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2020年4月、新車販売台数ランキング 新型コロナ&消費税増税のダブルショックで大幅減!

CORISM / 2020年5月14日 19時5分

2020年4月新車販売台数

 

 

新型コロナ不況&消費税増税のダブルショックが続く国内自動車販売


自販連と全軽自協が発表した2020年4月の新車販売台数の速報によると、新型コロナウィルスの影響が表面化し、前年に比べて大幅なマイナスを記録した。

登録車は、172,138台で、前年の230,954台に対して74.5%(25.5%減)にとどまった。軽自動車も98,255台で、前年同月の147,733台に対して、66.5%(34.5%減)とさらに大幅なマイナスだった。輸入車は14,290台で、前年同月の21,245台に対して67.3%(23.7%減)だ。ユーザーの外出自粛や販売会社の営業自粛などが重なっての大幅減である。

また、所得格差による新型コロナの影響も見え始めている。軽自動車は前年比34.5%と大幅に落ち込んでいるのに対して、輸入車の前年比は23.7%ダウンと落ち幅に差が出ている。安価な軽自動車より、高額の輸入車の落ち幅が少ないということは、高所得者はまだまだ生活に余裕があると予想できる。

これで、昨年10月の消費税の増税以後は7カ月連続で前年比のマイナスが続いているほか、マイナス幅も東日本大震災直後の2011年4月以来の大幅なマイナスだ。非常事態宣言の延長が見込まれる状況なので、5月以降もマイナスが続くものと見られる。

 



 

6月以降の販売台数が、国内販売復活の道標に?


ホンダN-BOX
ホンダN-BOX新車情報・試乗評価一覧


国内の自動車販売は、大きく分けて2つの繁忙期がある。最大の繁忙期が2~3月。その次が6~7月になる。逆に、新型コロナの影響で大きく販売台数を落とした4~5月は、逆に閑散期なのだ。

つまり、4~5月の閑散期に販売台数を大きく落としても、6~7月に挽回できるチャンスがまだある。そのため、6月に入ると新型車が続々と投入される予定だ。ただ、新型車投入ができないメーカーは厳しい状態が続く。

また、低金利ローンや支払いを遅らせることができるスキップ型のローンなど、クルマを買ってもらえるように各種サービスが色々と充実してくるだろう。新型コロナの影響をあまり受けておらず、クルマの買い替えを考えているのなら、この6~7月はお得にクルマが買えるチャンスだ。

 

 

ヤリス、フィットの躍進で大変動のあったベスト10


トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリス新車情報・試乗評価一覧


4月の銘柄別の販売ランキングは別掲の通りだが、販売台数が大幅な減少を見せる中で、ランキングにも大きな入れ替わりがあった。

4月の販売ランキングでも首位のN-BOXは不動だった。2位以下を引き離す14,034台を販売して首位をキープしている。前年比も72.4%で、軽自動車全体の落ち込みよりも小さめの落ち込み幅にとどめており、安定した販売が続いている。

2位以下は、様相が大きく変わった。2位にヤリス、3位にフィットと新型登録車が入ったからだ。特に2位のヤリスは登録車で唯一1万台を超える販売台数を確保。トヨタの主力量販車らしい売れ行きを示している。順位も前月は7位(登録車ではカローラ、フィットに次ぐ3位)から大きく上昇してきた。

ホンダ フィット
ホンダ フィット新車情報・試乗評価一覧


全体3位のフィットは、前年比が130%台。これは、3月と同じレベルだが、ヤリスには1000台以上の差をつけられる結果になった。それでも、タントなどを上回って3位だから十分に良く売れているといえる。

登録車2車種が上位に入ったことで、4月のトップ10の軽自動車はN-BOXのほか、4位のタント、6位のムーヴ系、8位のスペーシアと4車種が入るのにとどまっている。

軽自動車はたいていは5車種、多い月には6車種がトップ10を占めていたのだが、明らかに様相が変わった感じである。トップ10から陥落したのはデイズで、現行モデルではルークスと分かれたこともあり、4月は23位と25位に低迷している。さすがにランクを落とし過ぎた印象だ。

 



 

ホンダ復活の狼煙?


トヨタ カローラ
トヨタ カローラシリーズ新車情報・試乗評価一覧


逆にトップ10に入った登録車は、ヤリスとフィットのほか、5位に前月の11位から上昇したシエンタ、7位に3位からランクダウンしたカローラが入り、さらに9位にはフリードが17位から大きく上昇した。シエンタとフリードというコンパクトな3列シート車が2車種もトップ10入りしたのは、需要の根強さを示すものだ。

ホンダは、フィットがフルモデルチェンジし復活したことで、ベスト10内にN-BOX、フリードを含め3車種が入った。ベスト20までに1台もランクインしていない日産と明暗を分けた。

ただ、悩みもある。ステップワゴンが絶不調なのだ。1,226台しか売れず、セレナの半分程度の販売台数に終わった。しかも、前年比は31.7%。さすがに、これでは厳しい状態だ。

 

■2020年4月新車販売台数ランキング 1~10位


1)N-BOX               14,034台( 72.4%)
2)ヤリス               10,119台(2020-02)
3)フィット               8,977台(132.5%)
4)タント                8,295台( 71.3%)
5)シエンタ               6,982台( 99.8%)
6)ムーヴ系               6,877台( 68.5%)
7)カローラ               6,679台( 91.1%)
8)スペーシア              6,426台( 44.2%)
9)フリード               6,030台( 95.7%)
10)アルファード             5,739台( 98.6%)

 



 

アルファード好きは、新型コロナの影響を受けない?


トヨタ アルファード
トヨタ アルファード、ヴェルファイア新車情報・試乗評価一覧


そして10位にはなんとアルファードが前月の24位から急上昇してきた。アルファードのような高額車がしっかり売れるのがトヨタの販売網の強さである。

そうでなくても今回の新型コロナショックのような乱世になると、ほかのメーカーの販売網は力を発揮できなくなるのが普通だが、トヨタの販売網は状況が悪いときにこそ強さを発揮する。この差が積み重なって今があるのだ。

そんなトヨタの営業力とは別に、アルファードのような高額車が前年並みに売れるということは、新型コロナの影響をほとんど受けていない富裕層も一定数いるということにもなる。

 

 

乱世でも強いトヨタの営業力


トヨタ ライズ
トヨタ ライズ新車情報・試乗評価一覧


11位から20位までの車種でも、軽自動車はパッとしない状況を見せている。12位にミラ、14位にN-WGN、18位にハスラー、20位にワゴンRの4車種が入るのにとどまった。

ミラは3月の18位から上昇を示し、ハスラーは逆に12位から18位に下がっている。N-WGNは3月の13位から14位で似たような順位であり、ワゴンRも前月の19位から20位である。

登録車は、ライズが11位に入った。今年の1~2月には登録車で首位の売れ行きを示していた車種だが、やや勢いが衰えてきた印象である。ただ、手頃な価格のコンパクトSUVという独自のポジションを持つクルマなので、今後も大きく崩れることはないだろう。

以下、13位にルーミー、15位にプリウス、16位にアクア、17位にヴォクシー、19位にタンクと、このランクでは4車種の軽自動車を除いた6車種がすべてトヨタ車という結果になった。トヨタの販売網が乱世に強いことはここでもしっかりと示されている。

 

■2020年4月新車販売台数ランキング 11~20位


11)ライズ                5,549台(2019-11)
12)ミラ                 5,506台( 70.9%)
13)ルーミー               5,104台( 71.5%)
14)N-WGN                 4,682台(119.1%)
15)プリウス               4,669台( 42.2%)
16)アクア                4,551台( 58.6%)
17)ヴォクシー              4,323台( 65.6%)
18)ハスラー               4,292台( 89.5%)
19)タンク                3,891台( 68.8%)
20)ワゴンR                3,668台( 49.7%)

 



 

営業力不足? 日産不調


日産ルークス
日産ルークス新車情報・試乗評価一覧


21位から30位までの車種は、混沌とした状況である。まず軽自動車は22位のアルト、23位のデイズ、25位のルークスの3車種。アルトは3月の14位からランクを落したが、デイズは3月には9位にとどまっていたのが23位にまで落ちている。前述のようにルークスと分かれたことが影響しているのだが、ルークスの25位は3月と同じ順位である。

登録車は21位にノート、27位にセレナと日産車が2車種入っている。ノートは3月の10位から急降下し、セレナも20位から27位だからランクを下げている。デイズやルークスと合わせて、ここに4車種が並ぶ結果になったが、これは3月に頑張ったことの反動であると同時に、トヨタに比べて日産の販売網の弱さを示すものである。このような状況のときにこそしっかり売らなければならないのだ。

ほかは24位のRAV4、30位にCH-RとトヨタのSUVが入り、ホンダのSUVヴェゼルも29位に入っている。ほかはノアとソリオだ。

 

■2020年4月新車販売台数ランキング 21~30位


21)ノート                3,786台( 51.1%)
22)アルト                   3,445台( 60.1%)
23)デイズ                   3,419台( 35.9%)
24)RAV4                  2,928台( 93.4%)
25)ルークス               2,868台(2020-03)
26)ノア                 2,786台( 63.5%)
27)セレナ                2,741台( 50.7%)
28)ソリオ                2,413台( 57.6%)
29)ヴェゼル               2,356台( 61.8%)
30)C-HR                  2,334台( 54.2%)

 



 

かなり低調に終わったマツダ


トヨタ ハリアー
トヨタ ハリアー新車情報・試乗評価一覧


31位以下を見ると、このあたりでもトヨタ車が目立つ。そんな中で三菱車はeKワゴン系が39位に入っただけで、マツダ車は40位のCX-30と41位のマツダ2の2車種である。マツダ2は、ヤリスなどと同じクラスなだけに、現状の2~3倍は売りたいモデルだ。

いずれも順位だけでなく絶対的な販売台数も少ないので、かなり厳しい状況にあると言える。

今後注目なのは、ハリアー。ハリアーは6月にフルモデルチェンジを予定している。フルモデルチェンジ直前ながら、1,531台で36位という順位は立派。5月は、ほとんど売れない状況になるが、6月以降は大幅販売台数を伸ばすことは必至。20位位内に入る可能性が高い。

 

■2020年4月新車販売台数ランキング 31位以下


31)エスクァイア             2,316台( 66.0%)
32)パッソ                2,212台( 69.5%)
33)ロッキー               2,131台(2019-11)
34)インプレッサ             1,794台( 47.5%)
35)ヴェルファイア            1,690台( 54.6%)
36)ハリアー               1,531台( 53.1%)
37)ピクシス系              1,503台( 63.9%)
38)スイフト               1,406台( 43.6%)
39) eKワゴン系              1,297台( 76.1%)
40)CX-30                1,278台(2019-10)
41)マツダ2                1,258台(2019-09)
42)クラウン               1,240台( 50.8%)
43)ウエイク               1,234台( 63.4%)
44)ジムニー               1,231台( 47.1%)
45)ステップワゴン            1,226台( 31.7%)

 



 

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