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2021年2月、新車販売台数ランキング フィット低迷、モデル末期のフリードに負ける

CORISM / 2021年3月12日 20時24分

2021年2月新車販売台数ランキング

 

 

 

新卒需要で軽自動車好調


自販連と全軽自協の集計による2月の銘柄別新車販売ランキングが発表された。相変わらずトヨタの強さばかりが目立つランキングだ。

トップ10の顔ぶれは、登録車が4車種で軽自動車が6車種になった。これは1月に11位だったハスラーが10位に食い込み、7位だったハリアーが11位に陥落したためだ。軽自動車は2位のN-BOX、3位のスペーシア、4位のタントが定位置にあり、8位にムーヴ系、10位にハスラーという順だった。

軽自動車の販売台数が伸びているのは、この時期特有の傾向がある。軽自動車は、4月からの新入社、新入学で自分用のクルマが必要になることが多いため、とくに軽自動車を中心に販売台数が伸びるからだ。

トップ10の登録車4車種は、首位のヤリス系、5位のルーミー、7位のアルファード、9位のカローラと、2月もトヨタ車ばかりだった。ルークスが9位から6位に上昇したため、アルファードとカローラは順位をひとつ下げたが、それでも安定した売れ行きを続けているのは変わらない。

 



 

王者ホンダN-BOXに、黄色信号点灯?


ホンダN-BOX
ホンダN-BOX新車情報・試乗評価一覧


1位のヤリス系が強いのは、やはりヤリスとヤリスクロスが合算になっているため。これほどの人気車種が合算されれば、トップの座を得ることも可能。こうすることで、ヤリス系は、販売台数ナンバー1を堂々とアピールすることができ、販売現場では大きなメリットになる。

そんなヤリス系を追う軽自動車の圧倒的王者N-BOXは、2位スペーシアに大差を付けているものの、黄色信号が点滅といった印象だ。N-BOXは、12月にマイナーチェンジを行ったばかり。本来ならば、前年比を大きく超えていなくてはいけない時期。しかし、2月の前年比は96.9%と前年比割れの状態。代わり映えしない軽微なマイナーチェンジだったことが、販売面で影響しているのかもしれない。

このまま、N-BOXの前年比割れが続けば、前年比109.9%と好調なスペーシアに王者の座を奪われる可能性も出てきている。

 

 

高級車はアルファードに一極集中! 異常な売れ行きは、格差社会の象徴か?


 

トヨタ アルファード
トヨタ アルファード新車情報・試乗評価一覧


5位となったルーミーは、2020年にマイナーチェンジしたと同時に、タンクを廃止した。こうしたこともあり、モデル後期に入ってきたものの、前年比は155.6%と絶好調。もはや、国内トヨタの看板車に成長している。

6位には、ルークスがランクイン。装備がよく価格がやや高めだったため、やや販売台数が伸び悩んでいたが、ついに10,000台の大台に乗せ、4位のタンクを追撃する体制が取れたようだ。特別仕様車「アーバンクロム」の投入や、「2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー K CAR オブ・ザ・イヤー」受賞も追い風になったのだろう。

7位のアルファードは、モデル末期ながら、もはや異常な売れ行きといった状態。その反面、姉妹車関係にあるヴェルファイアの販売台数が1,005台と、アルファードの10分の1しか売れなくなっている。高級車は、まさにアルファード一極集中といった様相。コロナ禍で厳しい経済状況となっている人が多い中、400万円以上する高額車が、約半分の価格となる200万円前後のルーミーと同じくらい売れているのは、格差社会の象徴ともいえるのかもしれない。

 



 

トヨタ、国内登録車シェア60%台も見えてきた?


トヨタ ハリアー
トヨタ ハリアー新車情報・試乗評価一覧


登録車と軽自動車を合わせた総合ランキングではなく、登録車だけのランキングにすると、トップ10位のうち8車種がトヨタ車になる。前述の4車種のほか、ハリアー、ライズ、ヴォクシー、シエンタが入るからだ。トヨタ車以外はノートとセレナが入るだけになる。

2020年のトヨタの国内登録車のシェアは50%を超えている。この状態で、トヨタの人気5ナンバーミニバンであるノア&ヴォクシーがフルモデルチェンジし、爆発的に販売台数が伸びれば、登録車ベスト10内すべてトヨタ車ということも予想できる。こうなると、トヨタの国内シェアは60%台も見えてくるかもしれない。

 

■2021年2月の新車販売ランキング 1~10位


1)ヤリス系             20,599台(588.9%)
2)N-BOX系               18,591台( 96.9%)
3)スペーシア               15,328台(109.9%)
4)タント                   13,876台( 95.7%)
5)ルーミー             11,954台(155.6%)
6)ルークス             10,973台(2020-03)
7)アルファード           10,107台(192.8%)
8)ムーヴ系               9,758台( 84.3%)
9)カローラ               8,766台( 88.6%)
10)ハスラー               8,217台(141.5%)

 



 

ホンダ、20位以内にわずか2台と低迷


日産ノートe-POWER
日産ノート新車情報・試乗評価一覧


11位ハリアーで、ベスト10からはじかれたものの好調な販売台数を維持。12位にはライズが入った。ライズは、やや息切れともいえる状態で、前年比は79.2%と低迷。

そして、黄色信号が点滅中ともいえるのがノートとフィット。ノートは、2020年11月にフルモデルチェンジしたばかりなのに、前年比は73.1%と低迷している。これは、やや価格が高くなっていることや、ガソリン車の設定がないことが影響している。ただ、先代モデルの内、約70%がハイブリッドのe-POWERだったので、このことを考慮すればまずまずの数値だ。

ただし、日産は登録車で台数を稼いでいるのは、ノートとセレナのみ。非常に厳しい戦いとなっている。

15位にはデイズが入った。ルークスがフルモデルチェンジするまで、デイズとルークスは合算されていたこともあり、前年比は43.6%と悪く見えている。ただ、ハイト系ワゴンモデルとしては、なかなか好調。ワゴンRより上位にいる。

そして、ようやく20位に入ったのがモデル末期のフリード。ホンダにとって、登録車では、最も販売台数が多いモデルとなった。軽自動車のN-BOXを入れても、総合ランキングで20位以内に2台という状況に陥っている。国内販売は、もはやN-BOX1本足打法状態だ。

23位はタフトが入った。販売台数は5,580台。ライバルのハスラー(10位) の販売台数と比べると3,000台近い差となった。ハスラー VS タフトの個性派SUV系軽自動車の戦いはハスラーに軍配が上がったような販売状況だ。

 

■2021年2月の新車販売ランキング 11~20位


11)ハリアー               8,006台(367.4%)
12)ライズ                7,901台( 79.2%)
13)ノート                7,246台( 73.1%)
14)ヴォクシー              7,094台(105.2%)
15)デイズ                   6,751台( 43.6%)
16)アルト                   6,639台( 94.1%)
17)シエンタ               6,360台( 76.9%)
18)セレナ                6,305台( 72.9%)
19)ミラ                 5,940台( 94.1%)
20)フリード               5,928台( 81.0%)

 



 

ホンダ フィット、赤信号点灯中!


ホンダ フィット
ホンダフィット新車情報・試乗評価一覧


21位には、フィットが入った。フィットも2020年2月に発売されたばかりのモデルだが、前年比は70.3%と大きく販売台数が減っている。安価なガソリン車をもつフィットが、ガソリン車が無く高価なノートに対して、約1,500台もの差を付けられている。まさに、赤信号点灯中といったレベルだ。

フィットといえば、過去には登録車新車販売台数ナンバー1を争っていたこともあるホンダの基幹モデル。N-BOXと並び、国内販売の柱ともいえる。それだけに、国内販売は暗雲立ち込めている状態だ。

ただ、モデル末期である27位のステップワゴンが前年比123.9%と好調なのは、ホンダにとってうれしい結果。ステップワゴンのような高額車が売れると収益面で大きなメリットとなる。

また、オデッセイもデザインを刷新したことが功を奏したか、前年比225.2%と復活の兆しをみせている。

新型ホンダ ヴェゼル
新型ホンダ ヴェゼル新車情報


25位のソリオは、ライバル車ルーミーに引っ張られるように好調を維持。前年比は、128.6%好調だ。

31位以下では、31位のジムニー(軽自動車)が77.1%増、34位のレヴォーグが387.9%と4倍に近い売れ行きとなって、先月から好調を維持。ただ、スバルとしては、このレヴォーグが最も販売台数が多いモデル。40位以内に入ったのは、このレヴォーグのみ。インプレッサは、前年比は58.1%と低迷。人気のSUVだが、フォレスターも厳しい戦いが続きランク外となった。

国内販売が不調のホンダにとって重要なヴェゼルは、39位で 前年比は72.5%となった。本来なら、フィットと並ぶくらいの販売台数が期待できる車種。ただ、すでに新型モデルのデザインを公開。2021年春の発売を予定している。そんな状況で、 2,568台販売したのは立派だ。新型2代目ヴェゼルの登場で、ホンダの国内販売は好調に転じる可能性は高い。

 

■2021年2月の新車販売ランキング 21~40位


21)フィット               5,782台( 70.3%)
22)ワゴンR                5,693台(100.4%)
23)タフト                5,580台(2020-06)
24)N-WGN              5,206台( 46.8%)
25)ソリオ                5,082台(128.6%)
26)キックス                 5,069台(2020-06)
27)ステップワゴン           4,713台(123.9%)
28)プリウス                 4,693台( 62.4%)
29)ノア                   4,357台(109.0%)
30)RAV4               4,220台( 73.5%)
31)ジムニー(軽自動車)              4,138台(177.1%)
32) eKワゴン系              3,978台(118.3%)
33)アクア                  3,773台( 44.7%)
34)レヴォーグ             3,677台(387.9%)
35)パッソ                  3,006台( 93.3%)
36)ランドクルーザーワゴン       2,715台(133.9%)
37)マツダ2                2,676台(111.6%)
38)CX-5               2,589台( 86.7%)
39)ヴェゼル              2,568台( 72.5%)
40)CX-8                  2,561台(167.7%)

 



 

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