トヨタ ライズ新旧比較 e‐SMARTハイブリッドの実力は?
CORISM / 2022年6月19日 20時28分
「e‐SMARTハイブリッド」追加で、ライズはどう変わった?
トヨタ ライズは、ダイハツがほぼ開発・生産を担当したAセグメントのコンパクトSUVで2019年に登場した。ヤリスクロスの1つ下のセグメントに属する。
ダイハツが主体で開発・生産されているため、ライズは、ダイハツ ロッキーとは姉妹車関係となる。外観デザインが少し異な程度だ。
そんなライズだが、デビュー直後は1.0Lターボのみの設定で選択肢が無かった。それでも、ライズは大ヒット。2020年度の登録車販売台数ランキングでは、いきなり2位となる。
そして、その人気を維持するため、2021年11月、1.2Lシリーズハイブリッドシステムである「e‐SMARTハイブリッド」を初搭載。また、廉価仕様となる新開発1.2Lガソリンエンジンも投入。従来の1.0Lターボも含め、3タイプのエンジンを選択できるようになった。
今回は、注目の新開発1.2Lハイブリッドと1.2Lガソリン、改良前の1.2Lターボを徹底比較する。
トヨタ ライズの歴史・概要
デビュー当時から室内空間と荷室の広さで人気
トヨタ ライズは、2019年に登場したコンパクトSUVである。主にダイハツが開発・生産を担い、トヨタに供給しているモデルだ。ダイハツのロッキーとは、外観に若干の違いがあるものの、同じクルマである。
デビュー直後のライズとロッキーには、直3 1.0Lターボエンジンのみが搭載された。エンジンの選択肢は1つと少なかったものの、ライズとロッキーは大ヒットした。
その理由は、小さなボディに、広い室内と広大な荷室を併せ持つ点にある。ボディは全長4m弱、全幅5ナンバーサイズの1,695mmという小ささだ。軽自動車で鍛え上げた、ダイハツの優れたパッケージング技術が活きている。
結果、ライズは日本マーケットにピッタリのコンパクトSUVとして、瞬く間に大ヒットモデルとなった。
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燃費も重要!e‐SMARTハイブリッドを開発
大ヒットとなったライズとロッキーにも弱点があった。1クラス上のコンパクトSUVであるヤリスクロスやヴェゼルなどのモデルは、ハイブリッド車が主流である。エンジンの選択肢が1つしかなかったライズとロッキーは、燃費志向の顧客の選択肢から外れていたのだ。
当時、トヨタとダイハツは、「なぜハイブリッド車を用意しないのか? 」という疑問に対し、「ハイブリッド化しても価格が高くなり買ってもらえない」、という見解だった。
だが、それは「大人の嘘」。当時、e‐SMARTハイブリッドの開発中だったのだ。
そして、ようやく「e‐SMARTハイブリッド」を投入。同時に、廉価バージョン用として、自然吸気1.2Lエンジンも用意された。
デビュー時は、1つしかなかったパワーユニットだが、1.0Lターボに加えe‐SMARTハイブリッド、1.2Lガソリンが加わり計3つとなり選択肢が増えた。現在では、万全の態勢でマーケットに挑んでいる。
コンセプト&エクステリアデザイン
マーケットニーズに沿うよう開発されたコンパクトSUV
トヨタ ライズの開発コンセプトは、「アクティブ・ユースフル・コンパクト」だ。SUVに乗りたい。荷物をたくさん積みたい。狭い道や駐車場でも運転しやすい。コンパクトなサイズがいい。など、このような日本のマーケットニーズに合わせて開発されている。
デザインの差は、ほとんど無し。特別感が欲しい「e‐SMARTハイブリッド」
外観デザインは、「力強く!新しい!アクティブスタイル」をコンセプトにデザインされた。全幅1,695mmというコンパクトな5ナンバーサイズだが、大径17インチタイヤを履き、張り出したフェンダーと組み合わせている。SUVらしい力強いシルエットとなった。
フロントフェイスは、エッジに効いた角張ったバンパーコーナーと大径の大型グリルにより、ワイドで安定感を表現。さらに、薄型LEDヘッドランプを装備し、睨みの効いた迫力ある顔が特徴的だ。また、流れるように点灯するLEDシーケンシャルターンランプを採用。高級感や先進性を演出している。
ライズのデザイン的特徴は、全長4m以下のボディサイズながら、より大きく見えることに成功している点だ。SUVはミニバン同様、より大きく見え、迫力あるフェイスデザインが好まれる。まさに、マーケットインなデザインといえる。
e‐SMARTハイブリッドとガソリン車とでは、外観デザインではそれほど大きな差は付けられていない。ホイールデザインが若干異なることや、グリル部分にブルーの差し色が入るなどの微小な差しかない。
だが、e‐SMARTハイブリッドはトップグレードであり、最も高価であることを考えると、もう少し特別感があってもよい。
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インテリア&安全装備
インテリアに関しては、改良前と改良後とで大きな差はない。メーターがe‐SMARTハイブリッド用の表示に変化した程度だ。
荷室の容量は、ハイブリッド車よりガソリン車の方がやや大きい。ハイブリッドは、駆動用バッテリーが後席下付近に設置されたため、その他の機器がフロアボード下のスペースに進出しているためだ。結果、ハイブリッド車のフロアボード下収納が小さくなっている。
使い勝手面では、それほど大きな差には感じない。ただ、少しでもより多くの荷物を積みたいというのであれば、ガソリン車がおすすめだ。
初期モデルよりも向上したライズの予防安全装備
予防安全装備は、初期ターボモデルより着実に進化した。従来の機能に加え、夜間の対歩行者検知を可能とした自動ブレーキへバージョンアップしている。標識認識機能は、最高速度と一時停止の標識認識種類が増加。さらに、路側逸脱警報機能、ふらつき警報機能も追加されている。
運転支援機能もさらに拡充。電動パーキングブレーキを採用したことで、信号待ちなどの停車中にブレーキを踏み続ける必要がなくなるブレーキホールド機能もプラスされた。
さらに、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)に停止保持機能が追加されている。高速道路での渋滞などのストップ&ゴーもより容易になり、疲労軽減に役立つ。
こうした予防安全機能や運転支援機能は、改良後のモデルは一段と向上した。安全性能と利便性の差は大きい。
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