2019年度、新車販売台数ランキング 新型コロナ、増税の影響で軽自動車人気さらに加速!?
CORISM / 2020年4月16日 11時9分
ホンダN-BOX、ダントツ2019年度新車販売台数ナンバー1に!
自販連と全軽自協が発表した2019年度(2019年4月~2020年3月)の銘柄別新車販売台数がまとまった。ベスト50は別掲の通りである。
販売ランキングの首位に立ったのはホンダのN-BOXで、これで3年度連続しての首位となった。今年度は、唯一20万台を超える販売台数を記録しており、断トツの売れ行きでの首位となっている。また、軽自動車のみの新車販売台数では、5年度連続として首位を確保したことになる。
N-BOX、ナンバー1理由は?
N-BOXのナンバー1理由は、圧倒的なブランド力だ。燃費性能や走行性能など、細かいところを見れば、N-BOXより優れたモデルはあり、単に性能面だけで売れている訳ではない。
初代N-BOXが大ヒットして以降、軽自動車スーパーハイト系マーケットでは、N-BOXを買っていればとりあえず安心で失敗はない、といったイメージが定着。そして、ブランド化した。もちろん、2代目N-BOXは、ブランドイメージに恥じない高次元でバランスの取れたモデルとなっている。
新型コロナの影響で、2020年度は軽自動車人気がさらに加速?
N-BOX以下、2位のタント、3位のスペーシア、4位のデイズ、5位のムーヴ系まで、トップ10の上位5車種を軽自動車が独占する形になった。
スーパーハイト系モデルを中心に、軽自動車が根強い人気を得ていることを示している。また、10月1日から消費税が10%に増税されたが、こうした負担増もユーザーをより軽自動車に向かわせることにつながったといえる。
また、新型コロナウイルスによる不況下になると、より節約マインドが働き2020年度は、さらに軽自動車の人気が高まっていくと思われる。
そして、3位に入ったスペーシアの健闘も注目される。前年はタントも上回って2位だったのでランクダウンなのだが、フルモデルチェンジのあったタントやデイズに伍して前年並の販売台数を確保し、3位に入ったのは大したものだ。
登録車は順位大変動! トヨタ カローラがナンバー1へ!
トップ10の6位から10位は登録車が占めた。フルモデルチェンジのあったカローラが6位で登録車の首位。以下、7位にプリウス、8位にノート、9位にシエンタ、10位にルーミーと続いている。8位のノートは日産車だが、ほかの4車種はトヨタ車が占めていて、いろいろな車種を安定して売っていることが良く分かる。
登録車の販売ランキング上位は、前年度とは大きく様相が変わった。前年度の登録車の首位はノートだったが、2019年度は3位となった。ノートは、モデル末期であることやカルロス・ゴーン問題など、マイナス要因が重なった。
今年度、昨年のノートに代り登録車で首位となったのがカローラだ。前年度には、登録車で6位だった。フルモデルチェンジの効果の大きさが分かるというものだ。逆にいえば、ひとつの車種がナンバー1を長期間維持するのが難しくなっているともいえる。
この5車種のうち、カローラはフルモデルチェンジの効果もあって前年比で20%以上の伸びとなった。ただ、カローラの販売台数は、従来のアクシオやフィールダーが併売されていて、さらにフルモデルチェンジしたスポーツ、セダン、ツーリングと新旧計5モデルの合算されている。そうした意味で、単一車種と比べれば販売台数面で優位な状態といえる。
トヨタ ルーミー、コンパクトカーの新スタンダードへ成長
他に、シエンタも10%以上の伸びとなった。シエンタは、2015年7月に発売されたモデルで、2018年にマイナーチェンジを受けているが、コンパクトなサイズの3列シート車として意外なくらいに人気を集め、2019年には登録車の首位に立った月もあったほどだ。
ルーミーも販売台数を伸ばしている。こちらは2016年に発売されたモデルで、やはり2018年に改良を受けている。本来なら、マイナーチェンジを受けたとはいえ、徐々に販売台数が落ちていく傾向が強い。しかし、ルーミーは根強い人気を維持。新たなコンパクトカーのスタンダードモデルへと成長している。
■2019年度新車販売ランキング 1~10位
1)N-BOX 247,707台(103.3%)
2)タント 172,697台(121.1%)
3)スペーシア 159,799台(100.9%)
4)デイズ 154,881台(110.6%)
5)ムーヴ系 118,675台( 89.7%)
6)カローラ 114,358台(121.1%)
7)プリウス 113,361台( 98.5%)
8)ノート 105,908台( 80.4%)
9)シエンタ 108,067台(112.6%)
10)ルーミー 92,890台(107.2%)
ホンダ フィット、2020年度は登録車ナンバー1争い入り確実?
11位から20位までのランクには、いろいろなタイプのクルマが入っている。まず軽自動車は12位のミラ、16位のワゴンR、19位のアルトの3車種が入った。いずれも販売ランキングの首位に立ったことのある実力モデルで、軽自動車の“米の飯”といった感じの定番商品である。今はトップ10上位に並んだ超ハイト系モデルに押されているものの、それぞれに安定した売れ行きを続けている。
このランクのコンパクトカーは、11位にハイブリッド専用車のアクア、17位にフィット、18位にタンクが入っている。アクアは、モデルサイクルが長期化する中で良く頑張っている。
フィットは、昨年秋にフルモデルチェンジの予定だったものが、生産の立ち上がりが遅れたために10月から12月までの3カ月くらいはほとんど在庫車だけを売っているような状況だったので、この順位も仕方ないところだろう。2020年度には、登録車の首位争いをしているはずだ。
侮れない販売台数になっているルーミー、タンク、トール三姉妹
注目されるのはタンク。タンク単体ではなくトップ10入りした姉妹車のルーミーと合わせると、合計で168,339台になって総合3位にランク入りする総台数になる。
さらに、ダイハツのトールも姉妹車として合計すると192,372台になって総合2位に入る台数である。軽自動車以外でも、低価格で買える実用車を求めるユーザーが多いことも示している。
根強い人気ヴォクシー三姉妹、息切れ感あるセレナ
このランクに入ったミニバンは、13位のフリード、14位のセレナ、15位のヴォクシーの3車種だ。ホンダのフリードは2019年10月にマイナーチェンジを受けており、この頃にフィットの発売の遅れがあったため、後半に販売台数を伸ばす形になった。
セレナは、前年が登録車の4位で台数も10万台を超えていたのに比べると、2019年度はやや落ち込んできた。それでも、モデルサイクルが長期化する中で頑張っているが、やや息切れ感がある。
また、ここでも注目されるのがトヨタの姉妹車だ。ヴォクシーだけだと15位でライバル車のセレナに遅れをとったような形だが、24位のノアと33位のエスクァイアの販売台数を加えると171,968台になり、2位のタントに迫る台数になる。セレナの2倍を超える売れ行きである。
20位には、SUVのRAV4が入っているが、これがSUVの首位。SUVは一定の人気を集めるジャンル。しかし、価格帯はやや高めになることもあって、販売台数面では厳しいものがある。モデルの新しいRAV4だけが頑張っている印象だ。
■2019年度新車販売ランキング 11~20位
11)アクア 91,322台( 71.4%)
12)ミラ 85,288台( 76.3%)
13)フリード 84,470(100.9%)
14)セレナ 84,051台( 84.0%)
15)ヴォクシー 81,949台( 91.1%)
16)ワゴンR 78,582台( 76.6%)
17)フィット 76,101台( 88.6%)
18)タンク 75,499(103.4%)
19)アルト 72,162台( 95.6%)
20)RAV4 71,539台(-------)
トヨタ ヴェルファイア、人気急降下中!
21位から30位までのランキングにもいろいろなタイプの車種が入った。ミニバンは、21位に高級ミニバンのアルファードが入り、24位にノア、28位にステップワゴンが入っている。
アルファードの姉妹車のヴェルファイアは、半分以下の台数しか売れなくなってしまった。先代モデルでは、非常に人気が高いモデルだったが、この状態はトヨタも予想外といえそうだ。とはいえ、かなりの高額車がこれだけ売れていれば言うとはない。
ホンダのステップワゴンは、独創的なバックドアを採用したものの、販売面では苦戦が続いている。本来ならもっと上位にいてもよいモデル。ホンダの国内営業も、やや諦めムードといったムードが漂っている。
2020年度、SUV台風の目となるのはライズ?
このランクまで来ると、SUV系の車種が目立つようになる。25位のC-HR、26位のライブ、27位のヴェゼルの3車種が入っている。
C-HRは新型車効果が一巡した後の年度になるため、前年に比べて販売台数も落ちている。ヴェゼルはモデルサイクルが長期化する中で、まずまず健闘しているといったところだろう。
注目は、発売されたばかりのライズ。コンパクトなSUVで比較的低価格のモデルであるため、わずか2カ月だけの販売実績でこの位置にいる。人気のハイブリッド車はなく、ガソリン車だけで、ここまで販売台数を伸ばしているのは異例。2020年度も台風の目となるモデルといえる。
来年度はハスラーに期待
コンパクトカーは、22位のヴィッツと30位のソリオ、それに軽自動車のハスラーが23位に入り、ミドルクラス車のインプレッサが29位に入っている。
ヴィッツはモデルが古くなってヤリスに移行する直前なのでこの位置も止むを得ないところ。ソリオは一時ほどではないが、大きく落ち込むこともなく、まずまずの売れ行きだ。ただ、ソリオの真似をした後発のタンク、ルーミー、トールがかなり売れている。ダイハツのトールより売れているとはいえ、スズキももうひと頑張りしたいところだ。
ハスラーは、フルモデルチェンジが一年を通じて寄与しておらず、むしろモデル末期の売れ行きなのでこの位置だ。ワゴンRの販売が低迷しているだけに、2020年度はハスラーへの期待が高まる。
■2019年度新車販売ランキング 21~30位
21)アルファード 67,823(107.1%)
22)ヴィッツ 66,558台( 74.8%)
23)ハスラー 62,831台( 97.5%)
24)ノア 49,163台( 86.4%)
25)C-HR 48,940台( 68.0%)
26)ライズ 48,809台(19-11)
27)ヴェゼル 48,669台( 81.2%)
28)ステップワゴン 47,212台( 88.3%)
29)インプレッサ 44,574台( 91.2%)
30)ソリオ 44,408台( 96.5%)
危機から脱せないクラウン
31位以下の車種では、ほとんどが前年に比べて販売台数を落しているが、33位のエスクァイア、42位のシャトル、43位のジムニーが、それぞれ小幅ながらも販売台数を伸ばしている。
シャトルはマイナーチェンジが後半に寄与し、ジムニーはフルモデルチェンジの効果が反映された年である。
暗雲が立ち込めているのが、40位に入ったクラウン。トヨタを代表する高級セダンだ。クラウンの販売台数は29,680台で、なんと前年比50.7%と大きく落ち込んでいる。
セダンが売れない国内マーケットとはいえ、トヨタの看板車がこの数値となっているのは、存続の危機ともいる。
唯一国産セダンで孤軍奮闘しているクラウン。今や数少ない国内専用車として、その価値をアピールし続けてきたモデルだ。しかし、これだけ売れなくなると、他社同様グローバルモデルと共通化される可能性も高い。なんとしても、息を吹き返してほしいモデルだ。
<レポート:松下 宏>
■2019年度新車販売ランキング 31~50位
31) eKワゴン系 42,181台( 93.0%)
32)N-WGN 41,447台( 73.2%)
33)エスクァイア 40,874(100.8%)
34)パッソ 36,855台( 78.1%)
35)キャスト 35,010台( 85.1%)
36)マツダ3 31,635台(19-5)
37)ハリアー 31,280台( 74.0%)
38)ヴェルファイア 31,203台( 75.3%)
39)フォレスター 30,515台( 90.7%)
40)クラウン 29,680台( 50.7%)
41)エクストレイル 29,325台( 63.1%)
42)シャトル 28,698台(104.1%)
43)ジムニー 27,941台(108.9%)
44)CX-5 27,737台( 69.4%)
45)ランドクルーザーワゴン 25,204台( 86.2%)
46)トール 24,033台( 79.5%)
47)クロスビー 22,138台( 76.1%)
48)ピクシス系 21,821台( 86.2%)
49)CX-30 21,378台(19-10)
50)マツダ2 21,309台(19-9)
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