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スズキ フロンクス試乗記・評価 欧州プレミアムコンパクトに近い上質感

CORISM / 2024年8月14日 12時12分

スズキ フロンクス フロントスタイル

インド生産のコンパクトSUV、新型フロンクス、2024年秋頃デビュー!


 

スズキは、新型コンパクトSUVである「フロンクス」を2014年秋頃に発売を開始する。

新型スズキ フロンクスは、すでに発売済みであるバレーノのプラットフォーム(車台)をベースとしSUV化したモデル。2023年にインドで発売が開始された。その後、中南米や中近東、アフリカなどでも発売が始まっている。

そんな新型フロンクスの国内販売が決定した。新型フロンクスは、インドで生産され日本に輸入される。新型フロンクスの発売日は、2014年秋頃。発売日を予想すると、9月から10月頃ではないだろうか。

スズキ フロンクス リヤスタイル

 



 

同じインド生産のWR-Vとの関係は? WR-Vと比較検討することが後悔回避の最善策?


 

インド生産のSUVを国内に輸入と聞くと、真っ先に思い出すのがホンダWR-V。ホンダWR-Vもインドで生産され日本に輸入されるコンパクトSUVで、2024年3月に販売が開始された。同じインド生産のコンパクトSUVなので、ライバル関係にあるように感じるが、若干、ボディサイズが異なっている。

新型スズキ フロンクスのボディサイズは、全長3,995×全幅1,765×全高1,550mm。対するWR-Vのボディサイズは、全長4,325×全幅1,790×全高1,650mmとなっている。この数値から、WR-Vの方が1クラス上のボディサイズであることが分かる。搭載エンジンは、同じ1.5Lだが、新型フロンクスはマイルドハイブリッドとなっている。

ただし、後述するが、とにかくシンプル装備に徹し価格を抑えたWR-Vに対して、新型フロンクスは、日本人のニーズに合わせた豪華装備仕様。そのため、ボディサイズは異なるが、価格面ではライバルになる可能性が高い。そのため、WR-Vの購入を考えているのであれば、新型フロンクスとじっくりと比較・評価してから購入することをお勧めする。後々、後悔しないために重要だ。

単純にボディサイズでの比較となると、トヨタ ライズやダイハツ ロッキーがライバル車になる。こうれらの車種より、新型フロンクスは若干高になると予想した。

 

スズキ フロンクス インパネ

スズキ フロンクス メーター

スズキ フロンクス ディスプレイ

 


スズキ車らしくない濃いデザイン!?


 

さて、そんな新型スズキ フロンクスのデザインだが、スズキ車とは思えないほどパワフルなスタイルとなった。スズキのデザインは、総じてシンプルでクリーンなイメージ強いが、新型フロンクスは全く違う。とにかく、コッテリとした濃いデザインだ。

新型フロンクスのフロントフェイスは、堀の深いデザインで立体感をアピール。切れ長LEDヘッドライトで精悍も表現した。売れるSUVのデザイントレンドを上手くアレンジしている。

そして、ユニークなのが大きく張り出しだダブルフェンダー。SUVらしいタフネスさを表現するだけでなく、スポーティさも兼ね備えている。サイドビューは、流行りのクーペルックを採用。2トーンルーフだと、よりスタイリッシュに見える。

スズキ フロンクス ホイール

 

欧州プレミアムコンパクトに近い質感をもつ、こだわりの灯火類やインテリア


 

また、驚いたのは、ヘッドライトやリヤのコンビネーションランプ。LEDが標準化しつつあるなか、スイフトなどでは、電球がチラ見えしていて物足りなさを感じたが、新型フロンクスはとてもスタイリッシュだ。LEDをベースとし、立体的に光るランプに仕上げた。

その美しさは、欧州のプレミアムコンパクトモデルに近いレベル。スズキもやればできる、と感じた部分。エンジニアに聞くと、スズキ車のなかでもかなりコストをかけて設計した部分で、アピールポイントのひとつだという。

スズキ フロンクス フロントアップ

スズキ フロンクス リヤアップ

 


新型フロンクスは、電動パーキングブレーキを標準装備


 

インテリアは、外観デザイン同様、力強くスポーティな雰囲気にまとめられていた。センターコンソールは、太く力強いデザイン。上部には、高輝度シルバー塗装をしたアルミをイメージさせるフレームが左右に広がりスポーティさをアップさせている。

また、シート生地は、レザーとファブリックのコンビとなっていて、コンパクトSUVとは思えない高い質感に仕上がっていた。質感の高さは、かなり高評価ポイント。質素さこそがスズキらしさという視点で見ると、より意味でスズキ車らしくない仕上がりだった。

装備も充実している。同じインド生産のWR-Vは、価格にこだわったシンプル仕様ということもあり、パーキングブレーキは、まさかの手引き。懐かしさを感じさせてくれたが、物足りなさもあった。

しかし、新型フロンクスは電動パーキングブレーキを採用。WR-Vにはないシートヒーターも用意された。インド仕様には装備されていないので、日本仕様のために用意された装備ということになる。

スズキ フロンクス シフトノブ

 

 

マイルドハイブリッドシステム搭載でカーボンニュートラルに対応


 

新型フロンクスに搭載されたエンジンは、K15C型1.5L直4+マイルドハイブリッドの組み合わせ。ミッションは、6速ATだ。この1.5Lエンジンの最高出力は74kWで最大トルクは135Nm。これに2.3kW&60Nmの小さなモーターが加わる。

その一方、ホンダは2030年までに、 世界で販売する四輪車の3分の2を電動化するとしているが、WR-Vは、1.5Lの純ガソリンエンジンのみのという残念な設定。同じインド生産車ながら、日本でのカーボンニュートラルへの取り組みもスズキとホンダでは異なることが分かる。

同じインド生産のコンパクトSUVを日本へ導入するにあたり、スズキとホンダでは、インテリアの質感や装備、カーボンニュートラルへの対応などが全く違う。

WR-Vは、価格重視でインド仕様に近いシンプルな設定にして日本へ導入。カーボンニュートラル時代だが、電動化は見送った。

スズキは、日本マーケットのニーズに合わせ、装備を充実。カーボンニュートラル時代に合わせ、若干燃費がアップするマイルドハイブリッドを選択した。

どちらが正しいというわけではないが、スズキのホンダの考え方がまったく違うというのは面白い。新型フロンクスの発売後、販売台数がどう推移するかにも注目したい。

スズキ フロンクス フロントシート

スズキ フロンクス リヤシート

 



 

過不足ないパワーの直4 1.5Lエンジン


 

さて、新型フロンクスプロトタイプに試乗。試乗コースは、クローズドで激しいアップダウンが続くコース。まぁ、予想はしていたけど、1.5Lで最高出力74kWでは、急な登り坂だとちょっと厳しい。もう少しパワーがあったらなぁ、とは思うものの、1.5Lエンジンの平均的レベル。とくに過不足は無い。

新型フロンクスは、マイルドハイブリッドシステムを搭載していることもあり、わずかだがモーターアシストが加わると、アクセル操作に対するレスポンスがよく気持ちよく走れた。

スズキ フロンクス エンジン

 

サスペンションも日本向けに再チューニング


 

そして、新型フロンクスのフットワークも内外装と同様に上質感あるものだった。低速域ではやや硬めの乗り心地となる。ちょっとタイヤのゴツゴツ感があったが、速度が上がると徐々にしなやかさを増していくタイプ。こうしたフットワークも日本の路面に合わせたセッティングに変更されている。

後席の乗り心地も角の立った突き上げ感はほとんどなく、このクラスのコンパクトカーの中では快適。全長約4mというコンパクトなボディながら、足元のスペースも十分だった。

こうした乗り心地だけではなく上質感をアップさせているのが静粛性。ボディ骨格断面各所に遮音壁を設定するなど、徹底的な吸・遮音対策が施された。とくに、高周波の音を低減し静粛性を上げている。

ただ、通常走行時の静粛性は高いが、エンジンを高回転域まで回した時、エンジンの音は少々賑やかに聞こえてきた。とはいえ、このクラスでは高い静粛性といえる。

そして、フットワークは軽快だ。都市部に多い立体駐車場の高さ制限1,550mm以下をクリアする、やや低めの1,550mmという車高のため、重心高は低め。さらに、少し硬めのサスペンションセッティングもあり、カーブでは車体が大きく傾くこともない。安定した姿勢でカーブを駆け抜ける。

スズキ フロンクス ラゲッジスペース

 



 

日本用に4WDを設定。しかも、FFより出来がよい!


 

驚いたのが4WDの走り。ビスカス式4WDも日本用に設定した装備のひとつ。WR-Vには設定がない。この4WDモデルは、よく曲がり気持ちがいい。それほどクイックなハンドリングではないものの、タイトなカーブでもクルリクルリと軽快にノーズが入っていく。軽快感ではFF(前輪駆動)かと思っていたが、4WDモデルの方が曲がりやすい。

一般的に、4WDモデルは後輪側の重量が重くなるため、前後の重量配分がよくなり曲がりやすくなる傾向にあるものの、新型フロンクスの4WD車はよりよく曲がる印象が強い。

また、スズキはマジメだ。4WDモデルは、リヤの駆動系からの音や振動が多くなり、FF(前輪駆動)車より静粛性や振動面で不利になる。多くの車種が、その差は微小として、コンパクト系はコスト高になることもあり、とくに対策はしないケースが多い。しかし、新型フロンクスでは、防振ゴムの設定やプロペラシャフトの振動低減などの対策を施し、FF車並みの快適性を維持した。

予算余裕があるのであれば、少し高価になるが積極的4WDモデルを購入することをお勧めする。こうした走りの質や4WDの悪路走破性も含めれば、購入後、後悔・失敗したと感じることも少ないだろう。

スズキ フロンクス フロントスタイル

スズキ フロンクス リヤスタイル

 



 

スズキ フロンクス価格は? 250万円前後からと予想


 

新型スズキ フロンクスの価格を予想してみた。マイルドハイブリッドシステムやシートヒーター、電動パーキングブレーキ、デュアルセンサーブレーキサポートⅡなどなど、日本ユーザーが欲しいと感じる装備を標準装備化してくると思われる新型フロンクス。装備が充実しているので、新型フロンクスの新車価格は高めになると予想。

そこで、重要なのがライバル車の価格。ボディサイズでは、トヨタ ライズ ハイブリッドで、最上級グレード「Z」の価格が2,338,000円。

そして、同じインド生産で、一回りボディサイズが大きいWR-Vの価格が最上級グレード「Z+」で2,489,300円となっている。

新型フロンクスは、装備面でWR-Vやライズを上回っていることもあり、若干、高めの価格になるのでは? と、予想。新型フロンクスの最上級グレードの価格は250万円前後(FF)、4WDだと270万円程度になると予想した。

インド生産車だからといって、それほど安価ではない。だが、内外装の上質さと装備の充実度はクラストップレベル。総合的なコスパはやや高めといえる。2024年秋の登場が楽しみなコンパクトSUVだ。

<レポート:大岡智彦 

 

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スズキ フロンクス(プロトタイプ)燃費、ボディサイズなどスペック(参考値)


 

代表グレード:フロンクス(プロトタイプ)

全長×全幅×全高 (mm) 3,995×1,765×1,550

ホイールベース (mm) 2,520

乗車定員 (名) 5

車両重量 (kg) 1,070

タイヤサイズ 195/60 R16

最小回転半径 (m) 4.8

サスペンション (フロント/リヤ) ストラット/トーションビーム

駆動方式 2WD(後輪駆動)

ミッション 6速AT

エンジンタイプ 直4 DOHC16バルブ+モーター(マイルドハイブリッド)

エンジン型式 K15C型

エンジン最高出力 (kW/rpm) 74/6,000

エンジン最大トルク(N・m/rpm) 135/4,400

モーター型式 WA06A

フロントモーター最高出力 (kW) 2.3

リヤモーター最大トルク (N・m) 60

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