2021年3月、新車販売台数ランキング ホンダ登録車13.4%減! フィットが売れていない!?
CORISM / 2021年4月10日 19時10分
まだまだ、予断を許さない国内自動車販売
自販連と全軽自協の集計による3月の新車販売台数は、登録車と軽自動車の合計が61万3003台となり、前年に比べて5.4%増加した。まずまず好調な結果といえるが、前年の3月は新コロナウィルス禍によって販売が伸び悩んでいたこともあり、その反動と考えると手放しで喜べる状況ではない。前々年の3月の販売台数には、まだ届いていないからだ。
また、前年比の増加は前年の10月以来6カ月連続しているが、これも前々年10月の消費税増税の反動であることから、やはり単純に喜んではいられない。
その意味で、今年の9月までは前年比がプラスになる可能性が高いわけだが、新型コロナウィルス禍による蔓延防止措置、あるいは緊急事態宣言の再発令などがあれば、また状況が変わる可能性がある。
なお、3月の販売台数のうち、登録車は38万4114台で、前年同月の37万4955台に対して2.4%の増加、軽自動車は22万8889台で、前年同月の20万6483台に対して10.9%の増加と、軽自動車の増加率が高めになっている。
ホンダ、登録車で苦戦の13.4%減!
登録車の売れ行きをブランド別に見ると、トヨタが6.3%増、日産が19.7%増、マツダが3.4%増、三菱が32.3%増などとなる中で、ホンダは13.4%減とマイナスになっている。ホンダの苦戦は、コンパクトSUVであるヴェゼルがフルモデルチェンジ直前であること。そして、主力コンパクトカーであるフィットが低迷していることが大きな要因だろう。
軽自動車をブランド別に見ると、ここではホンダが20.4%増となり、日産が14.1%増、ダイハツが10.9%増、スズキが10.0%増などとなっている。ホンダの好調を支えているのは、やはり軽販売台数ナンバー1のN-BOX。ただし、N-BOXに完全依存状態。もう1車種くらい、安定して販売台数を支えるモデルが欲しいところだ。
トヨタ一強状態に変化なし!?
乗用車の銘柄別販売ランキングは以下の通り。相変わらずトヨタ車の強さが目立ち、ランキングに大きな変化は出ていない。
トップ10のうち、登録車は首位のヤリス系のほか、5位のルーミー、7位のアルファード、8位のノート、10位のカローラと5車種が入った。ヤリス系は前年3月はラインナップが完成する前だったこともあり、今年は前年の2倍を超える売れ行きになった。ヤリスクロスの存在は大きい。
このほか、車種統合の効果によってルーミーとアルファードが前年比70%を超える伸びとなったほか、新型車効果でノートが21.4%増を記録している。
■2021年3月の新車販売ランキング 1~10位
1)ヤリス系 28,466台(216.2%)
2)N-BOX系 27,164台(123.0%)
3)スペーシア 19,584台(121.8%)
4)タント 17,068台( 98.3%)
5)ルーミー 16,504台(170.1%)
6)ルークス 13,778台(180.5%)
7)アルファード 13,986台(177.4%)
8)ノート 13,352台(121.4%)
9)ムーヴ系 13,005台( 92.7%)
10)カローラ 12,667台( 77.6%)
ホンダの軽を支える圧倒的王者N-BOX
トップ10のうち軽自動車は2位のN-BOX、3位のスペーシア、4位のタント、6位のルークス、9位のムーヴ系と5車種だった。N-BOXは23%増となったものの、ヤリス系には届かなかった。新型車効果でルークスが80.5%増となったほか、スペーシアが21.8%増と健闘している。タントとムーヴ系は前年比がマイナスだった。
3月のトップ10の1位から7位までは前月と順位が同じで、ノートが前月の13位から8位に上がったことでムーヴ系とカローラがひとつずつ順位を下げた。このノートが8位に入らなければ、トップ10の登録車はすべてがトヨタ車になるところだった。
11位から20位までの車種を見ると,13位のハリアーまでが1万台の大台を超える売れ行きを記録した。そのハリアーはフルモデルチェンジの新型車効果もあって前年の3倍以上の売れ行きで、ライズ、ハスラー、ヴォクシー、フリード、セレナなども前年を上回る売れ行きだった。また、このランクの軽自動車はハスラーとミラ、アルトの3車種が入った。
フィット低迷続く! ノートに大差をつけられた
ホンダの登録車は15位にフリード、16位にフィットが入った。前月に続いてフィットよりもフリードのほうが多く売れている。フィットとフリードの価格差はあまり大きなものではなく、フィットにできることでフリードにできないことが少ないのに対し、フリードにできてフィットにできないことはいろいろあるから、少し多めの予算を使ってもフリードのほうが良いと考える人が多いのだろう。
ただし、フィットの低迷はホンダにとって大きな痛手となっている。フィットは、2020年2月にフルモデルチェンジしたばかり。ホンダの基幹車種車種でもあり、本来ならば1万台以上売りたいモデルだ。昨年同時期では、フルモデルチェンジした直後で14,845台を販売。しかし、今月の販売台数は9,231台。前年比は 62.2%にまで大きく落としている。
また、フィットには安価なガソリン車があるが、ノートはハイブリッド車のみの設定で13,352台を販売。ノートは2020年11月に発売とフィットより少し新しく新型車効果があるとはいえ、約4,000台の差は大きい。
■2021年3月の新車販売ランキング 11~20位
11)ライズ 12,272台(102.2%)
12)ハスラー 11,147台(107.5%)
13)ハリアー 10,428台(358.6%)
14)ヴォクシー 9,891台(110.4%)
15)フリード 9,764台(102.5%)
16)フィット 9,231台( 62.2%)
17)セレナ 9,207台(100.8%)
18)ミラ 8,945台( 97.0%)
19)アルト 8,706台( 89.6%)
20)シエンタ 8,682台( 83.0%)
売れ過ぎ? レヴォーグ、前年の3倍も売れている! タフト VS ハスラーのライバル車対決、勝敗決する?
21位以下の車種では、フルモデルチェンジを受け日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したレヴォーグが前年の3倍を超える売れ行きとなった。
ただ、スバル全体の台数はほぼ前年並。インプレッサやXV、フォレスターなどの車種が落ち込んでいる点が悩ましいところ。レヴォーグの好調は、単純に喜べる状況ではない。まあ、それでもインプレッサやXVよりも高額なレヴォーグが売れているので、スバルにとって収益的には良いだろう。
24位には、タフトが入った。ライバルであるハスラーは12位となっていることから、どうやらこの勝負はハスラーに軍配が上がったようだ。
ほかにジムニーが前年の2倍を超える売れ行きで順調に生産・納車が進んでいることをうかがわせた。ランドクルーザーが、フルモデルチェンジを控えて台数を伸ばしているのが注目される。
高額車が好調のマツダ。ホンダ復活の兆しを感じさせる車種とは?
また、3月はマツダのCX-5とCX-8が前年比を伸ばしている。マツダ2よりもCX-5のほうが多く売れ、CX-8の前年比は76.9%増だった。
ただ、気がかりなのは、CX-5やCX-8よりも販売台数が多くなくてはならないCX-30やマツダ3といったCセグメント車が前年比割れしている。
登録車で前年比13.4%減となったホンダだが、少し期待した車種も出てきている。外観デザインを大幅に変更したオデッセイは、前年比221.9%。シビックは前年比198.4%、ステップワゴンも前年比136.8%と好調。こうした車種がもうひと伸びしてくれば、ホンダにとって大きな力になるだろう。
■2021年3月の新車販売ランキング 21~40位
21)ワゴンR 8,458台( 92.6%)
22)デイズ 8,264台( 71.2%)
23)N-WGN 7,302台( 71.1倍)
24)タフト 7,123台(2020-06)
25)プリウス 6,721台( 69.2%)
26)ノア 6,377台(112.9%)
27) eKワゴン系 6,204台( 93.3%)
28)ソリオ 6,089台(106.8%)
29)ステップワゴン 5,995台(136.8%)
30)ジムニー(軽自動車) 5,719台(274.8%)
31)RAV4 5,334台( 84.9%)
32)アクア 5,304台( 62.5%)
33)レヴォーグ 4,892台(363.3%)
34)CX-5 4,845台(115.4%)
35)キックス 4,801台(2020-06)
36)マツダ2 4,457台( 79.4%)
37)ランドクルーザーワゴン 4,395台(155.7%)
38)パッソ 4,186台(104.5%)
39)CX-8 4,073台(176.9%)
40)インプレッサ 4,009台( 73.4%)
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