「みんなの楽ラク運転講習会」レポート【特集・コラム:イベント・モーターショー】
CORISM / 2017年5月20日 13時55分
「みんなの楽ラク運転講習会」とは?
毎年モータースポーツジャパンに合わせて開催される恒例の「みんなの楽ラク運転講習会」(みん楽)が今年も4月15日と16日の両日に東京都江東区青海の特設会場で開催された。
みん楽は、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)が社会貢献のイベントとして開催しているもので、ビギナードライバーやペーパードライバーとその家族を主な対象に、安全運転の基礎をレクチャーし、体験してもらうもの。
モータースポーツジャパンに合わせて開催されるため、その参加者なども含めて毎年数千名が参加する大イベントだ。AJAJの会員40名ほどがボランティアでインストラクター役を努めている。
主なメニューは毎年同様で、
●いざという時の急ブレーキの作動などの体験講習
●タイヤ空気圧管理の重要性&ランフラットタイヤの知識
●車庫入れ・縦列駐車練習
●ドライビングポジションとシートベルトのレクチャー
●シートベルト&チャイルドシートの効果を同乗急ブレーキで体験
●大型車・乗用車、二輪車から見え方、死角の確認
●アリが歩くようなスピードで走るアリさんブレーキ体験
●子供安全免許証発行(JAF)
●ブレーキシステムの解説(曙ブレーキ)
●クリアな視界の確保(イチネンケミカル)
●ほめパト活動の紹介(ジャパンスマートドライバープロジェクト事務局)
などが用意されていた。
また今年は、新企画としてU-18運転予備校というプログラムも用意されていた。
●ドライビングポジションとシートベルトのレクチャー
急ブレーキ体験をする前に、正しいドライビングポジションのとり方とシートベルトの装着法をレクチャーするもの。
そもそも運転席に座ったら、エンジンを始動する前にシートベルトをすることから始まり、同時にベルトのたるみをとることなども教える。
また急ブレーキのときにブレーキペダルを奥まで踏み込めるよう、着座位置を前寄りにすることなど、正しい着座位置やハンドルの操作方法などもレクチャーする。
●いざという時の急ブレーキの作動などの体験講習
参加者に実際に運転もらい、思い切り強くブレーキをかける急ブレーキを体験してもらうもの。自動車教習所などでは、急な動作を避けることが強調され、じんわりブレーキやポンピングブレーキなどを教えられるため、いざというときに急ブレーキを踏めないドライバーが多い。このため思い切りブレーキペダルを踏みつける急ブレーキを体験してもらうもの。
初めての人は強くブレーキを踏めない例が多いが、何回か繰り返すうちに強いブレーキを踏めるようになる。事故を防ぐためには急ブレーキが必要なので、これを体験して踏めるようにするプログラムだ。
●タイヤ空気圧管理の重要性&ランフラットタイヤの知識
案外見過ごされがちなタイヤの空気圧の重要性をレクチャーする。最低でも1カ月に1回の空気圧点検が必要であること。空気圧が減っていると、ブレーキがちゃんと効かなくなったり、正確なハンドル操作ができなくなったり、タイヤが偏磨耗したり、極端なときにはバーストにつながったり、燃費が悪くなるなど、悪いことがいろいろあることをレクチャーする。
ブリヂストンの協賛で、参加者に簡易型の空気圧測定器&タイヤ溝の測定器をプレゼントした。
最近採用される例が増えているランフラットタイヤについては、パンクしても一定以下の速度で数十kmの距離を走れるなどのメリットがあることをレクチャーした。
●車庫入れ・縦列駐車練習
ビギナードライバーに苦手とする人が多い車庫入れや縦列駐車を実際に体験してもらうプログラム。駐車に入る前にどのようにクルマを停めるか、バックミラーをどのように使うかなど、駐車の基本テクニックを参加者に運転してもらいながらレクチャーした。
●シートベルト&チャイルドシートの効果を同乗急ブレーキで体験
参加者に同乗してもらい、時速7㎞以下の低速走行で急ブレーキをかけて衝撃の大きさを体験してもらうプログラム。参加者はショックの大きさに驚くとともに、シートベルトやチャイルドシートの重要性を身をもって体験できる。
少し速度を上げて時速15㎞~20㎞で急ブレーキをかけると、ABSが働くことによって逆にショックの小さいやや緩やかな停止になることも合わせて体験してもらった。
●大型車・乗用車、二輪車から見え方、死角の確認
大型トラックのトラクター部分と乗用車、二輪車を並べて配置し、大型トラックの運転席から見た乗用車との距離感、乗用車のバックミラーに映る大型トラックの大きさをそれぞれ確認してもらった。
また乗用車の斜め後方にある二輪車が運転席から見えず、クルマには死角があること、それを考えて運転する必要があることなどをレクチャーした。
●アリが歩くようなスピードで走るアリさんブレーキ体験
AT車がDレンジでクリープ走行をするよりも、さらに遅い超低速走行を体験してもらうプログラム。車庫入れのときにこれを使うと安全だが、ゆっくり走らせるのが意外に難しいことを体験してもらった。
アリさんブレーキを体得すると、車庫入れ以外にも軽くブレーキをかけることでクルマの荷重を前方に移動させ、ハンドルを切るときにも役立つことなどを含めてレクチャーした。
●子供安全免許証発行(JAF)
このイベントに後援をいただいている日本自動車連盟(JAF)が子供に交通安全を教える観点から、子供安全免許証を発行した。
●ブレーキシステムの解説(曙ブレーキ)
このイベントに協賛をいただいている曙ブレーキからデモトラックが出展され、ブレーキの仕組みを詳しく教えていた。またF1のマクラーレンチームに供給しているブレーキシステムなども展示されていた。
●クリアな視界の確保(イチネンケミカル)
クリンビューなどのケミカル用品を販売しているイチネンケミカルが出展し、視界の確保の重要性をレクチャーするとともに、クリンビューや掃除用品などを低価格で販売した。
●ほめパト活動の紹介(ジャパンスマートドライバープロジェクト事務局)
首都高が展開したほめパトを展示し、スマートドライバー運動を展開していることを紹介した。
●U-18運転予備校
今回のみん楽で初めて組まれたプログラムがこれ。まだ運転免許証を取得できない18未満の未成年者を対象に、クルマの楽しさを体感してもらうため、実際に運転してもらうもの。クルマはスポーツタイプの86とロードスターのAT車を使い、完全に閉鎖された空間の中でインストラクターが同乗してクルマの動かし方、止め方などを体験してもらった。
プログラムの性格上、たくさんの人に体験してもらうことができないが、多くの応募者の中から抽選で選ばれた参加者とその父兄が大満足するプログラムになった。
参加者の多くがクルマの持つ魅力を体感することができ、18歳になったらすぐに免許を取りたいなどと話していた。
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