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三菱eKクロス スペース、eKスペース新車情報・購入ガイド 三菱国内営業の力が試される新型車

CORISM / 2020年2月19日 19時26分

三菱eKクロススペース eKスペース

 

三菱待望の新型スーパーハイト系eKスペースシリーズ登場。しかし、懸念も?


三菱eKクロススペース eKスペース三菱は、新型軽スーパーハイトワゴンの「eKクロススペース」と「eKスペース」を3月19日に発売すると発表した。

先に発売したeKクロスとeKワゴンをベースに、高い全高を持つモデルに仕上げたもので、eKスペースは約6年振りのフルモデルチェンジとなる。また、従来のeKスペースカスタムに代り、SUVとのクロスオーバーモデルとなる新型eKクロススペースを新たに設定した。

三菱にとって、このeKクロススペースは、新規顧客を誘引するために、重要な役割をもつ。eKワゴン系のようなハイト系ワゴンより、eKスペース系のようなスーパーハイト系の方が人気が高く、より多くの販売台数が見込まれるからだ。

また、eKクロススペースは、姉妹車となる日産デイズルークスとは、明確に差別化されたデザインをもち三菱らしさを強調。低迷する三菱の国内販売をイッキに活気付けるための起爆剤としての役割も担う。

ただ、国内三菱の営業力に関しては、少々弱含み感がある。2019年3月にeKワゴン、eKクロスが新型車として登場したのにもかかわらず、2019年のeKシリーズの販売は、44,883台を販売。新型車だというのに、前年比割れし99.6%になっている。日産デイズの前年比は111.3%。三菱の営業力不足が露呈した。

こうした状況がeKスペースシリーズでも起こりうる可能性があり、国内三菱の営業力が再び問われることになる。

 



 

迫力あるデザインのeKクロススペースは売れる!?


三菱eKクロススペース eKスペース新型三菱eKクロススペースは、力強いSUVテイストのデザインを採用。eKスペースは、スタイリッシュで親しみやすいデザインを採用している。三菱車らしい個性的なデザインのクルマに仕上がった。

新型eKクロススペースの外観デザインは、フロントフェイスに三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用。垂直に通したメッキバーと水平基調のグリルを組み合わせ、SUVらしい力強さと安定感を表現している。

彫刻的で立体感のあるキャラクターラインにより前後に突き抜ける勢いのある骨格の強さを表現。タイヤを車体の四隅に配し、それを包み込むバンパーサイドへとつながるフェンダーによって、しっかりと路面をつかんで踏ん張るイメージを強調した。

三菱eKクロススペース eKスペースフローティングルーフやベルトラインからのつながりや、リヤで上部に切れ上がるジェットフィンピラー(Dピラー)を採用して、ガラスエリアを薄いイメージとした。張りがある厚いボディとのコントラストにより、キビキビとした走りを想起させるサイドビューとしている。

また、サイドシルガーニッシュとホイールアーチをブラックとし、前後バンパー下部のスキッドプレート形状部をシルバーとすることで、SUVらしさを強調した。

新型eKクロススペースのボディカラーは、全13色のラインナップだ。テーマカラーのオリーブグリーンメタリック/ホワイトソリッドなどのSUVテイストを引き立たせる6通りのツートーンカラーと、7通りのモノトーンカラーを設定している。

三菱eKクロススペース eKスペース

 



 

ママをメインターゲットにしたeKスペース


三菱eKクロススペース eKスペース新型eKスペースのエクステリアデザインは、フロントフェイスはボディ同色のグリルとして親しみやすい表情とした。しっかりと丁寧に作り込むことで、品質の高さを表現している。ヘッドライトからボディサイドへと連続するキャラクターラインにより、一体感があり伸びやかでスタイリッシュなデザインとしている。

eKクロススペースと比べると、明らかに優しい印象のデザインになっている。メインターゲットは、小さい子供がいるママだ。

eKスペースのターボエンジン搭載車では、グリルをブラックとすることで力強さとスポーティさを演出している。ボディカラーは全9色の設定で、6色のモノトーンカラーと、3通りのツートーンカラーによって多様な要望に応えるラインナップを備えている。

三菱eKクロススペース eKスペース

 

シンプルで質感の高いインテリア


三菱eKクロススペース eKスペース新型eKクロススペースのインストルメントパネルは、水平基調のすっきりとした形状で良好な前方視界と開放感を確保した。オートエアコンのパネルは、上質感と高い視認性を実現したタッチパネル式を採用し、風量調節スイッチと表示部をコンパクトに一体化することで、操作性を向上させるとともにシンプルでスマートなデザインとしている。

各座席の使いやすさを考えた収納スペースや装備を数多く設け、ユーティリティにこだわった機能的な室内空間を作っている。

マルチインフォメーションディスプレイは、アクセルペダルの踏み加減を表示する「エコペダルガイド」や、駐車時の前進/後退を繰り返す際にタイヤの向きや角度を表示する「タイヤアングルガイド」など、多様な情報をカラフルに表示する。

インテリアカラーはブラックを基調に、シート生地にはキルティングパターンを採用することでスタイリッシュかつ上質な空間とした。

また、メーカーオプションで、プレミアムインテリアパッケージを設定。合成皮革とファブリックのコンビネーションとし、ブラウンを基調に、各所にオレンジのアクセントカラーを入れることで、上質感・高級感を演出した。インストルメントパネル周りにはソフトパッドを配し、ワンランク上のプレミアムな空間としている。

新型eKスペースのインテリアカラーは、ライトウォームグレーを基調に、いつでもリラックスして過ごせる空間を追求した。シンプルな柄で明るい配色を施すことでスペースの広さを強調した。

三菱eKクロススペース eKスペース

 



 

クラストップレベルの居住性


三菱eKクロススペース eKスペースパターンジングは、従来車からホイールベースを65mm延長することで、いっそう広々とした快適な居住空間を実現した。

小さい子供のいる家庭での使用を想定。リヤシートのスライド量をクラストップとし、後席足元の空間を従来車より大幅に広げることで、後席の居住性を最大化させた。後席の足元空間は、前席を一番後ろに下げた状態でも余裕を持って座れるほどの空間を確保している。

従来車に比べ、着座位置を高めに設定するとともに、左右の視界の角度を広げることにより、見晴らしが良く死角の少ない良好な視界を実現した。

メーカーオプションで、前席セパレートシートを設定することで、室内での前後の移動がスムーズにでき、後席に子供を乗せたときのケアを容易とした。

後席スライドドアは、開口幅を従来車より大幅に広げるとともに、ハンズフリーオートスライドドアを採用。子供を抱きかかえていたり、たくさんの荷物で両手がふさがっていたりしても、キックセンサーでドアを開閉できるため、容易に乗降できる。

室内の空気を循環させるリヤサーキュレーター(プラズマクラスター付き)を設定し、後席での快適性を高めている。

ラゲッジルームは床面長を従来車から拡大し、後席スライドを最前端の状態では48Lのスーツケースを4つ積むことが可能だ。

三菱eKクロススペース eKスペース

 



 

燃費は・・・、軽量化が今後のテーマ?


三菱eKクロススペース eKスペース新型eKクロススペース、eKスペースに搭載されるエンジンは2機種。マイルドハイブリッドシステムを採用する自然吸気仕様エンジンと、ターボ仕様エンジンを設定。いずれも無段変速のCVTと組み合わせることで、力強く滑らかな加速性能と優れた燃費性能を両立させた。

自然吸気仕様エンジンは、38kW/6400rpm、60N・m/3600rpmの実力で、ターボ仕様エンジンは47kW/5600rpm、100N・m/2400~4000rpmの実力となる。一般的な軽自動車と変わらない実力である。

燃費は、WLTCモードで自然吸気エンジンが20.8㎞/L。ターボエンジンが18.8㎞/Lとなった。ライバル車であるダイハツ タントと比較すると、タントの自然吸気エンジンの燃費は21.2㎞/L。タントはマイルドハイブリッドを搭載していないのに、マイルドハイブリッドを搭載したeKクロススペース、eKスペースより、燃費が良いことになる。

これは、車重が大きく影響していることが要因と予測できる。eKスペースMグレードの車重は940㎏なのに対して、タントLグレードは880㎏。その差は60㎏と大きい。eKスペースシリーズの課題は、軽量化といえるだろう。

ターボ仕様エンジンの搭載車の装備では、ステアリングホイールから手を離すことなく変速操作ができるパドルシフトを採用している。

ステアリングの操舵力とショックアブソーバーの減衰力を最適化することで、低速時はキビキビと軽快な走りを、また高速時はしっかりと安定したハンドリング性能を実現した。

また、日本国内向けのモデルとしては三菱自動車初となるヒルディセントコントロールを搭載した。急な下り坂や滑りやすい斜面を下るとき、電子制御により低車速に抑えることで安心の走行を実現するものだ。制御中の車速調整範囲を約4~20km/hと幅広く設定することで、使い勝手の良いものとしている。

 



 

充実した予防安全装備だが・・・


三菱eKクロススペース eKスペースeKクロススペースとeKスペースの運転支援機能や予防安全装備では、同一車線運転支援技術の「マイパイロット(MI-PILOT)」を設定。高速道路において車両側がアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援し、同一車線内を維持しながら、ストップ&ゴーを繰り返すことができる。高速道路での渋滞走行や、長時間の巡航走行においてドライバーの負担を軽減。また、うっかり追突や接触リスクも大幅に低減してくれる。

「マイパイロット(MI-PILOT)」の性能を従来のモデルから向上させ、ミリ波レーダーを追加することで、追い越しの際ウインカーを出すと設定速度内で加速しスムーズな追い越しをアシスト。また、ワイパー作動時の機能も向上させている。エンジンオフ時も前回設定した車間を保持するなど、ドライバーの負担を更に軽減。

また、予防安全技術である「三菱 e-Assist」を標準装備し、全車「サポカーS ワイド」に該当させている。ドライバーの負担を軽減し、乗る人すべてに安心・安全を提供するものだ。

「三菱 e-Assist」には新たな 4つの新機能が加えられ、安全性がさらに向上した。

・前方衝突予測警報[PFCW]
2台前を走る車両をミリ波レーダーでモニターし、急な減速など自車からは見えない前方の状況変化を検知する。減速が必要と判断した場合には、警報ブザーとインフォメーション画面表示でドライバーに注意を促し、ブレーキの踏み遅れによる追突事故の回避をアシストする。

・ふらつき警報[DAA]
走行中、ドライバーのハンドル操作から注意力が低下していると判断した場合には、インフォメーション画面表示と警報ブザーによりドライバーに休憩を促す。

・標識検知[TSR]
車両進入禁止標識、最高速度標識、一時停止標識を検知し、警報ブザー(車両進入禁止標識のみ)とインフォメーション画面表示でドライバーに注意を促し、標識の見逃しを予防する。

・先行車発進通知[LCDN]
信号待ちなどで停車中に、先行車が発進しても自車が停止し続けた場合、警報ブザーとインフォメーション画面表示で、ドライバーに先行車の発進を通知する。

三菱eKクロススペース eKスペースほかに、メーカーオプションでアダプティブ LEDヘッドライト[ALH](光軸自動調整機構付き)を設定した。ALHは対向車や先行車にハイビームを照射しないよう、自動的に照射範囲を制限することで、対向車や先行車を幻惑させることなく、自車からの視認性を確保する。

そして、ライトのスイッチからOFFポジションを廃止。周囲の明るさに合わせて自動でヘッドライトを点灯・消灯するオートライトコントロールを常時作動させることで、ヘッドライトのつけ忘れを防止した。

軽自動車では数少ない、運転席SRSニーエアバッグをeKクロススペースに標準装備化。計7つのエアバッグを搭載し、衝突時の身体全体の保護効果を向上させている。

充実した予防安全装備を用意しているが、肝心な歩行者検知式自動ブレーキは、夜間の歩行者と自転車には対応していない。ライバル車であるN-BOXには、こうした機能が付いていることから、更なる性能向上に期待したい。

 



 

三菱eKクロススペース、eKスペースのグレード選び


三菱eKクロススペース eKスペースeKクロススペース、eKスペース共にバリエーション構成は共通。いずれもベースグレードのM、充実装備のG、ターボ仕様のエンジンを搭載したTの3グレードの構成である。

eKクロススペースとeKスペースの違いは、主に外観デザイン。これにヒルディセントコントロールの有無が加わるが、逆に室内の空気を循環させるリヤサーキュレーター(プラズマクラスター付き)は、eKスペースのGとTには標準装備だが、eKクロススペースのGとTではオプション設定になっている。さらに、ニーエアバッグはeKクロススペースには標準装備だが、eKスペースにはオプション設定になっている。その他、装備には若干の差がある。

これで、eKクロススペースとeKスペースの価格差は、グレードにもよるが22万円から25万円程度とかなり大きめだ。デザインが気に入るかどうかが問題なので、どちらがお勧めとは言いにくいが、eKスペースのほうがリーズナブルな印象である。

グレード間の価格差は、eKスペースでは ベースグレードのMが1,655,500円なのに対し、Gは1,771,000円と12万円ほど高くなる。Tはさらに8万円ほど高い1,859,000円だ。いずれもFF車の例で、4WD車は13万円ほど高くなる。

Mは装備が貧弱である上に、オプション装備を選択できないものも多いので、あえて選ぶまでもないグレードだ。Mにすると外観に違いがあるほか、助手席側ハンズフリーオートスライドドアのような便利装備が省略されているからだ。結果的にGかTかを選ぶことになる。

GとTではエンジンに違いがあり、さらに装備の違いもあるが、高速道路を使って長距離を走る機会が多いユーザーならTのほうが良いだろう。街中を中心に使うならGで十分だ。GとTの装備の違いはあまり多くはなく、パドルシフトとアルミホイールの有無が大きなものだ。

eKクロススペースは、グレード間価格差にやや違いがあり、Mが1,399,200円なのに対してGは1,542,200円と15万円ほど高くなり、Tは1,635,700円でさらに9万円ほど高くなる。装備の違いなどは『eKスペース』に準じるので、クルマの使い方によってGかTかを決めたら良い。

 



 

三菱eKクロス スペース、eKスペース価格


・eKクロス スペース

三菱eKクロススペース eKスペースM 2WD 1,655,500円/4WD 1,787,500円

G 2WD 1,771,000円/4WD 1,903,000円

T 2WD 1,859,000円/4WD 1,991,000円

・eKスペース

M 2WD 1,399,200円/4WD 1,531,200円

G 2WD 1,542,200円/4WD 1,674,200円

T 2WD 1,635,700円/4WD 1,767,700円

 

三菱eKクロス スペース燃費、ボディサイズなどスペック


代表グレード eKクロス スペース G

全長/全幅/全高 (mm) 3395/1475/1780

ホイールベース (mm) 2495

トレッド 前/後 (mm) 1300/1290

車両重量(kg) 960

最小回転半径 (m) 4.8

燃料消費率(㎞/L)  JC08モード 26.4/WLTCモード  20.8

エンジン型式 BR06

三菱eKクロススペース eKスペース総排気量 (㏄) 659

最高出力 (kW[PS]/rpm) 38[52]/6400

最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 60[6.1]/3600

モーター型式 SM21

最高出力 (kW[PS]/rpm) 2.0[2.7]/1200

最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 40[4.1]/100

動力用主電池 種類 リチウムイオン電池

ミッション CVT

サスペンション形式 前/後 ストラット式/トーションビーム式

タイヤ   165/55R15

 



 

三菱車新車情報・試乗評価一覧

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