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マツダCX-5試乗記・評価 1クラス上のSUVに超絶深化!【レビュー:マツダ】

CORISM / 2017年6月5日 20時20分

マツダCX-5試乗記と評価の目次





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■キープコンセプトだが、先代をあらゆる部分で上回る新型マツダCX-5

 マツダの屋台骨を支える主力モデルに成長したクロスオーバーSUVのCX-5が初めてのフルモデルチェンジを行い、2月から販売を開始した。2代目マツダCX-5は、安定した販売を記録し続けた初代モデルのコンセプトを受け継ぐ形を取り登場している。正常進化だったため、成功を危惧する声も聞かれた。だが、3月に1万台に迫る登録を記録するなど、出だしは好調だ。初代モデルから乗り換えるリピーターに加え、新規ユーザーも少なくない。

 マツダCX-5のエクステリアは、キープコンセプトだ。だが、パネル面に新しいテイストを入れ、上質さと力強さが際立つデザインになっている。伸びやかで躍動感あふれるフォルムは、海外の人たちだけでなく日本人好みだ。ソウルレッドプレミアムメタリックを進化させた新色のソウルレッドクリスタルメタリックも美しい輝きを放つ。

 インテリアは手触りのよさにこだわり、ソフトパッドを多用したインパネやトリムなどは質感を高めた。ヨーロッパ車並みに見栄えのいいインパネだが、横一文字のゾーンに配したエアコンルーバーのデザインは違和感を覚える。

 また、ポップアップ式のナビシステムも最新モデルとしては小振りだ。ウインドーガラス反射タイプになったアクティブ・ドライビング・ディスプレイは見やすい。

 キャビンは満足できる広さを確保し、前席も後席も居心地のよい空間を実現した。大ぶりなフロントシートは座り心地がいい。見下ろし感覚だから視界がよく、運転しやすさも向上している。先代より斜め方向と後方の視界がよくなり、Aピラーを後退させているから頭まわりの圧迫感も減った。

 リアシートの座り心地も向上している。新たに2段階のリクライニング機構を採用し、ロングドライブの快適性を高めた。リアシートにヒーター機能が加わったのもうれしい配慮だ。

■全域にわたって厚みのあるトルクを感じるクリーンディーゼル車

 マツダCX-5のパワーユニットとトランスミッションは先代と同じだが、直噴ガソリンエンジン、2.2Lのディーゼルターボともに大幅な改良を行っている。

 販売の主役となっているディーゼルターボは、制御を見直し、ギア比の変更を行った。この改良によって低回転から気持ちよくパワーとトルクが盛り上がる。今までは低回転域にトルクの細いゾーンがあり、加速が鈍ることがあった。新しいディーゼルターボは応答レスポンスが鋭く、全域にわたって厚みのあるトルクを発生する。だからパンチ力が増したように感じた。

 6速ATも熟成の域に達している。滑らかに変速し、アクセルを踏み込むとリズミカルに軽やかな加速を披露した。

 大きく変わったのは静粛性だ。ナチュラルサウンドスムーザーなどの採用による静粛性が向上した。クルージング時の静粛性だけでなく、加速したときの静粛性も大きく向上している。ノック音が発生する場面でも反射音を上手に抑えているから耳障りではない。車格は1ランク、アップした。

 2.5Lの直列4気筒ガソリンエンジンもいい仕上がりだ。パワー感とトルク感が増し、気持ちよくクルマが前に出る。実用燃費はディーゼルターボの70%程度だが、バランスのよさと静粛性は一歩上を行く。ただし、このクラスはATは多段化が進んでいるから、7速や8速のATを組み合わせたくなる。

■あらゆる路面で好印象なハンドリング性能

 マツダCX-5は、ハンドリングも洗練度を高め、安心感のある走りを披露した。北海道の士別剣淵にあるテストコースで雪道を、横浜では高速道路と一般の乾燥路を使って走りの実力をチェックしたが、どのステージでも好印象だ。

 シャシー性能を強化し、サスペンションとステアリング系のパーツも見直しを図った。これらの改良に加え、2代目はGベクタリングコントロールも採用している。

 剛性感たっぷりのステアリングを切ると、CX-5はドライバーの意思通りに軽やかに動く。乗り換えると、先代より運転がうまくなったように感じられるほど乗り味は違う。

 接地フィールとコントロール性は大きく向上し、荒れた路面でも揺れの少ないスムースなコーナリングを見せた。舵を入れると、ステアリング操作に正確に、クルマが向きを変えるのである。タイトコーナーでアンダーステアに悩まされることも大幅に減った。オーバースピードで、はらんだときの修正コントロールも難しくない。

■絶妙な制御が魅力のAWD。お勧めはXDプロアクティブのAWD車

 マツダCX-5のAWDシステムは、湿式多板クラッチを用い、その締結力を電子制御化したi-ACTIV AWD。ミューの低い雪道で卓越した走破性能を披露した。スタンバイ式の4WDシステムで、滑りやすい路面でスリップを検知すると後輪にトルクを配分して安定方向に導く。

 各種のセンサーからの情報をもとに後輪のトルクを自動制御する4輪駆動システムだが、なかなか賢い。運転状況や路面状況を先読みして、瞬時に、最適に制御してくれる。だから雪道はもちろん、滑りやすいアイスバーン路面でも狙ったラインに無理なく乗せることができた。

 ミューの異なる路面を走り抜けてもクルマは安定している。たとえ滑っても修正はラクだ。

 最低地上高は210㎜とたっぷりと取っているから、荒れた路面や深い雪のある路面でも優れた走破性能を見せつけた。ちなみに、2WDモデルは滑りやすい路面で無理が利かない。ミューの低い路面では、路面からの影響を受けやすく、リアのグリップが甘いように感じられる。路面からのインフォメーションは豊富だが、4WDと比べると神経を遣う。

 i-ACTIV AWDは、トレース性に優れているだけでなく、きつい勾配の登坂路でも圧倒的に優位に立つ。再発進でも瞬時に空転は収まり、力強く駆け上がっていく実力派だ。

 新型マツダCX-5は、乗り心地も見違えるほどよくなっている。サスペンションがしなやかに動き、荒れた路面でもダイレクトな突き上げに悩まされることがない。とくにリアシートの乗り心地がよくなった。CX-5の販売状況は、ディーゼルターボが全体の4分の3を占めている。当然、おすすめは買い得感の高いXDプロアクティブのAWDだ。

■マツダCX-5価格

■マツダCX-5価格
・20S FF 2,462,400円
・20S PROACTIVE FF 2,689,200円
・25S 4WD 2,689,200円
・25S PROACTIVE 4WD 2,916,000円
・25S L Package FF 2,986,200円/4WD 3,213,000円
・XD 2WD FF 2,775,600円/4WD 3,002,400円
・XD PROACTIVE FF 3,002,400円/4WD 3,229,200円
・XD L Package FF 3,299,400円/4WD 3,526,200円

■マツダCX-5燃費、スペックなど

代表グレード マツダCX-5 XD PROACTIVE 4WD
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,545×1,840×1,690mm
ホイールベース[㎜] 2,700㎜
車両重量[kg] 1,650kg
総排気量[cc] 2,188cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 129〈175〉/4,500
エンジン最大トルク[N・m(㎏-m)/rpm] 420〈42.8〉/2,000
ミッション 6速AT
JC08燃料消費率[km/L] 17.6km/L
定員[人] 5人
価格 3,229,200円
レポート 片岡英明
写真 編集部

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