トヨタ ヴォクシー&ノア VS 日産セレナ徹底比較評価
CORISM / 2022年8月18日 18時18分
人気Mクラスミニバン、最新モデルと末期モデルを徹底比較評価
SUVブームの中、相変わらず安定した人気を保っているのがMクラスミニバン。広い室内に使い勝手の良さが魅力。こうしたモデルは、ほぼ国内専用車ということもあり、日本人の求めるツボをシッカリと抑えている。
2021年末までは、各車モデル末期状態だったが2022年1月にフルモデルチェンジ。そして、ホンダ ステップワゴンも2022年5月にフルモデルチェンジしている。日産セレナも2022年度中には、フルモデルチェンジを予定しており、Mクラスミニバン人気は、さらに高まっていくだろう。
そこで、フルモデルチェンジしたばかりのヴォクシー&ノアと、モデル末期のセレナを徹底比較評価。セレナにとっては、モデル末期のためやや不利な面も多いが、大幅値引き中なので、予算重視であれば狙い目の1台でもある。
トヨタ ヴォクシー&ノアの特徴
超絶進化した4代目ヴォクシー&ノア
2022年1月、トヨタ ヴォクシー&ノアは7年振りにフルモデルチェンジし4代目となった。今回のフルモデルチェンジでは、ミニバンにしか実現できないうれしさを一層進化させている。テーマは「より快適に」「より便利に」「より安心な」みんなのミニバンだ。
今回のフルモデルチェンジは、かなり力の入ったものとなった。
デザインは、3代目ヴォクシー&ノアのイメージを少し残しつつ、とにかく迫力・インパクトを重視した。ひと目でヴォクシー&ノアと分かる、話題のデザインとなっている。
1.8Lハイブリッドシステムも刷新された。よりパワフルで使いやすく、さらに燃費も向上している。燃費値は、クラストップだ。
また、従来モデルの弱点だった予防安全装備も飛躍的に進化した。たくさんの機能がプラスされ、より多くの事故パターンに対応可能になった。予防安全装備の機能は、国産車トップレベルだ。
その他、新開発の4WDに使い勝手面の向上など、もはやライバル車に付け入る隙を与えないほどの高い完成度を誇っている。
ヴォクシーとノアの違いは?
ヴォクシーとノアは、トヨタのミニバンで兄弟車として位置付けられている。ヴォクシーとノアの違いは、主に外観デザインとなる。プラットフォームなど、基本構造が同一のため、ボディサイズや室内サイズは同じである。
また、ノアはヴォクシーに比べてグレード数が多い。そのため、ノアの方が価格帯の幅も広い。
日産セレナの特徴
e-POWER搭載でモデル末期でも販売は好調
2016年に登場した現行の日産セレナには、運転支援機能であるプロパイロットをいち早く用意した。高速道路などで同一車線内を維持しながら、全車速で前走車に追従する機能だ。
2018年には、ノートe-POWERのシステムを改良しパワーアップした1.2Lシリーズハイブリッドシステムのe-POWERを設定。優れた燃費値を実現した。
e-POWER搭載モデルを含め、2018年度(2018年4月~2019年3月)、5ナンバーミニバン国内販売台数ナンバー1を獲得している。
また、モデル末期ながら2021年度の登録車販売台数ランキングでは、ヴォクシーに次ぐ12位と販売は好調。登録車では、ノートに次ぎに売れているモデルとなっている。
セレナは、非常に大きいバックドアを持つ。そのため、後方に十分なスペースが無いとバックドアが開けられない。だがセレナは、上部のガラス部分だけが開くので、狭い場所でも荷物の出し入れが容易だ。使い勝手にも優れている。
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燃費性能は最新のヴォクシー&ノアが圧倒
1.燃費比較
ヴォクシー&ノアの評価は 4.5
セレナの評価は 3.0
燃費性能は以下の通りだ。(すべてFF、WLTCモード)
ハイブリッド車 | ガソリン車 | |
---|---|---|
ヴォクシー&ノア | 23.0km/L(1.8L) | 15.0km/L(2.0L) |
セレナ | 17.2~18.0km/L(1.2L) | 13.2km/L(2.0L) |
ハイブリッド車、ガソリン車共に、ひと目でヴォクシー&ノアがセレナに圧勝していることが分かる。セレナは、設計が古いので仕方のない部分が大きいが、それにしてもヴォクシー&ノアの燃費性能は凄い。
ハイブリッド車の燃費を比較すると、約20%以上も差がついた。ヴォクシー&ノアの1.8Lハイブリッドシステムはより効率が上がり、さらに軽量・小型化されている。
そのため、セレナの車重が1,760~1,780kgなのに対して、ヴォクシー&ノアは1,640~1,670kgだ。セレナは110~120kgも重い。
ガソリン車の燃費差は、12%程度にとどまっている。車重はヴォクシー&ノアが1,610~1,640kgで、セレナは1,650~1,720kgだ。セレナの方が40~80kg重い。
車重以上に燃費に影響が大きいのが、エンジン効率である。ヴォクシー&ノアには、燃費アップ効果が大きいアイドリングストップ機能が装備されていない。アイドリングストップ機能を付けなくてもセレナに勝てたのは、この優れたエンジンが主要因だ。
出力でも大きな差がついている。ヴォクシー&ノアの2.0Lエンジンの出力は170ps&202Nmで、セレナの2.0Lエンジンは、150ps&200Nmだ。ヴォクシー&ノアの2.0Lエンジンは低燃費でパワフルということになる。
ただし、環境が重視される時代に、アイドリングストップ機能が無いのはマイナス評価だ。
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意外とコスパに優れたヴォクシー&ノア
2.価格比較
ヴォクシー&ノアの評価は 4.0
セレナの評価は 2.5
トヨタ ヴォクシー&ノアの価格は、3,090,000円(2.0LガソリンS-Gグレード、FF)~3,960,000円(1.8LハイブリッドS-Z E-Fourグレード、4WD)だ。
先代モデルより、ざっくり40万円位高価になっている。最上級グレードにオプションをプラスすれば、軽く400万円を超える高級ミニバンになった。
日産セレナの価格は、2,576,200円(2.0LガソリンXグレード、FF)~3,809,300円(1.2L e-POWER ハイウェイスターGグレード、FF)だ。
ガソリン車のエントリーグレードを比較してみよう。セレナのXグレードは、かなり安価でシンプルな仕様だ。対するヴォクシー&ノアのS-Gグレードは、なかなか装備が充実している。
多少の装備差はあるものの、優れた燃費値と力強いエンジン、世界トップレベルの予防安全性能を含めると、ヴォクシー&ノアのコストパフォーマンスは優れている。
意外だったのが、最上級グレード比較だ。セレナe-POWERには、FF(前輪駆動)しかなく価格は3,809,300円(1.2L e-POWER ハイウェイスターGグレード、FF)だ。対するヴォクシー&ノアの最上級グレードは、同じFFだと3,740,000円(1.8LハイブリッドS-Zグレード、FF)である。
なんと、最新ヴォクシー&ノアの方が7万円ほど安価な設定だ。国内トップレベルの予防安全性能や優れた燃費性能などを含め、トータルで考えるとヴォクシー&ノアの方がコストパフォーマンスに優れるといえる。
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セール中のセレナ、大幅値引きに期待
3.購入時の値引き術
ヴォクシー&ノアの評価は 3.5
セレナの評価は 4.5
トヨタ ヴォクシー&ノアは、2022年1月にフルモデルチェンジしたばかりだ。デビュー直後かつ超人気モデルなので、本来なら値引きゼロが基本だ。しかし現状は半導体・部品不足などで、いつ納車できるかわからない。トヨタサイトによると、ヴォクシー&ノアのハイブリッド車の納期は、4月1日現在で6ヶ月以上となっている。納車遅延による顧客対応の一環として、10万円程度の値引きが提示されているようだ。
ただし、何の準備もせずに商談に臨めば、値引きはゼロになる可能性が高くなる。
ポイントは、ライバル車である日産 セレナやホンダ ステップワゴンとの競合だ。
まず、競合車の見積りを先に取ってからヴォクシー&ノアの商談に向かいたい。
あくまでは、本命は競合車だと思わせることが重要だ。商談中、「競合車はかなり値引きしてくれた」という情報を営業マンに入れるのも忘れずに。支払いはなるべく安いほうがよいという姿勢で商談するとよい。
対するセレナは、2016年にデビューしているため、モデル後期に入っている。いつフルモデルチェンジしてもおかしくない状態だ。こうなると、売り手側は大幅値引きしてでも売りたいと考えるだろう。
ヴォクシー&ノアやステップワゴンなどの、競合車の見積りを先に取り商談に向かえば、大幅値引きは容易に引き出させるだろう。すぐに注文書にサインせず、じっくりジリジリとさらなる値引きを目指したい。
「クルマの性能はヴォクシー&ノアの方が優れている。しかも、セレナは近々にフルモデルチェンジすると聞いている。そんな状態でセレナを買うのだから、その分、安くしてもらえないと」という姿勢で商談してみるとよい。
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迫力重視のデザインなら、ヴォクシー&ノア
4.デザイン比較
ヴォクシー&ノアの評価は 4.0
セレナの評価は 3.5
トヨタ ヴォクシー&ノアのデザインテーマは「堂々・躍動的な力強いハコ」スタイルを追求した。ヴォクシーは、ラウンディッシュな薄型アッパー部と分厚くスクエアなロア部を組み合わせ、睨みの効いた迫力あるデザインとなった。
視覚的ボリュームが下部に集まっているため、どっしりとした安定感のあるフェイスになっている。もはや、フェイスの3分の2くらいがグリル化しているのが特徴だ。
ノアのラウンディッシュな薄型アッパー部は、ヴォクシーと共通している。3代目ノアのイメージをやや継承し、水平基調の極太バー形状のグリルが採用されている。とくに押し出し感をアピールしているのが、エアロモデルのS-Zグレードだ。3代目ノアよりやや前方に張り出すようなデザインにすることで、押出し感を強調している。ダークメッキ調のグリルも、かなり迫力がある。
リヤビューは、ほぼヴォクシー&ノア共通のデザインだ。やや太めのL字型のコンビネーションランプは、サイド部分まで回り込みワイド感と力強さを演出した。夜間でもひと目でヴォクシー&ノアと分かるユニークなデザインだ。
対する日産セレナは、2019年のマイナーチェンジでより迫力重視系へ変化した。
フロントフェイスは、「ダブルVモーショングリル」で迫力をアップした。人気のハイウェイスター系は、細かいクローム長のブロックを水平に並べ、高級感と押し出し感あるフロントマスクに仕上げている。アーバンクロムというグレードはブラッククローム塗装を施し、スポーティさもプラスされている。
リヤビューは、ハイウェイスターには縦長のリヤコンビランプを装備した。標準グレードと差別化しつつ、安定感のあるシルエットになった。標準グレードも縦だが、視覚的ボリュームが上部に集中しているため、やや腰高感がある。
両車共に迫力を重視したデザインになっているのは、迫力系デザインが売れる条件になっているからだ。ただ、セレナはデビュー時、スポーティさを意識したデザインだったので、ボンネットが前方に向けてやや傾斜している。そのため、ヴォクシー&ノアと比べるとやや顔が小さく見える。迫力重視ならヴォクシー&ノア。スポーティな方が好みならセレナという選択になる。
<レポート:大岡智彦>
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広さをアピールするセレナ。使い勝手に優れるヴォクシー&ノア
5.室内空間と使い勝手
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トヨタ ヴォクシー&ノア新車情報・試乗評価一覧
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