BMW Z4新車情報・購入ガイド BMWらしさを凝縮した超爽快オープンカー
CORISM / 2019年5月8日 18時47分
BMW Z4の歴史
BMWは、オープンカーのZ4をフルモデルチェンジし発売を開始した。Z4としては3世代目となる。この新型BMW Z4は、トヨタ スープラとの姉妹車関係にある。エンジンやプラットフォーム(車台)など、主要部分はBMW製だ。今のところ、Z4はオープンボディのみ。スープラは、クーペでオープンボディの設定がない。
BMW Z4のルーツとなるのはZ3だ。1996年に発売されたオープンスポーツで、当時は1989年に発売されたマツダ・ロードスター(MX-5ミアータ)が世界的に大ヒットしたことを受けて、世界中のさまざまな自動車メーカーがコンパクトなサイズのオープンスポーツを作るようになっていた。BMW Z3もそうした流れの中で生まれたモデルと考えていい。
Z3は、当初はオープンボディに4気筒エンジンを搭載していたが、後にクーペボディを追加したほか、搭載エンジンを直列6気筒に変更するなどしながら2002年まで生産が続けられた。
2002年にZ3が事実上のフルモデルチェンジを実施したとき、名前をZ4に変更した。これがBMW Z4としての初代モデルとなる。発表は2002年秋のパリサロンで、日本では2003年1月に発売されている。初代Z4では当初は6気筒エンジンのみを搭載していたが、後に4気筒エンジンの搭載車も追加されている。初代Z4でも当初はオープンボディだけで、後からクローズドのクーペボディが追加されている。
BMW Z4の2代目モデルは2009年1月のデトロイトショーで公開され、日本では5月に発売された。初代モデルにはオープンとクーペの2種類のボディが設定されていたが、2代目Z4では開閉式のハードトップを持つクーペ/カブリオレタイプのボディに変更された。
当初は直列6気筒の2.5Lと3.0Lのエンジンを搭載していたが、後に直列4気筒の2.0Lエンジンを追加搭載している。
2代目モデルは2018年まで生産され、2019年に3代目モデルに受け継がれることになった。
新型Z4のデザインは、スープラより好評?
新型BMW Z4のボディは、改めて幌タイプの開閉式ルーフを持つオープンボディになった。スープラがクローズドボディなので、Z4にもいずれはクーペが追加されるかも知れないが、取り敢えずは今はオープンボディだけである。
外観デザインは、スープラのデザインが賛否両論を巻き起こしているのに対し、BMW Z4はスポーツカーらしいシャープなデザインとして概ね好評を博している。直列6気筒エンジンを搭載するがゆえのロングノーズと後方に配置された乗車位置がいかにもBMW Z4らしい。
ボディの端の位置に配置されたヘッドライトは、内部に縦方向に並べられた2個の光源を持つタイプ。丸型ヘッドライトのいわゆるBMW顔ではなくなったような印象もあるが、専用のメッシュ形状が採用されたキドニーグリルがBMW車であることを端的に表現している。
テールランプの形状は、新型3シーズと似た雰囲気があり、これもBMW車であることを表現する要素である。ボディサイドを斜めに走るシャープなキャラクターラインはスポーツカーらしい躍動感を表現するものだ。
幌タイプとなったことで軽量化され、重心高の低下にも貢献したルーフは、時速50kmでの走行中にもわずか10秒で開閉できるという。これは、際立って短い開閉時間である。
AIを活用したインテリジェント・パーソナル・アシスタントを搭載
新型Z4もBMWの文法に従ってインストセンターを運転席側に傾けたドライバー・オリエンテッドのインテリアデザインを採用する。日本仕様は右ハンドル車のみの設定だ。メーターパネルが全面的にデジタル化されたほか、インスト中央には10.25インチの大型ディスプレーが配置されている。
装備面では、AIを活用した最新のBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントが搭載され、音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能。運転中でも視線をずらすことなくカーナビの目的地変更などができる。
ワイドなボディに、やや重い車重となった新型Z4
ボディサイズは、先代モデルと比較してひと回り大きくなった。全長が85mm長い4335mmになり、全幅は75mm拡大して1865mmに達し、全高は15mm高い1305mmになった。ホイールベースは25mm短縮されて俊敏性を高めている。車両重量は1490kg~1570kgである。
短めの全長はともかく、1800mmを大きく踏み越えた全幅はコンパクトなボディとはいえないものになった。また、オープンボディとはいえ、車両重量もかなり重い。2代目Z4のクーペ/カブリオレに比べたら、多少は有利になっているはずなのだが・・・。
350ps&500Nmを発揮するZ4 40i
新型BMW Z4に搭載されるエンジンは2機種。いずれもターボ仕様のDOHCエンジンだ。駆動方式はもちろんFRで、トランスミッションは全車に8速スポーツATが組み合わされる。
20i系に搭載されるのは直列4気筒2.0Lエンジンで、最高出力145kW(197ps)/4500rpm、最大トルク320Nm/1450~4200rpmの動力性能を発揮する。WLTC基準の燃料消費率は12.6km/L(日本のJC08モード燃費では14.9km/L)とされている。
M40iに搭載される直列6気筒3.0Lエンジンは、最高出力250kW(340ps)/5000rpm、最大トルク500Nm/1600~4500rpmを発生する。1570kgのボディながら、停止状態からわずか4.5秒で時速100kmに達する実力である。WLTC基準の燃料消費率は12.2km/Lとされていて、20iとあまり大きな違いはない。日本のJC08モード燃費では13.2km/Lになる。
足回りもスポーツカーにふさわしいものが用意された。新型BMW Z4
sDrive20i M Sportには、Mスポーツ・サスペンションに加え、オプションで電子制御ダンパーを備えたアダプティブMスポーツ・サスペンションが装備可能だ。また、BMW Z4 M40iはアダプティブMスポーツ・サスペンションを標準装備するとともに、コーナリング後の加速性の向上や安定性等を向上させるMスポーツ・ディファレンシャルを搭載する。
このほか、力強く俊敏な走行性能を備えた車両を、的確に操作するバリアブル・スポーツ・ステアリングが、BMW Z4として初めて全車に標準装備されたのも注目点だ。
新型BMW Z4のグレード選び
新型BMW Z4のグレード選びは、Z4に何を求めるかで大きく変わってくる。とにかく速さを追求するのであれば、340ps&500Nmを発揮するM40iという選択になる。ただし、8,350,000円からと価格はかなり高額になる。
そこそこスポーティで、BMWらしい走りを味わえ、とくに豪華さは必要無いというのであれば、エントリーグレードのsDrive20iも悪くはない。ただ、5,660,000円という価格帯なのに、ストップ&ゴー付き前走車追従式のクルーズコントロールでは無い点が物足りない。ここさえ納得できれば、価格を含め魅力的な1台といえる。
sDrive20i Sport Lineの価格は6,150,000円で、sDrive20i M Sportは6,650,000円となった。その差は50万円と少々微妙な価格設定になっている。大きな差は、MスポーツサスペンションやMスポーツ専用のエアロパーツ類とステアリングホイールなど。
50万円差であれば、積極的にMスポーツを選びたい。日本では、Mスポーツ系が大人気。中古車市場でもMスポーツとそれ以外では、大きな価格差になる。つまり、リセールバリューで大きな差が付くからだ。
よほど予算に余裕があり、340ps&500Nmというパワーを楽しめるほどのテクニックがあるのであればM40iがよい。非常に満足度の高い仕上がりになっている。そうでなければ、やはりBMWらしさと装備、ルックスなどでバランスが良いのがMスポーツになる。BMW選びの定石通り、新型Z4もMスポーツを中心に選ぶとよい。
BMW Z4価格
・Z4 sDrive20i 5,660,000円
・Z4 sDrive20i Sport Line 6,150,000円
・Z4 sDrive20i M Sport 6,650,000円
・Z4 M40i 8,350,000円
BMW Z4ボディサイズ、燃費など諸元表
■BMW Z4 sDrive20i
全長4,335mm、全幅1,865mm、全高1,305mm、ホイールベース2,470mm
車両重量1,490kg
排気量1,998cc、直列4気筒ツインパワー・ターボ・エンジン
最高出力145kW(197ps)/4,500rpm 、最大トルク320Nm/1,450-4,200rpm
燃費 12.6km/L(WLTC)
■BMW Z4 M40i
全長4,335mm、全幅1,865mm、全高1,305mm、ホイールベース2,470mm
車両重量1,570kg
排気量2,997cc、直列6気筒ツインパワー・ターボ・エンジン
最高出力250kW(340ps)/5,000rpm 、最大トルク500Nm/1,600-4,500rpm
燃費 12.2km/L(WLTC)
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