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プジョー3008GT HYBRID4試乗記・評価 初PHEV(4WD)とネコ足のおいしいマリアージュ

CORISM / 2022年5月6日 19時19分

プジョー3008GT HYBRID4

プジョー初の4WD PHEVが「3008 GT HYBRID4」


 

プジョー3008GT HYBRID4PEUGEOTと言えば「ネコ足」と、フロントグリルセンターで誇らしげなPEUGEOT伝統の「ライオン」が脳裏に浮かぶ。「ネコ足」なのに「ライオン」? は、おいといて、PEUGEOTのCセグメントSUVで国内初のHYBRIDとなる「3008 GT HYBRID4」に試乗出来たので、その性能と「ネコ足」をレポートしたい。

PEUGEOTは、CセグメントSUV 3008のマイナーチェンジに合わせて、プジョー初のプラグインハイブリッド4WDモデルを登場させた。

新型PEUGEOT 3008 GT HYBRID4のプラグインハイブリッド(PHEV)4WDシステムは、1.6リッターガソリンエンジンに、前後2基の電動モーターで最強の合計最高出力300PS、合計最大トルク520Nmのパフォーマンスを発揮する。

搭載されるトランスミッションは、トルクコンバーターに代わってプラグインハイブリット専用の湿式多板クラッチ「e-EAT8」を採用、サスペンションもトーションビーム方式から、プラグインハイブリッド+4WDシステム搭載により「マルチリンク式」に変更された。

ガソリンエンジンのパワーに、トルクが一気に立ち上がる電動モーター、そのパワーを余すことなく伝達するトランスミッション。パワーをしっかりと受け止める、しなやかな「ネコ足」サスペンションの組み合わせで、気持ち良い走行性・安定性の更なる向上を期待した。

また、走行状況や好みに応じてセンターコンソール中央のDRIVE MODEスイッチで4つのドライブモードの設定が選択できるなど、ステージに合わせてドライバーが選択できるように用意されている。

日常の使用域はエレクトリックモードで、電動モーターによる100%EV走行で十分だと思うし、低振動でほとんど無音のまま走りだして精神的にも環境的にも良いだろう。EV走行のみでの航続距離はWLTCモードで64kmと微妙な距離だが、モードの選択次第では走りながら充電もOKで自由度がある。

充電もコンセントやウォールボックスタイプの普通充電器に対応、自宅や出先で充電が可能。充電状況の確認やエアコンの作動などは、MY PEUGEOTアプリによりリモートで操作出来る。

プジョー3008GT HYBRID4

 



 

ガソリン車との差別化が必要が外観デザイン


 

プジョー3008GT HYBRID4新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4のエクステリアは、フレームの無いグリルが目新しく複雑で存在感がある。外側ほどフィンのラインが長くなり、ヘッドライト下部に収まる造形は、ヘッドライトの造形と共に広がりを感じ、ボディが大きな印象を受ける。吊り上がった形状のヘッドライトと、両サイドの縦に伸びるライオンの牙をイメージしたLEDデイタイムランニングライトで、優しさの中に精悍さを感じさせるデザインは好感が持てる。

フルLEDヘッドライトユニットには、ウィンカー作動時やコーナリング時のハンドル切り角で、コーナーを照らすスタティックコーナリングランプが、リアフォグには、点灯時に後続車のドライバーに配慮した光度と角度を自動調節するフォグモードが装備される。霧や降雨でも無いのにリアフォグを点灯させているクルマを見かける、後続車の迷惑になるので是非やめていただきたいが、この様な装備があると嬉しい。

ブラックの帯で統一感を見せるリアコンビネーションランプは、立体的な意匠形状にシーケンシャルインジケーターを採用し、後方からもモダンなイメージが演出されている。

新型PEUGEOT 3008GT HYBRIDがプラグインハイブリッドであることを確認できるのは、両サイドのドアミラー付近と、リアゲートに配置されたHYBRID4エンブレムの「HY」部分を控えめに大きく、青くしたロゴだけである。

リアフェンダー左右に配置された給油口は、運転席側が本来のガソリン給油口で油種は無鉛プレミアムガソリンで、助手席側は普通充電用の充電口である。ちなみに給油口、充電口の開閉は、給油口は運転席右側のスイッチパネルの給油口マークを押すと数秒経過後にリッドが開く、充電口は蓋部を押せば開くのだが、異なる所で違った操作は迷ってしまうので、スイッチは一カ所にまとめて操作を明確に簡単にした方が親切だ。

プジョー3008GT HYBRID4

 



 

ウキウキさせるオシャレで未来的な空間


 

プジョー3008GT HYBRID4新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4のインテリアは、アシメトリックにデザインされたセンターコンソールに加えて、ダッシュボードにもシートと同じ素材を部分的に使用したモダンなデザインで、配色や素材も非常にオシャレだ。

また、異形ハンドルの小径化によって、ハンドル上部から見易くなった、12.3インチの大型ヘッドアップインストルメントパネルでは、運転中の速度をはじめとした情報、駆動や回生ブレーキの状態なども走行モード別に表示が変化して分かり易い。センターに配置されたタッチ式の8インチモニター「PEUGEOTミラースクリーン」や、コンソールに整然と並んだトグルスイッチ、シフトノブも未来的なデザインでワクワクさせてくれる。

シートもサイドサポートや太もも付近のフィット感が良く、素材も適度な摩擦感があり身体をしっかりホールドしてくれる。

新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4のダッシュボード中央に配置されたタッチスクリーン式の8インチモニター「PEUGEOTミラースクリーン」は、エアコンやオーディオ、スマートフォン接続機能を搭載。Apple CarPlayTM、Android Auto™をUSBケーブルで接続すれば、通話やマップ、音楽などのアプリを表示させ、音声認識機能などを使って音声でのコントロールが出来る。また、ADAS(先進運転支援システム)の設定も可能である。

ただ、現代では必須のBluetoothやWi-Fiなどのワイアレス接続に対応していないのは残念だし、何故?と言ったところである。

プジョー3008GT HYBRID4

 



 

揺すられ感の小さい快適なフットワーク


 

プジョー3008GT HYBRID4新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4のフロントシートは、レザーとファブリック組合せでシートヒーター、メモリー付パワーシートに加えて、背面部8カ所のランバーサポートを空気圧により膨張・収縮させて微調整できるので、肩から腰の背中部分もフィットして気持ち良くサポート感が良い。

リアシートは座面が広く高さもあり、フロントシートとの間隔も広く窮屈さを感じないスペースが確保されている。シートバックは4:6の分割可倒式で折りたためば広いカーゴスペースが現れる。折りたたんだシートバックに角度が付いてフラットにならないところは不満が残り残念なポイントだ。

乗心地は、やや路面の細かいザラ付きを拾い、ロードノイズ発生しているが、当たりは柔らかくソフトである。また、路面の変化によるノイズの音質変化も感じられず静か。路面継目の段差や小さな凹凸から路面のうねりを含めてフラット感があり、身体を揺すられる感じも無い。ショック音なども小さく居住性が良い。非常に静粛性・快適性のレベルが高いと感じた。

荒れた路面でも振動を吸収し、バネ上(乗員)に伝え難いのはやはりベルジャン路(ブロック状の石を並べた石畳み)で育った優等生なのだろうか。

 



 

これが噂の「ネコ足」か? よい仕事している4つのタイヤ


 

プジョー3008GT HYBRID4新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4の直進性はハンドルセンター分かり易いが、やや手応えに軽さがあり、締まり感が弱い印象。

車線内で進路を安定させるために少しハンドルを動かしても、手応え自体はやや軽いが直進性良く安定感がある。車線変更程度のハンドル角になれば、クルマの反応はスムーズで手応えも抵抗感がでてくる。応答性もスムーズで、ハンドル操作に対してクルマが動き過ぎずロールも穏やか。

速いハンドル操作や回り込んだカーブでは、クルマのロールはやや大きくなるが、揺り返しも含めて穏やかでギクシャクせずに収まりも良い。身体の揺すられは小さく安定している。

特に大きめのロールを伴ったカーブや速めのレーンチェンジでも、身体を横に持って行かれるフワッとした様子が無く、4輪が接地して踏ん張っている。

通常はカーブ内側のタイヤが浮くような、踏ん張りの弱さを感じるのだが、これが「ネコ足」なのか、その内側のタイヤもしっかり仕事していると言った印象だ。大きめなロールをしているのに、安心感がある。

新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4は、居住性や操縦性の振舞いに余裕がある印象で、ドライバーや同乗者が不安を感じないラインでまとめられている。これが、あれがと言った細かい部分はあるのだが、許せてしまう緩さを感じる。

プジョー3008GT HYBRID4

 



 

装備、駆動制御と予防安全


 

■選択できる4つの走行モード

プジョー3008GT HYBRID4[エレクトリックモード]

電気のみで走行するゼロエミッションモード(最高速度135km/h)。ただし、アクセルを深く踏み込むとエンジンは始動する

[ハイブリッドモード]

エンジンと電気の組み合わせで、電池残量があればリアモーターで発進するデフォルトモードで、電池残量やアクセルの踏み方でエンジン駆動や発電しながらEV走行するなどの最適な制御を行う

[スポーツモード]

シフトアップを遅らせて、エンジンの高出力部分で走行する

[4WDモード]

前後輪のグリップ状況に合わせてトルク制御(出力制御)を行い、電池の残量が少なくなっても、電池にエンジンで充電して、リアモーターを駆動させる

■2つのブレーキモード

プジョー3008GT HYBRID4減速時の運動エネルギーでバッテリーを充電する回生ブレーキ強さの切替える。

[ノーマルモード]

エンジンブレーキ程度の減速感

[Bモード]

回生重視でブレーキペダルを用いた程度の減速感

[アドバンスドグリップコントロール]

ノーマル、スノー、サンド、マッドなどの路面状態に合わせて、トラクションとブレーキを最適にする走行モード制御、急な下り坂ではスリップなどの危険を回避するために速度を5km/h未満に自動制御するヒルディセントコントロールも装備する。

[レーンキープアシスト]

車載カメラが車線を検知して、ウィンカー操作をせずに車線からはみ出しそうになると、元の車線に戻す操作を自動的に行う。

[トラフィックサインインフォメーション]

車載カメラが道路標識を認識して制限速度や進入禁止などを、ヘッドアップインストルメントパネルに表示。

[アクティブクルーズコントロール&レーンポジショニングアシスト](ストップ&ゴー機能付)

前走車の速度と車間距離を検知して、一定の距離を保って追走する。停止・発進機能も搭載、前走車に続いて停止し、停止が3秒以内であれば自動的に再発進する。3秒以上停止していた場合もワンタッチで設定速度に回復する。
レーンポジショニングアシストは、アクティブクルーズコントロール作動中、ほぼ全速度域でステリング補正を来ない、車線の一定の位置を保持する。

[アクティブセーフティブレーキ]

前方の車両や障害物に対して回避操作が行われない場合、自動的にブレーキを作動させる機能で、作動範囲は約5~140m/hで80km/h以下では停止、60km/h以下では歩行者も検知して危険を回避する。

[Eリモートコントロール]
新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4のコネクテッドサービスは、(MYPEUGEOTアプリ)、スマートフォン(iOS、Android)のMYPEUGEOTアプリで、車外から充電状態や走行記録の確認や、エアコンの操作を行うことができる。

 



 

新型PEUGEOT 3008GT HYBRID4の充電と補助金


 

通常は、電池残量が少なくなればエンジンによる走行に切り替わり、回生ブレーキやドライブモードの選択で充電しながら走行するが、自宅で夜間の比較的安い電気料金時間帯で充電が可能である。

ただし、自宅にクルマ付属の電源ケーブルが使用できるコンセントタイプ (200V 3Kw)、またはウォールボックスタイプ(200v 6Kw/3Kw)の普通充電器を設置する必要があり、設置費用及び工事が必要なのは少し面倒くさいが。外出先でも全国のショッピングモールなどの充電ネットワークで気軽に充電は可能。

満充電に必要な時間は、3Kw(5時間)、6Kw(2.5時間)と比較的長く、チョット買い物の途中で…、の充電も難しいので日常的には自宅で夜間充電、通勤・買い物はモーター走行、休日の遠出のみエンジンで、燃料のガソリンを使用すれば、昨今のガソリン高騰ではかなり節約出来ると思う。だが、ガソリン車に対して、155万円の価格差を埋められるだけの走行距離を稼ぐのは難しい。

音もなくモーターで走行する満足感、緊急時に非常用電気設備があることに安心感を求めるのか…選択は自由だ。

なお、補助金制度もあるのでその価格差はもっと少なくなりお求めやすくなる。交付例(2022年2月現在)を下記する。

・国の補助金 400,000円 CEV補助金

令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」

・地方自治体の補助金 450,000円(東京都)電気自動車等の普及促進事業

・税制優遇

エコカー減税、グリーン化特例、環境性能割

<レポート:河野達也

 



 

PEUGEOT 3008GT HYBRID4価格


 

・PEUGEOT 3008GT HYBRID4(プラグインハイブリッド4WD e-EAT8)
6,148,000円

参考価格
・PEUGEOT 3008GT (1.6L Pure Techガソリンターボエンジン EAT8)
4,597,000円

 

PEUGEOT 3008GT HYBRID4燃費、ボディサイズなどスペック


 

・全長 x 全幅 x 全高(mm) 4,450×1,840×1,630

・ホイールベース(mm) 2,675

・車両重量/総重量(kg) 1,880/ -

・トランク・ルーム容量(L)520  *後席収納時最大容量(L) 1,482

・定員(名) 5

・エンジン型式  ―

・種類 ターボチャージャー付直列4気筒DOHC

・総排気量(cc)  1,598

・最高出力(kW 〔ps〕 / rpm (EEC))  147〔200〕/6,000

・最大トルク(Nm 〔kgm〕 / rpm (EEC))  300〔30.6〕/3,000

・電動機種類 (前後)交流同期電動機

・定格出力(kW)  22(前)、28(後)

・定格電圧(V)  350(前)、309(後)

・最高出力(ps(kW)/rpm)  110(81)/2,500(前)、112(83)/14,000(後)

・最大トルク(kgf・m(Nm)/rpm)32.6(320)/500-2,500(前)16.9(166)/0-4,760(後)

・駆動用バッテリー種類/セル数  リチウムイオン電池/6セル

・駆動用バッテリー電圧(v))/容量(Ah)  350/34

・充電電力使用時走行距離(km)  64

・燃料消費率WLTCモード(km/L)  15.3

・トランスミッション   電子制御8速AT

・装着タイヤ  MICHELIN PRIMACY4 225/55R18 102V XL S1(made in SPAIN)



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