三菱アウトランダーPHEV試乗記・評価 ビルシュタイン製サス&ボディ剛性アップで、走りの質が大幅に向上した新グレード「Sエディション」【レビュー:三菱】
CORISM / 2017年5月9日 20時20分
三菱デリカD:5新車情報の目次
- よりEVらしさをアピールする2017年モデルのアウトランダーPHEV
- ビルシュタイン製サスで、よりスポーティな走りを目指したSエディション
- 構造用接着剤を使用してボディ剛性もアップ!
- 三菱アウトランダーPHEV価格
- 三菱アウトランダーPHEV燃費、スペックなど
<お勧め記事>
■よりEVらしさをアピールする2017年モデルのアウトランダーPHEV
SUVを得意とする三菱が送り出したクロスオーバーSUVが、三菱アウトランダーだ。これをベースに、2.0Lの直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせ、プラグインハイブリッド車としたのがアウトランダーPHEVだ。
三菱アウトランダーPHEVは、毎年のように商品性を高めるためのアップデートを行ってきたが、17年モデルは2月に登場した。外観に変化はないが、メカニズムは大きく進化させている。PHEVのシステム制御などを見直し、新たにEV走行を優先させ、可能な限りエンジンを始動させない「EVプライオリティモード」を設定した。
また、充電制御にも改良を加え、急速充電の時間を30分から約25分に短縮している。先進安全装備も充実した。ホールドモード付き電動パーキングブレーキを採用し、追従クルーズコントロール(ACC)は停止まで行うように進化している。自動ブレーキのセンサーは、カメラとレーザーレーダーを併用するタイプに変わり、待望の歩行者検知機能も加わった。
ただし、ACCは停止保持機能を盛り込んでいない。使う場面が多いし、欧州勢では常識となりつつあるだけに、未採用は残念と感じてしまう。
■ビルシュタイン製サスで、よりスポーティな走りを目指したSエディション
三菱アウトランダーPHEVのプレミアムグレードと位置づけた「Sエディション」を設定したこともニュースのひとつだ。
メカニズム面のハイライトは、名門ビルシュタイン社製のショックアブソーバーを採用し、走りの質を高めたことである。構造用接着剤を使ってボディ関係の剛性も高めた。このSエディションは、専用のレザーシートを装備し、メーターやセンターコンソール、ドアアームレストなどにもレッドステッチを施している。電動ガラスサンルーフも標準装備だ。
センターコンソールに新設されたEVプライオリティモードのスイッチを押してスタートした。充電状態がよければモーター走行を行い、エンジンは始動しない。アクセルを踏み込んで加速すると、モーターならではの滑らかな走行を披露する。今までと違って、アクセルをグッと踏み込んでもエンジンはかからなかった。高速道路でもEV走行を続け、伸びのよい加速を存分に楽しむことができる。静粛性もワンランク高められた印象だ。
アウトランダーPHEVは、従来モデルより制御が緻密になっている。力強い発進加速に加え、スムースさにも磨きがかけられていた。モーター走行の領域が広いから、鋭い瞬発力を楽しめる。
■構造用接着剤を使用してボディ剛性もアップ!
Sエディションは加速したときの静粛性とボディの剛性感も向上していた。剛性アップや遮音材の追加により、振動と騒音も大幅に減り、快適性が高まったのだろう。構造用接着剤を使用しているのは、試乗したSエディションだけだ。が、効果が大きいことは明らかだから、早急に他のグレードにも拡大採用することを望みたい。
モーターの効率が落ちる高速走行や急加速したときは、エンジンが主役になる。だが、マイナーチェンジ前のモデルよりはるかに静かだった。
構造用接着剤の効果は、ハンドリングとフットワークにも現れている。ビルシュタイン製ショックアブソーバーと構造用接着剤の採用に加え、サスペンションの設定を見直して剛性アップに取り組んだ。
また、ヨーロッパの道路を走り込んで、セットアップを行った。これが功を奏し、一体感のある気持ちいいハンドリングを実現している。操舵フィールは軽やかだ。スピードを上げるにつれ、しっとりとした操舵感になり、落ち着きを増す。コントロールできる領域、これも従来モデルより広げられた。路面に関わらず足の動きがよくなり、追従性が向上している。
ブレーキ制御を行うAYCを組み込んだS-AWCを採用しているが、これは滑りやすい路面だけでなくワインディングロードなどでもコントロール性の向上にも大きな効果を見せつけた。タイトコーナーでもアンダーステアを上手に抑え込み、狙ったラインにたやすく乗せることができる。ビルシュタイン製ショックアブソーバーの採用と相まって、意のままに狙ったラインに乗せることができるようになった。
Sエディションは無駄な動きが減り、S字コーナーを駆け抜けたときの追従性と接地フィールもよかった。高速走行でも路面を上手にいなし、乗り心地がよくなっている。
ただし、低速ではちょっと乗り心地が硬めと感じる場面があった。いくつか気になるところはあるが、充電インフラが整っている環境にある人にとっては魅力的なクロスオーバーSUVだ。4WDの実力が高いこと、これもライバルに対し優位に立つところである。
■三菱アウトランダーPHEV価格
■三菱アウトランダーPHEV価格
・M 3,659,472円
・G Safety Package 3,973,860円
・G Navi Package 4,324,860円
・G Premium Package 4,681,260円
・S Edition 4,789,260円
■三菱アウトランダーPHEV燃費、スペックなど
<三菱アウトランダーPHEV S Edition>
・全長×全幅×全高 4695×1800×1710mm
・ホイールベース 2670mm
・トレッド前 / 後 1540/1540㎜
・タイヤサイズ 225/55R18
・車両重量 1900㎏
・最小回転半径 5.3m
・乗車定員 5 名
・駆動方式 4WD
・モーター 搭載数 2 基 (フロント 1、リヤ 1)
・モーター最高出力 フロント:60kW、リヤ:60kW
・モーター最大トルク フロント:137N・m、リヤ:195N・m
・バッテリー
種類 リチウムイオン電池
総電圧 300V
総電力量 12kWh
・エンジン
2.0L 4 気筒 MIVEC ガソリンエンジン
最高出力87kw[118ps]/4500rpm、最大トルク186N・m[19.0㎏-m]/4500rpm
・ハイブリッド燃料消費率(JC08 モード) 19.2㎞/L
・充電電力使用時走行距離 60.2km/L
【関連記事】
- 三菱アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド ビルシュタイン製ショックアブソーバー装備で、走りの質を向上させた「S Edition」登場! さらに、歩行者検知式自動ブレーキなど一部改良!
- 8種類もの4WD機能に、コストパフォーマンスの高さが三菱4WDの魅力! 【4WDのパイオニア、三菱の4輪駆動車の実力を雪上で試す!】その1
- 三菱アウトランダーPHEV長距離レポート一覧
- トヨタ ハリアーハイブリッド新車試乗評価 ハイブリッドシステムで得た、静かで滑らかな走りは、まさに高級SUVの真骨頂!
- トヨタ ハリアー新車情報・試乗評価一覧
- マツダ i-ACTIV AWDなど雪上試乗記・評価 乾燥舗装路では分からなかったGベクタリングコントロールの効果やi-ACTIV AWDの実力が雪道で明確に!?
- マツダCX-5新車情報・購入ガイド すべてが深化! より洗練されたラグジュアリーSUVへ!
- マツダCX-5新車情報・試乗評価一覧
- 日産エクストレイルハイブリッド試乗記・評価 横置き1モーター&2クラッチ式ハイブリッドの完成度は?
- 日産4WD車雪上・氷上試乗評価 滑りやすい路面で、意外なほどの実力を発揮したリーフ&ノートe-POWER
- 日産エクストレイル新車情報・試乗評価一覧
- スバルAWD雪上評価レポート! 徹底的にこだわった多彩なスバルAWDシステムを試す!
- スバル フォレスター新車情報・試乗評価一覧
- SUV新車情報・試乗評価一覧
- PHEV新車情報・試乗評価一覧
この記事に関連するニュース
-
改良なのに大々的! 新型「アウトランダーPHEV」発表会に有名人が続々
マイナビニュース / 2024年11月6日 11時30分
-
威風堂々フェイズ2:三菱『アウトランダーPHEV』改良新型…受注3400台、最上級グレードが半数以上
レスポンス / 2024年11月2日 7時30分
-
3年ぶり大刷新! 三菱「新型“3列”SUV」登場! すでに“大人気!?”な「高性能モデル」! 画期的4WD搭載&ハイパワー化実施の「アウトランダー」発売
くるまのニュース / 2024年10月31日 15時10分
-
三菱の新型「“小型”SUVミニバン」公開に反響多数! 「カッコいい」「欲しい」 全長4.5mでタフ顔&「画期的ハイブリッド」採用! 新「エクスパンダークロス」タイに登場
くるまのニュース / 2024年10月28日 13時10分
-
マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV
CORISM / 2024年10月26日 18時47分
ランキング
-
1ナッツを食べると認知症予防になるのか…理想は1日30g
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月24日 9時26分
-
2小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
-
3「既婚者よりも経済的に余裕がある」だけじゃない…末期がんの医療ジャーナリスト(59歳)だから気づけた「独身がん患者」のメリット・デメリット
文春オンライン / 2024年11月24日 6時10分
-
4冒険をあきらめる“元少年”が続出…36年ぶり『ドラクエ3』にあらわれたモンスター以上の“難敵”
週刊女性PRIME / 2024年11月20日 6時30分
-
5品川イオンスタイル「最強フードコート」の実態 太っ腹にも程がある?自由すぎる食のスポットだ
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください