BMW 3シリーズ新車情報・購入ガイド クラス最強のスポーツセダンへ! 買い得感もあり
CORISM / 2019年3月16日 21時5分
8年振りのフルモデルチェンジで、7世代目となった新型BMW3シリーズ
BMWは、主力プレミアムセダンである3シリーズを8年振りにフルモデルチェンジし発売を開始した。新型BMW3シリーズは、今回のフルモデルチェンジで7代目となる。
初代BMW3シリーズは、1975年に第1世代が登場。40年以上にわたって支持され、世界販売累計1,500万台以上を達成した人気モデル。スポーツセダンとしてのキャラクターをもち、開発コードで呼ばれるのも特徴。開発コードは、7代目3シリーズがG20、6代目3シリーズはF30と呼ばれている。
ついに、全幅が1,800mmオーバーに!
新型BMW3シリーズには、新プラットフォームが採用。ボディサイズは、さらに拡大。ボディサイズは、全長4,715x全幅1,825x全高1,430mm、ホイールベース2,850mmとなった。全長は+70mm、全幅は+25mm、ホイールベースは+40mmとなっている。
ここで注目したいのが全幅だ。先代のF30型3シリーズは、日本向けにドアハンドルをなどを変更し、全幅を1,800mmにして導入した。これは、日本マーケットには、全幅1,800mm以下という入庫制限が付く立体駐車場が多かったからだ。マンションなどに多い、こうした立体駐車場を使う顧客でも3シリーズを買えるように配慮したからだ。国内セダンでは、トヨタ クラウンが、同じ理由で全幅1,800mmを死守している。しかし、残念ながら7代目となる新型3シリーズの全幅は1,800mmを超えてしまった。
販売台数が少ない日本マーケットにおいて、こうした仕様にする輸入車は数少ない。BMWは、販売台数が少ないものの、日本マーケットを重要視しているから、こうした対応が行われている。日本は、BMWが重要視する主要6ヵ国に含まれているのだ。
全幅がよりワイドになり、全長も大きくなったこともあり、新型BMW3シリーズはよりワイド&ローなフォルムが強調され、スポーツセダンらしいスタイルになった。
よりワイド&ローが強調された精悍なフロントフェイスをもつ新型3シリーズ
全体的なデザインテイストは、先代3シリーズを継承。大きく変わった印象はあまり感じないが、じっくりと見比べてみると大きく異なるデザインだと分かる。象徴的な部分がキドニーグリルだ。従来の2パーツに分かれたデザインから、1つのフレームで縁取られ、より立体的な造形とした。さらに、水平方向への広がりを表現。よりワイドで低重心感のあるフロントフェイスになっている。
ヘッドライトは、先代よりもやや細いツリ目型。グッと睨みの効いた目力のあるデザインになった。
そして、サイドビューは、FRらしいロングノーズが印象的。滑らかな曲線で、リヤエンドに流れるルーフラインはエレガントさをアピールする。リヤのテールレンズは、L字型に変更は無いものの、より細くなり、フロントフェイス同様にワイドさを際立たせている。
OK、BMW! で起動するインテリジェント・パーソナル・アシスタントとは?
ややドライバー側に傾斜したセンターコンソールなど、ドライバー中心で水平基調のインパネデザインは従来のBMWと同じ。しかし、新型BMW3シリーズは、かなりシャープなエッジを付けたデザインを取り入れ、一段とスポーティさを増している。メーターもフルデジタル化。ただ、デジタル化されたものの、メーター内情報表示に関しては、もう少しバリエーションが欲しい。
そして、メルセデス・ベンツに続き、BMWも初となるAIを活用した新開発のBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントを導入。音声会話により車両の操作、情報へのアクセスが可能。従来の決められた言葉だけではなく、自然な会話に近い言葉で、ドライバーの指示や質問を理解し、適切な機能やサービスを提供してくれる。また、使用頻度に応じてドライバーの好みを学習していく。
メルセデス・ベンツにもこうした機能があり、起動させる言葉は「ハイ・メルセデス」。しかし、BMWのインテリジェント・パーソナル・アシスタントは起動する際、初期設定の「OK, BMW(オーケー・ビー・エム・ダブリュー)」だけでなく、「XXX(例:サンニーマル)」と、呼びかける言葉を任意に設定することが可能。ビー・エム・ダブリューも起動させる言葉としては、少々長いので短めに設定すると扱いやすくなる。メルセデス・ベンツのシステムは、こうした変更ができない。
なんと3眼! イッキに進化し、より安全になった運転支援システム
新型BMW3シリーズの歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備は、大幅に進化した。なんと、高性能3眼カメラを使用した最新の運転支援システムをBMW 320i Standard以上のグレードに全車標準装備した。一部のメーカーを除き、ほとんどの日本メーカーはコスト重視で1眼カメラを採用。これでも十分な機能を誇るが、BMWはさらにその上を目指した。
1眼カメラよりも3眼カメラの方が、より緻密な情報を得ることが可能。高性能3眼カメラシステムは、長距離、中距離、周辺監視と個々のカメラに役割を特化。より正確なレーンキーピング性能と、より離れた場所の危険予測や、広い視野での危険予測を可能としている。その3眼カメラに毎秒2兆5000億回の演算能力を持つ画像処理プロセッサーを搭載。膨大な視覚情報に加え、レーダーによる正確な距離計測情報を統合して瞬時に処理。より正確かつ、素早い運転支援を可能とした。
より多くの情報があれば、危険を認識するのも早くなり、衝突リスクもさらに軽減可能。また、ステアリング操作支援機能付き追従クルーズコントロールなどの機能も、より滑らかで自然なフィーリングになることも期待できる。今後の発展性にも期待したいシステムだ。
320i系には、日本専用チューニングの直4 2.0Lターボを設定
新型BMW3シリーズに用意されたパワーユニットは2つ。出力違いの2.0L直4ターボエンジンだ。320i系は184ps&300Nm。330i系は258ps&400Nmという出力になる。その後、やや遅れてディーゼルやPHEVも投入される予定。先代3シリーズは、ディーゼル車の人気が高かったので、こうしたエンジンを選びたいのであれば、少々待つ必要がある。
330i系のエンジンは、ほぼ全ての常用回転域で50 Nmものトルク増を実現。最高出力は6psアップ。高精度ダイレクトインジェクションシステムの改良により、燃料噴射圧力は従来から200 bar高い350 barとなった。これにより、燃焼室により細かい霧状の燃料が直接噴射されることで、燃焼効率が向上。また、クランクシャフトの軽量化、内部摩擦の抑制、熱管理の最適化が行われ、ノイズの低限や、レスポンスの向上など、よりクリーンでありながら、スポーティな走りを支えるエンジンとなっている。
320i系には、日本専用チューニングが施された2.0L直4ターボエンジンが用意された。このエンジン、欧州をはじめ初期生産には無い設定となっている。日本マーケットでは、やはり320i系の人気が高い。330i系では、高価なこともあり、販売が伸び悩む可能性もあったからだ。こうした日本のオーダーにBMW本国が応えた結果、日本専用エンジンとなっている。こうした対応もBMWがいかに日本マーケットを重視しているかが分かる。
軽量化、ワイドトレッド、低重心化など、走行性能も大幅向上!
新型BMW3シリーズ、走行性能も大幅に向上させた。先代に対して、40mm拡大し2,850 mmとなったホイールベースと、フロントが43mm、リアが21mmと大幅にワイドになったトレッド。そして、新プラットフォームにより10mm重心高を下げたシャシー構造。
さらに、約55kgの軽量化などが、走行パフォーマンスアップの要因だ。元々、BMW3シリーズは低重心感が強調された抜群のフットワークをもっていたが、こうした走行性能がさらに磨き上げられたことになる。
「今は待ち?」新型BMW3シリーズのグレード選び
新型BMW3シリーズのグレード選び。まずは、エンジンの選択から。今回投入されたエンジンは2.0直4ターボの出力違いのみで、320iか330iのどちらかになる。ほぼ同じエンジンながら、Mスポーツ比較で49万円の価格差がある。なんとも選びにくい設定だ。
先代3シリーズでは、2.0Lディーゼルの人気が高かった。新型3シリーズでも、やはり期待したいのはディーゼル車。ガソリン車に対して、価格がどれくらいアップするかが不明。しかし、それでもディーゼル車もしくは、PHEVが出てから購入を検討したほうがよい。
CO2減が叫ばれ、電動化が進む自動車業界において、今更ガソリンエンジンというのは選びにくい。しかも、エコカー減税も年々厳しくなっていくので、ガソリンエンジン車では節税メリットもほとんどなくなるだろう。
ガソリンでもOKというのであれば、基本320iという選択になる。184ps&300Nmという出力なら、一般的な使い方であれば十分といえるものだ。グレーードは、SEとスタンダード、Mスポーツが用意されている。SEは価格訴求用のオトリグレードなので、装備も貧弱なのでスタンダードかMスポーツという選択肢になる。価格差は60万円だが、BMW本来の走りの良さを感じさせるのは、やはりMスポーツ。また、リセールバリューの高さも魅力だ。多少無理してでも、Mスポーツを選びたい。
さて、330iは、パワフルさで320iを上回るものの、今後、直6 3.0Lターボを搭載し、さらにパワフルな340iが登場するはず。そう考えると、330iは中途半端に感じてくる。パワフルさを求めるのなら、340iを待つべきだろう。
BMWは、ときどき戦略的価格設定をする。今回のフルモデルチェンジでは、装備や性能向上分があるものの、価格はほぼ据え置き。ライバルのメルセデス・ベンツCクラスに販売面でやや苦戦しているとはいえ、顧客にとってはうれしい価格設定となった。
BMW 3シリーズ価格
・BMW 320i SE 4,520,000円
・BMW 320i Standard 5,230,000円
・BMW 320i M Sport 5,830,000円
・BMW 330i M Sport 6,320,000円
BMW 3シリーズ、燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード BMW 320i M Sport
・全長x全幅x全高(mm) 4,715x1,825x1,430
・ホイールベース(mm) 2,850
・トランク・ルーム容量(L) 480
・定員(名) 5
・エンジン型式 B48B20B
・種類 直列4気筒DOHCガソリンターボ
・総排気量(cc) 1,998
・最高出力(kW 〔ps〕 / rpm (EEC)) 135〔184〕/5,000
・最大トルク(Nm 〔kgm〕 / rpm (EEC)) 300〔30.6〕/1,350-4,000
・燃費消費率 JC08モード(km/L)15.2
・燃料消費率WLTCモード(km/L) 13.1
・トランスミッション 8速AT
・タイヤサイズ F:225/45R18 R:255/40R18
BMW3シリーズ新車情報・購入ガイド一覧
セダン試乗記・評価一覧
ドイツ車試乗記・評価一覧
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