日産セレナ 新車情報・購入ガイド 人気ミニバン、安全装備が充実するも・・・
CORISM / 2019年8月19日 19時25分
売れているセレナがマイナーチェンジ
日産は、5ナンバーミニバンのセレナをマイナーチェンジし発売を開始した。日産セレナは、日産の国内販売において非常に重要な車種。2018年度の登録車販売台数ランキング4位に入るほどの人気車種だ。
日本ではクルマの売れ行きが偏っていて、軽自動車やコンパクトカーなどの低価格のクルマか、あるいは多人数乗車のミニバン、そしてSUVなどに売れ行きが集中している。そのうちミニバンは、シエンタやフリードなどのコンパクトカーベースのもの、ヴォクシーやセレナ、ステップワゴンなどのミドルクラスのもの、アルファードやオデッセイなどの大型の3タイプに分けられる。
販売ランキングではシエンタが上位に入り、フリードも安定した売れ行きを続けているが、ボリュームが大きいのはミドルクラスのミニバンだ。これは前述の3車種のほかにもノアやエスクァイア、デリカD:5など、各メーカーからさまざまな車種がラインナップされているからだ。
そのミドルクラスのミニバンの中で、最も良く売れているのが日産のセレナだ。日産ではデイズとノートとセレナの3車種に集中する形で販売展開を進めているので、セレナがミニバンの首位を占める形になっている。
トヨタは、同じクルマをヴォクシー/ノア/エスクァイアの3車種に分けているため、合計すれば断然首位なのだが、銘柄別に分けるとセレナが上位に来る結果になる。セレナはミドルクラスに限らず、多人数乗車のミニバンの中でも首位の売れ行きなのだ。
そのセレナが、マイナーチェンジを受けた。セレナはこれまでも、ミニバンらしい室内空間の広さ、乗降性の良さ、バックドアの使い勝手の良さのほか、電動パワートレーンのe-POWER、運転支援技術のプロパイロットなどを特徴としてきたクルマだ。今回のマイナーチェンジでは、外観デザインを変更するとともに、運転支援技術を「全方位運転支援システム」に進化させるなどの改良を加えている。
より豪華で迫力が増したフロントフェイスに変更
外観デザインでは、ハイウェイスターが印象的だ。フロントグリルは「ダブルVモーショングリル」を継承しつつ、クロームをちりばめて大きく豪華になった。
これまでのグリルに比べると、格段に押し出し感の強い顔つきになった。これはどちらかというと、アルファードやエスクァイアなど、トヨタ車が採用しているデザイン手法に近いが、セレナのハイウェイスターもまた独自の存在感を得ている。リヤの縦型のコンビネーションランプもハイウェイスター専用のものが設定されている。
セレナe-POWERには、新たに16インチアルミホイールを設定し、よりダイナミックで存在感のあるホイールとしている。
セレナのボディカラーは、朝日をイメージした「サンライズオレンジ」と、より精悍でスポーティな印象の「ダークメタルグレー」の新色2色が追加された。4種類の2トーンカラーを含め、全部で14色と豊富な設定とされた。2トーンカラーは、ルーフの色をすべてダイヤモンドブラックに統一することで、スタイリッシュでスポーティな印象を強めている。
「全方位運転支援システム」を標準装備するも・・・
全周360度の安全を提供する先進安全技術の「全方位運転支援システム」が全車に標準設定され、安全性能を一段と向上させている。
前方は、ハイビームアシストの進化機能として対向車がいてもハイビームを維持できる、「アダプティブLEDヘッドライトシステム」を日産車として初採用した。フロントカメラで前方の状況を検知し、対向車や先行車の有無に応じて両側に12個ずつ配置されたLEDの照射パターンを変化させることで、常に視認性の高い状態を維持するものだ。
斜め後側方については、走行中に隣接レーンの後側方を走行する接近車両との接触を回避するよう支援する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」や「BSW(後側方車両検知警報)」、後退時には、後方を横切ろうとする車両を検知し注意を喚起する「RCTA(後退時車両検知警報)」を新設定した。
また「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備にすることで、全車が「セーフティ・サポートカーS<ワイド>(サポカーS<ワイド>)」該当車となっている。
従来からの「プロパイロット」も機能を進化させ、ドライバーのストレスをさらに軽減するため、下り坂での設定速度保持や、よりスムーズな減速を可能とするブレーキ操作などが可能としている。同時にワイパー作動時の機能向上も図られた。
ただ、サイド&カーテンエアバッグは、一部グレードでは装着不可。その他のグレードでは、オプション設定となっている。こうした安全装備は物足りないまま。こうした仕様は、ヴォクシー系と同様。ただ、ステップワゴンは、半数以上のグレードがサイド&カーテンエアバッグを標準装備化している。
「全方位運転支援システム」の詳細
今回、日産セレナに採用された「全方位運転支援システム」に含まれる装備は下記のとおりだ。
●アダプティブLEDヘッドライトシステム またはハイビームアシスト(グレード別設定)
●インテリジェントエマージェンシーブレーキ
●標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)
●踏み間違い衝突防止アシスト
●インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)+ LDW(車線逸脱警報)
●インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)+ BSW(後側方車両検知警報)
●RCTA(後退時車両検知警報)
より個性的で上質に仕上げられたセレナ「AUTECH」
セレナのマイナーチェンジに合わせ、オーテックジャパンが生産するカスタムカーの「AUTECH」、ならびに「ステップタイプ」、福祉車両の「ライフケアビークル(LV)」シリーズをマイナーチェンジした。「AUTECH」は今秋より、また、「ステップタイプ」、「ライフケアビークル(LV)」シリーズは8月1日に発売すると発表した。これらのモデルもデザインが変更されるとともに、先進の安全技術が採用されている。
「AUTECH」は、多種多様なカスタムカーづくりで蓄積してきたオーテックジャパンの伝統を継承しつつ、スポーティでありながら高級感漂うスタイリングを採用。さらに素材などの細部にもこだわりを持つユーザーに向けてプレミアムスポーティをコンセプトにしたブランドだ。
オーテックジャパン創業の地である湘南・茅ヶ崎の「海」と「空」のイメージから想起したブルーをブランドのアイコニックカラーとして採用している。
今回のマイナーチェンジでは、「AUTECH」のデザインも一新され、エクステリアは、「AUTECH」ブランド車共通の表現であるドットパターンをより強調させたフロントグリルが特徴で、色にこだわって開発した専用ブルーに輝くシグネチャーLEDを採用し、昼夜問わず一目で「AUTECH」とわかる、より個性豊かなスタイルに仕上げている。
また、e-POWER車でも選択可能な新デザインの専用16インチアルミホイールが新たにオプション設定された。。
インテリアにも手が加えられているのが「AUTECH」ならではの特徴で、柔らかな手触りを持ち、体を優しくサポートするレザレットをシート地に採用した。ハンドルやシートなどにブルーをあしらい、ピラーや天井色をブラックに変更した。インテリア全体をブルーとブラックでコーディネートすることで、高級感のあるエレガントな空間を演出している。
プレミアムスポーティミニバンとしてハンドリングや加速感をチューニングした「AUTECH SPORTS SPEC」では、新たに遮音性を徹底追及し、ドライバーにも同乗者にもより上質で快適な移動空間を提供している。
ボディカラーは「AUTECH」の専用色であるカスピアンブルーに、「セレナ」と同様にルーフの色をダイヤモンドブラックとした専用2トーンカラーなど、新たな2つの2トーンカラーを含めた、全7色が設定されている。
日産セレナのグレード選びと値引き
日産セレナのグレード選びは、まずガソリン車かシリーズハイブリッドのe-POWERかという選択が重要になってくる。予算があれば、積極的にe-POWERを選びたいが、予算が50万円弱も異なってくる。今時、新車を買うのにただのガソリン車というのは選びにくい時代。グレードを下げたり、オプションを我慢したりしてでもe-POWERを買った方が、最終的に満足度は高くなるだろう。もちろん、リセールバリューもe-POWERの方が高くなる。
セレナのグレードでは、やはりスポーティな外装をもつハイウェイスターがお勧め。リセールバリューもハイウェイスターの方が高い。人気装備を標準装備したハイウェイスターVがお勧めだ。
セレナには全方位運転支援システムが標準装備化されているものの、車線維持機能付き全車速追従クルーズコントロールであるプロパイロットはオプション。そして、大切な乗員を守るサイド&カーテンエアバッグもオプション。これらのオプションも積極的に選択したい。
セレナの価格は、従来同様やや高めの印象だ。セレナは、かなり値引き額が大きくなる車種種だった。マイナーチェンジ直後とは言え、消費税増税後はしばらくの間、買い控えが発生するとよそうできる。そうなると、買い手が有利。ステップワゴンやヴォクシーやノア、エスクァイアなどと競合させれば、大幅な値引きが期待できる。ライバル車に対しても、やや高めの価格なので、しっかりと値引きを引き出して買うことが前提のクルマといえる。
ライフケアビークルも充実
■<セレナ「ステップタイプ」>
助手席と助手席側スライドドアから乗降する人が、同時に使えるロングステップを採用。助手席ドアもしくは助手席側スライドドアの開閉と連動して、ステップが展開・格納する。ステップイルミネーションを装備し、暗い場所でも安心して乗降ができるうえ、LEDのクリアな輝きがスタイリッシュさを演出する。
■<セレナ 「ライフケアビークル(LV)」シリーズ>
ベース車の広い室内空間を生かして、一般の家庭で使うユーザーから、福祉施設・病院などでのユースに至るまで、幅広いニーズに対応するバリエーションを設定している。
●助手席スライドアップシート/セカンドスライドアップシート
助手席、または2列目左側シートが、車両の外側に電動で回転・昇降することで、車への乗り降りが容易にできるクルマ。
スライドアップシートには、シート回転・昇降操作に加え、シートスライドとシートリクライニングの操作なども可能とした多機能リモコンを標準装備し、利便性を高めている。
●チェアキャブ スロープタイプ
セレナの持つ室内の広さや使い勝手の良さを生かし、バックドアから車いすのまま車内に乗り込めるよう、手動式のスロープや車椅子の乗降アシスト装置(電動ウインチ)、車いす固定装置(電動式)を装備したクルマ。
車椅子に乗るユーザーが、2列目左側の運転席に近い位置に乗車できる「車椅子1名セカンド仕様」をはじめ全4タイプをラインアップした。
今回、車椅子に乗るユーザーが3列目位置に乗車する「車椅子1名サード仕様」、「車椅子1名送迎仕様」において、セカンドシート形状を変更して乗車定員を1名増やし、多人数を送迎する法人施設などのニーズに対応した(e-パワー車を除く)。
●チェアキャブ リフタータイプ
簡単なリモコン操作で昇降する全自動リフターを装備し、車両後部から車椅子のまま車内に乗り込めるクルマ。
車内に乗り込む前にリフター上で車椅子の固定を可能として、介助者の負担を軽減している。また、介助者が車椅子の方の近くに座れるシートアレンジも可能だ。
●送迎タイプ
福祉施設や病院などの送迎時に、利用者がスムーズに乗降ができるよう工夫を施したクルマ。
2列目に専用形状シートを採用し、助手席側スライドドアから3列目シートへの乗降性を向上させたほか、乗降用手すりやステップなどを装備することで、お年寄りや足元に不安を感じる方にも乗降しやすい仕様とした。
日産セレナ価格
■2WD(FF)
・X 2,529,360円
・XV 2,687,040円
・ハイウェイスター 2,708,640円
・XV(防水シート車) 2,719,440円
・ハイウェイスターV 2,932,200円
・e-POWER X 2,943,000円
・ハイウェイスターV(防水シート車) 2,964,600円
・G 3,005,640円
・e-POWER XV 3,167,640円
・ハイウェイスターG 3,168,720円
・e-POWER XV(防水シート車) 3,200,040円
・e-POWER ハイウェイスター 3,233,520円
・e-POWER G 3,410,640円
・e-POWER ハイウェイスターV 3,435,480円
・e-POWER ハイウェイスターV(防水シート車) 3,467,880円
・e-POWER ハイウェイスターG 3,657,960円
■4WD
・X 2,773,440円
・XV 2,931,120円
・XV(防水シート車) 2,963,520円
・ハイウェイスター 2,995,920円
・ハイウェイスターV 3,192,480円
・ハイウェイスターV(防水シート車) 3,224,880円
・G 3,292,920円
日産セレナe-POWER燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード:セレナe-POWERハイウェイスターG
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,770×1,740×1,865mm
ホイールベース[mm] 2,860mm
トレッド前/後[mm] 1,485/1,485mm
車両重量[kg] 1,780kg
総排気量[cc] 1,198cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 62(84)/6000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 103(10.5)/3200-5200
モーター最高出力[kw(ps)] 100(136)
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)] 320(32.6)
ミッション —
タイヤサイズ 195/65R15
JC08モード燃費 23.4㎞/L
定員[人] 7人
税込価格[円] 3,657,960円
発売日 2019/8/1
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