レクサスNX新旧比較 クラス世界トップレベルの予防安全性能へ
CORISM / 2022年5月19日 20時21分
新旧レクサスNXの違いとは?
2021年11月にフルモデルチェンジし2代目となった新型レクサスNX。初代NXは、都会派スポーティSUVとして高い人気を誇っていた。
2代目NXは、そんな初代NXのイメージを継承しつつ、PHEVを新たに投入。新世代のレクサス車としての価値をアピール。そんな初代NXと2代目NX、何がどう進化したのか、新投入されたPHEVの出来は? などを徹底比較した。
初代レクサスNXの概要
都会派スポーティSUVとして高い人気を得た初代レクサスNX
初代レクサスNXは、ミディアムクラスのSUVとして2014年に登場した。初代NXのコンセプトは「Premium Urban Sports Gear」だ。都会派SUVで、スタイリッシュなデザインと、SUVらしいタフネスさを持ち合わせている。
2014年当時のレクサス車は、あまり人気のないセダンカテゴリーに属するモデルが中心だった。中・大型車が多く、高額車なので顧客は主に法人名義で購入する経営層だった。
そんな状況下で、初代NXはミディアムクラスのSUVであり、価格も454~582万円と、レクサスの中では安価。一般顧客もターゲットとなるため、販売台数増に大きく貢献するモデルとして期待された。
こうしたこともあり、初代NXは、SUV人気の追い風に乗り、レクサスブランドをRXと共に支える1台となった。
初代NXに搭載されたパワーユニットは、2.5Lハイブリッドと2.0Lターボ2タイプだ。日本マーケットで支持されたのは、2.5Lハイブリッドの300hだ。その後、2代目NXが発売される2021年まで発売された。
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初代レクサスNXの概要
PHEVも搭載された2代目レクサスNX
2代目レクサスNXは2021年11月に登場した。人気モデルのフルモデルチェンジであるため、非常に注目された。
新型2代目NXのコンセプトは「Vital x Tech Gear」だ。生命的な躍動感(Vital)と先進技術(Tech)を融合したスポーツギアとして開発されている。
そして、レクサスの電動化ビジョン「Lexus Electrified」 に基づき、レクサスブランド初のPHEVをNXに設定した。ハイブリッドと共に、電動車の普及を加速させていくとアピールしている。
ただ、2代目新型NXのラインアップには、純ガソリン車を2タイプが用意された。設定されたパワーユニットは、2.5L PHEVとハイブリッドに加え、新開発の2.4Lターボと2.4Lガソリンエンジンが設定されている。「Lexus Electrified」を掲げているものの、電動化されていないパワーユニットが存在する。
レクサス関係者からは、日本での販売の中心はハイブリッドなので、ガソリン車はそれほど重要ではないという見解も聞かれた。しかし、レクサス国内営業としては、安価な価格のガソリン車を設定し、販売台数をわずかでも積み上げたいという想いがあるため、こういった設定となっているようだ。
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コンセプト&エクステリアデザイン
2014年発売なのに未だ洗練されたデザインの初代レクサスNX
初代レクサスNXのデザインは、スピンドルグリルを起点にSUVらしい力強さを表現している。キャビンの前後を大胆に絞り込んだ菱形のボディと、力強く張り出したホイールフレアを融合させた。
さらにエッジの効いたシャープなラインを組み合わせ、都会派SUVに相応しいスピード感や躍動感をアピールしている。複雑な線と面を組み合わせ、レクサス車らしい独自の世界観を生み出したモデルでもある。
この初代NXのデザインは、なかなか秀逸だ。2014年に登場したモデルには見えず、未だ古臭さを感じさせないデザイン力は流石である。モデル末期になっても、販売台数があまり落ちなかったのも、デザイン力によるものだろう。
より深みのある造形となった2代目レクサスNX
2代目NXのデザインは、基本的に初代NXのコンセプトをキープした。その上で、躍動感と先進技術が融合した、次世代レクサスを切り開くデザインへチャレンジしている。
スピンドルグリル中心としたデザイン手法に変更はないが、より大きく張り出し、押出し感を増強させている。初代NXと比べると、やや穏やかな顔になった印象だ。この立体感あるフェイスは、かなり優れた造形力だ。
デザイン力だけでなく、これだけ複雑な形を再現できるレクサスの生産能力の高さを感じさせる部分でもある。
2代目NXのシルエットは、かなりギュッと詰まったような塊感が出て重厚感を増している。
リヤコンビネーションランプは、フロントフェイスと比べるとスッキリしている。左右のL字型ランプから、中央につないだ一文字ランプが特徴だ。1クラス下のUX的でもある。
初代NXは古さを感じさせないデザインなので、中古車としても魅力がある。対する2代目NXはかなり立体感あるフェイスデザインだ。ちょっとしたアート的であり、なかなか魅力的である。
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安全装備&インテリア
年式により大きな差になる初代レクサスNXの安全装備
初代NXの場合、安全装備は年式により大きな差がある。中古車を選ぶ場合、注意が必要だ。
初代NXの初期モデルは、高級SUVながら歩行者検知式自動ブレーキなどが装備されていなかった。しかも、後側方車両接近警報などのローテク安全装備も、ほぼオプション設定だ。
歩行者検知式自動ブレーキが装備されたのは、2017年のマイナーチェンジ以降となる。このマイナーチェンジで、歩行者検知式自動ブレーキや全車速追従式クルーズコントロールなどをパッケージ化した「レクサスセーフティシステム+」を標準装備化した。
ただ、大切な機能が全車オプション設定と、少々物足りない仕様だった。たとえば駐車場などにおけるアクセルペダル踏み間違い時の衝突被害軽減に寄与するパーキングサポートブレーキ(静止物)などだ。
中古車で初代NXを選ぶ場合、安全装備を重視するのであれば2017年のマイナーチェンジ以降がお勧めだ。さらにパーキングサポートブレーキ(静止物)や後側方車両接近警報などのオプションを装着した車両が良いだろう。こうした予防安全装備は、中古車店でしっかりと確認してから購入したい。
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初代を大幅に上回る2代目レクサスNXの自動ブレーキ、運転支援機能
2代目レクサスNXの予防安全装備は、最新世代の「レクサスセーフティシステム+」が標準装備されている。重要な自動ブレーキは、以下との衝突回避を支援する。
・昼夜の歩行者
・昼間の自転車
・右折時に前方から来る対向直進車
・右左折時に前方から接近する横断歩行者/自転車
とくに、プロアクティブドライビングアシスト[PDA]などは、とても便利で事故リスクも低減してくれる機能。PDAは、「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行う機能だ。先行車やカーブに近付くと、さり気なく減速しリスクを軽減してくれる。慣れると、一般道などはブレーキとアクセルを踏みかえる回数も減り、安全面だけでなく疲労軽減にもなる。
その他、高級車なのにパノラミックビューモニターなど、一部の予防安全装備がオプションになっていたりと、物足りない部分もある。だが、こうした予防安全装備や運転支援機能をフル装備すれば、クラス世界トップレベルの安全性能を誇るモデルになる。
スポーティさがあり質感が高い初代レクサスNXのインテリア
初代NXのインテリアデザインは、優雅なスポーティさを感じさせ、質感も高い。センターコンソールは太い金属調の加飾が施され、初代NXがタフなSUVであることを感じさせる。
インテリアデザインも外観同様、あまり古さは感じない。ただ、ナビ画面が小さく、メーターもフルデジタルではない点は、少々古さを感じさせられる部分だ。
高級SUVらしい質感が魅力の2代目レクサスNX
2代目NXのインテリアは、ドライバー中心としたコックピット的デザインが採用されている。メーターはフルデジタルだ。一部グレードを除き超大型の14インチディスプレイオーディオが標準装備されている。高級SUVらしい高い質感と、ラグジュアリー感あふれる空間に仕上がった。
初代NXも古さはあまり感じないものの、2代目NXと比べるとやはり古く見えてしまう。
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