三菱アウトランダーPHEV試乗記・評価 環境性能の高いラグジュアリーSUVなのに、走りはスポーツカー!
CORISM / 2021年12月4日 19時41分
世界累計30万台に迫る人気SUVがアウトランダーPHEV
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9675-300x200.jpg)
日本では2005年に登場し、新しいファン層の獲得に成功している。その第2世代は、2013年にSUV世界初のプラグインハイブリッドEV(PHEV)を設定した。
i-MiEVで培ったEV技術と長い経験を持つ内燃機関の技術、これにランサーエボリューションやパジェロで磨き続けている4 WD技術を盛り込み、地球にやさしいだけでなく運転するのが楽しいSUVに仕立てたのである。
新たに加わったPHEVモデルは、日本に続いてオーストラリアやヨーロッパ、北米などに送り出された。
接してみると、充電できる4WDハイブリッド車の素晴らしさと楽しさがよく分かる。だからアウトランダーPHEVは累計30万台に迫る販売を記録し、次もPHEVに乗ってみたいと考える人が多かった。
そして登場から9年を経て、第2世代のPHEVを採用した新型アウトランダーがベールを脱いだ。
開発コンセプトは「威風堂々」。キャッチフレーズは「日常はEV、遠出はハイブリッド」としている。
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9726.jpg)
大幅にモーター出力をアップした2代目アウトランダーPHEV
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9753-300x200.jpg)
メカニズムは、先代アウトランダーPHEVの正常進化版である。モーターを前後に配し、4輪の駆動力と制動力を最適に制御するツインモーター4WDを採用するが、そのモーターの出力を向上させた。
フロントモーターは60kW/137N・m(82ps/14.0kg-m)から85kW/255N・m(116ps/26.0kg-m)に、リアモーターも70kW/195N・m(95ps/19.9kg-m)から100kW/195N・m(136ps/19.9kg-m)へと出力を高めている。
発電用のエンジンは4B12型と呼ばれる2359ccの直列4気筒DOHCだ。アトキンソンサイクル化するとともに、カムのプロフィールとバルブタイミングを制御するMIVEC機構を採用した。
低回転域で効率のよい発電と高負荷領域での燃費向上のために、新たにEGRクーラーやエキゾーストマニホールド一体シリンダーヘッドなどを採用している。
最高出力は98kW(133ps)/5000rpm、最大トルクは195N・m(20.3kg-m)/4300rpmに向上した。トータルのシステム出力は、分かりやすく書くと75psアップの252psだ。システムトルクも4.5Lのガソリンエンジン並みに増強されている。
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9707.jpg)
200㎏車重増。しかし、よりパワフルでEV航続距離も87㎞に伸びた
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9885-300x139.jpg)
アクセルを踏み込んだ瞬間からパワーとトルクが一気に湧き上がり、強烈なGを感じながらスピードを上げていく。パンチのある加速を披露し、コーナーでスピードを落としてからの再加速も俊足だ。モーターの後押しによって立ち上がりは早い。エンジンも高回転の伸びが良くなった。
また、クルージング時は静粛性も高いレベルにある。床下に積む駆動用バッテリーの容量は13.8kWhから20kWへと増やされた。
だから、EVモードで走れる距離も大幅に伸びている。実際の使い方に近いWLTCモードでの1充電航続距離は83kmから87kmとなった。
冷却システムにヒートシンク構造を採用したこともあり、実走行で60km程度はEV走行できそうだ。
SUVなのにドリフトも可能な優れた走行性能
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9931-300x200.jpg)
プラットフォームは日産と共同開発したCNF-C/Dだ。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはマルチリンクである。
ツインモーター4WDをベースにした三菱独自の車両運動統合制御システム、S-AWCも進化させた。
これまでは、前後輪の駆動力配分と前輪左右のトルク配分を行なっていたブレーキAYCに、後輪左右のトルク配分を加えたのである。電動パワーステアリングもデュアルピニオン式とした。タイヤは18インチもあるが、主役は255/45R20だ。試乗車はブリヂストンのオールシーズンタイヤ、エコピアH/L422プラスを履いていた。
試乗コースはサーキットだったが、走らせると驚きの連続である。パワーステアリングはクイックな切れ味で、狙ったラインに狂いなく乗せることができた。その軽やかな走りは、背の高いランサーエボリューションといえる味わいだ。
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9915-300x200.jpg)
コーナーの出口で早くアクセルを開けられるから狙ったラインに乗せやすかった。FR車のような気持ちよさで、意のままの走りに腕が上達した気になってしまう。
今回はオンロードだったが、他のモードも試してみた。興味深かったのはグラベルモードだ。オフロード向きのモードだが、速い走りではグッと内側に切れ込むオーバーステアの特性が顕著に現れる。ドリフト走行も可能で、振り回す楽しさは格別だ。
ハードに攻めると、ロールは許すものの腰砕けになることはない。速やかにロールは収まるし、サスペンションもグッと踏ん張ってくれる。運転していて、車体姿勢の変化をつかみやすいのも美点と言えるだろう。雪道では痛快な走りを楽しめるはずだ。
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9878.jpg)
3列7人乗りも用意
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9939-300x200.jpg)
インパネは、水平基調のシンプルなデザインだ。スッキリとまとめられ、ドライバーの前には12.3インチの大きなフルカラー液晶ディスプレイを組み込んでいる。
トップグレードの「P」はヘッドアップディスプレイも標準装備だ。シフトレバーの奥にあり、押しづらかったP(パーキング)レンジのスイッチがシフトレバーの上面に移され、操作性は大きく向上した。
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9967-300x200.jpg)
3列目の空間はそれほど広くない。だが、いざという時には重宝するだろう。ちなみに「P」グレードのシート表皮は、3列目までブラックとサドルタンのセミアリニンレザー、「G」は人工皮革と合成皮革のコンビシート、ボトムで5人乗り仕様だけの「M」はファブリック素材だ。
3列目のシートを畳めば600L以上の荷室スペースが出現する。運転支援技術はナビリンク連動のマイパイロットを採用した。SOSコールの導入も嬉しい。
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9849.jpg)
ライバルはRAV4 PHV?
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9793-300x200.jpg)
パワフルさとEV航続距離は、RAV4 PHVが一歩上を行く。また、シートヒーターに加え、夏場に快適なベンチレーションシートも装備する。
ただし、アウトランダーPHEVは200Vの普通充電だけでなく急速充電器を使うことが可能だ。
新型三菱アウトランダーPHEVは、渾身の力作。見た目は、高級感あるラグジュアリーSUV。実用性も高い。しかし、その走行性能は、まるでスポーツカー。SUVファンならずとも注目してほしい。
<レポート:片岡英明>
三菱アウトランダーPHEV価格
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9838-210x140.jpg)
・G 5人乗り 4,904,900円
・G 7人乗り 4,996,200円
・P 7人乗り 5,320,700円
三菱アウトランダーPHEV燃費、スペックなど
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9805-210x139.jpg)
・全長×全幅×全高 4710×1860×1745mm
・ホイールベース 2705mm
・トレッド前 / 後 15900/1600㎜
・最低地上高 200mm
・最小回転半径 5.5m
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9981-210x137.jpg)
・車両重量 2110㎏
・乗車定員 5 名
・駆動方式 4WD
・モーター 搭載数 2 基 (フロント 1、リヤ 1)
・モーター最高出力 フロント:85kW、リヤ:100kW
・モーター最大トルク フロント:255N・m、リヤ:195N・m
![新型三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2021/11/D55A9903-210x90.jpg)
種類 リチウムイオン電池
総電圧 350V
総電力量 20kWh
・エンジン
4B12型 2.4L 4気筒 MIVEC ガソリンエンジン
最高出力98kw/5000rpm、最大トルク195N・m/4300rpm
・ハイブリッド燃料消費率(WLTCモード) 16.2㎞/L
・充電電力使用時走行距離 85.0km/L
・サスペンション形式(前:後) マクファーソンストラット:マルチリンク
三菱アウトランダーPHEV新車情報・試乗評価一覧
三菱エクリプスクロス新車情報・試乗評価一覧
三菱車新車情報・試乗評価一覧
PHEV新車情報・試乗評価一覧
SUV動画・新車情報・試乗評価一覧
この記事に関連するニュース
-
ホンダ新型EV「N-VAN e:」を見た現オーナーの本音 ガソリン車から乗り換えるメリットを考える
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 8時50分
-
ホンダ、進化版の「ヴェゼル」が持つ2つの魅力 より静かに、価格アップも抑えた優等生SUVに
東洋経済オンライン / 2024年6月24日 10時0分
-
ホントに軽自動車!? めちゃワイルドな「超ゴツゴツ」ボディがカッコいい! タフに使える「悪路も走れる軽自動車」3選
くるまのニュース / 2024年6月14日 12時50分
-
1番高いのは“300万円超”! もはや庶民は手が届かない!? 「豪華な軽」3選
くるまのニュース / 2024年6月11日 12時50分
-
日産アリアNISMO(ニスモ)試乗記・評価 走りを極めたプレミアムスポーツEV!
CORISM / 2024年6月10日 7時7分
ランキング
-
1Q. 納豆をより健康的に食べるには、どのような食べ合わせがおすすめですか? 【管理栄養士が解説】
オールアバウト / 2024年7月2日 20時45分
-
210位寝言、6位歯ぎしり、3位常夜灯をつけた…40~60代1012人調査で判明「早死にした人の睡眠特徴ワースト10」
プレジデントオンライン / 2024年7月3日 17時15分
-
3"ホワイト化"する企業で急増中…産業医が聞いた過剰なストレスを抱えてメンタル不調に陥る中間管理職の悲鳴
プレジデントオンライン / 2024年7月3日 9時15分
-
4アレルギー表示漏れ→体調不良者発生…… ビアードパパが限定シュークリームの販売を中止「深くお詫び」
ねとらぼ / 2024年7月3日 14時1分
-
5痩せたい人は注目!実は有能なきゅうりの痩せ効果&食べ方
つやプラ / 2024年7月3日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)