新型スズキ スペーシア/スペーシアカスタム新車情報・購入ガイド 絶対に負けられない戦い! 弱点克服&抜群のコストパフォーマンスで軽自動車販売台数ナンバー1を狙う!!【ニュース・トピックス:スズキ】
CORISM / 2018年1月13日 17時17分
スズキ スペーシア/スペーシアカスタム新車情報・購入ガイドの目次
- 高性能なのに売れなかった初代スペーシアの理由とは?
- 弱点を払拭したデザインだが、スペーシアらしさは?
- 新プラットフォームで、より広い室内スペースになった新型スペーシア
- 細かい部分の使い勝手を向上させ、より使えるスペーシアに仕上げた
- 優れた先進予防安全装備を用意。しかし、レスオプションを強力にアピールする姿勢は?
- 軽自動車初となる安全装備が盛り沢山!
- 全車マイルドハイブリッドで、燃費性能は30.0㎞/L!
- 新型スズキ スペーシアのグレード選び
- 新型スズキ スペーシア価格
- 新型スズキ スペーシア燃費、スペックなど
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■高性能なのに売れなかった初代スペーシアの理由とは?
スズキは、スーパーハイト系の軽自動車であるスペーシア/スペーシアカスタムをフルモデルチェンジし発売を開始した。スペーシアは、このフルモデルチェンジで2代目となる。
初代スズキ スペーシアは2013年にデビュー。2008年に登場し、1代限りで無くなったパレットの後継モデルだ。
初代スペーシアは、スーパーハイト系の軽自動車マーケットにおいて、スズキにとって屈辱的な敗北を喫したモデルだった。圧倒的な人気を誇っていたホンダN-BOXと、N-BOXを追うダイハツ タントが軽自動車販売台数ナンバー1を争う中、スペーシアは完全に蚊帳の外といった状況。
モデル末期ながら、2016年度販売台数ナンバー1となったN-BOXの販売台数は192,368台。タントは148,727台。そして、スペーシアは92,711台に終わった。スペーシアは、N-BOXの半分も売れていなかったのだ。
これは、スペーシアがクルマとしてダメという訳ではない。最終モデルの燃費は、マイルドハイブリッド機能を搭載し、クラストップの32.0㎞/Lを達成。タントやN-BOXを圧倒する低燃費性能を誇った。しかも、スズキの軽量化技術により、ライバルより100㎏前後車重が軽い。そのため、自然吸気エンジンでもライバルに対して、より軽快で力強い走りが可能だった。クルマとしての性能という面では、クラストップレベルの実力をもっていたのだ。
売れな買った理由は、こうしたメカニズムではないところにあった。まず、全高がライバルより低く小さく見えること。このクラスを買う顧客は、とにかく大きく見えることを重視する。
そして、イメージリーダーとして役割を果たすスペーシアカスタムのデザインが上品だったこと。上品なデザインであることは良いことなのだが、マーケットのニーズに合っていなかったのだ。カスタム系を好む顧客のほとんどが、とにかく顔が大きく、迫力と押し出し感がある威圧系の顔を好むからだ。ライバルは、そうしたニーズを熟知。デザインとして完成されているかどうかというよりも、とにかく大きく目立つ顔に仕上げている。最近では、ヘッドライト関連のLED化では飽き足らず、N-BOXなどはクラス唯一のシーケンシャルウインカーを装備し、とにかく目立つことにこだわっている。スペーシアは、モデル末期になり、迫力系フェイスに変更したカスタムZを投入。価格も安価に設定したこともあり、販売台数が上向きになった。
すでに、燃費や軽量化といったメカニズムではクラストップレベルの実力をもつスペーシア。2代目となり、初代スペーシアの反省点を完全に払拭し、軽自動車販売台数ナンバーの座を争うモデルになるのか注目したい。
■弱点を払拭したデザインだが、スペーシアらしさは?
フルモデルチェンジした2代目となるスズキ スペーシアは、初代スペーシアの反省点を生かし全高を1,785㎜とした。先代スペーシアに対して50㎜高くなっている。N-BOXと比べると-5㎜。ほぼ同等の全高となった。まず、これで小さく見える、と言われることは無くなった。
デザインも王者N-BOXを十分に研究したと思われるデザインを採用。ボンネットフードの位置を高く取り、サイドのドア位置もかなり高くした。フロントとサイドのウインドウは小さくなっているが、クルマ全体にボリューム感が出て、より安定感のあるフォルムになっている。
ボンネットフードの位置を高く取ったとことで、スペーシアのフロントフェイスは一段と大ききくなった。一般的にこうした大きい壁のような顔にすると、空気抵抗が増え燃費や走行性能面に悪影響を及ぼすが、売れる顔にするしかないという状況だ。
新型スペーシアのデザインは、全体的にスクエアなデザインが採用されている。標準車は、より角を丸くし女性に好まれるようなデザインとしている。軽自動車らしい、なかなか可愛らしいデザインだ。
そして、初代スペーシアが大敗を喫する大きな理由となったスペーシアカスタムは、先代スペーシアカスタムとはまったく異なる迫力威圧系デザインとなった。大きな顔と鋭い眼光のLEDヘッドライトや、大きなメッキグリルを組み合わせた。ワイド感を強調するアンダーグリルやLED加飾、低く構えたサイドアンダースポイラーやリヤバンパーも採用され、より高い存在感をアピールしている。
全体的に、売れる顔になったといえるが、よくも悪くもN-BOXと同じテイストのデザインになったといった印象。スペーシアらしさというのは、どこなのか? という疑問がやや残る。
■新プラットフォームで、より広い室内スペースになった新型スペーシア
新型スズキ スペーシアのインパネは、広さをアピールする水平基調のデザインが採用されている。なかなか個性的でありながら、機能性も兼ね備えたデザインだ。
助手席側は、やや前方に張り出したデザインになっていて、テーブルのように使える工夫がされている。さらに、上部に開閉でき収納スペースとしても使える。その下には、通常のグローブボックスも用意されており、収納スペースは豊富だ。
標準車はベージュ系の明るいカラーが使われているが、スペーシアカスタムはブラック系とシルバーの加飾でまとめられている。シフトノブ、ステアリングには本革を採用。その他、レザー調の専用シートや赤ステッチをシフトノブ、ステアリング、シート表皮に施し、スポーティさを強調している。
新型スペーシアには、新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用された。ホイールベースを2,460mmと先代スペーシアに対して+35mmとし、より広大な室内スペースを確保した。しかし、N-BOXの2,520㎜を超えることはできていない。ただ、その分、最小回転半径は4.4mとN-BOXより0.1m小回りが効く。
シートは前席、後席ともにヒップポイントを高くし、より見晴らしがよく、より運転しやすいレイアウトとしている。
室内スペースは、前席の左右乗員間距離を30mm、ショルダールームを25mm拡大、後席はヘッドクリアランスを45mm拡大。より広大な空間を作り上げた。
■細かい部分の使い勝手を向上させ、より使えるスペーシアに仕上げた
新型スペーシアは、扱いやすさを向上させる工夫も多く取り入れられている。リヤステップ地上高を345mmと低く設定。さらに、スライドドア開口幅を20mm広げて600mmに、開口高を20mm高くして1,250mmとし、子供やお年寄りが楽に乗降できる工夫をしている。
また、パワースライドドアが閉まる動作中にドアロックを予約できる「パワースライドドア予約ロック機能」や、任意の位置でスライドドアを一時停止できる「パワースライドドア一時停止機能」を採用。前席ドアに、駐車場でのドア接触防止のため中間二段ストッパーも採用。より細かい部分にも配慮されていて、使い勝手面でもより便利になっている。
シートアレンジ面では、N-BOXほどの多彩さはない。ワンタッチダブルフォールディング式リヤシートの採用程度といったところだ。
高い室内高を利用した積載性は、リヤシートを格納した際のラゲッジ面の段差を抑えよりフラットで使いやすい設計がされている。広大な荷室は、リヤシートを両席格納すると27インチ自転車を搭載可能。さらに、バックドア下段のトリムに溝を設け、自転車のタイヤを溝に沿わせることで自転車をより積みやすくするガイドを設置している。
■優れた先進予防安全装備を用意。しかし、レスオプションを強力にアピールする姿勢は?
新型スズキ スペーシアの安全装備面は、従来のスズキ車とはかけ離れたくらい充実した装備となった。まず、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備が全車標準装備化された。N-BOXが全車標準装備化されているというのも大きな理由のひとつではあるとはいえ、今まで安全装備に関しては二の足を踏んでいたスズキだったことを考えれば、高く評価したい部分だ。
しかし、残念でならないのは、せっかくの先進予防安全装備もレスオプションが設定されている。それも、カタログには通常モデルのように大きく記載されている。これでは、ほとんどオプション設定のようなものだ。ライバルのN-BOXは、小さな文字でレスオプションも用意しております程度。どちらも、安全装備をメーカーが積極的にレスオプションをアピールするのは、自動車メーカーとしての責任を負っていないに等しい。
クルマは扱い方を誤ると人を殺すことがある道具だ。誰もが加害者にはなりたくない。もちろん、自分自身だけでなく、家族や知人など被害者になることなど考えたくもない。スペーシアの場合、わずか約6万円という装備で交通事故のリスクを軽減することができる。しかし、わずか約6万円をケチった装備設定をすることで、交通事故のリスクを高めるような装備設定をするのでは、人を殺すかもしれない商品を売る自動車メーカーの責任を放棄しているのに等しい。
こうした設定がされるのには訳がある。自分は運転には自信がある。だから、こうした安全装備はいらないので安い方がいい、という顧客が一部存在する。まず、自らの運転技術に対して過信している顧客こそ、本来交通事故に対するリスクが高い。
こうしたニーズが一定数あるからと言って、安全性能が劣るレスオプション車を多く走らせることは、人を殺すかもしれない商品を売るメーカーとして、顧客の安全より利益重視に見える。運転技術を過信した顧客と、安全性能に劣ったクルマに衝突され死亡事故になった被害者にとっては、単に運が悪かったでは済まされない問題だ。先進予防安全装備を全車標準装備化されていれば、避けられた事故だった可能性もあるからだ。
自動車メーカーの営業サイドは、会社の経営を考え1台でも多く売りたいという商売重視の想いでこうした設定を行う。しかし、その想いは企業として本来理想とすべき交通安全への理念が、時として曲げられてしまう。これは、スズキだけでなくほぼすべての自動車メーカーに共通する問題だ。先進予防安全装備を充実させて価格が高くなり売れなかったら、会社の存続にかかわるというのも重要だ。しかし、顧客は単に安いクルマというのではなく、より良いクルマをより安く欲しいのだ。こうした問題をクリアしたメーカーだけが、今後生き残るのかもしれない。
■軽自動車初となる安全装備が盛り沢山!
新型スペーシアの先進予防安全装備は、まず後退時の衝突被害軽減ブレーキを軽自動車で初採用された。リヤバンパーに内蔵した4つの超音波センサーが車両後方にある障害物を検知し、自動でブレーキが作動する。さらに、後方誤発進抑制機能、リヤパーキングセンサーを搭載。
単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」をはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシストを搭載。高速道路などの逆走防止などに役立つ「標識認識機能[進入禁止]」は、スズキ車初採用となる。
そして、前方の視線移動を小さくすることで安全性を高めるフロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイを軽自動車で初採用。ディスプレイには、車速、シフトポジションといった基本情報や、デュアルセンサーブレーキサポートの警告表示、進入禁止の道路標識などを直感的に理解しやすいカラーで表示。
運転が苦手な人や高齢者がより運転しやすくなる機能として、周囲を立体的に360°確認できる3Dビューを軽自動車で初採用した。さらに、モニターだけを注視してしまっていても、自車の前方および後方で左右から人や物が自車に近づいてくることを知らせる、「左右確認サポート機能」も搭載。便利なだけでなく、より安全性を高めている。
そして、新型スペーシアには、フロントシートサイドエアバッグを全車に標準装備。スペーシアカスタム「HYBRID XSターボ」には、カーテンエアバッグを標準装備した。
スズキは、サイドエアバッグが嫌いなメーカーで、多くのモデルでオプション設定すらできない状態がしばらく続いていた。そんな頑なにサイドエアバッグを嫌っていたスズキも、さすがに2018年6月から改正される新保安基準であるポール側面衝突時の乗員保護に関して逆らうことはできなかったようだ。この新保安基準は、サイドポール衝突などとも呼ばれ、側面を電柱などに衝突させたときに乗員の安全を確保するもの。狭い部分にエネルギーが集中するため、死亡事故になりやすいからだ。
この衝突安全基準は、サイドエアバッグ無しでクリアすることは難しいとされている。今回、新型スペーシアは、この新保安基準を前倒しして採用した。積極的にサイドエアバッグを装着したというより、装備するしかなかったというのが本音だろう。とはいえ、このクラスで現在サイドエアバッグまで標準装備化しているのはスペーシアだけだ。
■全車マイルドハイブリッドで、燃費性能は30.0㎞/L!
新型スペーシアに搭載されるパワーユニットは、52ps&60Nmを誇る直3 DOHCと64ps&98Nmの直3 DOHCターボの2タイプだ。標準車は自然吸気のみ、スペーシアカスタムには自然吸気エンジンとターボエンジンが用意されている。このエンジン、すべてマイルドハイブリッドとなっている。
このマイルドハイブリッド機能は、ISG(モーター機能付発電機)の高出力化とリチウムイオンバッテリーを大容量化した。モーターによるクリープ走行と、幅広い速度域でエンジンをモーターがアシストすることで燃料消費を抑制している。僅かながらクリープ走行ができるのも燃費向上に大きく貢献。減速して車速が約10km/h以下になり、アクセルもブレーキも踏んでいない時や、アイドリングストップ後の停車からの発進時に、最長10秒間のモーターによるクリープ走行が可能だ。この特性を生かした運転をすると、実燃費を向上させることができる。
新型スペーシアの燃費は、最も高い数値のグレードで30.0㎞/Lとなった。これは、先代モデルの32.0㎞/Lからやや燃費値が落ちている。これは、主に装備が向上した分、車重が重くなっていることが要因だろう。燃費値が下がったとはいえ、N-BOXの27.0㎞/Lを大きく上回っている。
■新型スズキ スペーシアのグレード選び
新型スズキ スペーシアのグレード選び。まずは、標準車かカスタムかという選択になる。ただ、パワフルなターボ車が絶対条件ということになると、カスタムしか選べない。標準車は、なかなか愛らしいデザインが魅力だ。対してカスタムは、デザイン的に優れているというよりは、とにかく目立つことを重要視している。
標準車のグレード構成は、シンプルにXとGの2タイプが用意されている。大きな装備差は、ワンアクションパワースライドドア、スライドドアクローザー、スリムサーキュレーター、プレミアムUV&IRカットガラスなど。細かい部分もかなり異なる。スペーシアGの価格は1,333,800円で、Xの価格は1,468,800円なので135,000円の価格差がある。スペーシアは、両側スライドドアが魅力のモデルなので、やはりパワースライドドアは欲しい。そうなると、その他細かい装備差を考えると、Xグレードがお勧めで満足度も高くなる。ただ、Xの燃費は28.2㎞/Lなのに対して、Gは30.0㎞/Lと燃費性能では勝っている。
新型スペーシアカスタムのグレードは、基本的に標準車と同じ。上級グレードのXにのみターボエンジンが用意されている。XSターボにだけカーテンエアバッグが標準装備されている。
新型スペーシアカスタムの価格はGSが1,576,800円。XSが1,690,200円。グレードによる価格差は、約11万円。大きな装備差は、フロント2ツイーター&リヤ2スピーカーに後席右側ワンアクションパワースライドドア、本革巻きステアリングホイール、パーソナルテーブル、LEDイルミネーション、プレミアムUV&IRカットガラス、15インチアルミホイールなど。この装備差を考えると、やはりXSを購入したほうが満足度は高い。
そして、ターボモデルとなるXSターボの価格は1,787,400円。自然吸気エンジンのXSに約10万円プラスで力強い加速力が味わえるターボ車が買える。新型スペーシアの車重は、ライバルに対して軽量ではあるものの、やはり自然吸気エンジンでは少々力不足を感じることも多い。予算に余裕があるのなら、XSターボがお勧めだ。
また、新型スペーシアの価格に関しては、強敵ホンダN-BOXと比較すると買い得感がある設定になっているのも特徴。コストパフォーマンス面では、かなり優れたモデルとなっている。
■新型スズキ スペーシア価格
■スズキ スペーシア価格
・HYBRID G 2WD 1,333,800円/4WD 1,454,760円
・HYBRID X 2WD 1,468,800円/4WD 1,589,760円
■スズキ スペーシアカスタム価格
・HYBRID GS 2WD 1,576,800円/4WD 1,697,760円
・HYBRID XS 2WD 1,690,200円/4WD 1,811,160円
・HYBRID XSターボ 2WD 1,787,400円/4WD 1,908,360円
■新型スズキ スペーシア燃費、スペックなど
代表グレード | スズキ スペーシアHYBRID X |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,785mm |
ホイールベース[mm] | 2,460mm |
トレッド前/後[mm] | 1,295/1,300 |
車両重量[kg] | 870kg |
総排気量[cc] | 658cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 52PS(38Kw)/6500rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 60(6.1)/4,000rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 155/65R14 |
JC08モード燃費 | 28.2km/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 1,468,800円 |
発売日 | 2017/12/14 |
レポート | 編集部 |
写真 | 編集部 |
<以下、東京モーターショー情報>新型スペーシア、売れない理由を完全払拭! 発売直前!!
スズキは、東京モーターショーで新型スズキ スペーシア/スペーシアカスタムのコンセプトモデルを公開した。
この新型スズキ スペーシア/スペーシアカスタムのコンセプトモデルは、コンセプトモデルというものの、いつ発売されても問題ないくらい高い完成度を誇っている。もうすぐ発売される新型スズキ スペーシア/スペーシアカスタムそのものと思っていいいだろう。
スズキ スペーシアは、スーパーハイト系と呼ばれるジャンルに属する軽自動車。このスーパーハイト系は、非常に人気の高いカテゴリーで、今や軽自動車の中でも最も売れているジャンルでもある。また、価格も高価なので、収益の柱になっているだけに、非常に厳しい販売戦争が行われている。
しかし、スズキは、このクラスで大敗を喫しているのだ。2017年上期の販売台数では、N-BOXが1位で94,601台、2位はタントで65,225台。そして、スズキのスペーシアは大きく引き離され48,406台となっている。N-BOXの販売台数の約半分しか売れていない状況だ。
これは、クルマに問題があるという訳ではない。スペーシアは、マイルドハイブリッド機能が搭載され、クラストップの軽量化ボディをもち燃費は32.0㎞/Lとクラストップ。ボディが軽いので、ライバル車より力強い走りも魅力的だ。
しかし、売れなかった。その理由は、とくにカスタム系のデザインにあるとされている。迫力系フェイスが好まれる中、スペーシアカスタムはややおとなしい顔だったことが原因だった。そのため、スズキはモデル末期になり、迫力系フェイスに大変更されたカスタムZを投入。価格が高いと言われていた部分も改善し、買い得感のある価格となった。元々、素性は良いクルマだっただけに、このカスタムZの投入で販売台数はやや右肩上がりになった。
とはいえ、ライバルのN-BOXがフルモデルチェンジし、相変わらず絶好調。大人気のN-BOXから顧客を奪うのは容易ではないが、その役割を担うモデルが新型スペーシアということになる。
クラストップの燃費性能はさらに進化? 発表は2017年12月末と予想。価格は?
新型スズキ スペーシアには、全長3,395×全幅1,475×全高1,800mm。注目は、N-BOXの全高が1,790㎜なので、クラストップレベルの高い全高をもつモデルになった。現行のスペーシアが1,735㎜なので65㎜も全高が高くなっている。
このクラスでは、室内スペースの広さが重要視される。初代N-BOXもそこがポイントで人気が出た。ただ、単に全高を上げれば売れるというものではない。ダイハツ ウェイクは1,835㎜という高い全高をもつが売れていない。デザインも重要ということになる。
新型スペーシアでは、前回の失敗を生かし、スペーシアカスタムのデザインをかなりアグレッシブな迫力系フェイスにしてN-BOXを追撃する。カスタムZよりもグリルの存在感が強い。このグリルは、ダーク系のメッキ仕様となっていて凄みを感じさせている。全高が高いこともあり、ライバル車に対してより大きく見えるのも特徴。これは、マーケットニーズのひとつであり、しっかりとマーケットインのデザインとした。
新型スペーシアに搭載されるエンジンは、マイルドハイブリッドのSエネチャージ。ターボモデルにもSエネチャージが搭載される予定だ。
新型スペーシアは、今のところクラス唯一のマイルドハイブリッド車。現行モデルでも32.0㎞/Lというクラストップの低燃費性能を誇る。N-BOXの燃費は27.0㎞/Lなので、大きな差となっている。この燃費性能は、更なるボディの軽量化とマイルドハイブリッドシステムのバージョンアップで、現行の32.0㎞/Lを超えることは確実とみられる。燃費は32.5㎞/L程度にはなるのではないだろうか。
そして、新型スズキ スペーシアの発売日だ。スズキからのインフォメーションは一切ない状態。ただ、2018年1~3月は最も重要な繁忙期。スズキの営業側としては、新型スペーシアをこのタイミングに投入したいはず。となると、12月末頃に発表・発売が有力。毎年お馴染みの初売りCMを年末年始に大量投入し、1月からの繁忙期に備えるというパターンと予想した。
新型スズキ スペーシアの価格は不明。価格設定は、N-BOXをかなり意識しているはす。マイルドハイブリッドを搭載しながらN-BOXと同等レベルの価格で勝負してくると予想。そうなると、N-BOX G・EX Honda SENSINGが約160万円。新型スペーシアの上級グレードも約160万円前後になると予想した。
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