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「超都会派コンパクトSUVデビュー」ルノー カジャー新車情報・購入ガイド

CORISM / 2018年4月28日 18時24分


ルノー・日産アライアンスによるCMFを採用したSUV


ルノーは、コンパクトSUVである新型カジャーの発売を開始した。

新型ルノー カジャーは、Cセグメントに属するSUV。輸入車のライバル車は、フォルクスワーゲン ティグアンやプジョー3008などになる。

新型ルノー カジャーは、ルノー・日産アライアンスにより日産のCMF-C/Dアーキテクチャが採用された。CMFとは、コモン・モジュール・ファミリーの略で、5つの主要なコンポーネントセットをベースとし、モジュールを入れ替えることで、何百ものモデルバリエーションを実現するという。共通のプラットフォームを使うことで、各社で色々な車種バリエーションが展開できる。

基本的にCMFは、骨格部分などで構成され外から見えない部分。中身は一緒でも外板部分などを変更すれば、まるで違うクルマに見えるのが特徴。また、エンジンやサスペンションなどが異なれば、メーカー毎の個性もアピールできる。

こうした手法が用いられる大きな理由は、コストダウンだ。非常に開発コストや原価コストが高くなる部分なので、共通化できて大量生産が可能となれば、全体のコストは大幅に低減できる。日産によると、CMFにより、購買コストを最大30%、開発コストを最大40%削減も可能になるという。

新型ルノー カジャーに採用されたCMF-C/Dは、日産「ローグ」、「エクストレイルが」、「キャシュカイ」など。ルノーでは「エスパス」、「タリスマン」、「メガーヌ」などにも採用されている。

メーカー側は、こうしたコスト削減方法を色々と導入するが、我々が実際に購入するときの車両価格が安くなっているという実感はない。今後、こうしたコストダウンの恩恵が、我々ユーザー側にもメリットのある価格として反映させてほしいものだ。


ややワイドなボディサイズをもつ新型カジャー




新型ルノー カジャーのボディサイズは、全長4,455㎜×全幅1,835㎜×全高1,610㎜、ホイールベース2,645㎜。全長こそCセグメント車レベルなのだが、全幅はかなりワイドになっている。同じCMF-C/Dを使うエクストレイルと比べると、全長や全高は小さいくなっているが、全幅だけは+15㎜となった。

また、新型カジャーは全高がやや低め。ワイドなボディサイズということもあり、ワイド&ロー的なスタイリッシュ系SUVだ。

ただし、1,835㎜という全幅は、狭い道の多い日本ではやや扱いにくい。新型カジャーだけではないのだが、デザイン重視の結果、全長は短いのにワイド化が進み、結果として扱いにくいコンパクトSUVが多い。本来、扱いやすさが重要なコンパクトSUVなのに、狭い道などで扱いにくいのでは本末転倒。

さらに、新型カジャーの最小回転半径5.6m。Cセグメント車としては大きめで、狭い駐車場ではやや扱いにくい。同じクラスのフォルクスワーゲンのティグアンは5.4m。ホイールベースが長く、ひとクラス上のエクストレイルが5.6mとなってる。

日本に導入された新型カジャーの駆動方式は、FF(前輪駆動)のみ。FFなので、悪路をガンガン走るというタイプではない。だが、最低地上高200㎜、アプローチアングルは18°、デパーチャーアングルは28°となっていて、ラフロード程度なら難なく走れる実力をもつ。

オフローダー的泥臭さを感じさせない都会派デザイン


新型カジャーのデザインは、ひとクラス下のキャプチャーと同じデザインテイストでまとめられた。多少、クルマの大きさが異なるものの、どちらがカジャーか分からないくらいよく似ている。どちらも、アンダーガードやフェンダーガードなどといったSUVを象徴するようなパーツ類が、あまり強調されておらず泥臭さをあまり感じない都会的な印象だ。

泥臭さを感じさせない新型カジャーだが、小さいながらもホイールは19 インチを装着し、しっかりと力強さをアピールする。

また、ルノーデザインを象徴するCシェイプ LED デイタイムランプも装備。精悍さをアピールしながら、ひと目でルノー車であること強調。リヤランプも、フロントと共通するデザインの LED ランプを採用。統一感のあるデザインとなった。


上質感も兼ね備えたスポーティなインテリア


新型カジャーのインテリアは、エクステリアと同様にSUVっぽさの無いデザインとなっている。SUVの定番デザイン手法は、たくましさを演出するために、センターコンソールを太めにすることが多い。ところが、新型カジャーでは、洗練されたスッキリとしたデザインが採用されている。同時に、ブラック&シルバーのハイコントラストカラーでスポーティさも演出。インテリアデザインだけを見たのなら、SUVとは分からないほどスタイリッシュだ。

また、新型カジャーにはフルレザーシート(前席シートヒーター付)、ナパレザーステアリング、ナパレザーシフトノブ、ダブルステッチを施したフロント左右ドアとセンターに配されたレザー調インナーハンドルとメータークラスターが採用された。なかなか上質さも兼ね備えたインテリアになった。




使い勝手のより工夫が施されたラゲッジルーム


新型カジャーのラゲッジスペースの容量は527L。ひとクラス上のエクストレイルが565Lなので、この容量ならまずまずといったところ。ただし、実用性が高いフォルクスワーゲン ティグアンの荷室容量は615Lを誇る。さすがに、ティグアンには、少々差をつけられている。リヤシートは、6:4の分割可倒式になっていて、ラゲッジ横のレバーを引くとワンタッチでリヤシートを倒すことができる。

ラゲッジスペースは、エクストレイルと同様な前後 2 枚のラゲッジボードが、開口部と同じ高さに設置。この状態でリアシートを倒すと、フルフラットで広大なラゲッジスペースとなる。

さらに、2 枚のラゲッジボードをラゲッジ床面に設置すると、ラゲッジ容量はさらに拡大。さらに、この2枚のラゲッジボードは、ラゲッジの仕切り板としての機能をもつ。例えば、リヤシートを起こした状態で、2 枚のラゲッジボードのうち奥側 1 枚をラゲッジ床面に設置。そして、手前の 1 枚をラゲッジ中央に垂直に設置すると、ラゲッジが前後に 2 分割される。その他、3分割モードもあり、積載する荷物に合わせ使い分けることが可能となる。アウトドアレジャーで、荷物をたくさん積むユーザーには便利な機能だ。




ハイオク仕様のエンジンのみの設定では・・・


新型カジャーに搭載されたエンジンは、H5F型の1.2L直噴ダウンサイジングターボ。キャプチャーと同じだが、ややパワーアップされ131ps&205Nmという出力となった。自然吸気2.0L車並みの最大トルクなので、このクラスのガソリン車としては平均的だ。ミッションは、キャプチャーよりギヤが1速増えたツインクラッチの7速AT(7EDC)となった。

ルノーだけではなく、輸入車すべてにいえることだが、コンパクトモデルなのに、使用燃料がハイオクガソリンというのは、日本マーケットのニーズに合致しない。多少、パワーや燃費が悪くなってもレギュラーガソリン仕様に変更して導入するべきだ。

日本マーケットの主流は、レギュラーガソリン。日本メーカーは、欧州でハイオク仕様のエンジンでも日本に導入する場合にはレギュラーガソリン仕様に変更して導入する。マーケットのニーズに合わせることは、商売の基本だろう。とくに、新型カジャーはコンパクトカーでありランニングコストが重視される。また、ルノーはプレミアブランドでもない。

とくに、日本マーケットは車両価格が高くても燃費のよいハイブリッド車が好まれる。ハイブリッドは、より高価になっていて、ユーザーによっては燃費が良くても燃料費差で車両価格差の元が取れない人でも、積極的にハイブリッド車を選ぶ。そんな燃料によるランニングコスト高になるのを嫌う傾向が強い日本に、いつまでもハイオク仕様車を持ち込んでいるようでは、いくら魅力的なデザインで走行性能が優れていても、よりたくさん売ることはできないだろう。

また、ハイブリッド車が人気でランニングコストが高額になる日本向けに、ガソリンエンジンのみの設定というのも、少々物足りない。ハイオクガソリン仕様で燃料費が高額になるのであれば、燃料費が安く燃費のよいディーゼルを積極的に導入し、減税効果も含め顧客ベネフィットを高めるべきだろう。

歩行者検知式自動ブレーキもルノー・日産アライアンスで共通化すべき


使用燃料の問題だけでなく、日本のニーズを拾いきれていないのが歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備。新型カジャーには、2 台のカメラ、12 個のセンサー、そしてミリ波レーダーを装備する。しかし、カメラもミリ波レーダーもあるのに、歩行者検知ができないのは物足りない。日本は、軽自動車でも歩行者検知式自動ブレーキが標準装備化されているモデルがある国だ。より高度な予防安全装備が求められる。日産には歩行者検知式自動ブレーキなどやプロパイロットなどの先進予防安全装備がすでに存在し、同じCMF-C/Dを使うエクストレイルにも用意されている。ルノー・日産アライアンスで、プラットフォーム関連だけでなく、こうした先進予防安全装備も積極的に共通化するべきだろう。

先進予防安全装備はやや物足りない新型カジャーだが、サイド&カーテンエアバッグなどは標準装備化されているので安心だ。後側方車両検知警報、障害物を検知して警告音で知らせる、パーキングセンサー(フロント・リア・サイド)+リアカメラ、自動でステアリング操作を行い車庫入れをサポートするイージーパーキングアシストなどの日常的に使う安全装備や運転支援システムは充実しているだけに、歩行者検知式自動ブレーキが無いことなどがより際立ってくる。

ルノー カジャーのグレード選びと価格


新型ルノー カジャーのグレード選び。新型カジャーのグレードは、インテンスの1グレードのみ。選択肢もなく、オプションもほとんどない。その分、装備は豪華。レザーシートや運手席電動シート、LEDヘッドライトなど標準装備化されている。満足度は高い仕様といえるだろう。

■ルノー カジャー価格:インテンス 3,470,000円



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