マツダMX-30試乗記・評価 まったり走ると気持ちいい癒し系SUV
CORISM / 2021年1月12日 18時0分
奇策? 同じセグメントに2車種目となるMX-30を投入!
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9713-300x200.jpg)
マツダMX-30は、すでに欧州ではEV(電気自動車)がリリースされている。国内ではまだガソリン車だけだが、2021年1月に日本でも発売される予定だ。
この新型MX-30、ベースとなっているのは、すでに発売済みのCX-30。基本骨格などは、CX-30と共通。ところが、MX-30はベース車となるCX-30のイメージをまったく感じさせない異なるモデルとなっているのが特徴だ。両車共に、CセグメントSUVと呼ばれるカテゴリーに属する。
MX-30とCX-30が、まったく異なるモデルに見えるという点はさておき、そもそも同じセグメントに2車種を投入するという戦略自体が異例。トヨタでさえ、チャネルによる専売制を廃止。各ディーラー全車種扱いになり、姉妹車を減らすなど車種を整理し効率を上げ、より利益を出そうとしている。
ところが、販売台数や販売店数では圧倒的に少ないマツダが、トヨタとは真逆の戦略をとっていることになる。同じセグメントに2台の姉妹車、こうした戦略は、カニバリ(共食い)が発生し、効率が悪くなるとされてきた。まさに、マツダは奇策ともいえる戦略に出たのだ。
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9735.jpg)
こだわり系ライフスタイルをもつ新規顧客がターゲット
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9769-300x200.jpg)
しかし、クルマ好きは数が少ない。マツダが自動車メーカーとして、更なる成長をするためには、クルマはそれほど好きではない、より一般的な顧客に売っていくしかない。ただ、一般的な顧客層に売っていくの至難の業。トヨタのように圧倒的な資金力でCMなどを絨毯爆撃ように広くうてるのなら勝機もある。しかし、マツダにトヨタほどの資金力は無い。
そこで、マツダが目に付けたのは、トレンドに左右されず自分なりの選択眼を持ち、こだわり系ライフスタイルをもつ顧客だ。感性に優れた顧客ともいえる。こうした顧客はニッチでもあるが、インフルエンサーにもなる。「マツダ車っていいらしいよ」という、口コミが広まれば大きな中長期的には大きなメリットになる。
こうしたこともあり、CX-30の月間販売目標が2,500台なのに対して、MX-30の月間販売目標は1,000台と控えめだ。
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9792.jpg)
キャラが濃い! 好き嫌いが明確に出るデザイン
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9443-300x200.jpg)
MX-30にもマツダのデザインテーマである「魂動デザイン」が採用されている。ところが、姉妹車関係にあるCX-30とは、まったく異なるデザインとなった。CX-30は、やや睨みの効いたスッキリとしたデザイン精悍さがあり、万人受けしやすいデザインでもある。
ところが、MX-30はとにかく個性的。CX-30のようなピンと張った緊張感はなく、良い意味でかなりユルイデザインとなった。
マツダは親しみやすいデザインと言うが、むしろゆるキャラ的な愛嬌さえ感じる。MX-30は、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーのデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。しかし、選考委員の中でもかなり好き嫌いが明確に分かれる傾向があるほどキャラが濃い。そういう意味では、マツダの狙い通りともいえる。
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9478.jpg)
肩の力が抜ける空間をもつMX-30
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9455-300x200.jpg)
リヤシートの空間や使い勝手面は少々微妙なのだが、それを補って余りあるのがフロントシートの空間だ。こちらも好みにより評価が異なるが、バキバキしたスポーツ系モデルのような緊張感は無い。
MX-30のフロントシートは、開放感があり癒しの空間的なのだ。肩の力を抜いて、のんびりと走りたくなる。気持ちが少し穏やかになる感覚に包まれる。コンソールトレイには、クルマでは珍しいコルク材が用いられていて、こうした素材感も癒し効果があるのだろう。
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9418.jpg)
フツーなパワーユニットだが、流して走ると気持ちよい
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9415-300x200.jpg)
スペック的には、ごく普通なパワーユニット。とくに、目を見張るような技術が使われているわけでもない。ところが、ゆったりとスムースな運転をすると、気持ちよいエンジンであることあ分かる。緩やかにアクセルを踏むと、小さな力だが瞬時に立ち上がるモーターのトルクより、アクセルレスポンスがよさを感じる。これが気持ちよい。普通に流している時でも十分に感じ取れる気持ちよさだ。
基本的にマイルドハイブリッドなので、絶対的なパワーは標準的。アクセルを全開にして高回転域まで回すと、車内は少々賑やかになる。通常走行時では、静粛性も高く快適だ。アクセルを全開にして走るような走りは、MX-30には似合わない。
街中のカーブでも気持ちよさを感じる穏やかハンドリグ
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9514-300x149.jpg)
ハンドリグ面でもキャラが立っている。ステアリング操作に対するクルマの動きは穏やかだ。だが、マツダ車らしく芯があるというか、キッチリ感は失っていない。動きは穏やかだが、しっかり正確にクルマが曲がっていく。
ガンガン峠を走り抜けるのに向くテイストではないが、街中にあるちょっとしたカーブでも速度を問わず気持ちよい。ややクイック目のハンドリグをもつCX-30とは、しっかりとキャラ分けができている。
のりびり走れば気分転換できる癒し系
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9501-300x200.jpg)
今、コロナ禍で、何かとイライラしたりと、何かと精神的なダメージが多くなっている。それはそれで仕方のないことで、我慢が必要だ。
でも、我慢ばかりでは、いつか爆発するかもしれない。そんなとき、MX-30のように肩の力を抜いて、のんびり気持ちよく走れるクルマで、ちょっと気分転換。少し気持ちが癒される。マツダMX-30は、そんなクルマかも、と思えた試乗だった。
<レポート:大岡智彦>
マツダMX-30新車情報・試乗評価一覧
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マツダ車新車情報・試乗評価一覧
ハイブリッド車新車情報・試乗評価一覧
マツダMX-30価格
・MX-30 FF 2,420,000円/4WD FF 2,656,500円
・MX-30 100周年特別記念車 FF 3,157,000円/4WD 3,393,500円
マツダMX-30燃費、ボディサイズなどスペック
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9567-210x146.jpg)
全長×全幅×全高 4,395×1,795×1,550mm
ホイールベース 2,655mm
トレッド前:後 1,565mm
最低地上高 180mm
車両重量 1,460kg
エンジン 直列4気筒DOHC+マイルドハイブリッド
![マツダMX-30](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/01/IMG_9542-210x140.jpg)
排気量 1,997cc
最高出力 156ps(115kW)/6000rpm
最大トルク 199Nm(20.3㎏f-m)/4000rpm
モーター型式 MJ型
最高出力:6.9ps(5.1kW)/1800rpm
最大トルク:49Nm(5.0㎏f-m)/100rpm
WLTCモード燃費 15.6㎞/L
最小回転半径 5.3m
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