ホンダ ステップワゴンスパーダ VS 日産セレナ 徹底比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び
CORISM / 2024年1月5日 18時39分
購入後、失敗・後悔したと思わないためのライバル車徹底比較・評価
Mクラスミニバン、2022年に全車がフルモデルチェンジ!
国内マーケットは、空前のSUVブーム。他のカテゴリーは、厳しい状態が続いている中、Mクラスミニバンの販売は堅調に推移している。
このミニバンカテゴリーは、ほぼ国内専用車ということもあり「日本人の痒い所に手が届く」的な使い勝手の良さが魅力のひとつで根強い人気を支えている。
そんな中、2022年にすべてのMクラスミニバンがフルモデルチェンジした。
- 1月…トヨタ ヴォクシー&ノア
- 5月…ホンダ ステップワゴン
- 11月…日産 セレナ
同時期のフルモデルチェンジということもあり、各車の性能差はグッと縮まった。そこで、新型ホンダ ステップワゴンと日産セレナを徹底比較評価。購入後に後悔・失敗したと思わないための参考にしてほしい。
ホンダ ステップワゴンスパーダの特徴
ホンダ車史上最大の室内空間
ホンダ ステップワゴンスパーダは、2022年5月にフルモデルチェンジし、6代目となった。先代モデルは、基準車とスポーティな内外装をもつスパーダが設定されていた。6代目からはベーシックな基準車を「エアー」と呼んでいる。
だが、相変わらず高い人気を得ているのはスパーダだ。初期受注では、約85%の顧客がスパーダを選択している。日本マーケットでは、スポーティで押し出し感のあるデザインが好まれるからだ。
6代目新型ステップワゴンは、ボディサイズを変更。従来のMクラスミニバンは、全幅1,695mmとなっていたことから、5ナンバーサイズミニバンとも呼ばれていた。しかし、6代目新型ステップワゴンから全幅を1,750mmに拡大。室内空間は国内ホンダ車史上最大となった。
装備面では、先代に設定されていたホンダ独自のわくわくゲート(リヤゲートを横開きできる機能)が廃止されている。
6代目ステップワゴンのパワーユニットには、1.5Lターボと2.0Lハイブリッドであるe:HEVの2タイプが用意されている。
日産セレナの特徴
第2世代のe-POWERを搭載
C28型である6代目新型日産セレナは、2022年11月に登場した。
最大の進化ポイントは、シリーズハイブリッドシステムの「e-POWER」だ。C28型セレナから、第2世代となり、発電用のエンジンは1.4Lに拡大した。さらに、電動パワーユニットも刷新され大幅にパワーアップするなど進化している。
一方、ガソリン車はやや物足りない仕様だ。マイルドハイブリッドシステムは廃止され、2.0Lの純ガソリン車となっている。
運転支援機能で注目したいのは、最上級グレード「ルキシオン」に標準装備された「プロパイロット2.0」だ。このプロパイロット2.0は、自動運転時代の到来を感じさせる運転支援機能。高速道路上で一定の条件を満たすと、ドライバーの監視下であればハンズオフが可能になる、先進技術の塊とも言える機能だ。ほぼ自動で行われる車線変更やカーブなどでのステアリング操作は、もはやベテランドライバー以上ともいえるレベルで安心感もある。
ボディサイズは、基本的に全幅1,695mmの5ナンバーサイズを維持している。一部グレードは、外装パーツの関係で1,715mmとなっている。
燃費性能は両車、得意なシーンが異なる
1.燃費比較
ステップワゴンスパーダの評価は 4.0
セレナの評価は 3.5
ステップワゴンスパーダと、セレナの燃費・車重は以下の通りだ。
ステップワゴンスパーダ(FF、WLTCモード)
燃費 | 車重 | |
2.0L e:HEV | 19.6km/L | 1,830~1,840kg |
1.5L ターボガソリン | 13.2~13.7km/L | 1,730~1,740kg |
セレナ(FF、WLTCモード)
燃費 | 車重 | |
1.4L e-POWER | 18.4~20.6km/L | 1,790~1,850kg |
2.0L ガソリン | 13.0~13.4km/L | 1,670~1,690kg |
ホンダ ステップワゴンスパーダe:HEVと日産セレナe-POWERの燃費は、ほぼ互角だ。セレナ ハイブリッドの18.4km/L(FF、WLTCモード以下同)というやや離された燃費値は、最上級グレードのルキシオンが該当する。プロパイロット2.0など、充実した標準装備とした結果、車重が重くなっていることが燃費悪化の要因だ。
ハイブリッド車の燃費比較で面白いのが、走行シーンによる燃費差だ。ステップワゴンスパーダの高速道路燃費は19.2km/L、セレナは17.0~18.3km/Lとやや差が付いている。同じシリーズハイブリッドシステムだが、ステップワゴンスパーダは、高速域でエンジン直結モードを使い燃費を向上させている。セレナには、こうしたエンジン直結モードが搭載されていないため、燃費値に差が生じている。
市街地モードでは、ステップワゴンスパーダの燃費は19.3km/L、セレナは19.7~20.4km/Lだ。僅かだがセレナが上回っている。両車の燃費値は、得意な領域が異なるのだ。
ステップワゴンスパーダは2.0Lエンジンなのに対して、セレナは1.4Lエンジンと排気量が小さい。ステップワゴンスパーダは大容量なのにセレナ並みの燃費を実現しているということだ。さらに、出力はステップワゴンスパーダが上回っている。燃費効率は、ステップワゴンスパーダe:HEVが勝る。
ガソリン車の燃費も、ややステップワゴンスパーダが上回る。出力は同等だ。ステップワゴンスパーダは1.5Lダウンサイジングエンジンなので、セレナより最大トルク発生回転が2,800回転も低い1,600回転であることが大きなメリットになっている。
低いエンジン回転数で最大トルクを発生させて速度を上げていけるので、燃費が向上するのだ。
激戦区らしい価格設定で両車とも好印象
2.価格比較
ステップワゴンスパーダの評価は 3.5
セレナの評価は 3.5
ステップワゴンスパーダとセレナの売れ筋グレードの価格は以下の通りだ。
ガソリン | ハイブリッド | |
ステップワゴン スパーダ | 3,312,100円(FF) | 3,696,000円(e:HEV/FF) |
セレナ ハイウェイスターV | 3,269,200円 | 3,686,100円(e-POWER) |
両車、同じような価格設定だ。激戦クラスらしく、価格競争も激しさを増している。また、両車共にハイブリッド車はガソリン車よりも約40万円高価だ。
売れ筋グレードの装備差も同等レベルだ。ステップワゴンスパーダはシートヒーターが標準装備だが、セレナはオプションになっている。また、後退時車両接近警報はセレナでは標準装備だが、ステップワゴンスパーダでは設定無しなど、多少の装備差がある程度だ。
高く評価したいのは、セレナe-POWERの価格だ。e-POWERシステムが刷新されており、装備向上が図られているのに、車両価格はそれほどアップしていない。先代モデルが高価だったとはいえ、高く評価できる。
対するステップワゴンスパーダのe:HEVシステムは、その他の装備・機能向上しているにも関わらず、価格アップは抑えられていて好印象だ。
セレナのガソリン車は、マイルドハイブリッドシステムが廃止されている。だが、販売価格は上がった。セレナのガソリン車は、少々割高に感じる。
値引きをしたいならヴォクシーとの競合は必須
3.購入時の値引き術
ステップワゴンスパーダの評価 2.5
セレナの評価は 2.5
ホンダ ステップワゴンは2022年5月に、日産セレナは2022年11月に発表された。セレナe-POWERは2023年春発売予定で、2023年3月現在はガソリン車のみでの販売となっている。
2022年にすべてのMクラスミニバンがフルモデルチェンジした関係で、早々に値引き合戦になりそうな予感があった。だがステップワゴンスパーダとセレナは、両車共に未だ値引きは厳しい状態にあるようだ。
両車の値引きは、基本的にゼロからのスタートだ。何もしなければ、数万円の値引き程度で終わってしまう。10万円以上の値引きを獲得したいのであれば、ライバル車の見積としっかり競合させることが大切だ。
競合として絶対に選びたい車種が、トヨタ ヴォクシーだ。セレナもステップワゴンスパーダも、かなりヴォクシーを意識している。まずは、ヴォクシーの見積を先に取り、商談するとよい。あくまで本命はヴォクシーであると思わせて商談したい。相手がヴォクシーであれば、値引きのガードもグッと下がってくるはずだ。
納期が長いので、下取車の処理は慎重に!
また、下取車の売却にも注意したい。納期が長期化している影響で、ディーラーの下取もリスクを避け、少し安めに設定してくるケースも増えている。ディーラー側も苦しい状況なので、納期が半年以上先となると、未来の正確な下取り価格は出しにくい。
そのため、必ず買取店に行き、先に下取車の査定しておくことが重要だ。その査定価格をベースに、下取り価格が安いのか高いのかを判断するとよい。
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独自性が強いステップワゴンスパーダ。迫力系で攻めるセレナ
4.デザイン比較
ステップワゴンスパーダの評価 4.0
セレナの評価は 3.5
ホンダらしいオリジナリティを追求
ホンダは、独自性を重要視しているメーカーだ。しかし、それが逆に足かせとなることもある。
先代ホンダ ステップワゴンは、トヨタ系の大きく迫力ある顔とは異なり、独自性の高いデザインだった。しかし、顧客ニーズとは異なっていたため、販売面で苦戦した。マイナーチェンジでは、迫力系の顔に変更している。
それだけに、6代目ステップワゴンは、最初から迫力系デザインで攻めてくると思われた。
しかし、ホンダは独自性にこだわり続けた。6代目ステップワゴンでは、原点回帰ともいえるデザインコンセプト「Life Expander Box」を掲げ、四角いシルエットでミニバンらしさを追求している。
全幅を拡大して1,750mmとしたことも、デザイン面に大きな影響を与えている。従来の全幅は5ナンバーサイズである1,695mmと、細長くやや頼りないシルエットだった。6代目は全幅をワイドにしたことで、クラストップレベルのドッシリとした安定感あるフォルムになった。
外観デザインは、従来通り2パターン用意された。ベーシックな基準車となっていたグレードが「エアー」。そして、エアーをベースにしながら、より精悍でスポーティなルックスとしたのが、人気グレードの「スパーダ」となっている。
どちらも、全体的なシルエットは同じだ。だが日本では迫力&スポーティな仕様が好まれる。初期受注では、約85%もの顧客がスパーダを選択していた。
先進性と迫力を融合したデザイン
C28型6代目日産セレナのデザインは、ミニバンのデザイントレンドである迫力系だ。とにかく大きな顔と押出感あるVモーショングリルが組み合わされている。
フェイスサイド上部には小型のLEDランプを配置し、睨みの効いた顔に仕上げている。まさに、ミニバンのデザイントレンドど真ん中といえる。
センター部分はブラックアウトし、サイド部分にはメッキ調のバーを組み合わせることで、先進性とワイド感溢れるデザインとなった。
また、フロントフェイスサイドから跳ね上がるようにボディサイドへとつながるキャラクターラインは、サイドビューのスポーティさに一役買っている。
ステップワゴンスパーダのデザインは、丸みがあり柔らかさを感じる。対するセレナはエッジの効いた線で見せるデザインだ。両車はまるで逆の手法でデザインされていて、方向性は異なる。だが共に完成度の高いデザインといえる。
同等レベルの室内と使い勝手
5.室内空間と使い勝手
ステップワゴンスパーダの評価 4.0
セレナの評価は 4.0
ホンダ ステップワゴン スパーダe:HEV(FF)と、日産 セレナ ハイウェイスターV e-POWER(FF)のボディサイズは以下の通りだ。
全長×全幅×全高 | ホイールベース | |
ステップワゴンスパーダ | 4,830mm×1,750mm×1,840mm | 2,890mm |
セレナ | 4,690mm×1,695mm×1,870mm | 2,870mm |
ホンダ ステップワゴンは、先代のプラットフォームを改良して使用しているため、本来ならそれほど室内スペースは広くならない。
ところが新型ステップワゴンは、横幅を拡大しているため、室内スペースは先代より広くなった。その広さは、ホンダ車史上最大だという。
対する日産セレナは、全長とホイールベースがステップワゴンスパーダよりもやや短い。全幅も狭いため、ステップワゴンの方がやや広いような印象を受ける。だが、大きな差というレベルではない。
シートアレンジも、ほぼ互角だ。両車共に、2列目シートに横スライドが可能な機能が装備されている(グレードにより若干異なる)。
ユニークなのは、セレナの「スマートマルチセンターシート」だ。2列目にセットすれば3人乗りになる。スライドさせて1列目へ移動させればアームレストにもなる。同時に2列目はキャプテンシートになり、2列目から3列目シートへのウォークスルーも可能だ。
先代セレナはe-POWER用バッテリー搭載場所の関係で7人乗りの設定しかなかったが、新型セレナでは8人乗りも設定され「スマートマルチセンターシート」が使えるようになった。
バックドアの使い勝手も違いがある。先代ステップワゴンにあった縦分割できるわくわくゲートは、新型ステップワゴンでは廃止された。使い勝手がよかったものの、分割線が気になり嫌がる人が多かったことが一因だ。
対するセレナのバックドアは、ウインドウ部分のみが開く機能をもつ。小さな荷物を積むときなどは、大きなバックドアを開く必要がないので使いやすい。
3列目シートの収納方法も異なる。ステップワゴンが床下収納方式なのに対し、セレナは左右跳ね上げ方式となる。これも一長一短なのだが、大きな荷物を積む場合は左右にシートが出っ張っていないステップワゴンの方が便利だ。
逆に小物や細く背の高い荷物を縦に積む場合、床下スペースがあるセレナに軍配が上がる。
もう一歩進化を期待したい自動ブレーキの機能
6.安全装備の比較
ステップワゴンスパーダの評価 3.5
セレナの評価は 4.0
ホンダ ステップワゴンに用意されている予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」は、13もの機能を有する。重要な自動ブレーキは、歩行者の他に自転車も検知可能だ。以下の機能も標準装備されているので、どのグレードを買っても安心・便利だ。
- 誤発進抑制機能
- 車線維持機能
- 運転支援機能(渋滞時にも対応)
- 全車速前走車追従式クルーズコントロール
だが、後側方車両接近警報は一部グレードにて装着不可で、後退時車両接近警報は用意されていない。日常的に使う機能で、かつ車体が大きく死角の多いミニバンにとって、とても頼りになる機能だ。積極的に標準装備して欲しいところである。
対する日産セレナの予防安全装備は「360°セーフティアシスト」という。自動ブレーキは、昼夜の歩行者や昼間の自転車を検知できる。さらに、後側方車両接近警報や後退時車両接近警報も標準装備化されているので、ステップワゴンより、やや安心感がある。
ただ、トヨタ ヴォクシー&ノアと比較すると、自動ブレーキの検知が交差点内で右左折時の歩行者や自転車、右折時の対向車などには対応していない。そろそろセレナやステップワゴンも進化して欲しいところだ。
また、両車共に車体を俯瞰で見た映像に変換し、死角を無くす機能が、ほとんどのグレードでオプション扱いだ。この機能は、死角が多いミニバンにとって安全面で大きなメリットを得ることができる。積極的に選びたい装備だ。
予防安全装備とは異なるが、セレナの最上級グレードであるルキシオンには最先端の運転支援機能プロパイロット2.0が標準装備されている。自動運転時代の到来を感じさせる装備だ。
ナビで目的地を設定後、高速道路などで条件を満たすとハンズオフできる。カーブでの走行や車線変更時にも、平均レベルのドライバーより運転が上手い。車線変更も半自動的で、非常に疲労軽減に寄与する機能だ。高価だが、高速道路を頻繁に使う人にはお勧めしたい装備だ。
パワフルで快適な走りのステップワゴン
7.走行性能の比較
ステップワゴンスパーダの評価は 4.0
セレナの評価は 3.5
ステップワゴンスパーダの最高出力、最大トルクは以下の通りだ。
最高出力 | 最大トルク | |
2.0L e:HEV | 184ps | 315Nm |
1.5Lターボガソリン | 150ps | 203Nm |
日産セレナの最高出力、最大トルクは以下の通りだ。
最高出力 | 最大トルク | |
1.4L e:POWER | 163ps | 315Nm |
2.0Lガソリン | 150ps | 200Nm |
新型ホンダ ステップワゴンのハイブリッドシステムである2.0L e:HEVは、先代モデルからのキャリーオーバーだ。だが、2.0Lエンジンは進化している。高圧縮比化や吸気損失の低減など、徹底したフリクション低減によって熱効率を向上した。
また、走行の制御も変更されている。車速とエンジン回転数を連動させたことで、エンジンの回転と車速の伸びに、より一体感が出た。モータードライブ車だが、エンジン車のような加速音だ。
ステップワゴンスパーダのe:HEVとセレナのe-POWERの走行性能を比べると、ややステップワゴンスパーダe:POWERが上回る。ただ、最大トルクは同じなので、街中レベルではほぼ同等だ。モーター制御の違いにより、セレナはグッとトルクを立ち上げ力強さを感じさせるタイプ。ステップワゴンスパーダは、ややゆっくりトルクを立ち上げて加速していくタイプで、味付けが若干異なっている。
ガソリン車は、ステップワゴンスパーダの1.5Lターボエンジンの方が力強さを感じる。ステップワゴンスパーダの1.5Lターボエンジンは、わずか1,600回転で最大トルクを発揮する。それほどアクセルと強く踏まなくても、スルスルと加速することが可能だ。
セレナの2.0Lエンジンは、最大トルクの発生回転数が4,400回転と高い。少しアクセルをグッと踏み込み、エンジンの回転を高めないとキビキビ走れないタイプだ。ガソリン車の走りやすさでは、ステップワゴンスパーダがやや上回っている。
静粛性は、両車共レベルが高い
ステップワゴンスパーダは、積極的にエンジン音を聞かせようというタイプである。エンジン始動時が分かりやすい例だ。セレナは、エンジンの存在感をかなり消そうとしている。停止中は、エンジンがほとんど始動しない。走行中もエンジンの始動が分からないくらいのレベルになっていて、全域で静粛性が高い。
乗り心地とハンドリングは、ステップワゴンスパーダはなかなか高レベルだ。全幅を広げた結果、トレッドが広がりカーブでの安定性は一段とよくなっている。乗り心地は、e:HEVはしなやかでゆったりしている。ガソリン車は、少しサスペンションが引き締められていてキビキビ走れる仕様だ。
セレナは、高剛性サスペンションやステアリング剛性を高めたことで、快適な乗り心地と高い操縦安定性を得ている。だが全高が広く、よりワイドトレッドであるステップワゴンのような安定感には届いていない。少し腰高感がある。乗り心地も先代セレナと比べるとよいが、ステップワゴンスパーダほどのしなやかさには届いていない。
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セレナのルキシオンのリセールが読めない
8.リセールバリュー比較
ステップワゴンスパーダの評価は 4.0
セレナの評価は 4.0
ホンダ ステップワゴンスパーダと日産セレナは、人気のMクラスミニバンらしく高リセールバリューが期待できる。
先代ステップワゴンスパーダも、新車販売は低迷したものの、リセールバリューは高値を維持していた。注意したいのが、新たに投入されたエアーだ。先代ステップワゴンも、基準車はスパーダより安価なリセールバリューになっていたので、エアーもスパーダよりも安価なリセールバリューになる可能性がある。
日産セレナも同様だ。ハイウェイスターに人気が集中しているので、基準車のリセールバリューは、少し安価になる傾向があった。新型セレナも同様になる可能性が高い。
また、不安定要素があるのが、新設定された最上級グレードのルキシオンだ。売れ筋のハイウェイスターVより、約110万円も高価なのだ。あまりに高価なため新車で売れないとなると、リセールバリューが下がる可能性もある。ただ、新車で売れなくても、希少性でリセールバリューが高めになるケースもあるので、リセールバリューが読めないグレードといえる。
ステップワゴンスパーダで高リセールバリューが期待できるオプションは、マルチビューモニター(車体を俯瞰から見た映像にして死角を減らす機能)と純正ナビくらいだ。あまりオプション設定がなく、グレードで装備を分けている。より高いリセールバリューを求めるのなら、ボディカラーは、ブルー系とグレー系を外した方がよさそうだ。
セレナでも同様に、高リセールバリューを狙うなら、死角を減らすアラウンドビューモニターや純正ナビ、12.3インチカラーディスプレイなどを装備したい。ボディカラーは、ブルーとレッド系は外した方がよいだろう。
<レポート:大岡智彦>
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