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ホンダ ステップワゴン/ステップワゴンスパーダ新車情報・購入ガイド 燃費25.0㎞/Lのハイブリッド&顔面変更で、再び人気ミニバンの座へ返り咲きを狙う!【ニュース・トピックス:ホンダ】

CORISM / 2017年10月9日 19時19分

ホンダ ステップワゴン新車情報の目次





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■苦戦の理由は、デザインとハイブリッド車

 ホンダは、5ナンバーミニバンであるステップワゴン/ステップワゴン スパーダをマイナーチェンジし発売を開始した。

 ホンダ ステップワゴンは、現行モデルが5代目で2015年4月にフルモデルチェンジした。5代目となったステップワゴンは、ライバル車に対して大きく差別化を図ったモデルとなった。

 まず、ホンダ初となるダウンサイジングターボエンジンを搭載。搭載されたのは、新開発となった1.5L直噴VTECターボエンジンで150psと203Nmを発揮する。この1.5Lターボエンジンは、5ナンバーミニバンクラスで初の搭載でもある。エンジンが1.5Lとなったことで、自動車税もランクが下がり年間5,000円の節税となるメリットもある。ステップワゴンの燃費は、15.4~17.0㎞/Lとなっている。

 また、使い勝手面では、リヤゲートにわくわくゲートと呼ばれる新装備が用意された。ミニバンのリヤゲートは、大きく重い。駐車場では、後方に一定のスペースが無いと開けることができないなどのデメリットがあった。そこで、ホンダは横開きできる仕組みを追加。後方が狭いスペースでも荷物の出し入れを可能とした。また、3列目シートをフロア下に収納できるマジックシートを使うことで、リヤゲートから室内にアクセスできるようになり、利便性は大幅に向上。ホンダらしい独創的な機能だ。

 こうした機能を得たホンダ ステップワゴンだったが、マーケットの反応は今ひとつだった。デビュー年度の2015年には、63,645台販売した。しかし、モデル末期の日産セレナが60,056台。新型車なのに、モデル末期のモデルとそれほど変わらない販売台数となった。2016年度になると、ステップワゴンは48,110台と大きく販売台数を落とす。対して日産セレナはフルモデルチェンジし90,369台を売り倍近い販売台数差を付けられてしまった。

 こうした結果になったのは、いくつかの理由がある。まず、ステップワゴンの主力グレードであるスパーダのデザイン。5ナンバーミニバンは、トヨタのように押し出し感のある迫力系顔が好まれる。スパーダは、独自性を追求した結果、マーケットが望むデザインが提供できなかった。そして、1.5Lターボエンジンを搭載したことにより、価格が上昇したのもマイナス要因となった。

 そして、ハイブリッド車を用意しなかったことも売れない理由のひとつとなった。ホンダは、ハイブリッド化すると、価格が高くなり売れないという判断をしたためだ。ホンダは、こうしたミスジャッジを犯している。2013年オデッセイが登場したときも、ハイブリッド車は高価になるため売れないとしていた。フルモデルチェンジ時には、ハイブリッド車は用意されなかった。その結果、オデッセイの販売台数は低迷する。その数年後の2016年にハイブリッド車が投入されると、オデッセイの販売台数は急激に伸びた。つまり、ホンダに対するハイブリッド車への期待が大きかったのだ。

■LEDを多用したギラギラ迫力系フェイスへ大変身

 ホンダ ステップワゴン/ステップワゴンスパーダは、今回のマイナーチェンジで売れなかった理由を改善してきた。

 まず、ステップワゴン スパーダは、大幅にデザインを変更した。ミニバンマーケットが望む押し出し感のある迫力系フェイスに変更されている。独自性あるデザインで勝負したかったホンダだったが、完全にマーケットインのデザインとなった。これで、売れる顔になった。

 フロントフェイスのデザインは、ヘッドライトを2分割するようなメッキのグリルバーが入った。このデザインテイストは、N-BOXカスタム系にも通じるものだ。そして、ヘッドライトはLEDが標準装備化。LEDのギラギラ感を駆使し、とにかく目立つことを主眼に置いている。このクラスのミニバンを好む顧客が大好きな手法だ。とくに、夜の存在感はクラストップレベルだろう。

 そして、こうした外観デザインに合わせ、テールゲートスポイラーもやや大型化された。空力特性も向上させている。こちらも、いかにもテールゲートスポイラーが付いてます! 的なアピール度の強いものとなっている。

 インテリアは、ブラック系を中心としシルバーがアクセントに使って精悍なものになっている。

 独自性を重視するホンダとしては、マーケットインのデザインに変更したことは苦渋の選択だったかもしれない。しかし、マーケットに支持されなければ、ただの独りよがり。顧客に支持される顔になったことにより、ステップワゴンの注目度は高まりそうだ。

■低燃費だけじゃない! 力強い走りも可能としたSPORT HYBRID i-MMD搭載

 そして、ようやくステップワゴン スパーダには、ハイブリッド車が投入された。オデッセイなどと同じ2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」をベースにしたものを搭載。

 ステップワゴン スパーダの燃費は、ハイブリッドシステム搭載により、クラストップとなる25.0㎞/Lを達成した。トヨタのノア/ヴォクシーハイブリッドの23.8㎞/Lを上回る低燃費性能を実現した。

 このハイブリッドシステム搭載のメリットは、低燃費だけではない。ノア/ヴォクシー系が燃費志向で、走行性能面では物足りないものだったが、ステップワゴン スパーダは低燃費と力強い走りを同時に手に入れた。1.8Lのハイブリッドシステムを使うノア/ヴォクシーに対して、ステップワゴン スパーダは2.0Lのハイブリッドを使う。エンジン出力は145ps、モーターのトルクは315Nm。ノア/ヴォクシーは、エンジン出力99psでモータートルクは207Nmだ。これだけ違うと、走行性能の差は歴然。それでいて、燃費も25.0㎞/Lなので、燃費も勝っている。ホンダファンは、こうしたハイブリッド車を待っていたに違いない。

 ハイブリッド用のバッテリーなどは、フロントシート下に設置。これにより室内高は-20㎜となったが、クラストップの室内高はキープした。また、ハイブリッド化により全長は+25㎜となり4,760㎜になっている。

■走行性能や静粛性も向上させたハイブリッド車

 ホンダ ステップワゴン スパーダは、ハイブリッド化により価格も大幅に上昇し3,300,480円からとなっている。ただ、ハイブリッド化により高価になったというのではなく、ホンダはステップワゴン スパーダを高級ミニバンとしての価値を上げた。

 ボディは、バッテリーなどをフロントシート下に設置したことでボディ剛性がガソリン車に比べ8.5%アップ。この強固になったボディを生かすサスペンションは、ハイブリッド専用とし上質な乗り心地と操縦安定性を両立。

 一部グレードには、さらにパフォーマンスダンパーを前後に装備。上質な乗り心地を実現した。

 そして、吸遮音材も追加され車内の静粛性を大幅に向上。ライバルのハイブリッド車を上回る静粛性と優れた乗り心地、運動性能を手に入れている。まさに、ホンダの意地ともいえるもので、価格に見合った走りの質感を目指した。

■英断! 「ホンダセンシング」全車標準装備でクラストップレベルの安全性能

 ステップワゴンの安全装備は、高く評価できるものとなった。全車に歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「ホンダセンシング」が標準装備化された。サイド&カーテンエアバッグに関しては、少々物足りない状況で全車標準装備ではない。ただ、全車オプションではなく、9グレード中4グレードが標準装備。3グレードがオプション装着が可能。2グレードが装着不可となっている。標準装備化されたグレードが多い点は評価できる。

 多人数乗車のクルマで、家族などを乗せるケースが多いクルマなのだから、本来ならば安全装備を充実させることが重要だ。しかし、ノア/ヴォクシーなどは歩行者が検知できない旧タイプの自動ブレーキしかなく、セレナは自動ブレーキと一部の機能以外はオプション。また、ノア/ヴォクシー、セレナ共にサイド&カーテンエアバッグに関しては、標準装備化されたグレードが無いというお粗末な状況になっている。こうした状況を踏まえると、ステップワゴンは5ナンバーミニバンで最も安全性能に優れたモデルであることが分かる。

 また、先進予防安全装備のホンダセンシングは、クルマによって微妙に仕様が違う。ステップワゴンに装備されたホンダセンシングは、ハイブリッド車のみだが渋滞追従機能付クルーズコントロールが装備されている。渋滞時に便利で、ドライバーの疲労軽減にも効果がある。

 ホンダセンシングには、衝突軽減ブレーキ(CMBS)、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、LKAS(車線維持支援システム)、先行車発信お知らせ機能、標識認識機能の8機能が用意されている。

■ホンダ ステップワゴンのグレード選び

 ホンダ ステップワゴンのグレード選びは、まず標準車かスパーダかという選択になる。ほとんどの人がスパーダを選択していることもあり、スパーダの方がリセールバリューも高いので、スパーダがお勧めとなる。

 その次は、パワーユニットの選択。1.5Lターボか2.0Lハイブリッドという選択だ。装備が複雑なので単純比較できないが、ざっくり50万円くらい高価になっている。価格差が大きいので予算次第という面もあるが、お勧めはハイブリッドだ。価格差はあるが、ハイブリッド車はエコカー減税などの節税分が大きいので、若干差は縮まる。また、ライバルのノア/ヴォクシーハイブリッドと比べると買い得感がある。価格設定は同程度だが、力強いハイブリッドシステムと低燃費性能、安全性能を含めるとステップワゴンのハイブリッド車の方がコストパフォーマンスに優れる。

 グレードでは、標準車やガソリン車、ハイブリッド車含めBは外しておきたい。サイド&カーテンエアバッグが装備できないグレードで、装備面も簡素化されている。ビジネス用のグレードといった印象だ。

 スパーダのハイブリッド車では、G・EXかGの2グレードからの選択となる。価格差は約21万円。G・EXには、サイド&カーテンエアバッグや運転席&助手席シートヒーター、トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンディショナー、LEDルームランプ、パフォーマンスダンパーなどが大きな違いだ。より質の高い走行性能を求めるのならパフォーマンスダンパー付きのG・EXがよいだろう。Gにオプションのサイド&カーテンエアバッグを装備すると、それほどG・EXと価格差が無くなるので、G・EXを選んだほうが満足度は高い。

 また、お勧めオプションはG・EXにしか用意されていない100V AC電源(1500W)。ハイブリッド車の大容量電池を使い家電製品などに給電できるものだ。災害時の電源になるだけでなく、アウトドアレジャーなどで、遊びの幅も広がる。また、マルチビューカメラシステムやHondaスマートパーキングアシストシステム、後退出庫サポートなどは安全に運転ができる機能なのでお勧めだ。

■ホンダ ステップワゴン/ステップワゴンスパーダ燃費・スペックなど

■ホンダ ステップワゴン/ステップワゴンスパーダ価格
●1.5Lターボ車
・B・Honda SENSING FF 2,455,920円/4WD 2,715,120円
・G・Honda SENSING FF 2,661,120円/4WD 2,898,720円
・G・EX Honda SENSING FF 2,862,000円/4WD 3,078,000円
・SPADA・Honda SENSING FF 2,852,280円/4WD 3,089,880円
・SPADA・Cool Spirit Honda SENSING FF 3,051,000円/4WD 3,245,400円
・Modulo X Honda SENSING FF 3,665,000円

●ハイブリッド車
・SPADA HYBRID B Honda SENSING FF 3,300,480円
・SPADA HYBRID G Honda SENSING FF 3,350,160円
・SPADA HYBRID G・EX Honda SENSING FF 3,559,680円

■ホンダ ステップワゴン/ステップワゴンスパーダ燃費、スペックなど

代表グレード ホンダ ステップワゴン スパーダ ハイブリッドG・EX
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,760×1,695×1,840mm
ホイールベース[mm] 2,890mm
トレッド前/後[mm] 1,470/1,485mm
車両重量[kg] 1,820kg
総排気量[cc] 1,993cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 107(145)/6,200
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 175(17.8)/4,000
モーター最高出力[kw(ps)/rpm] 135(184)/5,000~6,000
モーター最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 315(32.1)/0~2,000
タイヤサイズ 205/60R16
JC08モード燃費 25.0km/L
定員[人] 7人
税込価格[円] 3,559,680円
レポート 編集部
写真 ホンダ

<以下過去記事>ようやくハイブリッド車が登場! さらに、スパーダは迫力系へフェイスチェンジ!

 ホンダは、9月下旬にマイナーモデルチェンジを予定している「ステップワゴン/ステップワゴン スパーダ」の情報をホンダのホームページで先行公開した。わずか2年半での早めのマイナーチェンジとなった。

 今回のマイナーチェンジでは、大きな3つのポイントがある。1つ目は、力強い走行性能と優れた環境性能を両立する2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド) i-MMD」をようやく搭載される。

 そして、2つ目はステップワゴン スパーダの外観をよりダイナミックなデザインに変更する。

 3つ目は、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の機能をさらに充実させた。

 
 マイナーチェンジとしては、かなり大幅な変更となる。これは、販売不振からの脱却が狙いだ。ステップワゴンは、2015年4月にデビューした。従来2.0Lエンジンを搭載してきたが、このモデルから1.5Lダウンサイジングターボエンジンに変更。低・中速域で力強く、17.0㎞/Lという低燃費を両立。さらに、1.5Lなので、自動車税も5,000円安くなるなどのメリットも提示した。

 そして、ホンダらしい独創的な機構のテールゲート「わくわくゲート」を装備。テールゲートに横開きできる機能をプラスし、狭い場所での荷物の出し入れや、3列目シートの乗員の乗り降りも可能とした。



売れない理由は、ハイブリッド車がないから?

 しかし、ホンダ ステップワゴンはデビュー直後から、販売不振に悩まされる。発売直後の繁忙期である6月は7,572台を売るも、9,052台を売ったヴォクシーに大差をつけられた。さらに、7月も同様に6,677台を売りながら、やはり8,611台を売ったヴォクシーに負けた。

 ホンダ ステップワゴンの2015年度販売数は、63,645台となる。ヴォクシー(92,509台)に大きな差を付けられた上に、モデル末期であったセレナ(60,056台)と同等の販売台数となったのだ。さらに、2016年度の販売台数は、48,110台となり前年比75.6%となり、5ナンバーミニバンの中ではエスクァイアに買ったものの5台中4位という結果に終わった。新型車としては、まさに危機的状況といえるものだ。

 今回のマイナーチェンジでは失敗できない。そのための、大幅改良といえるだろう。

 そのために投入されたのが、ハイブリッドモデルだ。今回公表されていないが、オデッセイと同じ2.0Lのスポーツ ハイブリッドi-MMDとなる可能性が高い。ハイブリッドシステムは何であれ、顧客はハイブリッド車を待っていると予想できる。それは、オデッセイを見ていても分かる。オデッセイもガソリン車は、ほとんど売れない状況が続いた。ホンダは、ハイブリッド車は価格が高くなり売れない、という見解を示していたものの、ハイブリッド車投入直後販売台数は好転。2016年度の新車販売台数では、28位に入った。

 こうしたオデッセイハイブリッドの好調ぶりが、ステップワゴンへのハイブリッド車設定へとホンダの重い腰を上げさせたのだろう。

迫力が足りない? 売れるミニバンの顔に大胆変更

 そして、ホンダ ステップワゴンが不振理由のもう一つの理由がデザインと言われている。現行のステップワゴンは、標準車とスパーダの差が少ない。さらに、スパーダそのもののデザインも、ややマーケットのニーズと合っていない。

 ミニバンデザインのデザインでは、トヨタが的確に顧客の好きな顔を理解している。大型ミニバンのアルファード&ヴェルファイアは、完全に独り勝ち状態。優しい顔つきだった先代トヨタ ノアも、迫力系フェイスに変更され販売は好調だ。迫力系フェイスのヴォクシーは、相変わらず好調だ。

 トヨタのミニバンデザインに共通するのは、迫力系フェイスと背が高く見えるデザインの組み合わせだ。日産セレナも新型になり、そうした傾向のデザインを採用する。

 こなると、売るためにはステップワゴン スパーダもこうしたデザイントレンドを負う必要がある。今回、公開されたフロントフェイスの画像を見ても、売れるミニバンデザイントレンドを採用していることがよくわかる。ボンネットのフードは高くなり、顔を大きく見せている。そこに、大きく力強いグリルを装備。LEDライトを使い、個性をアピールしている。
 
 この画像1点でも、マイナーチェンジ後の、ホンダ ステップワゴン スパーダは売れそうだと感じるだろう。

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