トヨタ マークX新車情報・購入ガイド 最後の特別仕様車だが、購入には覚悟が必要?
CORISM / 2019年6月2日 12時0分
トヨタ マークX、50年以上の歴史に幕
トヨタは、中型セダン「マークX」の生産を2019年12月で終了すると発表した。マークXの生産終了に伴い、特別仕様車 250S“Final Edition”と250S Four“Final Edition”を設定し発売を開始した。
トヨタ マークXは、長い歴史を刻んできたセダンだ。初代は1968年に登場したマークⅡ。1968年から、50年以上もの長期間、トヨタの中型セダンとしての役割を担ってきた。1980年代バブル期には、ソアラなどと同様にハイソカーブームで爆発的な人気を誇った。20歳台の若者にも絶大な人気を集めていたほどだ。
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![初代トヨタ コロナマークⅡ](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/20190424_01_03_s-210x119.jpg)
2004年に、マークⅡからマークXへ車名を変更しフルモデルチェンジした。このモデルから、直6とターボエンジンが消えV6へとシフトする。新世代の上級FR(後輪駆動)セダンとして、魅力をアピールし続けた。しかし、セダン離れは深刻だった。年を追うごとに、マークXの販売台数は落ちていった。
そして、2009年に最後のフルモデルチェンジが行われ2代目マークXが誕生する。マークXの販売台数は低迷したままだが、トヨタはマークXをFRスポーツセダンとしてプッシュする。
モデル後期には、G'sやGRMNといったスポーツモデルを投入。エアロパーツなどを装備したスポーツモデルは、スタイリッシュなこともあり、一定の人気を得ることができた。同時にFRスポーツセダンを熱望するトヨタファンが多くいたことを明確にした。
基本設計が古すぎ? もはや、マークXの販売増は見込めない?
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/exterior_car_4-210x103.jpg)
まず、大きな理由のひとつはセダンマーケット縮小により、今後販売増が見込めないことだ。もはや、国内トヨタの主力はハイブリッド車だ。ハイブリッドシステムを搭載しなかったマークXでは、もはや勝負にならない状況。
また、基本設計が古すぎて、走行性能や安全関連の法規制などが、最新モデルに追いつけない状況だ。仮に、マークXのプラットフォーム(車台)を一新し、最新世代のハイブリッドシステムを投入したとしても、クラウンやカムリといった自社内のセダンと共食いとなることは確実だ。
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![6代目トヨタ マークⅡ](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/20190424_01_08_s-210x108.jpg)
そして、トヨタの国内戦略も大きな影響を与えているだろう。トヨタは販売チャネルの統合を推進している。今で、販売店のチャネルが多く、そのチャネル毎に専売車種を用意していた。5ナンバーミニバンのヴォクシー、ノア、エスクァイアなどが、まさに典型的な車種。基本的に同じクルマだが、若干仕様を変えて販売している。これが、車両コストを増やしている。
今後、チャネルを減らし、専売車種も無くし、さらに国内販売車種を整理し利益アップを目指している以上、やはりマークXは不要という判断になるのだろう。
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/20190424_01_02_s.jpg)
よりスポーティな内外装となったマークX特別仕様車「Final Edition」
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/interior_ph04_pcsp-210x160.jpg)
この250Sをベースに、エクステリアの特別装備は、スパッタリング塗装の18インチアルミホイール(2WD)、ダークメッキのフロントバンパーモールを装備しした。ヒカリモノが加わったことで、全体的に高級感が増している。
ボディカラーには、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、プレシャスブラックパールの全3色を設定した。
特別仕様車マークX250S“Final Edition”の内装は、スポーティな仕様ととなった。定番のブラック&レッドのカラーをベースに、アルカンターラ+合成皮革シート表皮と、レッドを配色したソフトレザードアトリム表皮を採用した。
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/interior_subimg1_pcsp-210x82.jpg)
機能面の特別装備は、駐車時の接触や衝突の回避に貢献する「クリアランスソナー&バックソナー」を標準装備。より安全で使い勝手のよい装備だが、車格的に言えば、マークXは高級セダンなのだから、本来これくらいの装備は標準装備化されていて当り前だ。
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/exterior_car_1.jpg)
買い得感がありお勧めだが、購入には覚悟が必要? その訳とは?
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/interior_ph01_pcsp-210x160.jpg)
この約12万円アップ分で、18インチホイールやブラック&レッドのアルカンターラシート、クリアランスソナー&バックソナーなどが装備されたことになる。ベース車は、18インチホイールをオプション選択しただけで、約16万円アップとなるので、なかなか買い得感のある価格設定となった。トヨタがこれくらい買い得感のある特別仕様車を設定することは珍しい。
本来ならば、これくらいお買い得な価格設定になっていれば、お勧めしたいところだ。しかし、どうしてもマークXという人以外には、あまり勧められない理由がある。それは、ベースのマークXの設計が古過ぎるからだ。
![トヨタ マークX250S“Final Edition”](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2019/06/interior_ph07_pcsp-210x160.jpg)
また、マークXのリセールバリューは、平均的なレベル。全体的に高めのリセールバリューを誇るトヨタ車の中では、中の下といったところだ。しかも、今後、燃費がイマイチなモデルは、かなり個性的なモデル以外、リセールバリューが高値となることは考えにくい。絶版車になっても、マークXは普通のクルマなので、リセールバリューが高くなる可能性も低い。短期間での乗り換えでは、あまりメリットがないだろう。こうなると、お買い得な特別仕様車とはいえ、購入するには一定の覚悟が必要になってくる。
トヨタ マークX特別仕様車250S“Final Edition”価格
・マークX 特別仕様車250S“Final Edition” 3,331,800円
・マークX 特別仕様車250S Four“Final Edition” 3,489,480円
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