縮比を12.0から12.5まで上げて熱効率を高めるとともに、冷却性能向上や混合気最適化などによりノッキングを抑制した。低回転域でのトルクの向上に加え、フリクション低減やエンジンの軽量化およびコンパクト化により高い次元で優れた燃費性能と力強い走りを両立している。
そして、1.0LターボエンジンはRStに搭載され、燃費は20.0㎞/Lで出力は102ps&150Nm。1.5L自然吸気エンジン並みの最大トルクを発揮。
このK10C型ブースタージェットエンジンは、すでにバレーノに搭載されているものと基本的には同じ。ただし、パワーやトルクはバレーノに搭載されているスペックより若干落ちている。これは、バレーノがハイオクガソリン仕様なのに対して、スイフトはレギュラーガソリン仕様に変更されていることが理由だと思われる。
際立つスズキの軽量化技術! 従来モデル比120㎏も減!!
新型スズキ スイフトは、プラットフォーム(車台)も一新されている。軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用されている。この新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」は、スズキの軽量化技術の集大成ともいえるもので、ボディーやエンジン、足まわりなど車両全般にわたり徹底した軽量化を図った結果、従来モデル比で120kgの軽量化を実現している。
軽量化は、クルマの運動性能や、燃費に大きく貢献する。HYBRID RSで910㎏、XLのMT車は860㎏となっている。この車重は、スーパーハイト系 軽自動車 のホンダN-BOX (950㎏)よりも軽い。この軽量ボディからくる軽快感は、新型スイフトの最も注目したいポイントだ。また、今後発売されるであろう新型スイフトスポーツの走行性能も、さらに鋭さを増すと予想でき登場が楽しみでもある。
そして、代々築いてきたハンドリング性能としなやかな乗り心地を両立させたスイフトのハンドリング性能のは、サスペンションを新設計するとともに、レイアウトを刷新。高い応答性とリニアな操舵感が得られる可変ギヤレシオステアリングなども採用され、欧州各国で走り込みや性能確認を実施。運転する愉しさに磨きをかけている。
さらに、「RS」「HYBRID RS」「RSt」は、速度域の高い欧州の道路環境を想定し、フラットでしっかりとした乗り味と直進安定性を発揮するチューニングを施した。
高齢者事故の多発など、世界戦略車なら、歩行者検知式自動ブレーキは標準装備化を望む!
安全装備面では、歩行者検知式自動ブレーキ関連の安全装備デュアルセンサーブレーキサポートが用意された。スズキ初採用となる単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減システムで、誤発進抑制機能(5MT車を除く)、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシスト機能(スズキ初)ある。このクラスでは珍しい、先行車追従式のクルーズコントロールであるアダプティブクルーズコントロール(ACC)も用意されている。この機能は、便利なだけでなく高速道路などでの疲労軽減にもなる。また、デュアルセンサーブレーキサポートを選択すると、サイド&カーテンエアバッグも装備される。
今、このクラスでは数少ない歩行者検知式自動ブレーキが用意されたことは評価できるが、標準装備化されていない点は、スズキの安全に対して少々腰が引けている印象を与えている。高齢者などの事故が多発し今後も多発する可能性が高い現在、歩行者検知式の自動ブレーキや踏み間違え防止アシストといった装備は、もはや待ったなしで標準装備化が必要な時代となっている。
スズキだけの問題ではないが、クルマは扱い方を間違えると人を殺める凶器となる。ちょとしたミスでも、いつ誰がどこで加害者になるか分からない。逆に、被害者になることさえある。今や技術で、こうした事故を避ける可能性が高いのであれば、交通死亡事故を原因となるクルマを生産し売る自動車メーカーは、社会的な責任として積極的に標準装備化を進めるべきだ。オプション装備化にするなどし、顧客に責任を押し付けるような売り方には賛成できない。こうした安全装備に対する姿勢は、企業の本質を感じさせる部分でもあるし、結果としてブランドイメージを下げかねない。
新型スイフトは、欧州でも売られる世界戦略車だ。欧州でクルマの安全性能を評価するEURO NCAPでは、もはやサイドエアバッグや歩行者検知式自動ブレーキが標準装備化されていないと高い評価を得ることはできない状態なのだから、積極的に標準装備化を進めてもらいたい。
新型スズキ スイフト購入ガイド。まさかの、アイドリングストップ機能無いグレードが多数! もはや、マイルドハイブリッド車以外選びにくい状況に!!
新型スズキ スイフトの購入ガイド。まず、XGグレードは歩行者検知式自動ブレーキがオプションでも選ぶことができないので、まず選択肢から外したい。そして、1.0LターボのRStだが、レギュラーガソリン仕様になったとはいえ、燃費は20.0㎞/Lでエコカー減税にも対応していないので、よほどこのエンジンに対して魅力を感じている人以外は選ばない方がいい。走りを重視したいというのであれば、遅れて出てくる予定の新型スイフトスポーツがお勧めだ。そして、RSはMTしか設定がないため選びにくい。MTで乗りたいというのであれば、こちらも新型スイフトスポーツが出てから決めるといいだろう。
そうなると、グレード選びはXL、HYBRID ML、HYBRID RSの3つに絞られる。XLとHYBRID MLの価格差は、約16万円。燃費差はFFのCVTで3.4㎞/Lと、それほど差が無い。予算重視であるなら、XLでもいいかと思うのだが、なんとこのXLを含めRS、RStなど、マイルドハイブリッド車以外は、アイドリングストップ機能が外されているのだ。先進国において、CO2排出量減は重要な政策のひとつ。さらに、自動車業界をリードする日本メーカーが、日本マーケットに対してこうした設定を行うこと自体時代に逆行している。なるべく安価で売りたいのは分かるが、環境性能などを落としてまで価格を重視するという選択は微妙。顧客が欲しいのは、単なる安いクルマでなく、より良いクルマが安く欲しいのだ。
もはや、新型スイフトの選び方は、HYBRID MLかHYBRID RSという選択肢しかない状態となってしまった。価格差は約7万円。これならば、RS専用のエアロパーツを装着したHYBRID RSがお勧めだ。こうしたエアロパーツを装着したスポーティグレードは、リセールバリューも高くなる傾向にあるので、短期での乗り換えでは価格差は少なくなる。
必ず装着したいオプションは、セーフティパッケージで96,120円。この価格で歩行者検知式自動ブレーキやサイド&カーテンエアバッグ、アダプティブクルーズコントロールなどが装備される。この装備を付けてようやく新型スイフトは、世界レベルの安全性能を得ることができる。本来なら、こうした装備を標準装備化して、全体のコストを下げる方法を考えるべきだ。
スズキ スイフト価格
■スズキ スイフト価格
・XG 2WD 5MT 1,343,520円/CVT 1,343,520円/4WD 1,497,960円
・XL 2WD 5MT 1,463,400円/CVT 1,463,400円/4WD 1,617,840円
・HYBRID ML 2WD 1,625,400円/4WD 1,779,840円
・RS 2WD 5MT 1,594,080円
・HYBRID RS 2WD CVT 1,691,280円/4WD 1,845,720円
・RSt 2WD 6AT 1,704,240円
スズキ スイフト燃費、スペックなど
代表グレード | スズキ スイフトHYBRID RS |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,840×1,695×1,500mm |
車両重量[kg] | 910kg |
総排気量[cc] | 1,242cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 91(67)/6,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)] | 118(12.0kg・m)/4,400 |
モーター最高出力[ps(kw)] | 3.1(2.3)/1,000rpm |
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] | 50(5.1)/100rpm |
ミッション | CVT |
最小回転半径[m] | 4.8m |
バッテリー 種類 | リチウムイオン電池 |
定員[人] | 5人 |
価格 | 1,691,280円 |
レポート | 編集部 |
写真 | スズキ |
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