2020年12月、新車販売台数ランキング 2台に1台はトヨタ車が売れている? トヨタ1強時代さらに加速
CORISM / 2021年1月15日 12時12分
乗用登録車、トヨタのシェアが50%超に!
自販連と全軽自協から2020年12月の新車販売台数が発表された。
自販連が発表した登録車の販売台数は243,753台で、前年同月の226,951台に対して7.4%の増加となった。これで、10月から3カ月連続しての増加だ。前年は消費税増税によって大きく落ち込んだが、2020年はそれをやや取り戻した形になった。
一方、全軽自協が発表した2020年12月の軽自動車の新車届け出台数は136,143台で、前年同月の117,924台に対して15.4%の増加となった。軽自動車も登録車と同様に10月から3カ月連続の増加を示すとともに、登録車よりも大きな伸び率を記録している。
12月の販売台数を乗用車だけで見ると、210,696台で、このうちトヨタは103,740台、さらにレクサスの5,094台を加えると、108,834台になり、トヨタのシェアが50%を超えたことになる。
登録車、ベスト10内8台がトヨタ車
こうした結果になったのは、トヨタが日本市場に向けてしっかりと車種を投入しているのに対し、ほかのメーカーは日本市場に対する取り組みが全く足りていないためだ。
こうした傾向は、別掲の銘柄別の販売ランキングを見ても良く分かる。ランキングは登録車と軽自動車を合わせた総合で紹介しているが、登録車だけで見ると12月もまたトップ10のうち8車種をトヨタ車が占めている。
それも上位にはずらりとトヨタ車が並び、ほかのメーカーのクルマは、7位にフィット、10位にフリードが入っただけだから、トヨタの強さが圧倒的だ。
ヤリス系を追うN-BOXという構図は変わらず
販売ランキングの首位に立ったのは、トヨタ ヤリス系。ヤリスだけでなくヤリスクロスやGRヤリスも含めた台数であることが強さの理由ではあるものの、9月にN-BOXから首位を奪った後は連続して首位を続けている。
毎月4000台前後の差をつけており、N-BOXが簡単には挽回できないような状況になっている。ただ、N-BOXは12月末にマイナーチェンジを行った。微小なマイナーチェンジなのだが、これにより販売台数増が見込まれる。
ベスト10内に5車種が占めた軽自動車。しかし、タント伸び悩む
12月は、軽自動車がやや健闘した形にもなっている。9月から11月まで、トップ10に入った軽自動車は4車種だけだったが、12月はルークスの販売がやっと軌道に乗った形でトップ10入りし、5車種を軽自動車が占めるようになったからだ。
2位のN-BOXのあと、3位にスペーシア、4位にタント、7位にムーヴ系、9位にルークスという具合だ。スペーシアが軽自動車の2位を占めるのは、ほぼ定位置のような感じになっていて、タントはなかなかスペーシアを上回ることができない。
最近では、10月にスペーシアを上回っただけだ。タントはムーヴ系との売り分けという問題があるにしても、軽自動車の首位だった時代も長かったので、もうひと頑張りしたいところだ。
ハリアー、アルファード人気、衰え知らず。日本専用車が強さの理由?
総合ランキングで見ると、トップ10に入った登録車はトヨタ車だけだ。首位のヤリス系を始め、5位のライズ、6位のルーミー、8位のハリアー、10位のアルファードという具合だ。
何度も書いていることだが、ヤリス系、ライズ、ルーミーなどの量販車はともかく、ハリアーやアルファードなどの高額車をトップ10入りさせているのが凄い。この2台は、高額車種であることだけでなく、ほぼ日本専用車として開発されたモデル。このように、日本人が好むモデルをしっかりと投入しているのがトヨタの強さでもある。トヨタとほかのメーカーとの差はどんどん広がるばかりである。
■2020年12月の新車販売ランキング 1~10位
1)ヤリス系 17,198台(2020-02)
2)N-BOX 13,427台( 79.5%)
3)スペーシア 10,747台( 87.6%)
4)タント 9,574台(118.5%)
5)ライズ 8,912台( 97.8%)
6)ルーミー 8,792台(146.2%)
7)ムーヴ系 8,733台(125.5%)
8)ハリアー 8,128台(532.6%)
9)ルークス 7,987台(2020-03)
10)アルファード 7,962台(153.6%)
ハスラー VS タフトの対決は、ハスラー優位が続く
11位から20位までの車種を見ると、ここにはいろいろなメーカーの車種が入ってくるが、それでも強いのはトヨタ車という印象だ。11位のカローラ、14位のシエンタ、15位のヴォクシーの3車種が入っている。
カローラは比較的新しいが、シエンタはやや古くなってきた車種だし、ヴォクシーのモデルサイクルは長期化している。なのに販売台数を伸ばすなどしてしっかり販売しているのだ。
このランクに入った軽自動車も3車種で、13位にハスラー、16位にミラ、18位にタフトが入っている。ハスラーとタフトの争いは、全体にハスラーが優位になっている。タフトがハスラーを上回ったのは10月だけだ。
もうひと伸び欲しいフィット。1月以降の販売台数に期待が高まるノート
ホンダ車は12位にフィット、17位にフリードが入っている。フィットは新型車効果で前年の4倍に近い台数を販売しているが、それでも総合12位というのは何とも物足りない。N-BOXとフィットの両方をしっかり売り切るだけの販売力が失われてしまったのだろうか。
日産車は、19位にノート、20位にセレナである。フルモデルチェンジを受けたばかりのノートは、まだ販売が本格的な起動に乗っていなかったためか、まだ前年比が前年を下回っている。1月以降の販売に期待したいところだ。モデルサイクルが長くなったセレナは前年に比べて台数を伸ばしている。
■2020年12月の新車販売ランキング 11~20位
11)カローラ 7,789台( 84.8%)
12)フィット 6,726台(384.3%)
13)ハスラー 6,614台(151.5%)
14)シエンタ 6,136台( 84.3%)
15)ヴォクシー 6,114台(119.8%)
16)ミラ 5,747台(104.0%)
17)フリード 5,570台( 85.4%)
18)タフト 5,424台(2020-06)
19)ノート 5,253台( 87.3%)
20)セレナ 5,213台(117.9%)
日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞で追い風? レヴォーグ好調
21位から30位までの車種では、何といっても28位のレヴォーグが目立つ。フルモデルチェンジをう受けたばかりで新型車効果や、2011-2012日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことも追い風となったのか、前年に比べて7倍以上の売れ行きだ。販売台数のレベルはさほど高くはないが、これだけ売れていれば十分だろう。
新型車効果は一巡しているはずだが、生産態勢の拡充に伴って販売台数を伸ばしている。また、21位のソリオもフルモデルチェンジ直後ということもあり、大幅に販売台数を伸ばしている。ソリオは、6位に入っているルーミーのライバル車でもある。ルーミーが 8,792台に対して、ソリオは5,019台と大きく離されているものの、トヨタとスズキの営業力差を考えれば、かなり健闘しているといえるだろう。
■2020年12月の新車販売ランキング 21~30位
21)ソリオ 5,019台(151.7%)
22)ワゴンR 4,833台( 90.4%)
23)アルト 4,824台( 96.3%)
24)デイズ 4,329台( 42.8%)
25)プリウス 4,319台( 57.1%)
26)アクア 4,313台( 76.7%)
27)RAV4 4,195台( 72.8%)
28)レヴォーグ 3,918台(711.1%)
29)N-WGN 3,889台( 52.6倍)
30)ジムニー 3,801台(176.2%)
早急なフルモデルチェンジが望まれるヴェゼル
31位から40位までの車種には、前年に比べて大きく販売を伸ばした車種がいろいろある。N-ONEはフルモデルチェンジを受けたばかりなので、当然として、ランドクルーザーやCX-5なども前年の2倍を超える売れ行きだし、フォレスターやノア、eKワゴンなども台数を伸ばしている。また、日産キックスも
こうした好調モデルがある中で、人気SUVながら前年比82.9%と苦戦しているのがヴェゼル。ヴェゼルは、2013年デビューなので、すでに8年目に入る。かなりモデルライフが長期化していることが苦戦の要因だろう。早急なフルモデルチェンジが望まれるモデルだ。
<レポート:松下 宏>
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■2020年12月の新車販売ランキング 31~40位
31)ランドクルーザーワゴン 3,648台(231.5%)
32)ノア 3,590台(120.4%)
33)キックス 3,529台(2020-06)
34)パッソ 2,613台(122.5%)
35)インプレッサ 2,374台( 79.4%)
36) eKワゴン系 2,340台(120.3%)
37)フォレスター 2,327台(163.0%)
38)N-ONE 2,303台(231.9%)
39)CX-5 2,234台(245.0%)
40)ヴェゼル 2,205台( 82.9%)
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