レクサスLC新車情報・購入ガイド 今後のトヨタFR車のパフォーマンスを左右するGA-Lプラットフォームを採用した第1弾モデル【ニュース・トピックス:レクサス】
CORISM / 2017年4月2日 3時26分
レクサスLC記事の目次
- 劇的な走りの進化が期待できるFR用GA-Lプラットフォーム
- 低いフード高にもこだわった新開発サスペンション
- 環境と走りの質を両立した世界初マルチステージハイブリッドシステムとは、真逆となる未だアイドリングストップ機能さえ装備されない旧態依然のV8 5.0Lエンジン
- 一定水準に達したものの、世界トップレベルとは呼べない安全装備
- 進化し続けるデザイン。ラグジュアリー感際立つ妖艶さが魅力的
- 新型レクサスLCのグレード選び
- 新型レクサスLCの価格、燃費、スペックなど
- 新型レクサスLC動画集
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■劇的な走りの進化が期待できるFR用GA-Lプラットフォーム
レクサスは、ラグジュアリークーペとなる新型レクサスLCの発売を開始した。
新型レクサスLCのボディサイズは、全長4,770×全幅1,920×全高1,345mmというボディサイズをもつ。レクサスには、すでにRCというクーペがあるが、新型LCはRCよりひと回り大きいボディサイズとなる。直接のライバルになるかは別だが、メルセデス・ベンツSクラスクーペやBMW6シリーズなどと比べると、新型LCはやや全長が短く、全幅はワイド、全高は低い傾向にある。よりワイド&ローな印象になっており、スタイリッシュなスタイルといえるだろう。
面白いのは最低地上高。これだけワイド&ローなボディサイズとしていながら、新型レクサスLCの最低地上高は140㎜。セダンのレクサスGSが130㎜なので、最低地上高はセダンのGSより高い。当然、Sクラスクーペや6シリーズよりも高い設定だ。
そんな最低地上高をもつ新型レクサスLCだが、新開発されたFR(後輪駆動)用GA-Lプラットフォームが採用された。原点に立ち返った基本性能の追求を目指しキーワードは“BACK to BASICS”とされた。基本に立ち返り、慣性諸元の作り込みや、ボディ骨格の高剛性・軽量化など、プラットフォームとしての基本性能向上に細部までこだわったという。
まず、正確なステアリングフィールを実現するため、フロントミッドシップレイアウトが採用された。エンジンなどの重量物を車両中心近くに配置。さらに、軽量のCFRP(カーボンファイバー)やアルミ部材を使い重心高を下げている。CFRP化は、ルーフやドアなど多岐に及んでいる。
こうすることで、慣性モーメントを低減し、優れた旋回性能などを実現している。フロントミッドシップ化により、クルマの重心がドライバーに近い位置にあると、まるでドライバーを中心にクルマが動いている感覚になり、クルマとの一体感をより強く感じ運転が楽しくなる。ただ、低重心化という割には、最低地上高が高めというのが意外だ。
ボディ剛性面では、パネルを面で結合し、剛性の向上と振動の減衰特性を高める構造用接着剤を積極的に使用。その使用部位は、車両全体の約6割にあたる約73mに及んでいる。
今回採用されたGA-Lプラットフォームの採用で、トヨタのFR車は今後一段と進化する。このプラットフォームがベースとなりレクサスLSが2017年秋ごろに登場予定。さらには、多くのFR車がフルモデルチェンジを期にGA-Lプラットフォームをベースとしたものが採用されていくだろう。従来のFR用プラットフォームは、かなり古かったこともあり、劇的に走りの質がアップする可能性が高い。
■低いフード高にもこだわった新開発サスペンション
サスペンションは、フロント&リヤともに新開発サスペンションが採用されている。フロントのハイマウントマルチリンクサスペンションは、運転操作や路面からの入力に対し、より細かな動きをコントロールできるダブルジョイント式上下4本アーム構造を採用。高い応答性を実現。さらに、アーム配置の最適化することで、大径21インチタイヤの装着や低いフード高の実現に寄与している。
タイヤ&ホイールは、20もしくは21インチを設定。タイヤは、パンク時にも一定距離の走行が可能なランフラットタイヤが採用された。
この大径タイヤの性能を生かすためのブレーキは、フロントに20インチディスクローターと、高い摩擦力を発生させる対向6ポッドアルミモノブロックキャリパーが装備されている。ディスクローターのハット部は軽さと剛性にすぐれたアルミ製とし、バネ下重量の低減と車体取付部の高剛性化を両立した。
新型レクサスLCの“S package”に標準装備されるレクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(LDH)には、新たにトルセンLSDを組み合わせた。これにより、旋回中の加速性能を向上。また、ダイナミックリヤステアリング(DRS)の制御を進化させたアンダーステア/オーバーステア制御や、VGRS、アクティブリヤスポイラーなどの先進技術を積極的に採用し、キレのある安定したハンドリング性能が楽しめるようになっている。
■環境と走りの質を両立した世界初マルチステージハイブリッドシステムとは、真逆となる未だアイドリングストップ機能さえ装備されない旧態依然のV8 5.0Lエンジン
搭載されたパワーユニットは2タイプ。V型6気筒3.5L+世界初マルチステージハイブリッドシステムを搭載した新型LC500hと、今や珍しい大排気量自然吸気エンジンであるV8 5.0Lエンジンを搭載した新型LC500が用意された。
新型LC500hのGR系8GR-FXS型のボア×ストロークは、94.0×83.0mmとなっていて、GS450hに搭載されている2GR-FXEと同じ。しかし、中身は別物になっているようで、動弁系部品や、ピストンなど往復運動部品の軽量化された結果、最高出力は299psにアップし、レヴリミットは6,600rpmまでとなり高回転化されている。
世界初マルチステージハイブリッドシステムは、従来のハイブリッドシステムに4段ギヤを組み合わせたもの。モーター+エンジンの出力軸に変速機構を追加し、駆動力を増幅している。
従来のハイブリッドは、エンジンの回転が先に上がり後から加速するようなフィーリングや、ダイレクト感に欠ける感覚、高回転域でのパンチの無さなどがマイナス評価されていた。こうした部分を改善したのが
マルチステージハイブリッドシステムとなる。
高回転化したV型6気筒3.5Lエンジンと走行用モーター両方の出力を制御することで、低速から力強い駆動力を生み出しパワフルな走りを実現。加えて、低速域から高速域まで、システム効率の高い動作点を選択し、EV走行領域も拡大することで、エモーショナルな走りと燃費性能に優れた快適なクルージング走行を両立した。燃費は15.8㎞/Lという数値。車重が2トン越えということもあり、それほど飛び抜けていいという燃費値ではない。
追加された変速機構は4段なのだが、電気式の無段変速機が組み合わされていることから変速制御は10段となった。10段もドライバーが自ら使い分けることができるのかということはさておき、あらゆる走行シーンにおいて、ドライバーの意図に忠実なエンジン回転数の変化や応答性の良いモーターアシストを可能としている。また、アクセル操作に連動したダイレクトな加速フィーリングを実現。エンジン回転と加速感がマッチした、ダイナミックな走りを生み出す新しいハイブリッドシステムとしたている。システム出力は359psとなった。0-100km/h加速タイム5秒以下という瞬足ハイブリッド車となった。
そして、新型レクサスLC500には、最近とは珍しい大排気量自然吸気V8 5.0Lエンジンが搭載された。2UR-GSE型で、477ps&540Nmという出力をもつ。このエンジンは、RC Fなどに搭載されているものと基本同じ。直噴機構D-4Sやアトキンソンサイクル化などにより、燃費性能も確保したとしているが、さすがに7.8㎞/Lは誇れたものではない。
CO2排出量減が求められる時代なのだから、アイドリングストップ機能くらい装備してほしいものだ。アウディR8もAMG GTといったスポーツモデルもアイドリングストップ機能は装備している。スポーツモデルだからと言って、環境性能を無視していいい時代ではない。このあたりが、アイドリングストップ機能を付けることができないエンジンを、いつまでもだましだまし使わざる負えないレクサスの中途半端さを感じる部分だ。
V8 5.0Lエンジンと組み合わされたミッションは、新開発Direct Shift-10AT。シフトチェンジの際の心地良いフィードバックと、切れ味の良い変速を実現したほか、構成部品のアルミ化による大幅な軽量化と部品の小型化を実施。また、アクセルやブレーキ、車両のG(重力加速度)から、ドライバーの意図を読み取り、最適なギヤを選択する新制御も採用された。スポーツモデルにとって重要な変速スピードは、Dレンジで約0.2秒、Mレンジで約0.1秒というクラストップレベルの変速時間誇る。
■一定水準に達したものの、世界トップレベルとは呼べない安全装備
安全装備面では、予防安全パッケージであるレクサス セーフティシステム+を全車標準装備。歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンキーピングアシスト」(LKA)、夜間歩行者の早期発見に寄与しロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」(AHB)、そして設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できる「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」をパッケージ化した。
その他、後側方から接近する車両に対して警告を発するブラインドスポットモニター[BSM]、後退時に後方から接近するクルマに対して警告を出すリヤクロストラフィックアラート[RCTA]なども標準装備化。レクサスブランドのクルマとしては、ようやく世界のライバル車に近い安全装備となった。
すでに、他の高級車では後突する恐れのある車両に対する警告や二次被害の軽減をする機能、夜間でも人などを見つけ衝突を回避する赤外線カメラを使ったナイトビジョンなどの機能、自動で車線変更ができる機能などが用意されているだけに、新型レクサスLCの先進予防安全装備は未だやや物足りないといった印象だ。
衝突安全性能では、エンジンフードを4つの支点でポップアップさせる4点式ポップアップフードをレクサス初採用。低いフードのデザインと万が一の衝突時における歩行者保護性能を両立している。
■進化し続けるデザイン。ラグジュアリー感際立つ妖艶さが魅力的
新型レクサスLCのデザインは、いかにもアメリカで好かれそうなゴージャスでエレガントな雰囲気をまとっている。フロントフェイスは、RCとも共通するイメージをもたせたまま、スピンドルグリルを中心にさらに先鋭化した。スピンドルグリル中央にあるレクサスエンブレム下を頂点とし、左右を絞り込み鋭く尖ったような造形は戦闘機のようなアグレッシブさを感じる。
また、GA-Lプラットフォームを活かし、低重心かつ低い全高とワイドな全幅でワイド&ローなフォルムを強調。4隅のタイヤを強調する張り出したフェンダーが、なんとも言えない妖艶さをアピールする。新開発の超小型3連LEDヘッドランプユニットの下回りに配されたL字型に発光するLEDクリアランスランプ(デイライト機能付)は、最近のレクサスデザインの定番だ。
リヤは、まるでシエンタのように歌舞伎の隈取をイメージさせる処理が施され、他のプレミアムブランド車にはないオリジナリティを披露。全体的にワイド感を強調したもので、テールランプ外側から縦下方向に伸びたターンシグナルランプや、マフラーディフューザー左右下端の配置と合わせ、重心の低さを強調している。
外板色は高彩度なイエローの発色を実現し、スポーティイメージを際立たせる新規開発色ネープルスイエローコントラストレイヤリングほか、全11色を設定している。
インテリアは、水平基調でどこかクラシカルな雰囲気をもつデザインが採用されている。外観以上にインテリアはラグジュアリー感の強いものとなっていて、LCがスポーツカーではなくラグジュアリークーペであることを感じさせる。
ドライビングポジションにもこだわった。ペダルやスイッチ類の配置、ステアリング傾角、シートのホールド性など、徹底した走り込みに基づいたレイアウトとした。ステアリングホイールは、握る位置に合わせて断面形状を緻密に変化させ、手にしっくりと馴染むようにしたほか、パドルシフトにはマグネシウム素材を使用し操作性と高い質感を演出している。内装色は、新規開発色のオーカー・ブリージーブルーを含めた全4色を設定。
■新型レクサスLCのグレード選び
新型レクサスLCのグレード選び。新型LCは、まずパワーユニットの選択から。これは、もうハイブリッド車のLC500hを選びたい。V8 5.0LのLC500も魅力的だが、環境重視時代に未だアイドリングストップ機能さえ装備されていないからだ。ハイブリッドやFCV、PHVで環境をアピールしながら、一方でCO2をガンガン排出するクルマを販売するという姿勢は、より環境問題にシビアに対応しなければならない自動車メーカーとしていかがなものかといった印象だ。ドイツでは2030年までに内燃機関のクルマが売れない状況下になっている時代なのだ。
また、日本マーケットではハイブリッド車の人気が高いこともあり、リセールバリューもハイブリッド車が高価になる可能性が高い。そうなると、単なるガソリン車は選びにくい。
新型LCのグレードは、標準車とSパッケージ、Lパッケージと3つに分かれている。Lパッケージ車は、セミアニリン本革シートやガラスパノラマルーフ、運転席・助手席10Way調整式パワーシートなどが専用装備になる。Sパッケージの専用装備は、ギヤ比可変ステアリング[VGRS]、トルセンLSD、アクティブリヤウィング (格納式)、VDIM (アクティブステアリング統合制御付)、LDH (レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)などが大きなところ。
標準車は、スポーティなのかラグジュアリーなのかやや中途半端な感じがしてしまうため、SパッケージかLパッケージのどちらかを選択したい。新型LC500h Sパッケージの価格は14,500,000円で、標準車とLパッケージ車に対して100万円高価になっている。より気持ちの良い走りとスポーティな雰囲気を楽しみたいならSパッケージ。より、ゆったりとしたクルージングと上質な空間に包まれたいのならLパッケージということになりそうだ。日本マーケットでは、スポーティなグレードが好まれる傾向にあるため、リセールバリューを考えるとSパッケージということになるだろう。
■新型レクサスLCの価格、燃費、スペックなど
レクサスLC価格
■レクサスLC価格
<レクサスLC500価格>
・レクサスLC500 13,000,000円
“S package” 14,000,000円
“L package” 13,000,000円
<レクサスLC500h価格>
・レクサスLC500h 13,500,000円
“S package” 14,500,000円
“L package” 13,500,000円
レクサスLCスペック、燃費など
代表グレード | レクサスLC500h S package |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,770×1,920×1,345mm |
ホイールベース[mm] | 2,870mm |
車両重量[kg] | 2,020kg |
総排気量[cc] | 3.456cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 220 (299) / 6,600 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 356 (36.3) / 5,100 |
モーター最高出力[kw(ps)] | 132 (180) |
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] | 300 (30.6) |
システム出力[kw(ps)] | 264(359) |
ミッション | マルチステージハイブリッドトランスミッション (電気式無段変速機) |
JC08モード燃費[km/l] | 15.8km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 14,500,000円 |
発売日 | 2017/3/16 |
レポート | 編集部 |
写真 | レクサス/編集部 |
■新型レクサスLC動画集
レクサスLC動画
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