アウディA5/S5 クーペ、スポーツバック、カブリオレ新車情報・購入ガイド 美しいスタイリングは個性的だが、その分高価な値付け【ニュース・トピックス:アウディ】
CORISM / 2017年4月29日 20時20分
アウディA5/S5 クーペ、スポーツバック、カブリオレ新車情報の目次
- デザインと実用性がウリだった4ドアクーペ。A5シリーズで主力となるのはスポーツバック
- 売れ筋グレードとなるA5スポーツバックには、FFモデルが2グレード用意された
- 先代のイメージを継承しつつ、よりダイナミックで塊感あるデザインに進化
- 視認性と安全性に優れたアウディ バーチャルコックピット
- 軽量化技術の採用で、優れたハンドリング性能を得た
- アウディA5/S5シリーズのグレード選び
- アウディA5/S5 クーペ、スポーツバック、カブリオレ価格
- アウディA5スポーツバック燃費、スペックなど
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■デザインと実用性がウリだった4ドアクーペ。A5シリーズで主力となるのはスポーツバック
アウディは、A5/S5シリーズのスポーツバック、クーペ、カブリオレをフルモデルチェンジし発売を開始した。クーペは9年ぶり、スポーツバックは7年ぶり、カブリオレは8年ぶりとなるフルモデルチェンジとなっている。
アウディA5/S5シリーズは、「美しさとスポーティな走りと実用性の融合」を目指したモデルとして登場している。最もそうしたコンセプトを体現したモデルがアウディA5/S5のスポーツバックといえる。このA5スポーツバックは、A5クーペをベースとして2010年に登場した。
当時、欧州を中心に4ドアクーペと呼ばれるカテゴリーが流行っていた。クーペのスタイリッシュさとセダンの実用性を兼ね備えたデザインを重視したモデルだ。メルセデス・ベンツCLSやBMW4シリーズグランクーペ、フォルクスワーゲン パサートCCなどが、アウディA5スポーツバックと同じカテゴリーでありライバル車になる。実は、こうしたスタイリッシュな4ドアというジャンルは、日本でも一時流行した。トヨタ カリーナEDや日産プレセア、マツダ ペルソナと呼ばれるモデルが売られていた。
アウディA5シリーズの中で、実用性と美しさが評価されスポーツバックが1番人気となる。A5シリーズ中、約50%がスポーツバックを選択していた。
ただ、日本でも一瞬、4ドアクーぺモデルが話題となったが、デザインを優先するあまり後席の頭上スペースが窮屈に感じるなどの実用性面から、ヒットモデルにまでは成長しなかった。こうした傾向は、メルセデス・ベンツやBMW、VWも同様だ。
現在もこのクラスの需要は少なく、A5スポーツバックより1クラス下となるメルセデス・ベンツCLAだけが4ドアクーペカテゴリーでは、よく売れている状況だ。
■売れ筋グレードとなるA5スポーツバックには、FFモデルが2グレード用意された
今回のフルモデルチェンジでは、人気のA5スポーツバックにFF(前輪駆動)モデルが2グレード新設定された。先代A5スポーツバックはクワトロ(4WD)のみの設定だったこともあり、選択肢が増えた。日本マーケットにおいて、クワトロ(4WDシステム)は積雪地域の顧客には絶大なメリットを提供できるものの、どうしても燃費が悪くなり価格も上がるため、4WDが必要とされない地域では2WD(2輪駆動)で十分という顧客が多い。人気のSUVでさえ、2WD比率が高いモデルがたくさんあるほどだ。
FFモデルは、A5 Sportback 2.0 TFSIとA5 Sportback 2.0 TFSI sportが設定された。この2モデルには、新開発の2.0L直4ターボが搭載され、190ps&320Nmを発揮。そして、クワトロを採用したA5 Sportback 2.0 TFSI quattro sport、A5 Coupé 2.0 TFSI quattro sport、及びA5 Cabriolet 2.0 TFSI quattro sportの3モデルには、よりパワフルな252ps&370Nmを発揮する2.0L TFSIエンジンが搭載された。組み合わされるトランスミッションは、すべて7速Sトロニックとなる。
FFモデルの燃費値は、国道交通省の認可待ちのため未定。A5 Sportback 2.0 TFSI quattro sportは16.5㎞/Lという燃費値になった。先代モデルが13.6km/Lだったので、約21%も燃費が向上されている。
そして、スポーツモデルとなるS5系には、クーペ/スポーツバック/カブリオレ共に、354ps&500Nmの3.0L V6ターボエンジンが搭載された。クワトロと8速Sトロニックの組み合わせとなる。S5 スポーツバックの燃費値は12.7㎞/Lとなった。
■先代のイメージを継承しつつ、よりダイナミックで塊感あるデザインに進化
新型アウディA5/S5シリーズの外観デザインは、基本的に先代モデルのイメージを継承しながら、よりダイナミックで塊感のあるスタイリングになった。ウェイブを描いた力強いショルダーラインが、新型A5/S5シリーズの特徴でもある。伸びやかなサイドビューに、よりスタイリッシュさをプラス。
リヤビューは、水平基調のデザインを採用。リヤハッチゲートの後端部には、スポイラー効果を持った特徴的なリップスポイラーを装備。ボディ同色のリヤエプロンの下部にも、別個のリフレクターが設置されており、視覚的によりワイドで安定感あるスタイリングに貢献している。
リヤコンビネーションランプには、標準でLEDテクノロジーが採用されている。LEDによる光のグラフィックにより、ライトの立体感がとりわけ際立つ演出がされている。メインとなるテールライト機能の下に繊細なグラフィックのブレーキライトが設置され、その上方には、イエローの光が内側から進行方向にむけて流れる「ダイナミックターンシグナル」(マトリクス ヘッドライト装着車)の機能が収められている。このダイナミックターンシグナルは、最近流行のビジュアル機能でもある。
そして、フロントフェイスの特徴は、マトリクスLEDヘッドライトだ。アウディといえば、こだわりのLEDヘッドライトというイメージが強い。このクラスなら、もはやマトリクスLEDヘッドライトは標準装備でいいと思うのだが、オプション設定とされている。もはや、アウディの顔ともいえる装備なので積極的に選択したいオプションだ。
マトリクスLEDヘッドライトの新しい光のグラフィックは、ロー及びハイビームが2重の目のような印象を生み出して、計4つの目が光るような特徴的な顔を演出している。マトリクスLEDヘッドライトでは、合計 の18のLEDが2つのレンズと組み合わされてハイビームの機能を果たす。ルームミラーに設置されたカメラからの情報をもとに、LED制御ユニットが、個々のLEDをスイッチオン、オフするなどし、64段階に光量調整する。この機能により、他の通行者を眩惑させることを防ぐ。ヘッドライトの反射で道路標識が見にくくなる事態を防ぐため、標識のある方向には、ライトの出力が自動的に制限される仕組みも備わっている。
■視認性と安全性に優れたアウディ バーチャルコックピット
インテリアの高品質感は、アウディのウリでもある。室内スペースは、先代より広大になった。平基調のクリーンなデザインでまとめられたインストルメントパネルなどにより、より広々とした印象が強調されている。従来型クーペと比べると、室内長は17㎜延長され、前席のショルダールーム(従来型比+26㎜)も、ヘッドルーム(同+12㎜)も大きくなっている。後席乗員のニールームも23㎜拡大した。トランク容量も、10L増え465㎜となった。
装備関連では、他のモデルでも搭載されている「アウディ バーチャルコックピット」がオプション設定されている。標準仕様は、アナログメーターパネルとなる。「アウディ バーチャルコックピット」は、メータパネル内に、12.3インチの大型TFTモニターがあり、ステアリングホイールに設置された ボタンを押せば、基本画面を切り替えることができる。「プログレッシブビュー」を選択すると、中央のウインドウが広がって、ナビゲーションマップや電話帳、ラジオやオーディオの機能などに大きなスペースが割り当てられる。レブカウンターとスピードメーターは丸形の計器としてディスプレイの両側に表示。
もうひとつの「クラシックビュー」を選ぶと、2つの丸形メーターがアナログパネルの場合と同じサイズにまで拡大。それに伴って、中央のウインドウが小さくなる。とくに、ナビ情報などは、センターコンソール上部にあるモニターに視線を移さなくても済むため、視線移動が少なくなり安全運転に貢献してくれる。
また、さらにヘッドアップディスプレイも用意されており、重要な情報はほとんど前方を見た状態で手に入れることができる。
また、歩行者検知式自動ブレーキなどの先進予防安全装備であるアウディプレセンスは、全車標準装備化された。しかし、アダプティブクルーズコントロールやアウディサイドアシスト、アウディアクティブレーンアシストなどの関連する安全・ドライバーアシスト装備はオプションとなるグレードがある。高級車なのだから、この程度の安全装備は標準装備化するべきだろう。
■軽量化技術の採用で、優れたハンドリング性能を得た
アウディA5シリーズは、ボディサイズをやや拡大しながらも軽量化されている。車両重量は、最大で70㎏軽量化された。
フロントサスペンションのストラットドームは、アルミ鋳造パーツを精密に組み合わせた構造。スチール製パーツを溶接で組み合わせた従来型コンポーネントと比較すると、合計8㎏も軽量化された。こうした設計により、サスペンションのアッパーリンクとボディの組み付け剛性も上がり、ステアリングレスポンスが向上するなど、ハンドリング面でもよい影響が得られている。
また、新型A4でも披露したように空気抵抗にもこだわった。空気抵抗の削減は、燃費効率改善の重要な手法となる。さらに、空力に優れたデザインは、高速域でのパフォーマンスも洗練されるからだ。新型A5シリーズの空気抵抗係数cd値は、クーペが0.25、スポーツバックが0.26と優れた数値となった。
■アウディA5/S5シリーズのグレード選び。やや高めの価格設定なのに、高価なオプションが必要
アウディA5/S5シリーズのグレード選びで重要なのは、アウディのウリであるクワトロ(4WDシステム)が必要かどうかという点にある。クワトロが必要ないというのであれば、選べるグレードは2つ。スポーツバック2.0 TFSIかスポーツバック2.0 TFSI sportとなる。
価格は、スポーツバック2.0 TFSIが5,460,000円。スポーツバック2.0 TFSI sportが6,030,000円。価格差は57万円だ。装備差で大きなところは、シートヒーターや3ゾーンオートマチックエアコンディショナー、スポーツサスペンション、アダプティブクルーズコントロール、アウディアクティブレーンアシストなど。価格差はややあるが、sportグレードの方がリセールバリューが高くなる可能性があるので、sportを選んでおいた方が無難。
sportを選んでも、魅力的なオプションが多数ある。セーフティパッケージが21万円。バーチャルコックピット7万円。マトリクスLEDヘッドライトパッケージ27万円、ヘッドアップディスプレイ14万円と、これらのオプションを装備すると、計69万円にもなる。車両価格が603万円なので672万円という高額車になる。こうなると、単純比較できないもののFR(後輪駆動)のBMW420iグランクーペ M Sportの582万円が安く感じるほどだ。
さらに、クワトロsportを選ぶと、車両価格は6,860,000円。これに、セーフティパッケージ13万円、マトリクスLEDヘッドライトパッケージ27万円、ヘッドアップディスプレイ14万円などと、同様に高額なオプションが必要になる。こうなると価格は700万円オーバーだ。A5スポーツバックは、安いクルマではなく、リセールバリューもそれほど高くないのでジックリ検討したい。せめて、クリーンディーゼル車が欲しいところだ。
■アウディA5/S5 クーペ、スポーツバック、カブリオレ価格
■アウディA5/S5 クーペ、スポーツバック、カブリオレ価格
・Audi A5 Sportback 2.0 TFSI 5,460,000円
・Audi A5 Sportback 2.0 TFSI sport 6,030,000円
・Audi A5 Sportback 2.0 TFSI quattro sport 6,860,000円
・Audi S5 Sportback 9,130,000円
・Audi A5 Coupé 2.0 TFSI quattro sport 6,860,000円
・Audi S5 Coupé 9,130,000円
・Audi A5 Cabriolet 2.0 TFSI quattro sport 7,570,000円
・Audi S5 Cabriolet 9,980,000円
■アウディA5スポーツバック燃費、スペックなど
代表グレード | アウディA5 2.0 TFSI quattro sport |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,750×1,845×1,390mm |
ホイールベース[mm] | 2,825mm |
トレッド前/後[mm] | 1,585/1,570mm |
車両重量[kg] | 1,610kg |
総排気量[cc] | 1,984cc |
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm] | 185(252)/ 5,000 - 6,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 370(37.7)/ 1,600 - 4,500rpm |
ミッション | 7速AT |
JC08モード燃費(㎞/L) | 16.5㎞/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 6,860,000円 |
発表日 | 2017年4月4日 |
レポート | 編集部 |
写真 | アウディ |
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