アウディQ4スポーツバック e-tron試乗記・評価 スタイリッシュなBEV
CORISM / 2023年6月9日 7時7分
躍動感あふれるBEVがQ4 e-tronスポーツバック
アウディは早くからBEV(バッテリーEV)に強い関心を示し、電動化路線へと舵を切っている。BEVブランドは「e-tron」と名付けられ、Q4 e-tronはシリーズ第3弾だ。ボディは2つのタイプを用意した。
Q4 e-tronは、都会の景色にも似合うクロスオーバーSUV風味のエレガントなルックスで、アウディのQファミリーに共通する八角形のオクタゴンデザインにシングルフレームを組み合わせている。
もう1台のQ4スポーツバックe-tronは、フロントマスクこそ似ているが、SUVの力強さにクーペ風のリアまわりを融合させた。躍動感あふれるスタイリッシュなSUVと言えるだろう。
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6394.jpg)
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6402.jpg)
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骨格やパワーユニットは、フォルクスワーゲンID.4と共通
アウディQ4 e-tronシリーズは、フォルクスワーゲンID.4と同じBEV専用のプラットフォームを採用し、パワートレインも共通だ。
ただし、内外装は大きく違う。ちなみにQ4スポーツバックQ4 e-tronは、ID.4より全長が5㎜長く、ホイールベースは5㎜短い。全高も10㎜低くなっている。空気抵抗係数は、量産車としてはトップレベルのCd=0.26を達成した。
日本仕様は2グレード構成で、ベースグレードの「アドバンスト」と20インチアルミホイールやスポーツシートなどを装備した上級の「Sライン」を設定する。
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6373.jpg)
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6266.jpg)
アウディなのに後輪駆動!? スポーティな味付けでBEVの魅力を凝縮
アウディQ4 スポーツバックe-tronの駆動方式はリア駆動で、リアに搭載するモーターはID.4のProに準じたスペックだ。最高出力は204ps(150kW)/4621〜8000rpm、最大トルクは310N・m(30.6kg-m)/0〜4392rpmで、バッテリー容量は82kWhと発表されている。
バッテリーはID.4より多いように思えるが、表示方法が違うだけで実際の容量は77kWhだ。1充電の走行距離は594kmと、ID.4より少しだけ短い。
同じパワートレインだし、車両重量も2100kgに達する。だから動力性能が気になったが、ソフトウェアの味付けはID.4よりスポーティだ。
0〜100km/h加速は8.5秒と平凡だが、発進直後の応答レスポンスと瞬発力が鋭いなど、BEVらしさは一歩上を行っている。シームレスで滑らかな加速フィールに加え、郊外の道でも速い流れをたやすくリードすることができた。BEVの力強さと魅力が分かりやすいのがいい。
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6328.jpg)
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6353.jpg)
硬質な乗り心地だが、低速でも走る楽しさを感じる
また、アウディQ4 スポーツバックe-tron回生ブレーキは、自動をチョイスするとパドルシフトを使って3段階に減速度を調整することが可能だ。アクセルを抜いたときの回生ブレーキの利きは素早いと感じられた。
アウディとしては珍しくBモードを装備しているのも嬉しい。もう少しブレーキのフィーリングがよくなれば、さらに印象はよくなる。
アウディQ4 スポーツバックe-tronのサスペンションは、ストラットとマルチリンクの組み合わせだ。後輪駆動らしい押し出される感覚が強く、それほどスピードを出さなくても操る楽しさが伝わってくる。
コーナーへの進入では背の高さを意識させない一体感のある走りを披露した。ロールを上手に抑え込み、ハンドリングは軽やかだ。スッキリとした操舵フィールで、身のこなしは軽やかだし、取り回し性も優れている。
19インチタイヤの「アドバンスト」は、ロールしたときの揺れの収まりが今一歩だ。スポーティさを強調した「Sライン」は20インチタイヤだったこともあり、平均速度の低い街中の走りだと硬質な乗り心地と感じた。スピードを上げていくとしなやかさが増してくるのは、ドイツ車らしいところだ。
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6298.jpg)
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6284.jpg)
![アウディQ4スポーツバック e-tron](https://www.corism.com/review/wp-content/uploads/sites/3/2023/06/D55A6257.jpg)
実用性も高いレベルにあるQ4 e-tronスポーツバック
キャビンは思いのほか広く、ファミリーカーとしても使える高い実力を秘めている。フロントシートはサポート性に優れ、体をしっかり支えてくれた。運転はしやすいし、スイッチなどの操作系も気をてらったところがないから違和感なく使いこなせる。
アウディQ4 スポーツバックe-tronは、ルーフラインが下がっている外観から想像するより後席も広い。頭上の空間はミニマムだが、座り心地がよく、疲れにくいのも美点だ。ラゲッジルームも535Lと、兄弟車のQ4 e-tronを凌ぐ容量を確保しているなど、実用性も高いレベルにある。
アウディQ4 スポーツバックe-tronの静粛性は、ガソリン車を相手にしない。低速では意識的に音を出す車両接近通報の音色が耳障りだ。が、スピードを上げて30km/h以上になるとBEVの優位性を強く感じた。
風切り音は低いが、フロアからタイヤのパターンノイズが入ってくる。もう少しノイズを抑え込みたい。高級車ブランドのアウディだから車両価格はちょっと高めの設定だ。円安の煽りを受け、最新モデルは若干の値上げを断行した。
だが、アウディQ4 スポーツバックe-tronは気負いなく、そして違和感なく付き合えるBEVであることは多くの人が認めるところだろう。充電ネットワークも充実している。
<レポート:片岡英明>
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アウディQ4スポーツバック e-tron価格
Q4 Sportback 40 e-tron advanced ¥7,300,000 ¥7,090,000
Q4 Sportback 40 e-tron S line ¥7,580,000 ¥7,370,000
アウディQ4スポーツバック e-tron電費、ボディサイズなどスペック
代表グレード Q4 Sportback 40 e-tron S line
ボディサイズ 全長×全幅×全高[mm]: 4,590x1,865x1,600
ホイールベース[mm]: 2,765
最低地上高[mm]: 135
最小回転半径[m]: 5.4
車両重量[kg]: 2,100
トランク容量[L]: 535
リヤモーター最高出力[kw(ps)]:150
リヤモーター最大トルク[N・m(kg-m)]:310
駆動方式:RWD
一充電走行距離WLTCモード[km]: 594
電費[㎞/Wh]: 145 (約7.2㎞/kWh)
バッテリー 種類:リチウムイオン
総容量[kWh]: 82.0
サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
タイヤサイズ前後:前235/50 R20 後255/45 R20
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