三菱アウトランダーPHEV新旧比較
CORISM / 2022年4月20日 12時12分
高い技術力を誇る新旧アウトランダーPHEVを徹底比較
約8年振りにフルモデルチェンジし2代目となった三菱アウトランダーPHEV。初代アウトランダーPHEVは、国産PHEVのパイオニアで、世界初の量産ツインモーター4WD技術が採用された。
初代、2代目共に基本的なメカニズムは共通。世代が違っても三菱らしい技術と高い完成度が高く評価され、初代は2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー イノベーション部門賞、2代目は2021-2022テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
また、初代アウトランダーPHEVは、中古車としても魅力的な1台。そんな初代、2代目アウトランダーPHEVをデザイン、燃費、安全装備など徹底比較評価した。
PHEVってどんなクルマ?
PHEVとは、「プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル」の頭文字をとった略語。ハイブリッド車との違いは、家庭など外部電源から車両の大容量バッテリーを充電する点だ。その電力を使い、通常時は一定距離をEV(電気自動車)として走行する。バッテリーの電力を使い切ると、ハイブリッド車として走行することが可能だ。
PHEVは、EV航続距離がやや短い。しかし、送迎や通勤、買い物などの短距離移動であれば、ほとんどガソリンを使うことが無い。EVでは航続距離の心配があるが、PHEVなら、手に入りやすいガソリンを使いハイブリッド車として走行するので、その心配も無用だ。そのため、現実的な次世代環境車と呼ばれている。
家庭で充電出来るので、ガソリン車よりも大幅に安価だ。PHEVは、ガソリン価格高騰時代にピッタリなモデルといえる。
![初代三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/special/wp-content/uploads/sites/4/2022/04/outlanderphev-1st-1.jpg)
![2代目三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/special/wp-content/uploads/sites/4/2022/04/outlanderphev-2nd.jpg)
三菱アウトランダーPHEVの歴史・概要
初代三菱アウトランダーPHEVは、2013年にデビューした。現在ではPHEVも珍しくなくなったが、2013年当時では世界でもまだ数少ないPHEVだった。
世界でも例を見ない、前後にモーターを設置したツインモーター4WDを採用していた。
このメカニズムが世界を驚かせた。現在でこそ、こうした機能をもつEVが出ているが、2013年当時こうした優れた機能を搭載したPHEVは三菱だけだった。
先進技術が高く評価され、初代アウトランダーPHEVは2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーでイノベーション部門賞を受賞した。
走り、乗り心地などすべてが大幅深化!
2代目三菱アウトランダーPHEVは、2021年12月にデビュー。このモデルから、三菱・日産・ルノーのアライアンスで開発された、新プラットフォーム(車台)CMF-C/ Dが採用されている。この新プラットフォームを得たことで、2代目アウトランダーPHEVは、大幅に運動性能を高めている。
PHEVシステムは基本的に初代アウトランダーPHEVと共通だが、中身は一新されている。後輪側のモーター出力は70kWから100kWへと大幅にアップされ、後輪駆動のようなドリフト走行も可能となった。
こうした最新プラットフォームや、走りを楽しめるPHEVシステムなどが高く評価され、2代目アウトランダーPHEVは2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
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コンセプト&エクステリアデザイン
「ダイナミックシールド」の使い方が上手くなった2代目
初代三菱アウトランダーPHEVは、2015年にマイナーチェンジし、外観デザインを大幅に変更している。デビュー時の柔和で柔らかいラインで構成されたユニークなフェイスから、三菱の新デザインコンセプトである「ダイナミックシールド」が採用された。力強さとプロテクションのような安心感あるデザインだ。
大きく開いた台形のロアグリルデザインは、視覚的重心を下げ安定感あるフロントフェイスを生み出した。流行りの押出し感ある迫力系にまとめられている。
2代目アウトランダーPHEVのコンセプトは「威風堂々」だ。デザインテーマは、「BOLD STRIDE」を掲げた。
2代目アウトランダーPHEVも、三菱のデザインアイコンである「ダイナミックシールド」を採用した。多くの車種に採用した経験値からか、徐々に洗練さを増している。初代アウトランダーPHEVに感じた違和感もない。
その堂々とした存在感と大きな顔は、まさにSUVの王道デザインといえる。奥行き感のある彫りの深さも加わり、ひと目でアウトランダーPHEVと分かる顔になった。
サイドビューでは、路面と平行に見える長いルーフが特徴だ。伸びやかで、優雅さもある。ボディサイドの面も張りが強く、逞しく見える。
![初代三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/special/wp-content/uploads/sites/4/2022/04/outlanderphev-1st-appearance-1.jpg)
![2代目三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/special/wp-content/uploads/sites/4/2022/04/outlanderphev-2nd-appearance.jpg)
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インテリア&安全装備
やや古さを感じるようになった初代アウトランダーPHEVのデザイン
初代三菱アウトランダーPHEVのインパネデザインは、いかにもSUV的でボリューム感がある。センターコンソール上部にナビやエアコン操作系を集中させ、使い勝手も良い。
ただ、2013年にデビューしたモデルであるため、今見ると先進感もあまりない。全体的に古さを感じるようになってしまった。質感もあまり高いとはいえない。
2015年のマイナーチェンジでは、質感のアップなどが行われ。しかし、基本デザインは同じなので、新鮮さはない。初代アウトランダーPHEVは、ラグジュアリーSUVとしての価値を追求しているが、豪華さもあまり感じない。
ラグジュアリーSUV感あふれる2代目アウトランダーPHEV
2代目アウトランダーPHEVは、デザイン面も一新された。水平基調でスッキリしたインパネデザインは、シンプルで視界もよく好感度は高い。質感も高く、まさにラグジュアリーSUVになった。三菱のデザインは少々野暮ったくなる傾向があったが、2代目アウトランダーPHEVは、なかなかクリーンでよいデザインだ。デジタルメーターも先進性を感じる。
センターコンソールのシフトノブ部分は、いかにもSUVなタフネスさがある。4WD制御のセレクターも液晶パネルでの操作ではなく、大型のダイヤル式。極寒地などで、手袋などをして運転していても操作性しやすい。
大幅に進化した予防安全装備
初代アウトランダーPHEVの安全装備は、2013年デビューのため少々物足りない。初期モデルの自動ブレーキは対車両のみで、車線維持機能も警報のみだ。
歩行者検知式自動ブレーキが用意されたのは、2017年の改良後モデルからである。車線維持機能はないものの、中古車の購入を考えているのであれば、改良後モデルがおすすめだ。
2代目アウトランダーPHEVの安全装備は、初代の物足りなさを完全払拭した。自動ブレーキは、歩行者と自転車の検知が可能になった。車線維持機能もプラスされ、高速道路などでは、より安全でストレスの少ない走行が可能となっている。
その他、以下の機能も標準装備化された。
後側方車両接近警報(車線変更時に頼りになる)
後退時車両接近警報(駐車場をバックで出る時に後方から接近する車両を検知し警報を発する)
踏み間違え防止アシスト など
トップレベルとはいかないまでも、どのグレードでも安心して乗れる予防安全装備が全車標準装備化されているのは高く評価したいポイントだ。
![初代三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/special/wp-content/uploads/sites/4/2022/04/outlanderphev-1st-instrumentpanel.jpg)
![2代目三菱アウトランダーPHEV](https://www.corism.com/special/wp-content/uploads/sites/4/2022/04/outlanderphev-2nd-instrumentpanel.jpg)
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