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トヨタ ヴォクシー&ノア新旧比較 超絶進化した予防安全装備

CORISM / 2022年8月7日 12時12分

トヨタ ヴォクシー&ノア新旧比較

大人気ミニバン、ヴォクシー&ノアを新旧比較評価


 

トヨタの人気ミニバン、ヴォクシーとノアが7年振りにフルモデルチェンジし、4世代目となった。

弱点だった予防安全性能は、飛躍的に向上。国産車トップレベルの実力を誇る。

また、非力だった1.8Lハイブリッドシステムも刷新。十分な力強さを得ただけでなく、超低燃費性能の両立を実現している。

プラットフォーム(車台)も新しくなり、劇的進化を遂げた新型4代目ヴォクシー&ノア。そんな新型4代目ヴォクシー&ノアの実力を、3代目ヴォクシー&ノアと徹底比較・評価した。

 

トヨタ ヴォクシー&ノアの歴史


 

強力な営業力でモデル末期まで売れ続けたヴォクシー&ノア

 

初代トヨタ ヴォクシー&ノアは、2001年に登場した。従来の「ライトエースノア」や「タウンエースノア」は、商用車と共用のプラットフォーム(車台)が使われていて、FR(後輪駆動)だった。商用ということもあり、フロアも高く乗り降り面でやや不便、さらに乗り心地や静粛性も乗用車としては物足りない状態だった。

しかし、後継車の初代「ヴォクシー」「ノア」は乗用専用のFF(前輪駆動)モデルとなった。これは、1996年にデビューした初代ホンダ ステップワゴンの存在が大きく影響を与えた。初代ステップワゴンは、乗用車系のプラットフォームを使い低床フロアとして、広大な室内と操縦安定性、乗り心地を大幅に高めたからだ。

初代ヴォクシー&ノアもFF化され専用のプラットフォームを得たことで、乗り心地や静粛性、運動性能を大幅にアップさせている。

この頃、ヴォクシーは迫力系、ノアはファミリー系のデザインとして棲み分けを行っていた。ところが、2017年のマイナーチェンジで、ノアの路線が一気に迫力系デザインに変更された。その理由は、販売台数だ。

マーケットで支持されていたのは、ヴォクシーのような迫力系。おとなしいデザインのノアは、販売台数でヴォクシーに大きな差を付けられた上に、ライバルであるセレナやステップワゴンにも負けることもあった。

当時、まだ専売制だったノアを扱うトヨタディーラーからも、デザイン変更の要望が強かったのだ。(現在では、トヨタディーラーは全車種扱い)。4代目ノアが更に迫力系デザインになったのも同様の理由である。

また、メカニズム面でも大きな進化を遂げたのも、3代目ヴォクシー&ノアだった。

このモデルから、プリウスα用の1.8Lハイブリッドシステムを改良して搭載。少し遅いくらいだったが、超低燃費性能を含め、ハイブリッド車を心待ちにしていたユーザーを中心に大ヒットした。

ライバルのセレナやステーションワゴンにはガソリン車しかなかったため、完全にヴォクシー&ノアの一人勝ち状態へ突入した。

モデル末期になって、ライバル車に対して物足りない部分も目立ってきたが、極端に販売台数が落ちることは無かった。これは、トヨタの強力な営業力の賜物と言える。

 

ほぼすべてを刷新して超絶進化を果たした4代目ヴォクシー&ノア

 

そして、2022年1月のフルモデルチェンジを経て、4代目ヴォクシー&ノアが誕生した。

クルマの基本骨格となるプラットフォーム(車台)やハイブリッドシステムは刷新され、燃費性能はライバルを凌駕する。

大きな課題であった予防安全装備「トヨタセーフティセンス」は国産車トップレベルの実力といえるほど劇的な進化を遂げた。今のところ、ほぼすべての面でライバルが太刀打ちできないほどの完成度を誇る。

4代目トヨタ ヴォクシー
4代目トヨタ ヴォクシー


3代目トヨタ ヴォクシーマイナーチェンジ前
3代目トヨタ ヴォクシーマイナーチェンジ前


 

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コンセプト&エクステリアデザイン


 

先鋭化し続ける強面デザイン

先代である3代目トヨタ ヴォクシー&ノアの開発コンセプトは「Spacious FUN Box」だった。家族の夢を丸ごと載せる広々とした室内空間を実現し、Fun(快適性)・Utility(使用性)・Nenpi(燃費)を高次元で融合した、次世代のスペースミニバンとしてデビューした。

デザインテーマは「EMOTIONAL BOX」だ。個性豊かな表情と魅惑的な印象を備えた力強いハコ(箱)を追求している。

ヴォクシーは「毒気」のあるカッコよさを目指した。特徴的なのは、ヘッドランプと連続する上下二段構成のフロントグリルだ。この精悍で迫力あるフロントフェイスが高く評価され、大ヒットに繋がっている。特に、エアロパーツ類を装備したZS系グレードは人気が高い。

リヤまわりは、縦長で細いコンビネーションランプを装備したデザインとなった。より大きく開くリヤゲートにしつつ、より高く大きく見えるデザインとしている。リヤまわりのデザインは、若干の差があるものの、ノアと共通だ。

3代目ノアは、デビュー時の顔はまだファミリー系だった。アンダーグリルと一体化した大きなフロントグリルを持つものの、迫力はそれほどなく、全体的にスッキリとしている。これはこれで良いデザインだ。

2017年のマイナーチェンジで、ヴォクシー&ノア共にフロントフェイスのデザインを中心に刷新された。この改良ではデザインが迫力系フェイスへ先鋭化している。

ヴォクシーのエアロ仕様であるZS系グレードでは、レクサスのスピンドルグリルのテイストに似た「ハ」の字がテーマだ。かなりの迫力とスポーティさを兼ね備えたデザインが採用されている。

対するノアは、極太バー形状でメッキ調の大型グリルを装備した。迫力と重厚感を表現している。非常に高く評価された3代目ヴォクシー&ノアのデザインを受け継ぎながら、さらに迫力系デザインへと先鋭化を加速させた。

ヴォクシーは、ラウンディッシュな薄型アッパー部と、分厚くスクエアなロア部の組み合わせによって、視覚的ボリュームを下部に集めた。もはや、フェイスの3分の2以上がグリル化している。

ノアとほぼ共通のリヤビューは、センター部分がややえぐられた複雑な造形となった。コンビネーションランプは、細い横基調のガーニッシュが加わり、L字型となっている。また、ひと目でヴォクシー&ノアと分かる怪しく光るランプ類で、夜間でも存在感をアピールしている。

ノアもラウンディッシュな薄型アッパー部は共通だ。3代目ノアのイメージを継承し、水平基調の極太バー形状のグリルを採用している。エアロモデルのS-Zグレードでは、3代目ノアよりやや前方に張り出すようなデザインとすることで、押出し感を強調している。

4代目トヨタ ヴォクシー
4代目トヨタ ヴォクシー


 

3代目トヨタ ヴォクシーマイナーチェンジ前
3代目トヨタ ヴォクシーマイナーチェンジ前


 

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安全装備&インテリア


 

クラスを超え国内トップレベルの予防安全装備

3代目トヨタ ヴォクシー&ノアの予防安全性能は、やや物足りなかった。

デビュー直後のモデルには、自動ブレーキなどの装備は無かった。2016年1月の改良で、ようやく低速域での対車両のみの自動ブレーキが装備されたレベルだ。

歩行者検知式の自動ブレーキの装備は、2019年1月の改良まで引き延ばされていた。

この改良でも昼間の歩行者のみに対応という自動ブレーキで、当時、ようやく業界の平均レベルに追いついた程度に止まった。

3代目ヴォクシー&ノアの中古車購入を考えていて、安全性能を重視するのであれば、2019年1月の改良後モデルで歩行者検知式自動ブレーキを装備したモデルがおすすめだ。

このように、3代目ヴォクシー&ノアの弱点は、予防安全性能だった。そのため、4代目ヴォクシー&ノアは徹底した予防安全装備の機能向上が図られた。まさにトヨタの本領発揮といえるもので、クラストップどころか、国産車トップレベルの実力を誇るまでに進化した。

自動ブレーキの機能は、多岐にわたる。昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪車を検知し、事故の多い交差点内のリスクを減らしてくれる機能だ。

新たにフロントクロストラフィックアラートも用意された。これは見通しの悪い交差点などで出合い頭の衝突リスクを下げる機能だ。左右から接近する車両を検知し注意喚起してくれる。

一般道で使うことができる「プロアクティブドライビングアシスト」は慣れると非常に便利で、疲労軽減につながる運転支援機能である。

「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクを先読みしてくれる。歩行者や自転車、駐車車両に近付きすぎないよう、以下のような操舵や減速操作をサポートするものだ。

横断中の歩行者などを検知→自動で減速

側方歩行者や自転車、駐車車両との距離が近い→減速しながら距離を取るよう、ステアリング操舵の支援

カーブ前で速度が高い→減速制御

たとえば信号待ちで停車中の車両があり、アクセル操作がオフの場合、ドライバーの操作よりも早く減速制御が入る。そのままアクセルを踏まなければ、停止直前まで車両が減速してくれるのだ。ドライバーは、自らのタイミングでブレーキを踏み停止させればよい。自動で緩やかに減速してくれるので、アクセルとブレーキを踏みかえる回数も大幅に減る。

また、カーブ前の減速も早い段階で緩やかに減速制御が入る。ブレーキを踏む回数が大幅に減り、疲労軽減に繋がる。運転に不慣れなドライバーのようにブレーキを踏みすぎて再加速することもないので、同乗者からみれば運転が上手くなったような気がするだろう。

その他、ハイブリッド車には以下の機能も用意されている。

アドバンストパーク(車外からスマートフォンを使って駐車が可能)

アドバンストドライブ(高速道路で約40km/h以下の渋滞時にハンズオフが可能)

予防安全装備や運転支援機能は、もはや3代目ヴォクシー&ノアとは比べものにならないくらいの超絶進化を果たした。

2022年5月に登場したステップワゴンは、後出しながらすでに予防安全装備の機能では4台ヴォクシー&ノアに負けている状態。2022年中にフルモデルチェンジが噂されているセレナが、4代目ヴォクシー&ノアを上回る予防安全装備を得ることができないのでは? と、思うほど、4代目ヴォクシー&ノアは高いレベルに仕上がっている。

 

質感がアップしたインテリア

 

3代目ヴォクシー&ノアのインパネデザインは、ややコッテリ系だ。上級グレードにはピアノブラック系の加飾が多く施され、高級感をアピールしていた。

対する4代目ヴォクシー&ノアは、3代目と比べると、かなりスッキリ系デザインとなっている。水平基調でシンプルにまとめられて、デザインの完成度は高い。

しかも、ダッシュボードまわりもスッキリしており、視界も開け視認性も良好だ。ただ、3代目のようなギラギラ感は減ったように感じる。

4代目ヴォクシー&ノアは、使い勝手面でも3代目を大きく上回る。

跳ね上げ式の3列目シートは、3代目ではストライプで固定だったが、4代目ではストライカ固定に変更された。

そのままはめ込めば固定できるので、ひと手間減っている。ロック解除もレバーを引くだけでOKだ。

ミニバンのバックドアは巨大なため、後方に一定のスペースが無いと壁などに接触してしまい全開にはできない。そこで、4代目ヴォクシー&ノアは、ワンプッシュで任意の位置でドアを固定でき、後方が狭い場所での扱いやすさをアップしている。

4代目トヨタ ヴォクシー
4代目トヨタ ヴォクシー


3代目トヨタ ヴォクシーマイナーチェンジ前
3代目トヨタ ヴォクシーマイナーチェンジ前


 


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4代目トヨタ ノア
4代目トヨタ ノア


 



 

 


新型トヨタ ヴォクシー&ノアの価格




 

■ヴォクシー 2.0Lガソリン車
























グレード・定員 FF 4WD
S-G  7/8人乗り 3,090,000円 3,288,000円
S-Z  7人乗り 3,390,000円 3,588,000円




■ヴォクシー 1.8Lハイブリッド車
























グレード・定員 FF 4WD
S-G  7/8人乗り 3,440,000円 3,660,000円
S-Z  7人乗り 3,740,000円 3,960,000円




■ノア 2.0Lガソリン車







































グレード・定員 FF 4WD
X 7/8人乗り 2,670,000円 2,868,000円
G 7/8人乗り 2,970,000円 3,168,000円
Z 7人乗り 3,240,000円 3,438,000円
S-G 7/8人乗り 3,040,000円 3,238,000円
S-Z 7人乗り 3,320,000円 3,518,000円




■ノア 1.8Lハイブリッド車







































グレード・定員 FF 4WD(すべて7人乗り)
X 7/8人乗り 3,050,000円 3,270,000円
G 7/8人乗り 3,320,000円 3,540,00円
Z 7人乗り 3,590,000円 3,810,000円
S-G 7/8人乗り 3,390,000円 3,610,000円
S-Z 7人乗り 3,670,000円 3,890,000円

 



トヨタ ヴォクシー燃費、ボディサイズなどスペック



 


























































代表グレード トヨタ ヴォクシー ハイブリッドS-Z(FF)
ボディサイズ(全長×全幅×全高) 4,695mm×1,730mm×1,895mm
ホイールベース 2,850mm
車両重量 1,670kg
総排気量 1,797cc
サスペンション前/後 マクファーソンストラット/トーションビーム
エンジン最高出力 72kw(98ps)/5,200rpm
エンジン最大トルク 142N・m(14.5kg-m)/3,600rpm
モーター最高出力 70kw(95ps)
モーター最大トルク 185N・m(18.9kg-m)
システム全体 103kw(140ps)
ミッション 電気式無段変速機
WLTCモード燃費 23.0km/l



 

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